ロボット物SS総合スレ 3号機at MITEMITE
ロボット物SS総合スレ 3号機 - 暇つぶし2ch50:創る名無しに見る名無し
09/06/04 00:21:00 tAeoiv71
まとめwiki、まだ更新されてないな。
更新履歴が2009-05-22のまま。

51:創る名無しに見る名無し
09/06/04 00:22:16 15vYyYUS
まーwikiは皆で作っていくものだけどねー
デザイン決めてくれないと書こうにも書き込めない

52:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:23:50 m9f/r3dC
失礼します。

53:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:25:01 m9f/r3dC
 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男の住まいでもある悪山研究所は、背の高い枯れ草に覆い隠されていた。
 ロボヶ丘市外れの荒れ地である。徒歩なら数分ばかり山に分け入らなければならず、わざわざ訪れようという者でもなければ目にす
る機会もそうはないはずだった。
 雑木林の中にぽっかりと開けた土地は、緑というのも憚られる色の濃い木々に囲まれ、陸の孤島といった風情であった。
 門前にはシロアリに食い荒らされた板状の木材が無造作に立て掛けてあり、墨で書かれたひどい癖字が、ここが「立入り禁止」であ
る旨を告げている。
 生えるに任せた藪に埋没するように建てられた和洋折衷の一軒屋は、持ち主の荒んだ心の表れのようでもあった。
 もっとも、柵で仕切られた敷地内は存外に手入れが行き届いており、不作法な茅の侵入も目立たない。
 玄関口に整然と並べられた陶器の鉢が、色とりどりの季節の花を咲かせていた。軒先に遠慮がちにスタンドを下ろした赤い自転車の
上品な光沢が陽光に眩しい。 
 長い歳月に渡って風雨にさらされた建物は、廃墟と呼んでも差し支えないほどくたびれている様子だったが、それらのために瑞々し
い生活感を失っていなかった。
 人里からやや離れた林間の研究施設は、いつもは寂しいほどに静かだった。強いて鳥達を騒がせるものといえば、まれにマッドサイ
エンティストの地下活動が引き起こす、爆発音や機械の唸り、謎の地響きくらいのものだ。
 だが、その日ばかりは、いつもとは少し趣きが異なっていた。
「出て行けというとろうがゃぁっ!」
 しわがれた怒鳴り声がこだまする。
 摩り硝子を張った研究所の扉がけたたましい音を立てて開かれ、若い女が勢いよく転がり出た。
 レディ・ビジョンという暗号名で呼ばれるその女は、庭先で平然と体勢を立て直す。
 黒に限りなく近い灰色のスーツの土埃を払い、癖のようにずれてもいない眼鏡に手をやると、ちょうど自分を突き飛ばした男がサン
ダルを突っ掛けて玄関から出てくるところだった。
 老爺である。
 身長は低めだが背筋はぴんと伸びて、物腰はかくしゃくとしていた。糊の利いた白衣をいかにも着慣れたようすで羽織り、長い裾を
恐竜の尾のように流してずんずんと歩く。
 やや後退した頭髪は、白髪のために遠目には薄い灰青色に見えた。顎先に同じ色の髭が茂っている。
 皺だらけの顔は、どこか風化した鉱物めいて恐ろしい。
 気難しそうに引き締められた唇ががばりと開かれる。
「ワルサシンジケートじゃとぅ? 誰が貴様らなぞに手を貸すものか! この悪山悪男を何者だと心得るか!」
 強靭な意志を窺わせる眼差しには、燃えるような怒りがあった。
「悪の天才・悪山悪男ぞ! 儂は、悪であっても外道ではない!」
 口角泡を飛ばしながら、老博士は大喝した。
 言っていることは無茶苦茶だったが、有無を言わせない年嵩の重みがある。巨大犯罪組織ワルサシンジケートの構成員として修羅場
をくぐってきたレディ・ビジョンでも、ややもすれば気圧されそうになるほどだった。
 ―ロボヶ丘に在住する在野の技術者、悪山悪男を味方に引き入れること
 それが、上司であるイッツァ・ミラクルからレディ・ビジョンに下された命令だった。
 破格の条件を揃えてじきじきに出向したのだが、交渉に入る前に破綻した。
 不用意に素性を明かすほど彼女も迂闊ではない。表向きは犯罪行為とは無縁のダミー企業を新たに創立し、そこの開発主任として迎
え入れるという手筈だった。
 しかし、悪山悪男の勘働きは衰えていなかった。二、三語言葉を交わすなり「さてはお前さんワルサじゃろ? ワルサじゃな? な
らば出て行けぇ!」とレディを追い出しに掛かったのである。実際に彼の直感は的中しているわけだが、決めつけ方はどこか偏執狂じ
みてもいる。おかげで手の掛かった計画が水泡に帰した。

54:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:27:31 m9f/r3dC
 悪山悪男は、研究所の奥に向かって声を張り上げる。
「エリス! 塩じゃ! 塩! 瓶ごと持ってきてくれ!」
「だめです。またお花枯らすから」
 廊下を響いて伝わった少女の返事は、ひどく冷たかった。
 途端に、悪山悪男が硬直する。どうやら前科があり、そのときも彼女に叱られたらしい。さっきまでの激怒が嘘のような、ひどく情
けない表情を浮かべていた。
 レディ・ビジョンは鉢植えをちらと見た。資料によれば、悪山エリスは偏屈な彼が溺愛している孫娘で、足繁く研究所に通っては家
事手伝いをしているという。悪山悪男は花を愛でるような人物には見えなかったが、これらは彼女が世話をしているものらしい。
「とにかく! 儂は貴様らに協力などしないからな! 覚えておけっ!」
 削がれた気勢を繕うように裏返った嗄れ声で言い捨ててから、悪山悪男は慌てて研究所の中に引き返していった。戸締まりの仕方も
どこかバツが悪そうだった。
「あの……エリスちゃん? 違うんじゃあ、今のは……、な、ナメクジを退治しようと……」
「―嘘つき」
「ままま待って? ちょっと待って? ……わ、儂は、儂ゃあ、あー、えーとその、つまりー」
 扉越しにしどろもどろな弁解の台詞が聞こえる。それもだんだんと薄くなっていき、やがて玄関先に静寂が戻った。
「…………」
 レディ・ビジョンは、呆然と立ち尽くしていた。
『やはり拒否されましたか』
 通信機能のあるピアスが震えた。わざとらしい嘆息の主は、イッツァ・ミラクルその人だった。
「恐縮ですが最上級ワルジェント、イッツァ・ミラクル。あの老人はそれほどの人物なのですか?」
 懐柔するにせよ脅迫するにせよ、いかにも骨が折れそうな手合いだった。只者でないことは明らかだったが、そこまでするだけの価
値があるのかというと疑わしいものがある。
『そうですよ』
 男性にしては高めの声には、どこか楽しむような響きがあった。
『彼のティラノザウルスのロボット、連敗こそしていますが、技術じたいは我々やE自警団より遥かに上、何世代先をいっているのか
分からないほどです。ネクソニウムなどという宇宙のミラクルも使わず、ネクソンタイプとほとんど互角に戦える巨大ロボットとは、
まさにイッツァミラクル!(それは有り得ないほど素晴らしい!)』
 最大級の感嘆を籠めて、口癖を繰り出す。
『世界最狂から数えて九番目の男、悪山悪男。先代のドン・ワルザックが各界の重鎮に根回ししてでも手に入れたがった、一種の巨人
ですね。あなたにとって分かりやすいところでは、ドクトルポイズンが私淑していた人でもあります』
「あの悪の巨大頭脳・ドクトルポイズンがですか?」
 唯我独尊を地でいく横柄さを思い出し、レディ・ビジョンは驚きを隠せない。
『発表以来、字が汚すぎて誰にも理解できなかったという伝説の悪山ノートの解読にミラクル的に成功したのが、当時からシンジケー
トにいた彼らのチームなのです』
 イッツァ・ミラクルはしみじみと過去を語る。時に大仰な語り口となるのも彼の特徴のひとつだった。
『何を隠そう、ワタクシも十年ほど昔、まだ暗号名もイッツァ・ミラクルではなかった幹部候補の頃です、孫娘のエリスちゃんを拐か
してご協力いただこうとしたことがありました』
 そこで事実を誇張するように抑揚をつけた。
『……今生きていられるのがミラクルですよ。ええ、まさかあの可愛らしいリボンにあんなド外道な仕掛けがあろうとは。それ以降、
リボンの女の子はワタクシ大嫌いです』
 レディ・ビジョンの手は、無意識に髪に伸びていた。リボンは、ついていない。
 そのことに安堵しつつ、悪に身を捧げた女は大きく深呼吸した。
(田所カッコマンの件での失敗の分、必ず挽回してみせる……! 必ず!)
 レディ・ビジョンの灰色の瞳は、来る者を拒むように聳え立つ研究所を睨み据えた。
 


 第5話  恐怖! シロガネ四天王現る!




55:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:29:41 m9f/r3dC
 ※

「ボクの名前はカッコマンエビル。分かりやすくいうなら、悪のカッコマン……さ」
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ張りの登場をした悪の神速飛翔ロボ・シロガネソニック。嘲りを含んだ声が告げたそのパイロット
の名を聞いて、セイギベース4に戦慄が走る。
 恐るべき悪の総本山・ワルサシンジケートからの刺客。シロガネ四天王いちのスピード、カッコマンエビル!
 セイギベース3司令室の大型モニタは、神速飛翔ロボ・シロガネソニックを様々な角度から捉えた映像に埋め尽くされていた。
 銀翼と化した両腕で虚空を抉る、機械仕掛けの鳥人。美しい機体だったが、不気味な悪意のような気を全身から発している。
「黙れッ! 今のお前に、カッコマンを名乗る資格はない!」
 はぐれ研究員・龍聖寺院光は手にメガホンを握り締め、怒りを露わに叫んだ。正確にはそれじたいは拡声器ではなく、屋外のスピー
カー設備に音声を入力する装置である。
 カッコマン。もしくはカッコウーマン。
 武闘派市民団体・E自警団が、擁する巨大ロボットの専属パイロットとなった者に託す呼び名である。それは、伊達や酔狂でという
以上に、正義のヒーローとしての自覚を彼らに促すものでもあった。
 悪がカッコマンを騙るなど、許されることではない。
「ほう」
 研究所外にこだまする龍聖寺院光の怒鳴り声を聞いて、カッコマンエビルはことの奇遇さを笑った。
「ここの責任者はあなただったんだね。武御雷光華琉(たけみかづち ひかる)姐さん」
「それは昔の偽名だ馬鹿め!」
「博士落ち着いてください」
 大型モニタに跳び蹴りをかましそうな剣幕の龍聖寺院光を、田所正男は必死に止めた。さりげなくはぐれ研究員の若気の至りが暴露
されていたが、現在とさほど変わるものでもない。
「それより博士! あなたは彼のことをご存じなのですか?」
 田所正男は尋ねる。口振りから二人が旧知の間柄らしいことは明らかだった。
「ああ、間違いない。悪のカッコマン……カッコマンエビル! 昔の名を森本カッコマン! かつてネクソンタイプを手土産にE自警
団を裏切った、裏切り者だ!」
 龍聖寺院光は、憤怒のあまり自らの表現の重複にも気づいていないようだった。メガホンがみしみしと軋んでいる。
「フッ。その名前はとうに捨てましたよ」
「カッコマンは捨てられなかったようだがな」
「これはおかしなことを。ボクは今でもこんなにカッコイイというのに」
 冗談めかしたカッコマンエビルの声には、正義の代名詞とされるカッコマンへの皮肉の響きがあった。
 はぐれ研究員・龍聖寺院光と、元森本カッコマン・カッコマンエビル。話題は彼らにしか分からない貶し合いへと発展していく。
 映像を介さない音声だけの応酬には、しかし互いの呼吸を体で覚えているような軽妙さがあった。田所正男の知らない、彼らの黄金
時代の残り香なのだろう。完全に二人だけの世界が構築されていた。
(カッコマンエビルか……)
 自分以外の全てを嘲弄するような、妙に癇に障る喋り方をするこの青年も、かつては愛と勇気を胸に巨大ロボットを駆って、巨大な
悪と戦ったのだろうか。
 会話に入っていけない田所正男は、ひとり拳を握り締めた。
 取り残された孤独感、カッコマンエビルに対する悪印象、ある種の嫉妬にも近い負の感情が、このとき彼の胸の奥にわだかまってい
たことは否定できない。

56:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:30:49 m9f/r3dC
 しかしそれでも。
(俺が性根を叩き直して、必ずヤツを森本カッコマンに戻してみせる!)
 田所正男の瞳には、決意の光があった。
 カッコマンエビルに引導を渡し、正義の心を甦らせる。
 それが、今のカッコマンとして自分に出来ることだと彼は信じたのだ。
「博士! 俺は最強無敵ロボ・ネクソンクロガネで出ます!」
「……っ!? ああ!」
 我に返ったような龍聖寺院光に、田所正男は微笑み掛けた。
「行ってきます。博士」
「そうか! 頼んだぞ田所カッコマン! だが気をつけろ! 敵は、ひとりじゃない!」
 警告に頷きを返し、愛の戦士は走り出す。
 セイギベース4を襲った悪の剛力無双ロボ・シロガネマッスルも、既に移動を開始していた。
(そうそうにこのカッコマンエビルをなんとかしなければ、二対一に持ち込まれてしまうことは必定……!)
 それどころか、二体の他に悪の巨大ロボットが参戦しないという保証はどこにもないのだ。
 シロガネ四天王。
 彼らの口にした不吉な名前を思い出して、田所正男の体に、恐怖からとも武者震いからとも知れぬ鳥肌が浮いた。


 ※

「待たせたな、シロガネ四天王いちのスピード・カッコマンエビル!」
 魂にも響く若者の声に遅れること数瞬、空の高みより降臨する巨大な物体。母なる大地へのいたわりのために着地はやわらかい。だ
が、人の心の幸せを壊す悪ならば容赦なく踏み砕くだけの力を持っている。
 それは、不動明王の化身とでもいうべきスーパーロボットだった。
 頑強な皮膚はどこまでも黒く、表面に星の煌めきを映しとっている。全身を駆け巡る金色の光は、夜行蝶が俯瞰した街の灯しび。
 カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ。その威風堂々たる出陣だった。
 対峙する黒と白、二体の巨大ロボット。
「ううん、今来たところさ」
 逢い引きの待ち合わせのようなふざけたことをいい、カッコマンエビルが臨戦態勢に入る。
 悪の神速飛翔ロボ・シロガネソニックの巨体が離陸。地面から数メートルの距離で静止する。まるで重力を操作しているような不可
解な空中浮遊だった。
 ワルサシンジケートの技術力に慄然としながらも、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの操縦桿を握る田所カッコマンは、果敢に先制
攻撃を仕掛ける。
 内蔵兵器を起動。
 装備箇所は左右の肩当て。金の装飾に紛れたハッチが重たげにスライドし、下の兵装に命が吹き込まれる。
(ワルレックス級の重装甲にはともかく、空を飛ぶために体重を削ぎ落とした敵にならば通用するか)
 我こそはと唸り声を上げるのは、各六門の砲身を束ねた回転式機関砲が二基。
「ネクソンクロガネバルカン!」

57:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:32:03 m9f/r3dC



『ネクソンクロガネバルバルバルカン!』
 作詞・作曲・歌/ネクソンクロガネバルカンズ


 バルカンは弱い 巨大ロボ全盛期
 こめかみからバババ やられメカすら倒せない

 剣にビーム 空飛ぶ拳 突進攻撃
 ド派手な必殺武器 俺の出番はまだ来ない

 スペックシート 武装の欄の賑やかし
 だけどしっかり 役に立つんだ
 せめて今日は 敵を牽制するよ

 ババババ バル バルカン バルバル バルカン
 ババババ バル バルカン バルバル バルカン 
 いつか必殺 バルバル ネクソンクロガネバルカン

 バルカンはしょぼい いつの間にお約束
 肩口からバババ 逃げ惑うのは生身の人だけ

 ドリルにキャノン 火炎放射に パイルバンカー
 トドメは最強武器 俺は脇を固めるぜ

 全身火器の 武装の欄に花を添え
 だけどやっぱり 役に立ちたい
 せめて今日は 敵を引き立てよう

 ババババ バル バルカン バルバル バルカン
 ババババ バル バルカン バルバル バルカン
 いつもおそばに バルバル ネクソンクロガネバルカン

 ババババ バル バルカン バルバル バルカン
 ババババ バル バルカン バルバル バルカン
 愛と勇気の ネクソンクロガネ バルバル バルカン



「悪は滅びよ!」
 徳の高い僧侶のような厳めしい台詞を唱え、田所カッコマンは白銀の悪魔に機関砲の集中砲火を浴びせる。
 悪の神速飛翔ロボ・シロガネソニックは、その名から予想される高い回避性能を発揮しなかった。ふてぶてしい態度は、バルカンの
ごときは躱すまでもないと言いたげであった。
 実際に、砲弾の豪雨を銀翼に浴びながら、シロガネソニックは無傷だった。分子一個分すら削れているか怪しい。カッコマンエビル
は呆れと哀れみの入り混じった声でぽつりと呟く。
「あのさ……その武装、もう外した方がいいよ?」
「やはりダメだったか……」
 田所カッコマンはヘルメットの下で目を伏せる。考えが甘すぎたと言わざる得ない。「敵にまで同情されるネクソンクロガネバルカ
ンの活躍の場はこの先来るのだろうか」などとどうでもいいことまで心配する。

58:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:35:53 m9f/r3dC
 実はネクソンクロガネバルカンは、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネにくっついているというだけで、その性能は型落ちの近代兵器
と何ら変わりない。防御力偏重の巨大ロボットを相手に、これほど頼りない武装はなかった。
「超ネクソン白鋼をふんだんに使ったボクのシロガネソニックは、軽くて強くて丈夫なのさ。しかも、美しい」
 聞いてもいないことを自慢たらしくぺらぺら喋るカッコマンエビル。しかし、彼によって明かされた事実に、田所カッコマンはネク
ソンクロガネバルカンが通用しなかったこと以上に衝撃を覚えた。
「何だって!? こいつもネクソンタイプだというのか……!?」
『ワルサシンジケート。……それほど大量のネクソニウムを確保していたとはな』
 龍聖寺院光もまた深刻そうに腕組みをした。もしシロガネ四天王の巨大ロボットが全て超ネクソン白鋼製なのだとしたら、それはも
はや最強無敵ロボ・ネクソンクロガネといえども一機でどうこうできる事態ではない。
「これならどうだ!」
 カメラアイの下、隈のように開いた砲口の深淵に、亜空間から重金属粒子群を大量転送、莫大なエネルギーを添加して野に放つ。最
強無敵ロボ・ネクソンクロガネの内蔵兵器最大の破壊力を誇る高出力金属粒子ビーム。
「ネクソンクロガネビーム!」
 全てを磨滅させる光の帯が、宙に伸長していく!
「思ったほどの射速じゃないね」
 神速飛翔ロボ・シロガネソニックが機体を上昇。鳥人ハルピュイアを思わせる翼が発生させる推力で、苦もなく射線から逃れる。
 それは恐ろしい速さであった。田所カッコマンの動体視力では追いつかず、突然に消え、突然に現れるようにしか見えない。ほとん
ど瞬間移動に近いものがある。
 その度に発生する強烈な衝撃波の煽りを受けて、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの体勢が崩れる。
「へぇ……。そこらのロボットならソニックブームだけでお釈迦だ。伊達にネクソン名乗ってないってことか」
 本来それは、掠めただけで敵を斬り裂く、神速飛翔ロボ・シロガネソニックの攻撃手段であるらしい。
 衝撃波を浴びせ掛けるために、着かず離れずの至近距離を超音速で疾駆する銀翼の巨大ロボット。他に携行武装は見られず、敵との
接触をひどく嫌っているようだった。
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが目許からビームを放ちながら太い首を動かして捉えようとするが、シロガネソニックの立体機動
の前に翻弄され、虚しく空を薙ぐのみ。
「くそっ! 狙いが定まらん!」
「ボクに当てようと思ったらさあ! レーザー光線でも持ってくるべきだね!」
 田所カッコマンはネクソンクロガネビームの照射を中断し、挑発するように空中を自在に飛び回るシロガネソニックを観察した。
(まずい、状況だな)
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは、基本的には鈍重な部類の巨大ロボットである。自然、初手には比較的高速のネクソンクロガネ
ビームが選ばれていた。そしてネクソンクロガネビームは強力すぎるため、大抵は一撃で決着がついてしまう。それが通用しないとな
ると格闘戦に突入することになるが、田所カッコマンのまともな戦闘経験はさほど多くない。
 まして三次元となると全く未知の領域だった。最強無敵ロボ・ネクソンクロガネに飛行能力はない。滞空時間の長い大跳躍ならば可
能だったが、それで神速飛翔ロボ・シロガネソニックに対抗できるはずもなかった。
 救いはシロガネソニックの衝撃波攻撃が、ネクソンクロガネの重装甲を通らないことだった。このまま延々と直撃を食らい続ければ
ともかく、今のところは千日手といっていい。
(だが、まごまごしていると敵の援軍が到着する……!)
 焦る。焦る。焦る。
 頭に昇った熱い血を使って、田所カッコマンは思考する。
 これまで生きてきた経験。書物で読んだ知識。誰かから教わったこと。すべてが彼に味方する!

59:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:36:56 m9f/r3dC
 思いついたことがあった。
「……教えてやろう。なぜ最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが“鋼の王”と呼ばれているのか!」
「……初めて聞くけど?」
「必殺! ネクソンクロガネビーム!」
 不敵な笑みを、はったりでは終わらせない。
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの下瞼に、アルミホイルの切れ端のような金属片と、砂鉄のような金属の微粒子が発生。ただしそ
れはエネルギーを滾らせることもなく、霧のように空気中に拡散していった。
 そのままロボットの関節可動を利用して、首を360度回転。
 まるでビームの態をなしておらず、やや上空を旋回するシロガネソニックにも全く届いていない。風に煽られるままの薄片と粉塵が、
一帯で浮遊と沈殿を繰り返すのみである。
「何だそれ? まさか煙幕とかチャフのつもりなの? ばればれなんだけど」
 ともすれば沙漠の砂嵐のような量だったが、さして脅威とも思えなかった。
 カッコマンエビルは、もう幾度目になるのかも分からない衝撃波攻撃を敢行。これまで通り、手も足もビームも躱せる軌道を神速で
飛翔する。
 しかし今回に限って、神速飛翔ロボ・シロガネソニックが発火した。
「え?」
 いや、それは発火などという生易しいものではない。
 摩擦熱によって一瞬にして蒸発した金属群の膨張が生み出す、空間の爆轟だった。カッコマンエビルの視界を支配する激しい発光。
乱気流がシロガネソニックの翼を殴りつけ、操縦桿を奪う。
 それだけではない。超高水圧によって物体を切断する工業機械であるウォータージェットの水には、削る力を高めるために砂鉄が混
ぜてあるが、大気中に散布された金属粉は今、それと同じ働きをしてシロガネソニックの機体に甚大なダメージを与えるのだ!
 転移させた物質を融点や沸点を違える数種に合成することで、複数の効果を実現したネクソンクロガネビームの応用。
「命名!! ネクソンクロガネストーム!!」
 これでもまだ致命的な損傷ではない。カッコマンエビルが、火達磨となったシロガネソニックを思わず減速させる。
 だが、それこそが田所カッコマンの狙い。
 そこは衝撃波を浴びせ掛けるための、着かず離れずの至近距離。他に携行武装は見られず、接触をひどく嫌っているようで。
「ここで一度負けて」
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの豪腕が唸る。
「龍聖寺院博士に謝ってこい!」
 ネクソンクロガネパンチ。
 鋼の王の鉄拳制裁が、神速飛翔ロボ・シロガネソニックを捉えた―!!




60:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:37:50 m9f/r3dC
なんかえらい長くなりそうだったので一端切ります。
なお、科学考証は例によってインチキ。
前回から止むなく文章の方向性を変えてますが、これは前のテンポが良いかも。
自分でも迷走してるなあとは思うんですけど、ノリだけではなかなか。
やっぱ四人は多すぎたよなぁ・・・と悩みつつ。

61:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(前編)
09/06/04 06:46:38 m9f/r3dC
うげっ。>>55の五行目はこれ「ベース3」ですね。
なんかここんとこ毎回ミスがあるな・・・

62:創る名無しに見る名無し
09/06/04 10:07:51 igtDEYed
気合、根性で勝つように見せかけて、結局は機体の性能差

63:創る名無しに見る名無し
09/06/04 18:17:18 VwRKN7fe
前のテンポも良かったけど、今のノリも中々いいですよ。
機転を利かせた発想でピンチを凌ぎ、シロガネソニックに豪腕炸裂!
鋼の王の鉄拳制裁はどれほどのダメージを与えたのか、そして残る敵の巨大ロボは!
続きが気になる展開です。

64:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/05 07:25:24 OyOQShVw
な、なんというペースなんだ! ◆46YdzwwxxU氏は化物か!?

相変わらずのノリとテンポ、惚れてしまいます
そしてカッコマンエビルがテッカマンエビルに見え(PAM!

65: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/05 15:52:33 wRvo0pen
今まで自分が書いた文が、海上都市姫路守備隊戦記39KB。
ネクソンクロガネは調べてみたら78KBで二倍も差がある。
追いつけるようにもっと頑張らないとな。

66:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(後編)
09/06/06 11:41:08 ZAeNiEjt
投下させていただきます
前編からそのまま続きます

67:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(後編)
09/06/06 11:43:22 ZAeNiEjt
 ネクソンクロガネパンチは、確実に神速飛翔ロボ・シロガネソニックの腹を打突する軌道に乗っていたはずだった。
 しかし直後に、田所カッコマンは瞠目することになる。
 振り抜かれた最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの腕は、拳ひとつ分ほどシロガネソニックから逸れ、空を切ったのだ。
 もっとも、田所カッコマンの驚愕の理由はそれではない。どうして打点がずれたのかは明白だった。それはカッコマンエビルの緊急回
避が間に合ったからではない。
 殴打する動作じたいに干渉があったからだ。
 超特急新幹線などよりも桁違いに重く速いネクソンクロガネパンチに横殴りに衝撃を与えて、その弾道を捻じ曲げた者がいる!
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの前腕に、凹みが生じていた。直径50センチメートルばかりのそれは、隕石が落下したクレーター
を思わせる。砲弾の痕だった。
『馬鹿な!? 最強無敵を謳われた超ネクソン黒鋼の装甲に!?』
 司令室のはぐれ研究員・龍聖寺院光の悲鳴。それほどの異常事態だった。これまでの激戦を通して、内部機構に不具合は生じたことは
あっても、装甲が損傷したことは一度たりともなかったというのに!
「こんなことができるのは……!」
 田所カッコマンは右方を向いた。これが本職の狙撃手ならば、不用意に誰かに姿を晒すような真似はすまいが。
 果たしてそこにあったのは、月からの逆光に浮かび上がる三つのシルエット。
 一夜にして新たに建造された高層ビルか。馬鹿な。
 それこそが敵影。夜空に食いこんだ銃弾にも似て禍々しき。
「ちぇっ! もう来た」
 カッコマンエビルが唇を尖らせる。台詞とは裏腹に、声調には安堵の響きがあった。
 神速飛翔ロボ・シロガネソニックが羽ばたき、大きく弧を描いて彼らに合流。
 そうして、四体の超級巨大ロボットが遂に、月夜のロボヶ丘に揃い踏みした―!!
『なんてことだ……』
 龍聖寺院光の呆然とした声が届く。気丈な彼女にも、今にも崩れ落ちそうな気配があった。
「こいつらがそうなのか……?」
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの操縦桿を握る田所カッコマンの手には、じっとりと汗が滲んでいた。内臓の機能に異常を来たし、
吐き気を催すほどのプレッシャーを感じる。
 ネクソンクロガネストームの閃光に眩んでいた瞳が暗順応。次第に彼らの正体が明らかになる。
 体型や武器の差はあっても、銀の粒を表面にまぶしたような、美麗な白色だけは違いがない。
 神速飛翔ロボ・シロガネソニックと同じ、超ネクソン白鋼の質感だった。
 彼らこそは、白銀に統一された無法の戦士。悪の総本山によって送り込まれた刺客。恐怖の巨大ロボット軍団。
 すなわち―
「忍耐とはスナイパーの美徳だ」
 四人のうちの一人、向かって左端に立つ、細長い影が口火を切った。
 長大な銃身のライフルを手にした彼は、巨大ロボットを狩る猟兵。
 猟銃をくるくるとステッキのように回し、銃把を下にして大地に突き立てる。天を指す銃口からは、白煙が靡いていた。ネクソンクロ
ガネパンチを射ち抜いたのもそれか。
「たとえ飢え死にしようとも、糞尿を垂れ流そうとも、藪蚊に刺されようとも。じっと好機を待ち、決して外さない……。それ故に我が
名はスナイパーガマン。シロガネ四天王いちのスナイパーだ」
 左目には無骨な眼帯、恐らくは照準器に類する装置を当てていた。
 全身の模様は、シロガネマッスルは赤、シロガネソニックは青だったが、この機体は黄であった。ヤドクガエルの警戒色のように鮮や
かで、白色の強い装甲にも埋没しない。眼帯のない右カメラアイを中心として爪先まで、一定の間隔を置きながら拡大していく同心円の
パターン。自分自身をターゲットと見立てたような、ひどく奇異な装いだった。
「私の愛銃を紹介しよう。百発百中ロボ・シロガネスナイパー」
 操縦席で叫ぶのは、厚手の防弾服に似たパイロットスーツを着た壮年の男。
 胡麻色の髪をオールバックに纏め、左目には巨大ロボットと同じくスコープを装着していた。
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを前にしての余裕ある態度からは、豊富な経験に裏打ちされた自信が見て取れる。
 四天王いちのスナイパー・スナイパーガマン、百発百中ロボ・シロガネスナイパー。それが一人目。

68:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(後編)
09/06/06 11:45:03 ZAeNiEjt
「前から思っていたんだけど」
 右隣。気だるげな声で、やや蕩の立った女が続く。
 芸術的な曲面を繋ぎ合わせた西洋甲冑だ。前方に張り出した胸甲の滑らかなラインは、その巨大ロボットが女騎士の特注品であること
を如実に表していた。
 何より目を引くのは、それが携える剣か。取り回しの楽そうな適度な長さ。両刃が放つ光沢は鎧のものよりも一層強く、凄絶な切れ味
を予想させる。
「四天王いちじゃあ、凄いんだか凄くないんだか分からないんじゃないかしら。四人ぽっちの中で一番だから何なの?って思ってるわよ、
カレ、きっとね。世界いちとは言わないけど、シンジケートいちくらいは名乗りたいものだわ」
「身も蓋もないな」
 スナイパーガマンが失笑する。
 騎士鎧の優美さを損なわないよう配慮された板金の継ぎ目に、不気味な緑の光が嗤うように蠢く。ヤコウタケという茸が夜に発するも
のに似ていた。兜の頭頂から伸びた、馬の尾のような毛髪の飾りも同じく。総じて亡霊じみてもいた。
「そう言うアタシは四天王いちのテクニシャン・切り裂きジャンヌ。で、この子は一騎当千ロボ・シロガネブレード。たぶん、この一夜
限りの付き合いだけれど、よろしくね」
 地味なライダースーツで強調された豊満な胸を反らし、女は蕩かすような声を発した。白い肌に浮いた口許には妖艶な微笑み。色の濃
い紅を引いた唇が吐くのは、炎か毒か。
 四天王いちのテクニシャン・切り裂きジャンヌ、一騎当千ロボ・シロガネブレード。これで二人目。
 セイギベース4を強襲し、海老原カッコウーマンの一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネを捻じ伏せた巨大ロボットもいる。
「ふむ。まだまだ幼いが、無限の可能性を秘めた、よい筋肉だ」
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを評しながら、次々にマッスルポージング。興奮のためか、筋繊維の入れ墨がより赤味を増している
ような気がした。
 機械仕掛けでありながら、それの特徴を端的に表すのに「筋肉質」以上に相応しい言葉は存在しないだろう。ボディビルダーを思わせ
る重厚な体躯は、距離の隔たりを越えて田所カッコマンを威圧する。
「そしてカッコマンエビル。きみはもう少し筋肉をつけた方がいい。その方がいい」
 パイロットである禿頭の巨漢は、穏やかな教師のような声で隣人に忠告する。
「だから、あそこからボクの華麗な逆転劇が始まる予定だったんだって」
 言い訳がましく返す声は、先ほど最強無敵ロボ・ネクソンクロガネと死闘を繰り広げた魔鳥の巨大ロボットからだった。吹き抜ける青
い風を象った紋様に曇りはない。
 彼らの名前ならば、田所カッコマンにも覚えがある。忘れるはずもない。
 四天王いちのマッシブ・ニック・W・キム、剛力無双ロボ・シロガネマッスル。
 四天王いちのスピード・カッコマンエビル、神速飛翔ロボ・シロガネソニック。
 彼らが三人目、四人目となり、これで全員が確認された。
「ひとついいことを教えてやろう。我々は結成以来、一度も四名揃ったことがない」
「私達は強すぎる」
「エージェントがどうしてもっていうから特別に参戦させてやるけど、残り三人はいらなかったな」
「光栄に思いなさいな、最強無敵ロボ」
 四人が好き勝手に叩く軽口は、苛烈な戦場の兵士が口にするようなユーモアとは違う。そもそも緊張感など微塵もないのだ。
 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネですら敵ではないというのか。国際犯罪組織ワルサシンジケートにより製造された超級の巨大ロボッ
ト、そのために選び抜かれた最高のパイロット達の前には!
「剛力無双ロボ・シロガネマッスルのニック・W・キム。四天王いちのマッシブ!」
「一騎当千ロボ・シロガネブレードの切り裂きジャンヌ。四天王いちのテクニシャン!」
「百発百中ロボ・シロガネスナイパーのスナイパーガマン。四天王いちのスナイパー!」
「神速飛翔ロボ・シロガネソニックのカッコマンエビル。四天王いちのスピード!」
 筋肉隆々たる巨漢が、妖艶な女騎士が、眼帯の狙撃手が、嗤う鳥人が、高らかに名乗りを上げる。
「四人揃ってッ!!」

69:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(後編)
09/06/06 11:46:29 ZAeNiEjt



『シロガネ四天王現る!』
 作詞・作曲/ドクトルポイズン
 歌/シロガネ四天王&ワルサ音楽隊


 1! 2! 3! 4(し)ロガネ! 無法の戦士
 ヤツらが通ったあとには ぺんぺん草も残らない
 根こそぎ奪うぜ お宝 スマイル 生きてく希望
 シロガネ四天王 誰か止めてくれ

 1! 2! 3! 4(し)ロガネ! 悪逆非道
 ヤツらが踏み締めた大地からは 愛と平和の歌も消え
 一切合財奪うぜ 金銀 財宝 お前の貯金
 シロガネ四天王 誰が止められる

 1! 2! 3! 4(し)ロガネ! 無銭暴食
 ヤツらが渡った海では 赤潮青潮流れる血潮
 まるごと奪うぜ 食べ物 飲み物 三時のおやつ
 シロガネ四天王 誰かが止めなくちゃ

 1! 2! 3! 4(し)ロガネ! 悪党好色
 ヤツらが現れた街では ヤツらが王様 逆らうな
 とにかく奪うぜ 恋人 花嫁 気になるあのコ
 シロガネ四天王 誰も止められない

 シロガネ四天王 シロガネ四天王 シロガネ四天王 悪さしてんのう
 シロガネ四天王 シロガネ四天王 シロガネ四天王 あしたキミのもとへ



「シロガネ四天王ッ!!」
 背後で謎の大爆発が発生。
 思い思いのポーズを決める巨大ロボット軍団は壮観だった。
「か、勝てる気がしない……ッ」
『……ッ! 呑まれるな!! しっかりしろ!! 田所カッコマン!!』
 はぐれ研究員の鼓舞もどこか遠い。田所カッコマンの頬を冷や汗が伝い落ちた。
 彼を蝕むものそれは……恐怖……!
 シロガネ四天王、ロボヶ丘に集結―!
 単独でも最強無敵ロボ・ネクソンクロガネをあれほど苦しめた神速飛翔ロボ・シロガネソニック。
 それと同等の性能を誇ること間違いなしの四天王ロボ全員を一度に相手どり、果たして田所カッコマン達はこの戦いに勝機を見出せ
るのであろうか!?
 さらにシロガネ四天王には、まだとんでもない秘密が……!?
 かつてない窮地に、みんなの熱い声援が必要だ!
 ここが正念場だ! 田所カッコマン!
 踏ん張ってみせろ! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! 



 つづく


70:最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ5(後編)
09/06/06 11:47:46 ZAeNiEjt
以上!!!!!
思ったより大した量じゃなくてよかった。

レス大感謝です。

>>63
どうもです。そこんとこ結構不安だったので安心しました。
>>64
実はこっそり意識してました。ボルカッコォォォッ!!とか言わせる予定だったのですが、さすがに没に。
>>65
恐縮です。まあでも長ければいいというものでは

71:創る名無しに見る名無し
09/06/06 22:44:49 Wt5toEH4
そういやこのスレで今までボリュームが一番多かったのってロボものって何なんだろう?

72:創る名無しに見る名無し
09/06/07 22:43:41 OIC7lTWb
◆gD1i1Jw3kk氏に質問
超振動極熱~という用語が付く武装は具体的にどういったものなの?
あとボトムズが好きなのはわかるけど、あまりにもそのまま過ぎるのはどうかと

73: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/08 00:56:12 TjJwyPfJ
>>72
質問、ありがとうございます。

自分の未来観が大きく関わっているので、人によってはおかしいと思うかもしれません。
どうしても受けられない方は適当な駄文と思って読み流して下さい。

過去から現在、そして未来へ、科学は人の夢と願い、想いを元に高性能と高効率を求めて際限無く進歩していく。
当たり前ですが、物は使えば壊れます。壊れない物などこの世に存在しません。どんなに大事に扱おうと、長年使い続ければ必ず。諸行無常、生者必滅の理……は少し違うか。
例えば目の前の液晶モニターと隣にあるパソコン、人によってはノートパソコンでしょうが、どんなに大事にしていても使い続ければいつか必ず壊れます。
生物が死ぬように、絶対に避けられない運命。子供でも理解出来る当たり前の事。ですが……
壊れないパソコンを求めた事はありませんか。どんなに酷使しようが、数十年使い続けようが絶対に壊れないパソコンを、心の中で少しでも。
絶対に壊れないパソコンなど夢物語のような物。人によっては一笑に付す妄想。ですが、本当にあったらいいと、少しでも思った事はありませんか。

ここで思うか思わないかで、自分の未来観を受け入れられるか否かが分かれると思います。

海上都市姫路守備隊戦記の時代は約22世紀~23世紀頃。現代よりも科学が遥かに発達した時代。
どのぐらい科学が遥かに発達しているかというと、パソコンやらテレビといった家電製品、自家用車などが100年酷使し続けても壊れず、修理どころか整備すら全く必要無い。そんな「物」が当たり前にどこにでもある時代。
普通の家電でも並大抵の使用では壊れないのだから、軍事兵器だと尚更。
10万トンを超える戦闘艦が大破しても、ドックに入れば修理が完全に完了するまで24時間かからない。
科学同様医療技術も発達しており、死んでなければどんな状態だろうが治せる、脳さえ無事なら大丈夫、というレベルで、大人数を短時間で心身共に完璧な治療が可能。
兵器及び兵士を襤褸雑巾同然にしてもすぐに直(治)って戦場に戻って来る。兵器は修復不可能な致命傷を与えるまで、兵士なら殺すまで何度でも続く。
昔には当然の常識とされていた、兵士を負傷させて後送し兵站に負担を与えよう、という考えは全く無かった。
戦場に存在する敵を如何にして確実に「潰す」か、それだけが考えられ、その為の思考錯誤と技術開発が進められた。
敵の兵器、兵士を塵すら残さず完全に消滅させる兵器。そんな人によっては一笑に付す御伽噺の如き代物を真剣に求め、発達した科学が応えた。
振動熱兵器。
物体を分解させる振動波と逃げも離れもせず極短時間で急速に伝播する特殊熱の相乗作用、分解蒸発で敵を撃破する革新的兵器の誕生である。

74: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/08 00:58:39 TjJwyPfJ
とまぁ、こんな感じですね。
上記の壊れない家電や振動熱兵器、あるいはそれに近い代物は、科学が発達していけばいずれは実際に作られるだろうと、自分は考えています。
振動熱兵器に関しては他作品との差別化を図りたかったのも理由の一つです。自分が思いついた、他の作品にはないオリジナルの設定を入れたかった。
自分が知ってるアニメ、マンガ、ゲーム、小説、映画などに作中の振動熱兵器を使っている作品は無かったと思います。強いて言えばガンダムのヒートホーク、ヒートサーベルぐらいでしょうか?
振動熱兵器か、それに近い物を使ってる作品があるのなら教えて下さい。

ボトムズそのままにならないよう工夫してはいるんですが……
ボトムズのATのローラーダッシュは足底に内蔵されているけど、重装甲強化服のローラーダッシュは内蔵せずに、足底に機動靴を装備して使用可能になるなど。

75:創る名無しに見る名無し
09/06/08 05:41:39 ESqCgTOR
まじめに戦闘書いてみたらすげー疲れた。もうしばらくは書きたくない。

>>74
>>72じゃないけど、よく分からん!
しかし俺はよく分からないものをよく分からないまま平気で食っちまうんだぜ

76:創る名無しに見る名無し
09/06/08 21:53:56 WKxyaqFP
物体の分子結合を解くのに一番手っ取り早い手段は熱だぜ
あと、ガンダム00のGNカタールの設定がちょっと似てる。あれの刀身に用いられてる素材は熱伝導率が異常に高いって設定で、つまり刃にとっつけたその素材を加熱して、斬り付けると即座に敵装甲に熱が転移して溶断……だったはず。俺の記憶だから間違ってるかも。
熱が特殊ってのが、何言いたいのかよく分からん。物体の分解、がどのスケールの話をしてるのかも分からん。

77:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:08:42 WKxyaqFP
対象物の分子構造内に瞬時に拡散し、金属が蒸発するレベルの熱を発する何らかの架空物質ってことか? 未発見の凄まじい放射線核種くらいしか思い浮かばんが。そしてその架空物質が行き渡る隙間を作るために、その振動機構で分子間結合を緩くする、と。
んなもんがあるなら、正直プラズマでもぶっ放した方が手っ取り早いような気がしないでもない。

78:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:37:30 WKxyaqFP
多分、直感的な理解なら「二重の極み+爆熱ゴッドフィンガーソード」、なのかな?
まぁそれはともかく、物体を分解させる振動波ってのが、熱伝播に何らかの寄与をするのか(しないんなら伝播可能な熱だけでいい)。熱に特殊もクソもないんだから、何らかの熱担体があるのか、それは伝播しうるのか。そのへんがちょっと気になった。

単なるヒートソードならそれこそガイシュツ。それに対し、別になくたって理屈の上では何の問題もない振動なんちゃらをつけてオリジナリティとしているならば、笑止千万といわざるを得ない。そこまで胸を張るなら理屈をつけてくれ。
未来観に関しては同感。アーサー・C・クラーク大好きだし。

79:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:49:36 qCg24k7y
振動ナイフってようは摩擦で熱起こさせて切ってるんだっけ?


80:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/08 23:17:00 x6IQfTg+
>>78
>爆熱ゴッドフィンガーソード

それはシャイニングフィンガーソードでは……? あるいは爆熱ゴッドスラッシュ

81:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:22:25 WKxyaqFP
>>79
摩擦熱で切る、ってのは少なくとも俺は聞いたことない(´・ω・`)
ナイフを当てて、押して引いて捻じ込んでの動作を機構の中に組み込んだもの、ってのが多い気がする。
フルメタなんかだと極微サイズのノコギリ、だっけか

>>80
すげぇヒートソードって印象が伝わればそれでいいww

82: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/08 23:36:30 zr9v7LEq
こんなに返答があるとは思ってなかったです。
振動熱兵器は>>77>>78さんの言うような代物ですね。
例えば鍋を火にかけると中の水が沸騰するまで時間がかかるじゃないですか。通常の熱と違い急速に伝わり数十、数百倍の速度で水を沸騰させられるのが特殊熱です。
架空の物質などは全く使っておらず、必要なのは電力だけです。

正直大した科学知識は無いので、大体そういう風なモノと深く考えずに理解してもらえると助かります。
特に皇帝戦はほぼ完全に少年漫画的勢いとノリの話になる予定なので。

83:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:57:37 WKxyaqFP
熱とはどういう概念かを誤解している気がしないでもない。
まぁいいや。SF板に帰るわ

84:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/08 23:59:49 x6IQfTg+
>>81
ラージャ!


単分子カッターですね。
クリムゾンエッジみたいな形の武器、好きだなぁ。

さて、近い内に自分も続きを投下しようかしら。

85:創る名無しに見る名無し
09/06/09 06:00:59 jSnZRKpG
みんな近いうちにっていうから期待しているのに、
なかなか来ないのでおれはマチクタビレッタ

86:創る名無しに見る名無し
09/06/09 21:15:23 3XnZLxyR
んーじゃあ、本編出切るまでのビスケットがわりにでも、むかーしこのスレだったかでも上げた気もするが
URLリンク(ux.getuploader.com)

PASSは目欄

87:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:01:30 cVw8rVLw
>>86
おぉ、これは懐かしい!後でゆっくり読ませていただきますね!

凄く時間が掛かっちゃいました、お久しぶりですorz
取り合えずやっとタウエルンの本来の姿を書く事が出来ました
ぶっちゃけ殆どファンタジーの域ですが、生温かく読んでいただけると幸いです。ではどうぞ

88:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:03:34 cVw8rVLw
<4,変形>

ギーシュは焦っていた。それは何故かと言えば、村長である村長からの連絡が全く来ないからだ。既に1時間以上経っている。
ちらりと目線を正面に向けると、村長の女房がおぼつかない視線で時計を見つめている。その表情には明らかに不安の色が浮かんでいる。
「大丈夫ですよ、奥さん」
ギーシュは明るい音色と、出来るだけ明るい表情を浮かべて、女房に声を掛けた。
「少し話が立て込んでいるんでしょう。大丈夫ですよ。ロッファさんは無事に戻ってきます」
女性を励ましているつもりではあるが、ギーシュはその言葉を自分に言い聞かせているのだと心の底で思った。

先日の事だ。酒場からトニーを送ったギーシュが自宅に帰ると、留守番電話に村長からのメッセージが入っていた。それは……。
「夜分にすまない。どうしても伝えておくべき事があってね。……トニー君の件は聞いたよ。……すまなかった。私が彼らと契約を結んだばかりに……。
 ……実は昨日、彼ら、いやデイトに飛行船に来るように連絡を受けたんだ。どんな要件なのかは来てみれば分かると言われたよ。どう考えても穏やかな内容ではあるまい。
 しかし私は思うんだ。もしここで断れば、恐らく私達は、かつての平穏な生活を永遠に失うのではないかと。そこで私は決心を固めた。
 明日、彼らの誘いに乗る事にするよ。そして、彼らが行っている圧政を直談判しよう。彼らの暴挙を許したのは私の責任だ。私自身が動かねば何も解決しない……

 そこでだ。ギーシュ君。君に頼みがある。明日、君には私の自宅に来てほしい。妻一人だけを家に残しておくのは何分不安でね。 
 腕っ節が強い君なら一緒に居ても安心だろうと思い、電話を掛けた次第だ。来てほしい時間は~……

 事が済み次第連絡する。恐らく1時間もしないと思う。もしも都合が悪ければ悪いで折り返し連絡してくれ。それじゃ……」

村長のこのメッセージに、ギーシュは正直戸惑った。村長の決断がとてもじゃないが英断とは思えないからだ。
シュワルツがどれだけ性悪なのか、ギーシュは嫌というほど知っている。あの男が何を考えているかは分からないが、村長の言う通り穏やかな用件で呼ぶ訳が無い。
止めよう。もし村長に危うい目に合えば今度こそ、この村は終わる。留守電ボタンの明かりが消えたと同時に、ギーシュは決心を固めた。

しまった……時すでに遅し、ギーシュが村長の家に着く既に1時間前に、村長はシュワルツのアジトへと出向いたらしい。
女房がギーシュが到着した際、ドアを開けてか細い声でそう説明した。ギーシュは女房の話に耳を傾けながらも、自らの失態に頭を抱えた。
決意を固めたはずだったが、休日である事が災いしていつもより遅く起きてしまった。自分がこれではトニーの事を馬鹿とは言えないな……。
今更村長を追いかける訳にも行くまい。ギーシュは肩を落として、女房と共に村長の連絡を待つ為家に入った。
そして今、ギーシュは村長から鳴って来る筈の電話を待ち続ける。村長――ロッファが殺された事も知らずに。

「着いたぞ。これだけ荒れてるが……本当に大丈夫なのか?」
トニーが背後を歩くショウイチに声を掛けた。ショウイチは立ち止まり、後ろのタウエルンに手をかざして停車させると、周囲を見渡した。
所変わり、ここはトニーが数週間前に全く芽が出ない為、に続行不可能として判断し、耕すのを諦めたスイカ畑だ。
常々水を与え気を配ったはずだが、なぜだか全くと言っていいほど実らない。実らない以前に……ショウイチは畑に足を踏み入れた。
「種が出てこない?」
「あぁ。何というか奇妙なんだ。まるで……」

89:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:05:36 cVw8rVLw
ショウイチはしゃがむと、何処からか取り出した薄い手袋で土を掘り返した。そしてトニーに顔を向ける。
「ここ数日で、何か変わった事は無かったですか? そうですね……」
視線を宙に向けて、数秒何か考える仕草を見せると、ショウイチは言葉を続けた。
「今まで順調に実っていたのに、ある日を境に突然実らなくなったとか。天気も環境も変わり映えない……
 ごめんなさい、言い方を変えます。去年と全く状況は変わらないのに、何故か今年は全く上手くいかないって感じはしませんか?」

ショウイチの表情と口調がさっきまでと全く違い、異様に静謐さを秘めている事にトニーは戸惑った。まるで、別の人間の様だ。
ショウイチの言っている事の意味がいまいち飲み込めないが、ここは真剣に答えるべきだろう。
「あぁ、ここ数カ月はとんでもない大不作だ。幸い自分たちで食っていける分は確保できているが……とても商売にならんよ」
「やっぱり……」

小さな声でショウイチはそう呟くと、手袋を脱いで、腰に両手を当てた。そして鋭い表情を柔和な表情に変えると、トニーに顔を向けた。
「大体の事情は分かりました。さてと、では耕しましょう!」

「片づけておきなさい。後々使いますから、これ以上傷は付けない様に」
シュウルツがまだ生暖かい血を流しながら息絶えたロッファを一瞥すると、そう言って踵を返した。
固まっていた研究員たちが、ハッと我に返り各々仕事に戻る。シュワルツの取り巻きである二人の男が淡々と、シュワルツの死体を片づける。
ダルナスに動きは特にない。が、シュワルツは妙な予感を抱いていた。ダルナスを見上げて思う。何かが、妙だ。
全て上手くいっている。微力ながらも村の中心となっているロッファは失せ、もうすぐダルナスが復活を遂げる。何ら不備は無い……。が、心の靄が晴れない。

その時、研究員の一人がシュワルツに声を掛けた。シュワルツはダルナスから目を逸らし、そちらへと向かった。
研究員が怪訝な表情でモニターを見、シュワルツに困惑した様子で言った。
「エネルギーの充填率が5パーセント落ちています。今までこんな事は無かったのですが……」
シュワルツはモニターを覗き見る。確かに先ほど見た時よりも、充填率を表すメーターが若干下がっている。

「……あり得んな。まさか……実るというか? 農作物が」
シュウルツはメガネを下げると、冷静に言い放った。確かに農作物が最低限のラインを越えて実る事はあり得ない……筈だ。
ダルナスはこの村全体の畑の地中奥深くにある、巨大なソーラーパネルより吸収される太陽光をエネルギーとしている。
その為、農作物に必要な太陽光を根こそぎ奪ってしまうのだ。
シュワルツはそれでは面白くないと、ある程度生活できる分の農作物を作らせる為、パネルの一部を消灯させた。
やろうと思えばスグにでもダルナスは復活できるが、それでは興が無い。
トニーおよび農民達が農作物が取れないと嘆き、苦しむのを見るのがシュワルツには可笑しくて堪らない。

だが今のシュワルツには嘲笑う気分ではなかった。抱いていた予感が、今現実になろうとしている。
モニターから離れ、シュワルツは研究員の肩に手を乗せると優しい声で言った。
「どの地域で何が起きているかを早急にリサーチしておいてください。大事の前の小事です。芽はしっかり潰さないと……ね」

「モードを田植えから野菜・果物に変更……速度は低速で……よし、オッケイ!」
タウエルンの上部からパネルを引き出し、ぶつぶつ言いながら何か設定を終えたショウイチがパネルを下して、トニーにサムズアップした。
ショウイチはタウエルン押しながら畑に再度、足を踏み入れる。ショウイチが立ち止まると、タウエルンが自動で動き出す。

90:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:07:10 cVw8rVLw
「後はタウエルンが耕し終わるまでのんびり待ちましょう。時間にして……15分程度ですね」
何処からか取り出した懐中時計を見ながら、ショウイチが笑みを浮かべて畑から出る。トニーはタウエルンに目を移した。

タウエルンの前部と後部から二本のアームが延びている。そのアームの先には、クワの刃を思わせる物体がついたローラーが、のんびりと畑を耕している。
正直滅茶苦茶な事をされるのではないかと不安だったが、タウエルンに付いたそのローラーは畑を至極丁寧に耕している。
しかし……別に今の時点では、このタウエルンにショウイチが語った様な無茶苦茶な機能があるように見えない。というか、この程度なら自分自身の力で十分耕せるからだ。
まさかこのショウイチと言う男は本気で……トニーは疑念を浮かべたその時。

「所で……トニーさんは自動人形についてどんなイメージがありますか?」
ショウイチの何気ない一言に、トニーは一瞬何の事か理解が出来なかった。今、ショウイチは確かに自動人形と言った。
イメージ? そんなモノは決まっている。平和な世界を破壊した、度がし難い憎悪すべき存在。それ以上でもそれ以下でもない。
実際トニーはそう、両親から教えられた。そして自分自身、自動人形によって住んでいた場所を奪われた。戦争と言う事を配慮においても、許せる訳がない。

「……質問の意味が分かりかねるな。もう少し具体的に聞けないか?」
あくまで感情を押し殺して、トニーはショウイチに聞いた。ショウイチの返答次第では、強硬な態度に出るつもりでいる。
大体、ここまで付き合っておいて難だがどうにも信用できないのだ。これだけデかく得体の知れない物が、トラクターとはとても思えない。
それにさっきまで膨らんでいた疑問が明確になる事が……怖い。それはタウエルンが――。

「……ナノマシンを分布するには、タウエルンが変形する必要があるんです。人型の、ロボットにね」
「……それで?」
「もしも……もしも貴方が、自動人形に対して嫌悪感を抱いているのなら、僕は彼と共にここを去ります。
 ですがもし、貴方が僕の話を信じてくれるのなら、その機能を使ってこの畑を蘇らせましょう。勿論目の前で」

そう言うショウイチの目には、確かな意思が宿っていた。トニーはその言葉に対し馬鹿にしているのかと一喝しようとしたが、ショウイチの目に、言葉が出ない。
しかし、だ。もしここでタウエルンに頼れば、それは自分自身の価値観を否定する事にならないか? 今だって自動人形に……。

だが、だがもし、タウエルンがショウイチが言う通り、とんでもないメカだったら、本気でこの状況から脱する事が出来るのかもしれない。
どうせこのままでは状況は変わらない。ならば一回くらい、突拍子の無い希望に掛けてみてもいいのではないか。
自動人形は憎むべき存在だ。だが、今はそんな事を言っていられるような状況じゃない。考えてみれば、今の我々には打開策が何も無いんだ。
……トニーは右手で目を覆い、天を数秒仰ぐと、ショウイチに向き直った。

「信じてやるよ。だがもし君の発言が嘘だとしたら、容赦はしないぞ」
トニーは苦笑いを浮かべて、ショウイチに返答した。ショウイチはトニーの言葉に力強く頷くと、畑を耕し終えたタウエルンに向かって大声を上げた。
「タウエルン! トランス!」

91:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:09:08 cVw8rVLw
その瞬間、タウエルンの車体が縦に割れ、ローラー部分が左右に分離する。見るも奇想天外な変形を重ねがら、タウエルンはその姿を露わにした。
さっきまでどこか鈍重で野暮な姿のトラクター姿とは似ても似つかぬ、人型のロボットがそこに立っていた。変形終了と共に、排気口の重低音が響く。
腕部と足部、そして胸部に車体の装甲が移行しプロテクターとなっており、重厚な印象を抱かせる。闘牛を思わせるヘッドパーツのデュアルアイが鈍く赤く光る。

「す、すげー……」
タウエルンの変形を見て、トニーは思わず感嘆した。するとどこからか、かわいらしい少年の声がした。
「ショウイチー。もう仕事しても良いのー?」
その声は紛れもなく……タウエルンから出ていた物だった。
何処からしゃべっているかは分からない。が、無邪気に右腕をショウイチに向かって振っている。思わずトニーは脱力した。

「あぁ、存分に働け!」
ショウイチが言うが早く、タウエルンは背中の排気口から何かを噴出した。一見ジェットの様に見えるが、それはキラキラと光る青い粒子だ。
あの重そうな自動人形が軽々飛び上がる様に、トニーは呆然とショウイチに呟いた。
「……あれもソーラーエネルギーって奴なのか?」
「ええ。詳しい事は長くなるので言えませんが」

タウエルンはしばらく昇ると、空中で静止した。すると腕部と足部がパカッと縦に二つに割れ、中からウエハースの様に薄い板で成形された部分がせり出てきた。
ゆっくりとタウエルンは降下しながら、その部分を下にする様に体をうつ伏せにした。
そして驚くべき事にその状態のまま、排気口から粒子を吹き出し、畑の上空を飛び回る。ウエハースの部分から、緑色の粒子が降り注ぐ。

「あれが例のナノマシンか……」
タウエルンから降り注がれる粒子を眺めながら、トニーは畑に目を移した。そこには驚くべき光景が広がっていた。
全く芽が出る事が無かったスイカの種が成長しているのだ。無論最初から完成している訳ではないが、これから充分育てられるほどには。
トニーには目の前の光景がまるで魔法の様だと思った。それほどあのナノマシンとやらがトンデモナイ代物なのだ。
「……で、あれほどの装置と言うか物体が、どうやってトラクターの中に収納されてるんだ?」
「詳しい事は長くなるので言えません、ごめんなさい」

次第にタウエルンから分布されていたナノマシンが、穏やかに薄くなっていき、うっすらと消えていく。
当初は荒れ果て、手の打ちようがないほど荒れていた畑が、今では立派なスイカ畑として生まれ変わっている。
ショウイチはこちらに飛んでくるタウエルンを、満足げな表情で迎えている。と、タウエルンがショウイチに近寄り、音声のボリュームを最大にまで下げた。

92:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:11:11 cVw8rVLw
「ナノマシンにショウイチが言っていた例のシステムを破壊するバグを組み込んでおいた。地中のパネルは此処に限れば、もう作動しないと思う」
「良くやった、タウ。……また争う事になるかもな。いや、既に……」

「疑ってしまってすまなかった、ショウイチ君」
トニーがショウイチにそう言って頭を下げた。ショウイチは首を横に振って、笑顔で返した。
「いえ、僕の方こそ妙な事を言ってすみませんでした。いきなりあんな事言われても引きますよね……」

ショウイチの言葉に、トニーは小さく首を振り、言葉を続けた、
「いや、私が勝手なイメージで君達を拒絶してしまったんだ。君達に非は無いよ。ホントに驚いた、まるで夢みたいだよ。
 君達を雇う件、私の方から頭を下げるよ。是非ともこの村で働」

「まさか自動人形が他にあったとは……信じがたいな」
背後から声がして、トニーは振り向いた。6体ほどの黒騎士を従えた、シュワルツの取り巻きの一人である大男が数メートル先に立っていた。
そして大男は腕に意識を失っているのか、ぐったりとしたメルティを抱えていた。大男はにやりと笑うと、言葉を続けた。

「シュワルツ様の命で異常を探りに来たが、まさか他タイプの自動人形が見つかるとはな。これはとんだお宝を見つけた」
「き、貴様……メルティをどうする気だ!」
怒りと恐怖で声を震わせたトニーがそう聞くと、にやけ顔を崩さぬまま、大男は返答した。

「無論シュワルツ様に上納するんだよ。恨むなら、お前自身のふがいなさを恨め」
大男はそう言い切り、もう片方の腕で、トニーとじっとしているショウイチとタウエルンの方に向けて腕を上げると、声高らかに叫んだ。
「行け、黒騎士共! 自動人形は傷つけずに倒し、他の雑魚は叩き殺せ!」

「行けるか、タウ?」
「……これで、争い事は最後にしたいね」

<バッファローモード.起動>


続く

93:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/10 00:13:10 cVw8rVLw
投下終了です。何か凄く力技というか、強引な展開ですみません
粒子がもろにアレっぽいですがまぁ……良くあるトンデモエネルギーって事で許して下さい
夜分失礼しました

94:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 00:49:01 SDZIF8i7
>>93
わかった、コジマ粒子ですね(違

ついにタウエルンの殺陣が読めると思うと、ワクワクが止まりません。バッファローって事は、ハ●ケーンミ●サーが(ry

それにしても、ナノマシン……まるで神の奇跡のよう……

95:創る名無しに見る名無し
09/06/10 05:58:41 OWnem+wx
>>93
自分のテキトーな思いつき設定をここまで広げてくれるとは素直に感謝です
なんか想定してたのよりもさらに壮大になってるw

96:創る名無しに見る名無し
09/06/10 13:18:02 yc2PVVA6
タウエルンは三段変形だったのか!?
おいおい何だよそれ。ますます欲しくなったじゃないか!

97:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 15:47:29 SDZIF8i7
つまり1/40タウエルン発売ですな!
あるいは超合金タウエルン。

……いや、超合金はネクソンクロガネ向きか。


さて、帰宅したら投下だ!

98:パラベラム! 1/4 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 20:39:41 SDZIF8i7
<マスター、これは不得手なフィールドです>
 リヒトを肩に乗せて疾走するハーシェンが呟いた。
 無理も無い。確かにこの遺跡の中はある程度の広さはあるが、彼女が暴れるにはいささか狭すぎる。機動力が殺されては、防御力に乏しい彼女の勝算は少ない。
「やれ連戦だの不得意なフィールドだの、神様も随分と意地悪してくれるな。……そういえばお前、レーダーは使えるか?」
<本来の半分以下の性能ですが、なんとか>
 きっぱり即答。わかりやすくてよろしい。
「そうか、キツいな。バリアにマナを多めに回しておけ」
<イエス、マイマスター>
 マナの壁が厚みを増す。これなら強力な攻撃も一発なら止められるだろう。
<ところでマスター。早速ですが前方に反応、確認しました。降りてください>
「あいよ」
 飛び降り、そして華麗に着地。
「俺は三つ編み娘の確保を優先する。……支援ができるのははその後だ」
<イエス・マイマスター。勿論危なくなったら助けてくれますよね、期待してます>
 早口で言ってさっさと行ってしまう。
 ----抑揚は無い。が、その声は緊張を孕んでいて。
「……可能ならな」
 あいよと笑って、リヒトもその場を走り去った。


パラベラム!

Episode 05:激突、黒騎士vs白ウサギ~乱入してくるとはとんでもないやつだ~

 

99:パラベラム! 2/4 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 20:41:17 SDZIF8i7
<反応、急接近。エンゲージ>
 疾風。
 鋭い回し蹴りが一閃。騎士がそれを受け止める。先程の野良とは明らかに違う圧倒的なプレッシャーが、物影の遥にもはっきりと伝わって来た。
 いや、それよりも----
「え……?」
 視界に飛び込んだ白い閃光に、遥は驚きを隠せない。
「あれ、さっきの----」
 耳のように見えるレーダーと長い足、バイザー状の赤いカメラ・アイ。それは先程遥を助けた白いウサギに他ならなかった。
 白と黒、互いに距離を離す。
<あなたですか、キングは>
 唐突に口を開く。内容は意味不明。
<キング……何の>
 ウサギが低い体勢から繰り出した、不意打ちの貫手。このままでは避けられない----!
 遥が息をのんだ、その時だった。

100:パラベラム! 3/4 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 20:43:33 SDZIF8i7
「君、大丈夫か?」
 突然現れた男に話し掛けられたのは。
 髪は赤く、顔立ちは精悍。年齢は一見すると十代後半から二十代前半だが----油断の無い物腰と鋭い目つきのせいだろうか----見ようによってはそれ以上にも見える。
「……はえ?」
 次から次へと襲い掛かる非日常に、遥の頭はパンク寸前。まともな返事を返す事ができず、首を傾げた。
「大丈夫じゃあなさそうだな……」
「あ、いえ、大丈夫です!」
 慌てて表情を取り繕う。
「……とにかく、ここは危ない。彼女がアイツを食い止めている間に逃げよう」
 男が手を差し延べる。
「彼女……?」
 一体誰の事だろうか、と混乱する頭で考える。彼女とはおそらく、あの白い----
「ま、待ってください!」
 差し延べられた手をがしりと掴む。
「あなたの」
「名前はリヒト・エンフィールド」
「あ、失礼しました」
 突然名を名乗る男。何故このタイミング……?
「リヒトさんは、あの白」
「そう、正解だ」
 何故このタイミング……!? いや、そんな事より、今は、
「ならお願いです、今すぐ戦闘を止めさせてください!」


 ♪  ♪  ♪


 繰り出された、不意打ちの貫手。これは……直撃コースか。
 黒い騎士----M-12は素早く、そして冷静な判断ですぐさま左の肘と膝で相手の腕を挟み込む。そしてそのまま首を掴み、白いオートマタを壁に叩き付けた。
<ぐむっ……!>
<キングとは……何の事だ>
 空いている右手にマナを集め、それを相手の下腹部に突き付ける。
<あなたの事じゃないですか。手下を使って女の子を襲うとは、神経腐ってますね>
 ウサギは気丈だった。生殺与奪の権を握られているというのに。
<何の事だ……>
<壊れかけのレディオですかあなたは>
 ウサギは気丈だった。しかしそれは無感情な機械的なものではなく、意地だとか、覚悟だとかいう類の人間的なもののように感じられた。
<わかりました、ならこちらから質問させていただきます>
 やれやれ、と呆れた声で質問する白いオートマタ。何故この状況で。

101:パラベラム! 4/4 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 20:45:39 SDZIF8i7
<それは許可できな>
<あなたの目的は何ですか>
 ……何故この状況で?
<私の目的は>
「そこまでだ、ヘーシェン。戦闘行動を中止しろ。彼は敵ではないそうだ」
 いつの間にここにいたのだろう、おそらくはこの白いオートマタのマスターであろう男が割り込みを入れてきた。タイミングが最悪だ。
<あの穀潰し、タイミングが最悪ですね……。構いません、続けてください>
 間が悪いのはそちらも同じだと思うのだが……口には出さない。
<私の目的は、彼女の>
「お願い、手を離して!」
 今度は女性の声。マスターだ。ああ、間が悪い。
<イエス・マイマスター>
 しかし素直に従い、手を離す。そしてしばらくの間を置き、改めて、
<私の目的は>
<あ、いいです。今ので大体わかりました>
 おお、なんと間が悪----
<……これは>
 アラーム。
 敵だ、それも近い。
 黒い騎士は主の前に素早く移動し、マナの防壁を展開した。
「え、な、何!?」
<敵です、マスター>
 閃光が瞬く。
 その閃光は防壁を突破して黒騎士の装甲の一部を溶かし、変形させた。防壁によって威力は減衰していたが、これは、
<荷電粒子砲……>
 マナを加速し、撃ち出す兵器だ。その威力は絶大で、防壁、装甲を易々と貫通し、目標を溶解させる。
 どうやら今のは威力を加減して撃ったようだが……一体どこから。
<乱入してくるとはとんでもないやつだ。……高額な光学兵器を装備しているとは、とんだブルジョアジーですね。死ねばいいのに>
「まったくだ」
 無駄口を叩きながら戦闘態勢に以降する白いオートマタと、赤髪の男。
「ええ!? まだ来るの!?」
 べそをかきながら辺りを見回す三つ編みの少女。
 そして----
<まさか、こんなに早く君が現れるとはね。リヒター……リヒター・ペネトレイター>
 先程の機体よりも遥かにクリアな声、流暢な言葉。
 ゴーグル状のカメラ・アイをオレンジ色に光らせながら、蒼いそいつは現れた。


 次回へ続く!

102:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/10 20:50:18 SDZIF8i7
今回はここまで!

ふぅ……携帯だとどこでも書けるのがメリットですが、慣れていないと面倒ですね。

103:創る名無しに見る名無し
09/06/11 14:05:39 wpX3YbLj
前回までより分かりやすくなってる

リヒターってリヒトが命名するとか、なんか関係があるのかと思ってたけどそうでもないのか・・・

104:創る名無しに見る名無し
09/06/13 20:14:22 URY4wTRd
パラベラムの荷電粒子砲はまた一風変わっているらしいが
どんなもんなんだろう

105:創る名無しに見る名無し
09/06/13 20:18:46 Eb/a+zHq
荷電粒子砲なのに光学兵器なのか?
あんまり揚げ足とるようなことはしたくないけどさ。

106:創る名無しに見る名無し
09/06/13 20:36:57 GWhRzTd3
厳密に言えばレーザーの類だけだろうけど
現実で実用化された訳でないし
実弾兵器よりは光学兵器っぽいからって理由で
光学兵器に分類されてるって世界観なら
何も問題はないな

107:創る名無しに見る名無し
09/06/13 21:14:00 NrRbP3Aj
ま、厳密にいうなら指向エネルギー火器だわね。

どうでもいいけど、「実弾兵器・実体弾」って表現に違和感あるのって俺だけ?
よく対比とされてるビーム火器だって、レーザーだって光には粒子性もあるし、粒子ビームならもろ物質をブチ当ててるワケで。
「実弾兵器とは呼び得ないもの、実体弾と対比されるべきもの」と言われると、
風力砲みたいなゲテモノ(あと強いて言えばトールボーイか。ま、これもゲテモノよりか)が浮かんじゃうんだよ。
それで個人的には指向エネルギー火器って言い方にこだわってるんだけど。

荷電粒子砲を光学兵器と呼んでも問題無くなる裏ワザ……電荷を帯びた光子を撃っていると……いや何でもない。

108:創る名無しに見る名無し
09/06/13 21:19:14 URY4wTRd
>実弾
たまにいるよね、そういうの気にする人。
俺もいざ文中で使うとなると「あれ? これって・・・?」と尻込みする方
でもぶっちゃけ気にしすぎてもしょうがないような気もする。

109:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/13 21:32:54 iN8wo+aW
何だろう……妙に申し訳ない気分にwファンタジーすぎるかも知んない…タウエルン
遅くなりましたがレスありがとうございます
>>102
リヒター…一体どれほどの実力の持ち主なのか気になりますね
続きを待ってますです
>>94-95
魔法というか得体の知れない物として書きたかったのですが結局ファンタジーにw
中々リアルに、というかリアリティを出そうとして書けないですね…orz
>>96
三段変形というかリミッター解除というか。本来のタウエルンに戻るって感じです
出来るだけカッコ良く書きたいですね。要なので

110:107
09/06/13 22:39:49 NrRbP3Aj
>>108
まあ、俺も「自分ではそうは書かない」レベルで、いちいち他の人の書いたものにケチ付けたりはしない方ではあります
>>107で書いたのは、その上で用語の使い方の話になってたから)

ぶっちゃけ、呼び方なんかより、よく指向エネルギー火器が高威力火器として描かれてる(特に装甲目標に対して)ことの方が
気になる人間だし。

111:創る名無しに見る名無し
09/06/13 22:50:37 +wqtBBb0
そのエネルギー別のことに使えって話か
まぁいいじゃない。ヴィジュアル的には格好いいし。

112:創る名無しに見る名無し
09/06/13 22:52:52 QdZKdHKr
ビーム兵器が自分の頭脳だと使いきれる気がしないので不思議兵器として扱ってるなー
とりあえず不思議なモノなの、なんか凄いものなの、で通そうとか思ってる
しかし、書いて削ってを繰り返してると中々完成しない…途中のキリのいい所で切って前編として投稿した方がいいんだろうか…

113:創る名無しに見る名無し
09/06/13 22:59:31 URY4wTRd
>>112
1シーン単位でやってる人(荒野、スプリガン)もいるし、
一話をわりと短くしている人(パラベラム)もいるし
いいんじゃないか?

114:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/13 23:03:07 iN8wo+aW
>>112
良いと思いますよー。自分自身区切りの良い所で
確かに推敲してると長くなっちゃいますよね…


115:創る名無しに見る名無し
09/06/13 23:05:13 URY4wTRd
タウエルンもだった。ごめんごめん。
けっこうボリュームがあるんで短いという気がしなかった

116:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/13 23:28:00 ggXt1eOI
深夜のガンダムに備えて寝ている間に盛り上がっている、だと!?
てか、鯖、復活していたんですね


>>103
ゲインとゲイナーみたいなノリで(ry
一応関係はある……ような、無いような

>>104
単純にメガ粒子やGN粒子をマナに置き換えたものだと思っていただければ

>>105-108
単純に自分の知識が足りなかっただけです、はい。
そうか……。荷電粒子砲って、光学兵器じゃないのか……

>>109
むしろそのファンタジックな光景、Yesだね!

117:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/13 23:43:21 iN8wo+aW
>>115
いえいえw毎回書いてて思うんですよねー、詰め込みすぎだってw
短く書くのを目標にはしてるんですけど、心理描写云々入れるとどうしても長くw
>>116
えぇ、これからもファンタジックを目指しますよ。キーが一ミクロンも打てないですがorz

ふと思ったんですけど、設定って作った方がやっぱ良いですかね
他の作者さん達が結構緻密な設定を投下しているので、自分だけが物語だけ投下してるのもアレかなと

118:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/13 23:52:29 ggXt1eOI
>>117
今のところは2~3つぐらいでいいと思いますよ、設定

設定が少ないと、かなり自由にできますから

119:創る名無しに見る名無し
09/06/13 23:53:56 +wqtBBb0
あんま設定つめると意地悪な人に突っ込まれる件

120:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/14 00:03:41 ufA+lWuK
>>118-119
そうですね……取り合えず物語に重要そうな所は作っておきます。上手くできるか自信ないけど
助言どうもです。それではおやすみなさい


121: ◆klsLRI0upQ
09/06/14 03:21:38 DChI8kQc
設定作ってるように見せかけて、実はあんまり作ってない人ですw
プロットも…オチだけ決めてそこに突っ走ってる感じなので、結構思いつきで書いてることも多々

背中押してもらいましたのでとりあえず現在、誤字脱字と矛盾無いかの確認作業に入ってます
今日の夜には落とせるかな

122:CR 第一章 SIDE C前編1/3  ◆klsLRI0upQ
09/06/14 22:11:59 DChI8kQc
それは一瞬の出来事だった。
大地に舞い降りた漆黒の鋼機は腰から引き抜いた大きな黒槍をその場にいた天狼の喉元に突き刺したのだ。
機体から紅い閃光が走り、その閃光は軌跡となって、天狼の機体になだれ込み、黒槍の矛先に収束していく…。
矛先の空間が歪みはじめる。
その歪みは紅の光を通し、一点の大きな光となっていく…。
そうして集められた光を漆黒の鋼機は黒槍にあるトリガーを引く事で解放した。
閃光。
それは指向性を持った強大なエネルギーとなって黒槍の矛先から解放され天狼の巨躯を体の中から蝕む。
それは貯蓄した力の全てを放出するように天狼の体の中を駆け巡り、その肉体を陵辱し、その存在を蹂躙し、それがそこにいたという事実を消滅させていく…。
そうして天狼は塵芥残さず消滅した。
この間、漆黒の機体がこの大地に舞い降りてから、わずか5秒の出来事である。



なんという威力か―
その黒槍は超振動により対象の装甲を削り裂く鋼機のナイフですら受け付けぬ天狼の装甲をあっさりと貫き、それを一瞬で対象を消滅させたのだ。
その場に居合わせたものがいたのならば、その光景に余りの理不尽さを感じただろう。
漆黒の機体は足元に両腕を破壊され倒れている蒼白の機体の全身全霊を賭した戦いを茶番だと言わんばかりにいとも容易く一蹴したのだ。
自らの機体が半壊しながらも執念で戦い続けた蒼白の鋼機がそれでも届かない圧倒的な差を示された前にそれを圧倒的な能力で一瞬で消滅させてしまった。
漆黒の鋼機は肩、膝、背の各部を展開しはじめる。
展開した部分から紅い光りが迸る。
そうして放出された光りは周囲に降り注ぐ。
周囲にあった草木はその光りを浴び、色を落とし、枯れていく……そして、それはそんな中にそびえ立っていた。
漆黒の御身に紅蓮の光を纏う機械仕掛けの悪魔。
まるでそれはこの世に破滅をもたらす魔王のように見えた。
そう、これこそが世界政府から現在指名手配を受けている謎の漆黒の鋼機、通称:ブラックファントムである。



ブラックファントムは背中にある機械仕掛けの大きな黒翼を広げ飛び立とうとする。
その時、怒号のような銃声が鳴り響いた。
それとほとんど同時に漆黒の鋼機の周囲に大きな爆発が起こる。
ブラックファントムの機体がその爆発で揺らぐ。
そこに空から三機の蒼白の鋼機がパラシュートで降下してくる。
蒼白の鋼機、つまりは三機のS-21 アインツヴァインは着地後にすぐさまブラックファントムを包囲するような陣形を取った。
そしてアインツヴァインは自身の持つ、アサルトライフルの銃口を全てブラックファントムに向けた。


123:CR 第一章 SIDE C前編2/3  ◆klsLRI0upQ
09/06/14 22:14:55 DChI8kQc
「けっ、本当にあの化け物を破壊しちまうとはな、こいつ本当に鋼機なのか?」
オープンチャンネルで蒼白の鋼機のスピーカーから人声が流れ始めた。
声の硬さからして男だろうか…発言の軽さからか若干、ぶっきらぼう人柄が感じられる。
それに同調するようにもう1機の鋼機もチャンネルを開く。
「データ上1世紀前の鋼機、S-16と類似している点は多い。例えばあの背部の翼に使われているブーストユニットは当時実験中だったフライトシステムの可動ブースターそのものだ。
鋼機とフライトユニットの一体化を狙ったものだったそうだが、僕から言わせてもらえれば、フライトユニットの一体化なんて無駄に機体の重量を重くするだけで愚考でしかないよ。
今ではフライトユニットは使い捨てのモノが当たり前になっているが、なんで最初からそうしなかったんだろうねと僕は思わざる終えない。」
その男の声にはヒヤリとするような冷たさがある。
「でも、今の見ただろう?あんな事できる鋼機なんて聞いたことないぜ。50年前には魔法使いでもいたっていうのか?」
「馬鹿も休み休み言え。」
「だがよー。」
「α5、α6、黙れと私は言ったんだが、聞こえなかったか?」
三機目の鋼機が二人を静かに言い放つ。
「誰が勝手にチャンネルを開いて良いと言った。通信したければ、普通に話せばいいだろう?なんで、わざわざスピーカーを通す必要がある。」
三機目の鋼機から発せられた声の質からしてその鋼機に乗っているのは女性であることは間違いなかったが、その声はそれが女性だと感じさせぬほどの静かで、それでいて威圧するような物語りだった。
その女の声には静かなその他の二機の鋼機の搭乗者に対する、怒りを感じさせられる。
もし、その場に立ち会っている人間がいたのならば、誰もが彼女こそがこの二機の鋼機を統括するこの場の指揮官なのだと理解しただろう。
「そんな事を言っても―」
「α5、私は黙れと言った。」
反論しようとした、ぶっきらぼうな男を女の指揮官は臥せるように一喝する。
「申し訳ありません、隊長。」
即座にもう一人の男が女に謝罪を述べ、
「はいはい、申し訳ありませんでした!!」
それに続くようにぶっきらぼうな男もしぶしぶと投げ槍な謝罪をする。
「さて、そこの黒い鋼機、大変見苦しい所をお見せしたが、私の声が聞こえているかね?」
指揮官は、自身の部下達に言い放つのと同じ口調でブラックファントムに対して語りかける。
「…………。」
ブラックファントムは沈黙している。
ただ、その紅い瞳はその指揮官の乗るアインツヴァインを睨む様に見つめていた。
―退け、さもなければ殺す―
まるで、その相貌はそんな事を無言で語りかけているように指揮官は感じた。
それに対して指揮官は何かを頷くような素振りを見せ。
「ふむ、喋る気が無いのかね、まあ、それもいいだろう。ああ、そうかそうか、大事な事を忘れていた…自己紹介がまだだったね、私の名前はシャーリー・時峰(ときみね)という。
世界政府第7機関に所属する組織『イーグル』の構成員の一人だ。見ての通り、この馬鹿どもを率いる小隊長のようなモノをやらせて頂いている。
一応、君に銃口を向けているのは我々の恐怖心からだ非礼だとは思うが、許していただきたいと思う、それに君ならば、この程度なんの脅威にすらならないだろう?
あと、君の足元に半壊して倒れている鋼機も一応は私の部下でね、命令無視して特攻した馬鹿なんだが、それでも私の部下でね、よければ返してもらえないかな?」
声の強さを変えず、淡々と小隊の指揮官、シャーリー・時峰はブラックファントムに語りかけた。
だが、ブラックファントムは無言で返す。
ブラックファントムの黒を貴重に、紅の光を纏ったその様は人の目にはなんとも禍々しく映る。
一見するとその機体には血の通った人間が乗っているのでは無く、どこともしれない悪魔がそれを動かしているのでは無いかと思えてしまう程だ。


124:CR 第一章 SIDE C前編3/3  ◆klsLRI0upQ
09/06/14 22:15:53 DChI8kQc
だが、そうでない事をシャーリーは知っている。
「ああ、ちなみにだ、その機体に人間が乗っている事は我々は重々に承知している。S-15以降の鋼機にはパイロットが生存しているか否かを発信する機能があってね、君の機体は我々の推測によればS-16をベースに大幅に改造を行ったモノだ。
ならばだ、もしかするとまあ、その生体反応を発信する装置は生きているかもしれない…と我々は考えて行動させてもらったわけだよ。少々、古い機種だったので判別が少々大変だったがね、人間の生体反応をしっかり確認できたよ。
勿論、あのアンノウンの仲間が乗っている可能性を考えなかったわけでは無いが、送られてくる情報から君がこの地球の人間だということはしっかり確認できた。うん、だからそうなんだ、君がその機体に乗っているという事を我々は知っている。」
確認した事実をシャーリーは次々と淡々に述べていく。
「つまりはだ、まとめると私の目の前にいるどこの骨董品かもわからない一世紀前のメタルアーマーのカスタム機には地球人が乗っているという事だよ。
しかもだ、その正体不明の骨董品は、その骨董品より一世紀後に出来た最新鋭の機体でも倒せないような敵をまるでゴミ屑のように消滅させていってしまっている。
驚異的な事だと思わないかな?まさにこれは驚嘆に値する事実なんだ。だから、我々としても非常に気になるんだよ、君の機体はいかなるズルをして彼らと戦っているのかとね。それに―」
「――で、用件は何だ?」
漆黒を身にまとった機械仕掛けの悪魔がついにその閉ざしていた口を開いた。
男の声だろうか、その声にはその漆黒の機体の印象も相乗してか暗くて重いものを感じさせられる。
「ありがとう、ブラックファントム。君とコミニケーションを取るのも私の目的の一つだったんだ。ああ、そうだブラックファントムというのは私達が君に勝手につけた呼称だよ。
気に入らないかもしれないが、中々洒落ていると思うんだが君はどう思う?」
「あんたらに何と呼ばれようが興味は無い。ここで寝てる奴にさして興味も無い、勝手にもっていくといいさ…それよりさっさと本題に入れ…俺に銃口を向けておいてまでしようとする用件は何だ?」
ブラックファントムの声に少量の怒気が混じっているのをシャーリーは感じた。
「なるほど、確かにそろそろ本題に入っても良い頃かな。さて、ブラックファントム。我々は君の機体に使われている技術に大きな興味を抱いている。あの鋼獣を一蹴するほどの力をね。
いったいどんな理論で、どんな理屈で、どんな技術を持って、その機体を作られているのか?我々は知らなければならないんだ、奴らとの戦いに勝利する為には……だから、だからだ、ブラックファントム…我々が奴らに勝利する為に―君を捕獲されてくれ。」
いつもと変わらぬ口調、変わらぬ強さで、シャーリー・時峰は眼前の機械仕掛けの悪魔に対し、自身の目的を告げた。

125: ◆klsLRI0upQ
09/06/14 22:40:33 DChI8kQc
お久しぶりです
そして凄い中途半端なところで終わってしまってすいません
実はSIDE Cも引きみたいな終わり方をする予定なのでちょっと展開の過食気味になるんじゃないかとその実心配してたりします
設定に関してちょっとした説明

生命反応からブラックファントムに乗ってる人間を人だと判別する所なのですが
元々はそういった手段を使わずもうちょい長い尺を取って話を作るつもりでした
なのですが、当初のSIDECの構想が長すぎて、なんでそんな本筋でもない所に話割いてんだボケとセルフ突っ込みを繰り返した結果
強引だけど簡単な方法を取ることになってしまいました

他にも突っ込み所ありそうですが暖かい目で見て頂けると嬉しいなーと思います

126:創る名無しに見る名無し
09/06/15 12:06:04 efAZIsA7
tes

127:創る名無しに見る名無し
09/06/15 12:17:44 efAZIsA7
失礼。
「シャーリー時峰」ってなんか耳に残るネーミングw
文章がときどき怪しいけど、内容は今後に期待を持たせてくれる出来じゃないだろうか
リベジオンが遣っている赤い光の正体とかいかにも謎って感じでいいわー

128:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/15 20:15:22 AxxuQSFH
命を奪う赤い光、ですか。これは鋼機に乗ってる人達かなりヤバいんじゃ……

シャーリー時峰さん、堂々としとりますなぁ

129: ◆klsLRI0upQ
09/06/15 20:58:45 4TghtJTj
>>127
文章はキャラに視点を置かないやり方がはじめてなので結構おっかなびっくりやってます
だから、今回ものすごく遅くなりました…元々直情型な人間なので結構不慣れででも書いてて新鮮で面白いのですが
周りから少しづつ盛り上げてく予定なので大きな盛り上がりはもうちょっと先になるかもしれませんが
気長に付き合ってもらえると嬉しいです

ネーミングはなかば思い付きですw


>>128
光の正体に関しては色々想像してもらえると筆者としては凄い嬉しいです
これがリベジオンの特徴でもありますし、この辺りは結構頑張って設定作ったので

シャーリーは揺るがない女をイメージして言動を書いています
男ばっかだと面白み無いし、リーダー女にしようか、でも、○は後々出す予定だし、上に立つ人間だしなーという事で
いつでも余裕を持って話すような感じにしてみました

130:創る名無しに見る名無し
09/06/15 22:50:56 +yCgvXI/
質問だけどここってスーパーロボット系でなくてもOKだよね?
近いうちにちょっと作品書こうと思ってるけど

131:創る名無しに見る名無し
09/06/15 22:57:08 4TghtJTj
ロボ全ジャンルOKだと思います

アンドロイド系までもいるし

132:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/15 22:58:57 AxxuQSFH
スーパーロボット限定だなんて何処にも書いてないぜブラザー!

というか、そもそもスーパー、リアルに分けるのがナンセンs(ry

133:創る名無しに見る名無し
09/06/16 00:00:58 JoGaq+oy
>>130
期待してるぜ
ここ数日は議論もあって活発で良いな

134:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:21:25 dL+Mfs4K
投下します

135:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:22:15 dL+Mfs4K
 強すぎる光によって目は潰れるというが、濃すぎる闇によってもまた同じなのではないか。
 感覚の許容量を越えてしまうほどに、そこに顕現した翳は、黒く、暗く、また重たげであった。尋常の精神力
では直視できまい。まして自らがそれと敵対する身ともなれば、果たして正気を保てるかどうか。
「……素晴らしき哉、人族のスプリガン。我ら甲属魔族の進化はいつも、貴様のような強敵を超克するところか
ら始まったのだ」
 漆黒の魔族ドルンドメオンの余裕ある口振りは、勝利を確信するからこそ。
 スプリガンは多次元センサを総動員して、魔石のエネルギーにより変貌を遂げた魔族を分析する。
 もともと頭頂高5メートルのスプリガンより二回りほど大きかったドルンドメオンの身の丈は、今や7メート
ルに達していた。重厚さを極めた積層構造の甲殻が、全体を肥大化して見せる。増大した体重で地盤が沈下。
 言及を避けられないのは、四本にまで数を増やしたその腕。昆虫のような姿に似合いの肢だった。背面から伸
びていた用途不明の黒翼が遂にその正体を現したのだ。三つの節のそれぞれが異常に長尺で、発達した脛節の鉤
爪は禍々しい。日本最大の甲虫ヤンバルテナガコガネは、その名の通り前脚長が体長のおよそ1.4倍もあるが、
印象はそれに近い。
 ドルンドメオン・メンタルバーストフォルム。
 伝家の宝刀を抜いた、魔界の実力者がそこにいた。
「さあさ、来ませい!」
 カマキリの威嚇姿勢のように長い腕を大きく拡げ、古強者は声を張る。それだけで地響きを生ずるほどの気迫
に満ちていた。
「来ませい来ませい!」
 直後。ドルンドメオンの姿が、スプリガンのエーテル光学センサの視界から消滅。
 そこには地表から剥がれた瓦礫だけが舞っていた。足下から伸びる影さえ置き去りにするような超高速移動。
空間に灼きつく黒色が残像となったのも、スプリガンが追いきれなかった理由のひとつ。
「来まっせぇいッ!」
 言葉と裏腹に、ドルンドメオンが速攻。
 新たに追加された怪腕による左右同時攻撃は、さながらクワガタムシの大顎だった。つるはしのようにスプリ
ガンを打ち据える鉤爪は、強烈な死の臭いを放つ。
 スプリガンがそれを回避できたのは、“戦士の勘”とでもいうべきショートカット認識の賜物だった。天農と
の鍛練によって超一流の達人となった彼は、しばしばロボットの常識を覆す。
 代わりにアスファルトの大地を掘削する黒光りの凶器。スプリガンの装甲に用いられたアンブロシア鋼とて、
直撃を受ければ耐えられまい。
 トンボの幼虫ヤゴは、種によってはわずか千分の五秒という早業で下唇を伸ばして獲物を捕らえるという。甲
属魔族の雄ドルンドメオンの一連の動きは、それを思わせる電光石火。
「今のはいかんな。誘っておきながら、ついこちらから手を出してしまった。どうしてくれよう、有り余まるこ
のパワー……」
 冗談めかした独り言を口にしながら、ドルンドメオンは悠然と構えをとった。関節で甲殻が擦れ、ごりごりと
生物らしからぬ軋轢音がする。二本の触覚が緩慢に旋回。
 足捌きを殺して腕だけの戦いに持ち込めば競り勝てると踏んだスプリガンは、果敢に前に出る。
 エーテル圧式打撃マニピュレータは、地上最強最速の運動エネルギー兵器だ。少なくともスプリガンはそれだ
けの自負を持っている。

136:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:23:11 dL+Mfs4K
 二大巨人が互いの剛腕の射程圏内に突入。
 拳打、掌打、手刀、手の甲での捌き、手首の返し、腕先によるいなし、爪弾き、指での圧迫、鉤爪の刺突。
 足を止めての攻撃の応酬は、余波だけで周囲の地形を変える。遠目には小さな自然災害にも見えた。
 スプリガンの公算に反して、実力は互角だった。速さでは確かにエーテル圧式打撃マニピュレータが圧倒的に
有利。しかしドルンドメオンにはそれ以外の武器がある。
『四本の腕……!』
「本来はもげたときのための替えなのだが、貴様に二本では足りぬようだったのでな」
 肢の数的優位を得て、ドルンドメオンの猛攻の激しさは嵐のそれになっていたのだ。
 上級魔族であるドルンドメオンの戦闘能力は、先に葬り去ったリクゴウなどとは次元が違うものだった。デー
タを収集しながら、スプリガンは舌を巻く。
『強い……!』
「貴様のいうことではない!」
 危なげなく攻撃全てを捌いてみせるスプリガンにドルンドメオンが返し、また防御不能の鉤爪を振るう。スプ
リガンはその有効範囲を見切り、逆に“火炎車”の要領で一挙に懐に跳び込んで胴に回り蹴りを叩き込んだ。
 昆虫に似た彼ら甲属魔族は、食餌や呼吸とは別に、鬼門という器官から大気中に満ちるエーテルを摂取し、体
内で燃焼させている。脇腹に開いた幾つかの孔がそれで、つまり弱点となる可能性が高い。
 確かな手応えが、スプリガンの駆動系に抵抗として伝わる。
「……そんなものか?」
 だが、重戦士の鎧のような殻を砕かれながらも、ドルンドメオンは平然としていた。スプリガンの目の前で、
罅割れに粘性の高い体液が滲み、わずか数秒で損傷がみるみる塞がっていく。メンタルバーストにより強化され
た即効再生能力だった。
「フンン!」
 ドルンドメオンの両腕の腿節と經節を繋ぐ関節から、エーテルの奔流が迸る。
 エーテルブラストは、射速こそさほどでもないが効果範囲が広い。動力炉であるエーテルドライブへの悪影響
が予想される以上、スプリガンは距離を開けるしかない。
 スプリガンは流派超重延加拳の初歩“歯車”により、傍らのビルの壁面に前腕のタイヤを押し当て、逆回転を
掛けて大きく後退、さらに遮蔽物の多い複雑な地形に分け入る。
「消えた……か?」
 ビル越しにも響くドルンドメオンの声には、戸惑いが含まれていた。
 生命体であるならばいかに巧妙に潜伏したところで全くの無音・無動作・無温とはいかないが、スプリガンは
あくまで機械体である。最低限の機能だけを残して休眠状態に入れば、無機物にまぎれて魔族からは捕捉が困難
になる。
 上級魔族の多次元感知や、禽属など一部が持つという完全空間把握までは欺けないにせよ、個体の能力を群れ
で補う甲属魔族はそれらとは趣を違えた方向に感覚器を発達させている。あらかじめ死角に入っておきさえすれ
ば、充分に姿を隠滅できた。
 この状態から機を待ち、始動直後のエーテルドライブが発揮する高出力のままに飛び掛かるのが、流派超重延
加拳“朧車(おぼろぐるま)”である。
 もっとも、密林の王者の狩猟に倣った奇襲戦術をもってしても、その一撃のみではメンタルバーストしたドル
ンドメオンを仕留められまい。
 稼いだ時間で情報の整理を実行。出し惜しみはできない。

137:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:24:02 dL+Mfs4K
 好敵手を捜し求めるドルンドメオンが立てる物音が、寂静の廃墟を揺すっていた。
 魔族の戦士の足取りには、動きを隠そうという意思はなかった。事実上不死身となったために、以前よりも大
胆に攻勢を掛けることができる。
(逆にいえば、それだけ無警戒になっているということだ。そこを突くしかない)
 恐らくドルンドメオンは今、「一、二発攻撃を貰ってからどう対処するか考えれば充分だ」と考えているはず
だった。事実としてスプリガンには体格という埋め難い弱点が存在する。一概に油断ともいえない。
 メンタルバーストフォルムとなった難攻不落のドルンドメオンを攻略するには、対魔族戦術の基本に倣って、
治癒の暇を与えずに絶命させるしかない。とはいえ重甲殻の防御力の前では一撃必殺など望むべくもなく、同一
箇所への集中攻撃はエーテルブラストや機動力で振り切られる。これでは千日経っても勝てない。
(流派超重延加拳。その極意は、「駆使」の二文字)
 進退窮まった状況において、スプリガンは努めて流派の初心に帰る。天農の教えだった。
 それは、人型兵器(HW)ならではの格闘術として考案された流派。HWS-03“スプリガン”は、変形に
掛かる駆動力やタイヤの回転力を利用し、人体の限界を越えた動きの足し引きをしている。
 この状況で何をどう足して、どう引くのか。スプリガンは決断する。あとはタイミング。
 恐ろしげな足音が最接近。まだ見つかってこそいないようだが、そこは既に目と鼻の先だった。
 ドルンドメオンが、ビルの向こうから、ぬうと貌を出す。
「そこか!」
 複眼のひとつひとつに鮮烈な青が映り込むより速く、スプリガンがエーテルドライブを始動。「撥条仕掛けの
巨人」という名の由来に違わぬ、驚異的な瞬発力で跳ぶ。
 振り上げた右脚が弧を描いて、一動作で“朧車”の踵落とし。メンタルバースト以降に追加されたもうひとつ
の左腕を強打して内外の骨格を歪ませ、数瞬だけの麻痺を期待する。
 それで下拵えは終わった。そこからの派生技こそが流派超重延加拳の真骨頂。
 魔族の肩に噛みついた右下腿部のタイヤをそれじたいの摩擦力により固定、わずかに回転。密着状態から全身
を屈曲し、脇腹を狙って左の膝蹴りを放つ。
 重甲殻の粉砕により、当該部位の防御力が激減。
 ドルンドメオンがスプリガンを振り落とそうと超高速移動を開始するが、右脚のタイヤが根を張った宿り木の
執着心で吸いつき、引き剥がせない。
 スプリガンがまた左膝による第二撃。第一撃による傷口から黄濁した体液の飛沫が滲み出すよりも早い。
 間合いをとることを断念し、スプリガンを先に絞め殺そうとドルンドメオンが棘の浮いた腕を動かす。さなが
ら抱擁によって死をもたらす拷問具。だが、攻撃の役目から自由となっている二基のエーテル圧式打撃マニュピ
レータが防衛圏を築き、剛力を発揮させない。それでも過負荷で損耗し、関節が火花を散らした。
 さらにスプリガンが前回までと同一の動きで第三撃。
 ここまでが転瞬の出来事だった。
『終わりだ』
 鋼の声が宣告。
 第四撃により魔族の生命維持に関わる重要器官を完全破壊。ドルンドメオンの絶叫が響く。
 微調整を行いながら敵の肩においてタイヤによる進退を繰り返し、敵の特定箇所を致命傷に達するまで幾度で
も抉り続ける。杭打ち機という大地を穿つ機械にも似た兇悪な連続攻撃。
 高機動・重装甲・即効再生と三拍子揃った難敵を一点突破で破壊する、流派超重延加拳“崩山車(ほうざんぐ
るま)”、スプリガンの会得した中でも屈指の荒技が激戦を制した。

138:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:25:51 dL+Mfs4K
 スプリガンの青い装甲は、緑に染まっていた。凄惨な戦いを振り返り、あの幼い娘などには見せたくないとふ
と思う。しかし生物である魔族と殺し合う以上、それは避けられないことでもあった。
「ドルンドメオンが、ドドの大戦士が、敗れるとは……」
 動けるほどに回復したオルピヌスが、呆然と膝を屈した。リクゴウは死に、ドルンドメオンの命も長くない。
遊撃種の兵隊カーストの一小隊で残っているのは、赤銅色をした彼だけになってしまっていた。
「み、見事だ……! 人、族の戦士、スふッ、スプリガンンよ! 我に生じた慢心を、見抜かれたかぁっ!」
 地上に横たわる瀕死ドルンドメオンが、溢れる体液を喉につかえさせて吼える。
「オオル、ピ、ヌス……」
「ここに」
「このデータタ、生きて必ず、も持ち帰る、のだ……!」
「ドルンドメオン!」
「役目を、果た、せ……」
 それきり魔界の実力者ドルンドメオンは事切れた。
 最期まで任務のことを考える彼に、スプリガンは敬意を禁じ得ない。魔族の戦士達と機械仕掛けの自分は似て
いると思う。
 しかし、だからこそ、同じく譲れないものもある。
『オルピヌスといったな』
 低い声には、魔族すら震える凄みがあった。
『魔界に生還などさせると思うな』
 人類の置かれた状況は厳しい。
 突発的に出現するエーテルポイントからは甲属魔族の兵隊カーストが湧き、時には獣属魔族によって大都市が
一夜にして壊滅する。世界中の空を禽属魔族が舞い、海では群れからはぐれた鱗属魔族が船舶を脅かす。
 誰もがことねのように白昼に悪夢を見ているのだ。
 魔族という生ける災厄が跳梁する時代。
 新世代の対魔族兵器であるHWS‐03“スプリガン”は、誇張なく人類の希望となる存在だった。
 データなど、断じて渡すわけにはいかない。
「ぎぃ……っ!?」
 オルピヌスがしゃくるような悲鳴を上げて後退さり、びっこを引きながらのろのろと逃走を試みる。千切れて
短くなったままの触覚が力なく震えていた。
 スプリガンもまた“崩山車”中の攻防でエーテル圧式打撃マニピュレータに不具合を生じており万全ではない
が、重傷のオルピヌスに止めを刺すには十二分だ。
(せめて一撃で)
 スプリガンが、オルピヌスの背中に必殺技を打とうとしたときだった。
 何者かが放ったエーテルブラストの疾風が、スプリガンが足を踏み出す先をごうと横薙ぎに通り過ぎ、土砂の
壁を築く。オルピヌス追撃に対する妨害の意図は明らかだった。
 出鼻を挫かれたスプリガンは首だけで頭上を振り返る。
 上空に敵影。
 スプリガンに翳を落とし、青の鎧から輝きを奪う。それは、ガリバー旅行記の世界でもない限りは魔族でしか
有り得ない、翼を拡げるだけで天を覆う“巨鳥”だった。




139:瞬転のスプリガン(5) ◆46YdzwwxxU
09/06/16 00:27:10 dL+Mfs4K
今回はここまで。相変わらず分かりにくくて申し訳ないです。
「崩山車」は、1スレ目の>>992様からいただきました。ありがとうございました!

140:創る名無しに見る名無し
09/06/16 00:41:15 4WuwhOTZ
戦闘描写凄いなー
機械感が出ててメカメカしくて呼んでて凄い楽しいです

141: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/16 22:30:27 nD/2Xgke
色々と忙しかったりスクコマ2に思いっきりハマってたりで随分と遅れてます。
>>129
このまま戦闘になってしまうのか、それとも……続きがとても気になる展開です。
>>132
でもスーパーやリアル系とかの作品ばっかりの方が、後でスパロボ的作品を作りやすいかもしれない。
>>139
凄まじい戦闘、強大なる敵ドルンドメオンを仕留めたスプリガン。しかし、最後に現れた巨鳥とは……。
現在執筆中の予告編後半で一つ質問があるんですが、ネクソンクロガネの時代って20世紀後半~21世紀初頭辺りであってますか?

142:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/16 23:55:10 GOQAuutw
おお、続々と新技が。これは“轟”級の技にも期待ですね!

>>141
ロボット物総合スレ版ディケイドですナ

143: ◆46YdzwwxxU
09/06/17 05:24:00 tsEkw1gU
レスどうもです。
次で戦闘させずに最終回の予定だったけど、もうちょっとだけ続けてみようかと思ってます

>>141
時代は全然決めてないですが、たぶんそのへんじゃないですかね。・・・もっと現代に近いかも
家電とかは現代と変わらない感じで話は作ってあります
未来というよりは、どこかで一部の技術だけが変な方向に発展したパラレルワールドのような

144: ◆46YdzwwxxU
09/06/17 05:48:54 tsEkw1gU
間違えました
20世紀後半~21世紀初頭辺りだったらそのまんま現代やんか・・・orz
なので一行目二文目は撤回しますです

145:創る名無しに見る名無し
09/06/18 14:06:40 8Y3hgmIK
暇潰しに>>4に挙げられている作品でスパロボを妄想しようとしたが、すげー難しいな
ワープ抜きだとある程度は世界観を犠牲にしなきゃいかんということか
本家スパロボではどうしてたっけ・・・

146:創る名無しに見る名無し
09/06/18 14:08:45 CaJKOHMW
本家スパロボは大抵、ある程度崩してるよ
やり方が失敗してるとKみたいな感じで非難され
成功してるとスクコマ2とかWみたいな感じで絶賛される

まー大事なのは、それぞれしっかり立てておくことかなー

147:創る名無しに見る名無し
09/06/18 14:31:34 8Y3hgmIK
ふむ。

スタンダード(CR、スプリガン、ゼノ、ネクソン、姫路B)
荒廃(荒野、タウエルン)
魔界(姫路、スプリガンB)
ファンタジー(パラベラム)

砂漠地帯とか言い訳すれば荒廃をスタンダードに組み込んだり
勢力圏を分けてファンタジーと魔界を統合できるかも?
最低二つの世界なら割とまとまっているはず

・・・っつっても、キャラ把握できるまで進んでる作品はそんなに多くないから
実際始めるのは無理だろうが。あとはクロスオーバー妄想くらいが関の山か

148: ◆gD1i1Jw3kk
09/06/18 16:32:23 yDskUWHJ
>>146
K、まだやってないけどそんなにストーリーひどいのか。

作品の続きを書けないのはスクコマ2のせいだ!と言い訳しておく。

>>147
実際にクロスオーバーやろうとしてる人間がここにいますよ。
こっちの姫路は特に理由も無く異世界に召喚された、という設定なので他作品とのクロスはやりやすいかと。
海上都市姫路は自走可能なので基地兼母艦代わりとしても使えます。

荒廃系とは気が合うと思いますよ、一度地獄を見てますから。自分の脳内の一次創作他作品(ロボット物ではない)ですが、全面核戦争で北斗の拳状態になった事がありますから。
死に物狂いで復興して、究極の統治システム完全管理社会を築いたまでは良かったが、自分達の創造した子供達に本土から追い出されてしまった、というのが本編開始数十年前の状況です。

149:創る名無しに見る名無し
09/06/18 18:08:37 8Y3hgmIK
同類項をまとめてみた

アンノウン(CR、ゼノ)
鋼獣(荒野、CR)
魔族(スプリガン、姫路)
悪人(タウエルン、ネクソン)

マナ・エーテル・魔法(パラベラム、スプリガン、姫路)
自動人形(タウエルン、パラベラム)

軍事組織系(荒野、CR、姫路、スプリガン?)
民間組織系(ゼノ、ネクソン)
無頼(パラベラム、タウエルン)
・CRのように主人公だけ浮いてる作品もあり、これだという分類は難しい

学校いってるキャラ(ゼノ、ネクソン)



ただ、同じアンノウンでも、CRの場合パイロット寄りで、ゼノの場合ユニット寄りなんだよなー。
魔族や鋼獣もそうだけど、なまじ同じ名前なだけにかえってクロスさせにくい。
下手に格差つけて勢力組み込むのもうまくないしなー。
現状、あまり面白いクロスというものが思いつかない。
もう二作品ほど新作が出るか、各作品の謎が解明されていけば糸口が見つかるか(チラッ)
ま、暇潰しのネタとしてはまあまあだった。



>>148
荒廃チームに入れれば序盤のバランスがちょうどいい感じになるか
でもさー、原作のままだと静はいきなり魔界チームいっちゃうんだよね
居残り組の守備隊の同僚とかはあまり描写されてないし。教授は出しやすそうだけど
戦艦不足は確かだからありがたいことはありがたいか

ついでに今だから忠告するが、アンタは書き方が露骨すぎるときがある
ウザがられる前に自重を心がけた方がいい
ま、気持ちは痛いほどわかるし、作者たるものそれくらいプライドがあったほうがいいのかも判らんけど

150:創る名無しに見る名無し
09/06/18 18:42:47 CaJKOHMW
CRクロス用に参考資料欲しいなら簡単な方針と設定まとめたの作るよー
結構、流れや資料が分散してるから、まとめるのに少し時間かかるけどw


>>149
>魔族や鋼獣もそうだけど、なまじ同じ名前なだけにかえってクロスさせにくい。
むしろここが一番の頑張り所だと思う
こういう名前似かよってる所になんだってー!というクロス設定考えるのがスパロボ流クロスオーバー
スパロボWに例えるとガオガイガーとゴライオンの獅子つながりで設定色々クロスさせたり
テッカマンとオーガンはビジュアル似てるからそれつながりで始祖アイバとかやらかしたりと
難しいかもしれんがこういう所は最もおいしいネタだと思うなー

151:tueun ◆n41r8f8dTs
09/06/18 18:49:18 kfTOqhXr
何か凄く面白そうな流れ……

私事が結構忙しく、まだ投下には時間が掛かりそうですorzすみません

152:創る名無しに見る名無し
09/06/18 19:31:35 8Y3hgmIK
>>150
設定よりむしろ本編を一段落するまで進めて欲しいキブン。先を楽しみにしてるぶん、ネタバレが来そうで怖ぇーし。
CRとか複雑化しそうなのは特に、とりあえずの方向性が決まらないとクロスさせようもないからぁー

そりゃー言うは易しってやつだよ

・俺たちは鋼獣(C)をこれまで鋼獣(荒)と同一視してたけど、全くの別のバックボーンがあったんだよ!
・実は鋼獣(荒)もまたアンノウン(C)操る兵器だったんだよ!
・鋼獣(荒)は、アンノウン(C)の命令を聞かなくなった、いわゆるはぐれ鋼獣(C)だったんだよ!

後ろの二つはどう考えても角が立つよなぁ・・・できればやりたくないね。
鋼獣(荒)に公式の黒幕がいて、それがアンノウン(C)と関わりがあるとかできればいいけど、分かんないし。
「あれがゴライオンか。噂どおりだな」みたいな敵のリアクション芸に留めるという手もあるが。

153:創る名無しに見る名無し
09/06/18 19:44:07 CaJKOHMW
>>152
>設定よりむしろ本編を一段落するまで進めて欲しいキブン。先を楽しみにしてるぶん、ネタバレが来そうで怖ぇーし。
それはごもっともな意見だw、頑張ります(´・ω・`)
でも方向性がガチっとするのは結構時間がかかりそう

俺のは扱いに困ったら踏み台にしても良いよーとだけ一応言っておく

154:パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM
09/06/18 20:01:58 gw018Afa
>>149
こうして見ると、拙作とタウエルンって結構共通点あるんですな


しかし、こういう面白い話が出ると気合い入っちまいますねw

155:創る名無しに見る名無し
09/06/18 23:59:39 8Y3hgmIK
・・・といっておいてなんだが、原作再現は必ずしも必要というわけじゃないんだよな
最低限キャラやロボの把握さえできれば、散発的に原作の敵と戦いながらその決着は「これからだ」エンドにして
スパロボ用にでっち上げたオリ敵を倒す方向で話を収束させるなんて手も使える。
いつ完成するかも分からん作品のクロスなら、そっちの方がいいかもしれん

ただ、それでもまだ参戦できない作品も>>4にはあるけどな

156:創る名無しに見る名無し
09/06/19 00:19:06 EefDTgjy
>>155
スパロボでもいるだけ参戦なんてしょっちゅうだしね

参戦できない作品…


シスターズですね、わかります
アイディアはかなり出てきてるんだけどとりあえずCR書かないとw


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch