自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第65章at MITEMITE
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第65章 - 暇つぶし2ch250:創る名無しに見る名無し
09/06/07 13:24:33 CQyXtVA9
>>246
完全に自給できるのはセメントくらいじゃ
それとも石油不足で動かない民間車を回収・分解して弾にするとか?

251:創る名無しに見る名無し
09/06/07 13:43:16 A+F/sww5
>>250
破砕物埋め立て所をあさればかなりのレアメタルが確保できると聞いた。

252:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:43:36 V70BFzQc
('A`)Q:ナゼ作中ニ適当ナ名前ガ多イカ

  A1:ソレッポイ名前ヲ考エルノガメンドウ
   2:モデルトナルモノガアレバ読ミ手ガイメージシヤスイ
   3:ネタデアル
   4:ゼンブアリ得ナイ名前ニシテオケバ 後テ名前ノ付ケ方ガ ゙アリエナイト文句ヲ言ワレナイ
   5:異世界デアル   
             ・・・ノドレカ  


253:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:44:23 V70BFzQc
△月×日

 しぐをバラし、部品の組み合わせと加工の意味を考えているだけで、いつの間にか昼になってしまっていた。
昼食は鮭の塩焼きと味噌汁、醤油で煮たジャガイモの煮付けと葉物を使ったサラダにチーズ。
塩と醤油をたっぷり使ったニホン風料理。
此処の工匠はニホン軍の基地内なので出てくる食べ物は皆ニホン流になっている。
料理は魚が中心で、味噌や醤油を使うなど西側料理に近い。
朝から晩まで醤油醤油塩塩塩。
塩が主要な輸出品のニホンであるが、限度を知ってほしい。
幾ら、国の一つや二つ余裕で支えるだけの塩があるからといって使いすぎは良くないと思う。
たまには肉を食いたい。

 ニホン人は一度に沢山の食品を買い付ける割りに食生活は意外と質素である。
彼らの料理を食べて驚いたのが、畑に撒く雑魚を食べるということだ。
エルブは貿易港の他に優秀な漁港があり、毎日多くの魚が水揚げされる。
通常、マグロやカシオ、アキアジなどは食用。
イワツなどの腐りやすい魚や小さな魚は纏めて肥料にされている。
肥料に出来る魚は大量に取れる代わりに腐りやすい。
ニホンが来る前までは集めて天日干しにして砕き、高級肥料として畑に撒いていた。
彼らはそれを買い取った。大量の塩にものをいわせて店ごと市場ごと。
沢山買い取って腐りやしないだろうか?
焼いたものを出してくれているがイワツを食べるのは心配だな。

254:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:45:09 V70BFzQc
△月◎日

 今日は休日だ。
久々に工匠から出て外の空気を吸おう。
頭が詰まった時は気分転換に限る。
外にはニホンの面白いものが沢山転がっているだろうし、新たな発見を得られるかもしれない。

 基地の中はニホン人だらけである。
黒エルフやドワーフの姿は要所に少し見えるだけで、
殆どが茶や緑のモザイク服と白衣を着た人種で占められている。

 この基地はニホンの自治する街であり、
ギルドが許可した一部の商人と軍人、研究者以外は出入りが制限されている。
特に魔道関係の検査は厳しく、手形の提示とニホン人が使うアーティファクトの検査を抜けた後、
黒エルフの身体検査とドワーフ族の物品検査を通らなくてはならず、人と物の出入りは別だ。
大抵の魔道道具の持込は許可されるが、予め申請していない道具を持って入ろうとすると酷い目にあう。
前に同行していた黒エルフが飼っていた使い魔が不申請なだけで
ゲート前に許可が出るまで待たされた。丸半日もだ!
まったく!ロイの奴、面倒掛けてくれる。

 研究棟の集まった食堂街を抜けると
白い四角い建物の群れの向こうに、四六時中頂上から火を噴く銀色のパイプが絡まりあった塔が見える。
呪われた地から毒を吸い出すそうで、黒エルフやドワーフ達も二つ返事で許可したニホン主導の大事業だ。
読売板(よみうりいた)によると黒エルフ派閥であるアカマル派とドワーフ族のユーミル派が
主導で行っていて、新たな利権が絡んでいるそうな。

 なんでも、ニホン製の高品質な金属をどちらが手に入れるかで揉めているらしく、
黒エルフはニホンと強力なパイプを持っていて鉄の利権を言い張り、
ドワーフ族は古来からの慣例通り鉄やアーティファクトは我らが仕切ると主張し対立している。
今回の発端は大幹部であったアカマルがバッサン軍から無事脱出し凱旋帰国、
大国ニホンとの友好条約を締結した件で黒エルフ族の発言力が増し、ドワーフ利権に手を出したようだ。
それにしたって、エルフもドワーフも景気がいいものだと空高く伸びる塔を見て思った。


255:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:46:06 V70BFzQc
△月◎Ш日

 今日も休みだ。ジェダイの桑井雁路(くわいがんじ、以下雁路)に聞いたら、太陽の日だから休みだとか。
ドワーフ職人に休みはない。エルフや人間とは違うのだ。
仕事が出来ないと思った日には仕事は進まないし、仕事を進んでしないと良い作品は出来ない。
思ったときには休日で仕事日だ。
職人は期日までに依頼を仕上げればいい。
だから明確な休日を決められるとドワーフは暇を持て余す。
そうだ。市場へ行こう。ニホン族の市場が開いているはずだ。

 研究者や職人が集まる長屋から十数メール歩くと小さな広場に出る。
屋根といくつかの椅子が置かれた待合室の横にはレールと動力付きトロッコ、
“鉄道”が置いてあり、これで街の各所へ向かえるようになっている。

 歩いて行っても良いのだが付くまで片道1時間以上は掛かる。
市場で商品を買い込んで、長屋へ帰るには少し遠い。
たった1時間歩くのを長いと感じるのはニホンの感覚に慣れたからだろうか。
いや、鉄道が便利すぎるせいだな。
鉄道を使うと歩くのが馬鹿らしくなる。
鉄道は乗合馬車に似た行き先が決まっている交通機関で、馬並の速度が出る。
しかも荷物は積み放題、途中で通行人に邪魔されないし目的地まで最短距離で行ける。
人込みの中を走るゴーレム力車より遥かに速く、私は街の住民であるため金も掛からない。

 それにしても、トロッコ一台一台に動力を付けるのは無駄ではなかろうか。
ゴーレム一体に荷運びや列車引きを任せれば楽であろうに。
ゴーレム力車やゴーレム飛脚はちょっとした街ならどこでもあるのに。
ニホン人は妙なところで面倒だ。

 ガタンゴトンと揺れるトロッコに乗って舗装された外を眺めた。
ジェダイの住む草木の色をしたテントに混ざって、
薄い茶色の金属板で覆われた金属の箱や、白い滑らかな表面をした壁の店が立ち並ぶ。
大小様々な色の家が建ち、雑多な印象を受ける。

256:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:46:52 V70BFzQc
 ニホン街には変わったものが数ある。
金属で出来た箱型の建物も名物の一つだ。
しかし特色は何と言っても、道が綺麗で清潔なことであろう。
道路は白い家と同じく漆喰に似た黒い素材で塗り固められており、滑らかで石一つ雑草一本生えてない。
どの道も大きく、最も大きい道などは幅の広さで有名なバッサン帝都のゲンサク通り、その倍以上はある。
面白いのは、それほど大きな通りに関わらず糞や塵が一個も落ちていないことである。
なぜなら馬や牛が一匹も歩いていないからだ。
では代わりに何が走っているか?
“鋼の馬”油で走るオートマタ、自動車が走る。油とは明かりに使うアレだ。
当然、機械は竜や魔物と違って糞をしない。だから道は綺麗なのだ。
自動車とはゴーレムの一種で、人型ではない。形は牛や馬が引く台車に似ている。
これも鉄道と同じく個別に動力が付いていて魔力がなくても使える。
このようにニホンのものは殆どが魔力なしで動いていて、
物造りに携わるドワーフとしてはとても興味深い。

 いくつかの小さな駅を過ぎると広場に出る。ジオダイクン城前にある青の広場ぐらい大きい。
昼になるといつも人でごったがえしていて、気をつけないと人込みで迷子になる。
背丈が低いドワーフにとって人間の人込みに混ざるのは大変だ。
買い物袋を持って歩くのは面倒なので背負い袋を持っていくのをオススメしたい。
箱型の自動車や鉄道、飛竜の乗り換えが出来る竜屋が集まっている。

 広場から少し奥に行くとオオサカ名物オルドロス焼き(小麦粉で出来た丸い焼き物、足が入っている)や
トンカツ(豚に小麦を付け揚げた物)などの食べ物屋が軒を連ね、
カイナッツオ鍋の店は連日、非番のジェダイや研究者達が行列を作っている。

 商店街を通るとやっと市場だ。
手前が街人向けの市場で最奥が商人用市場と港。
エルブの市場から直接、鉄道を通して運ばれた荷物を降ろすクレーン。
山と積まれた木箱や積み下ろし作業に従事するゴーレム、上も見えないほど積まれた金属の箱。
道にニホンの不可思議な自動車が忙しく行き交う。


257:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:47:38 V70BFzQc
 ふらふらと歩いている内に商人用の市場まで来てしまった。

 市場では妙な光景が繰り広げられている。
黒エルフ達とニホン人が激しく競り合っている、と思いきや
黒エルフがニ、三言話しただけでニホン人は頷き取引が終わってしまう。
同じ光景は他の場所でも起こっていて、市場の競り場にしては静か過ぎた。

 チェス板状に区切られた道と吊るされた看板、水の満たされた箱に入ったカイナッツオや
ルビカンテ製の魔法具、バルバシリアから取れた鉱石、所々に置かれた見本用の品々。
目立つ場所にはガラスケースが置かれ、スーツ姿のニホン人や
露出が多い礼服を着た黒エルフ達が互いの商品を売り込みあっている。
彼らは皆仕立ての良い服を着ていて、私服で来た私はどうにも居心地が悪い。

 そろそろ帰ろうかと思ったら帰り道が判らない。
ああ困った。広すぎなんだよここの市場は!

 さて、どうしたものか。
道を聞こうにも壁際に立つジェダイに話しかけるのはちょっと怖い。
彼らは見た目こそただの人間と変わりないが、一人で飛竜を屠る猛者達なのだ。

「はい。買取は以上で?二級品でも三級品でもあるだけ欲しいと?はは、判ってますよ。今後ともごひいきに」
聞き覚えのある声。ロイだった。
今日の取引が終わったらしく、書類を秘書に渡して帰ろうとしていた。
「おおおっ。ロイ!ちょうど良いところに!案内板がなくて困ってたんだ!」

無事に帰れた。
彼曰く、案内板は頭上にあって背の低い私は気づかなかったらしい。
とんだ恥をかいた。
目安箱にドワーフ用の低い案内板も設置して欲しいと書いた手紙を入れた。

258:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/07 14:51:22 V70BFzQc
投下終了

保管庫の方。書き直す前の文も入れてくだすってもよかですよ。
前に書いていたのは現在の叩き台でもありますので。

259:創る名無しに見る名無し
09/06/07 17:22:41 jI5+lfYl
投下乙です。
いつ読んでも異人の目線の日本には妙にナゴナゴしてしまうw
元ネタはアカマルだけわからなかったよ続きwktk

260:創る名無しに見る名無し
09/06/07 17:24:32 UkEAaHo2
投下乙!

それにしてもジェダイってwwライトセーバーと作り始めそうだw

261:創る名無しに見る名無し
09/06/07 17:31:38 q/20Rmtf
熟練の技術者はミクロン単位の誤差を感じることができるというがドワーフはどうなんだろう
ナノ単位くらいは感知できるんだろうか

262:創る名無しに見る名無し
09/06/07 18:11:30 jInrmmkt
多分マイクロ止まりだと思われ
剣作るのにミクロン精度必要ないし

263:創る名無しに見る名無し
09/06/07 19:24:32 KHbbRlL7

太陽の日だから休みだとか。
ドワーフ職人に休みはない。エルフや人間とは違うのだ。

ドワーフって昔の日本人(キリストに関心ない)みたいだな

すっかり日付や結婚式場とかキリスト式になってしまった

異世界にも大安吉日や盆帰りとかあるのだろうか?

 広場から少し奥に行くとオオサカ名物オルドロス焼き

タコはオルドロスと呼ぶのですか。

264:創る名無しに見る名無し
09/06/07 19:25:53 aLkd3O8V
カブあたりでもエンジン分解させたら熱中するだろな


265:創る名無しに見る名無し
09/06/07 21:22:10 D08FFYJy
◆8b20lCD.o.氏、改訂前分編集完了。

どうもスマートに編集できない・・・
更新履歴は華麗にスルーして下さると助かります('A`)・・・


266:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:12:43 X8qF8L+z
野菜工場の存在そのものを知らなかったよ!
書くんじゃなかった。無知が恥ずかしい。
これからも無知を晒すことになると思いますが、生暖かい目で優しくスルーをお願いします。
「この世界ではこうなんだ」フィルターを通してみてくださいまし……

なお、気付いたかもしれませんが米軍は存在しません。扱うとややこしいからです。
よってこの日本に存在する軍事力は自衛隊だけです。ご承知の程を。

では、投下開始。

267:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:14:14 X8qF8L+z
「ほうほう、これがテレビというものか」

興味深げに右から左からテレビカメラを眺め回すのはロゼッタだ。カメラマンが困惑した表情を浮かべている。

「中尉、それはカメラです。テレビに映すための道具です」

「なんと、ではわたしは今お茶の間にこの姿を晒しているという事か」

解説を入れる青谷。上陸以来何度こうやって解説したかわからない。
ちなみに使節は彼女一人ではない。というよりかなり大規模である。無駄に多いと言い換えていい。
大陸に存在するラウジッツ以外の主な国家は元より、
星の数ほど存在する小領邦が片っ端から使節を送り込んで来たのだ。
その中でもロゼッタの好奇心たるや凄まじいものがあり、
日本に上陸してからは嵐のような勢いで説明をぶつけてくる。付き合う青谷はへとへとだ。

『使節としての仕事はどうしましたか』

と皮肉を言えば、

『大使がいるぞ!』

と元気に返された。
じゃあ一体貴女の役割は何なのかと青谷は問い詰めたかったが、ハンバーガーを片手にコーラをがぶ飲みする
女三銃士を見ていると脱力の余りに何も言えなくなった。上陸一時間で馴染みすぎである。
もしやと思っていたが物見遊山が大きな目的だったらしい。
目立つ格好で自衛官を引き連れ、うろうろとその辺をぶらつく姿は容易に目立ち、
駆けつけてきたマスコミがカメラとマイクを突きつけるに至って、青谷はもうどうにでもしてくれという気分になった。

「初めまして! 日本人の諸君! わたしは帝国の使者ロゼッタだ!」

よく通る声でカメラに向かって語るロゼッタ。

「この世界へようこそ! 我々はあなた方を歓迎する。仲良くしよう!」

だが、国民向けの使者としてはこれ以上の適材はないかもな、と思い、青谷は苦笑した。
この分なら大陸との関係も楽観視していいのかもしれない。青谷も、テレビを見る人たちも皆そう思った。




吉田の戦場は行政の場だけではない。国会もまたそうだった。
転移という異常事態にも関わらず吉田率いる与党の動きは早く、これほどの事態にも関わらず国内の治安が保たれ、
外交的にも成功を収めているのは、外交下手を指摘されてきた日本政府としては異例なまでの優秀さといって
よかったが、それでも社会に歪みは出る。

貿易商社の類は大打撃を受けた。多国籍企業もまた壊滅的被害を蒙っている。
中小企業の多くは経営が立ち行かなくなった。
また、抱えていた外国資産が全て紙くずと化した衝撃は極めて大きく、
総じて経済界は大混乱である。首を括るものも多数出た。
それらに対する対処は、今のところ未定である。そして、何よりも食料への不安。
当然、野党は与党を攻撃した。

268:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:15:03 X8qF8L+z
「総理! 総理はこの未曾有の大混乱の責任をどう取られるお積りですか!?」

ヒステリックに叫ぶのは野党連合第二席に位置する民社党の党主。きゃんきゃんと吼える姿は
躾けもされず、甘やかされ放題で育ったプードルやスピッツを思わせる。だが顔は遥かに醜悪だ。

「食料の備蓄はもう僅かしかないって言うじゃないですか! それにエネルギーも!
普段からキチンと蓄えておかなかった政府の責任じゃないですか!? えぇ!?
巷じゃ食料不安から暴動が起こったり犯罪が頻発したりして、国民は不安な夜を過ごしているんですよ!?」

殆どヤクザじみた口調にあわせ、そうだそうだ、責任を取れ。という怒号が沸き起こる。

(なら普段からお前らもそう主張しておけ)

責任を回避するつもりはない。だが事が起こってから鬼の首でも取ったように正義の味方気取りで
問題を指摘するのはどういう根性なのだろうか。大体テレビ中継もされている場で、食料不安だの
暴動だのとがなり立てて国民を不安にさせるのが吉田には腹立たしい。
内心の怒りを隠しながら答える。

「その件に関しましては全責任は我々にあると強く認識しております。
ゆえに、この問題の解決に全力を尽くし、大陸との貿易を強化することによって、
国民の皆様に変わらぬ日々を送っていただけるよう、尽力する次第で御座います」

責任をとれていない、詭弁だ、辞めちまえ。という野次の中、吉田は着席する。

「総理! それに自衛隊です! この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?
だったら自衛隊のような過剰な戦力は不要です! 不要! とっとと軍備を縮小したらどうですか!?
彼らに無用の脅威を抱かせる原因になります! それとも総理は大陸侵攻でも企てているのですか!?」

「そのような事実は一切存在しません。また自衛隊は大陸諸国との協議を経た後、
十分な信頼関係が醸成されたと判断されれば、段階的に必要なレベルまで縮小する予定であります」

やはり馬鹿だ。大陸侵攻を企てているのか、だと。
企てているに決まっている。ただし飽くまで可能性のひとつとして、だ。
突如として外交が完全に行き詰まり、食糧供給が止まって緊張が高まったならば、
1億2千万の人口を食わせることは不可能になる。もしそうなったなら吉田は悪名を被ろうと、
大陸に侵攻することをためらうつもりはなかった。
無論、吉田としては大陸との協調が最善と信じているが、
オプションの一つとして、その考えは常に頭に置いているのである。

(もっとも、防衛大臣の言によれば難しいようだが)

兵力が足りません。無理です。その一言につきた。自衛隊の兵力は25万。予備を併せても30万程度。
日本を防衛するにも若干の不足を感じるのに、増してや大陸に侵攻して土地を占領するなど夢物語だった。
もっとも大陸は自衛隊の戦力の実態を掴めず、過剰評価している。
現状では戦わないほうがブラフとして有効ゆえ、その意味でも戦争はありえなかった。

269:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:16:36 X8qF8L+z
(しかし、野党がヒステリックなのはいつものことだが、ここのところは特に酷いな)

異常事態なのだから当然と言えば当然、と思う一方、やはり腹立たしくもある。
このような時なのだから批判を繰り返すだけでなく、何か建設的な意見を言うべきではないか。
今は与野党共に難局に立ち向かうべき時なのに。
へこましてやる。そう思いながら吉田はマイクの前に進み出た。

「ご批判を色々と頂戴いたしましたが、さて、では野党にお聞きしたい。
この危機を乗り切るため、野党としてはどのような案をお持ちでしょうか?」

「それはですね! 自衛隊を削減して! 憲法九条を死守して! 無駄遣いを減らして!」

「自衛隊の削減は現在検討中です。また無駄遣いとは何でしょうか? 具体的に仰って下さい。
そして憲法九条は本件には無関係と考えます」

醜悪なプードルが口をぱくぱくさせている。吉田は少し溜飲が下がった。

「政府としては食料の輸入のほか、野菜工場に品種改良など、多角的にこの問題に取り組んでおります。
エネルギー問題に関してはそもそも大陸側に我々にとって有益なエネルギー資源を採掘する技術がないため、
難航しておりますが、当面は電力供給の時間的制限などで乗り切り、
技術供与とその後の貿易で解決する予定であります。もっとも、同じ資源が存在すれば、ですが。
さて、野党としてはいかがお考えですか? 是非お聞かせ願いたい」

プードルは何も言い返せない。視線で殺してやると言わんばかりの顔で睨むばかりだ。
吉田は冷笑し、着席しようとして、

「案ならあります」

横合いからの声に引き止められた。

「民栄党の田中です。発言をさせていただきたい」

(野党連合のリーダーか)

厄介な奴が来たな、と思う一方、案があるのなら是非聞かせて欲しいと吉田は思った。
民社党のプードルとは違う。田中は実力ある政治家だ。
かなり強引な手も使うが、政治家としての手腕は吉田も評価している。

「首相、輸入だ何だといっても、それでは国民は安心しません」

「どういうことでしょうか?」

「国民は気付いてしまったのですよ。自分たちの国がいかに危うい基盤に載っているかを」

確かにそうだ。今まで何の心配もなく食料が手に入り、電気を無制限に使って何の疑問も覚えなかった
国民は、今回の一件で自分たちの国の欠陥を認識した。
この国だけでは、食料を供給できない。エネルギーもだ。国際社会とはそういうものだが、もうそれがない。
新たな世界で生活するに当たって、国民は自給自足を望むようになってきている。
だが現実問題としてそれが不可能だからこそ、吉田は大陸との協調を望んでいるのだ。

「仰る事は正しいと思いますが、では我々はどうすれば?」

「簡単なことです」

田中は自信満々といった様子で答えた。

「我々には自衛隊があるじゃないですか、アレを有効活用するのですよ」

270:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:18:14 X8qF8L+z
アンシャム伯領は大陸でもっとも小さな独立国である。
その面積は日本で言う和歌山市の半分程度、人口は一万人にも届かず、これといった産業もない。
だが、その歴史は大陸でも最も古く、権威もまた皇帝家を越える程であり、外交交渉の地として幾度も選ばれてきた。
そのアンシャムはこの日、ひとりの客人を迎えていた。

「我が家の蔵書室はお気に召しましたか、皇帝陛下」

館の主人アンシャム伯爵が林立する本棚の森の中に佇む客人に挨拶をする。
ユグドラ帝国皇帝、ルクツァ一世がそこにいた。手元には数冊の本がある。

「ああ、帝都の図書館もこれほどのものはない。流石、古代帝国の末裔だけはある」

行政府で執務を行っていたアンシャムは不意の訪問を受けていた。事前の連絡もなければ、供回りも僅か、
お忍びであることは明らかである。相手が相手ゆえ、先に自分の城館で待って貰うよう伝えていたが、
行政府から駆けつけてみれば、何故か皇帝はたった一人で蔵書室にいた。

「それで、ご用向きはいかに? まさか我が家で本探しではありますまい」

「いや、そのまさかだ。わたしは望んでいた本を貴公の蔵書室から見つけたよ。これだ」

ルクツァが手元の本を示す。『トールボット物語』、『ファルデアの神話』と記された古めかしい本がそこにあった。

「貴公はこの本を知っているか?」

「はぁ、一応は。しかし荒唐無稽で、とても皇帝陛下のご興味をひくとは」

「少し読んでみろ」

気は進まなかったが、アンシャムは差し出された『トールボット物語』を開く。
ルクツァの示した二冊の本は何れも遥か太古にまとめられた神話や民話の類だ。
『トールボット物語』は英雄騎士物語。『ファルデアの神話』は古代に信仰されていた神々の話である。
中々面白いエピソードもあるが、総体として幼稚であり、
子供の寝物語には丁度いいが、立派な大人の読む本ではない。
だが、読み進めるうちにアンシャムは目を見開く。

「ご冗談を、これは新しく書き下ろされたものではないですか」

その本は見かけこそ古めかしいが、中身は彼の知る物語とは別物だった。
読み物として面白い。苦難、裏切り、友情、逆転、勝利。様々な困難に打ち勝ち、
勝利する英雄トールボットが活き活きと描かれている。
オリジナルがエピソードの集合体だったのに対して、こちらは海の向こうからやってきた
国ほどもある悪竜との対決という点で首尾一貫しているらしく、読み応えがありそうだ。


271:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:19:34 X8qF8L+z
「その通り。こちらの本も少し目を通せ」

言われて『ファルデアの神話』をぱらぱらとめくる。

(やはり、違う)

意味不明で未整理、矛盾が多かった上にエピソードがそれぞれ独立していたオリジナルの神話より
遥かに読みやすく、体系的に整理されている。
何より、善なるファルデア神と悪なる海神との善悪二分論が旧来の神話との決定的な違いだ。

「皇帝陛下、こんなものが我が家で見つかるわけがありません」

「だろうな、だが、これは貴公の家で見つかったものなのだよ。貴公がその保障をしろ」

「仰る意味がわかりかねます。それでは神話伝説の捏造、歴史の捏造です」

「今まで誰も省みることのなかった過去だ。捏造して何が悪い」

ルクツァの怜悧な目がアンシャムを貫く。アンシャムの背に冷たい汗が流れた。
ルクツァは25歳。アンシャムより20程若い。だが、時折見せる視線は確かに皇帝のそれだ。

「詰まらなさの余りに図書室に放置された神話など不要だ。これから新しく古い神話を我々は研究する必要がある。
私はその二冊の本を始め、多くの『古い』本を国中、いや、大陸中の大学にばら撒き、いずれは農夫の子でも知る
程のものとする」

「何故、そのようなことをする必要が? こんな古い物語だというのに」

「転ばぬ先の杖という奴だ」

ルクツァは不機嫌そうに眉を寄せた。

「『この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?』か。舐めたことを言ってくれる。
だが我々が奴らに対抗するには、団結する必要がある。個別ではとても勝てない……」

272:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/07 23:22:54 X8qF8L+z
投下終了でっす。

にしても皆さんの先読みの力にはびっくり。
自分としては「自衛隊が今すぐ大陸に侵攻!?圧倒的じゃ」と思わせて、
「でも兵力的に占領が無理、自衛隊はそんなに圧倒的じゃない」と読者に悟らせる予定でしたが、
言われるまでもなく皆承知していたようで。

つーか書くごとに作者の無能が露呈?
ガラスの心臓なので書く度に批判がきたらどうしようかとびくびくしています。

では、本日の投下はこれにて。

273:創る名無しに見る名無し
09/06/07 23:37:49 NTy2LQbX
乙でした

これからの展開に期待するぜ!

274:創る名無しに見る名無し
09/06/07 23:44:02 q/20Rmtf
召喚したとき地殻変動が起こってて近くの海底に鉱床がありましたとかあったりして

275:創る名無しに見る名無し
09/06/07 23:57:47 jI5+lfYl
投下乙でした。
さーてここからどう転がっていくかな~?
wktk

276:創る名無しに見る名無し
09/06/08 00:39:32 Bkd5sg2p
兵力的に無理と言うのも勿論だが、自衛隊は防衛戦力って言う性質上、兵站能力が貧弱だから
異世界に転移なんていう、物資が乏しい状態じゃまず戦い続けるということが出来ないだろうね
やるなら全てを一撃で決する戦いしなきゃ駄目だろうなあ
その準備にしてもかなり時間がかかるだろうし、地形の把握、敵拠点の割り出し、占領後の運営プラン
現実的なこと言い出したら限がないな

277:創る名無しに見る名無し
09/06/08 00:46:40 LgPvdEka
情報戦略かー・・・日本に気付かれなきゃ良いけど
十分広まる前に気付かれたら同じ手使われて「もう駄目だー日本に勝てる訳ねー」になりかねないから

本を印刷する技術、本を運搬する技術は日本が断然上だし

問題は本を作る技術だけど「魔法などの超テクノロジー」もなく文化的に地球の過去の物とそんなに変わりが無ければ
文化人類学者など動員して作成は可能ですね

278:創る名無しに見る名無し
09/06/08 00:53:55 LgPvdEka
ふと思った日本なら本に頼らなくても「映像」って手がある事を
相手が欧州の中世レベルなら義務教育無い以上、農民などの識字率低い訳だし

本バラ撒いても読めなきゃ意味無い まあ吟遊詩人とかで分かりやすく「語りで」教えるって手もありますが

279:創る名無しに見る名無し
09/06/08 02:13:01 ANJwOD0N
思ったんだけど、中世並みの文明だとすると、余剰食糧はほとんど無いんじゃなかろうかw
1億を超える人口じゃ貿易したって焼け石に水というか。。。
近代に入る前の欧州の都市人口は首都であっても数十万人がいいとこで、100万を超える人口でさえなかなか養えなかったわけで。
穀物だけで年間3000万トン近く輸入してるから・・・大陸が飢餓状態になるほど輸出しても足りないんじゃなかろうかw
結局広大な土地で機械を大規模に入れてやらないとどーしようもない気がするw

まぁ急場しのぎの方法としては、戦時中みたいに公園でも学校の校庭でも土と言う土に芋を植えまくる
あとうまい具合に漁場が見つかれば、漁船フル稼働で底引き網で全部掻っ攫ってくるw
ここまでやってもたぶん飢えるかもしれないw

野菜工場もLEDを光源にするならエネルギーも何分の一とかになるらしいし、面積辺りの収穫量も全然高いらしい
穀物も栽培可能らしいけど、収穫まで時間がかかるからエネルギー効率悪すぎて採算が取れないらしい
まぁエネルギーが余るほどあれば解決するんだろうけど

280:創る名無しに見る名無し
09/06/08 04:42:34 MREURaoX
チート設定思いついた

・転移の十数年前にまず東北某所に異世界とのゲートが開く
・異世界のダークエルフが巨大な群島の転移予兆を察知
・ダークエルフがゲートを突破、マナの状態から日本列島全体が転移対象と判断する。

・ダークエルフ、日本政府要人との接触に成功。政府は極秘裏に転移に備えを行うことを決断
 ・減反政策の緩和・休耕地の復活・農業技術者の大量育成といった自給率向上策
 ・老人医療縮小・不法残留外国人の取締り強化・在日特権の撤廃といった人口削減策
 ・資源リサイクル強化、レアメタル備蓄強化といった資源確保

・これらを10年かけて行っていく。転移数ヶ月前から日本国内で異常現象が多発し始め、日本は転移の日を迎える・・・。

とりあえず準備期間置いて諸問題を緩和させるという設定。ダークエルフの魔法使って国民を軽く洗脳しとくのも一考か?
陰謀ばっかりになって黒い話になりそうだけど。


281:創る名無しに見る名無し
09/06/08 10:18:57 lAJdTqmx
>>280
突っ込みどころ満載だぞwww


282:創る名無しに見る名無し
09/06/08 12:00:28 Tcb5SNJa
日本神話からほとんど消えた紙、月読尊は実は異世界に行っていた!
ダークエルフなど闇に住まう物をまとめた彼。
地球を襲う大カスタトロフを予想した彼は、その瞬間日本を転移させる。
そして転移した日本のあちこちにレアメタルなどの塊、自衛隊糧食2号などがどかどか
おかれていた・・・
そして月読尊の啓示を受けたダークエルフの長が日本へ・・・その頃今上天皇も啓示を受け取っていた

283:創る名無しに見る名無し
09/06/08 12:23:34 nhdugHnp
>>280
石油の大量備蓄が抜けてる。
油がなきゃ食料自給率はどうやったって上がらんよ。

284:創る名無しに見る名無し
09/06/08 12:56:05 MREURaoX
突っ込みどころ満載なのはわかってる。思いつきで箇条書きしただけだしねぇ。
石油の大量備蓄については真っ先にやるだろうとおもって書くの忘れてたw

情報察知から転移までだけでもひとつ作品が出来上がりそうだなぁ。
数年先に消える国とまともに外交しようなんて国は無く、多国籍企業は逃げ出す。

285:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:17:18 U3KUd5MX
>>272
投下乙
ルクツァ皇帝が日本の野党第二党党首の発言を知って不快に思ってるてことは
まさか国会中継をF世界の人々が見てる状況で流しているのか?
だとしたら吉田首相も野党のお花畑状態を笑ってられる資格は無いな

286:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:28:24 lAJdTqmx
まあそんな突っ込みどころ満載の日本無双ssも見てみたいな

287:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:38:40 LgPvdEka
>>285
人づてだと思う 放映だったら「もう勝てる気しねーよやってらんねーよ」になりかねない
軍事技術で一番重要なのは兵器の性能より情報収集とその伝達手段の向上だから

288:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:57:05 LVxuXKw1
>>279
>まぁ急場しのぎの方法としては、戦時中みたいに公園でも学校の校庭でも土と言う土に芋を植えまくる

北朝鮮軍みたいに農業始める自衛隊が浮かんだ


289:創る名無しに見る名無し
09/06/08 14:25:52 Dc3aWCDB
>>280
情報が漏れたらえらいことになる。
レッドサンなんとかにそんな話がなかったかな?
日本列島が転移するならこれまでのお礼とばかりに攻撃するとかなんとか。

290:創る名無しに見る名無し
09/06/08 15:18:43 k25GDBeX
どこの国がそんな暇な事やるんだ?
朝鮮人くらいしかんな無意味な事やりそうにないが

291:創る名無しに見る名無し
09/06/08 16:06:04 Bkd5sg2p
まあな、いなくなる国に戦争吹っかけたからって、旨みがまるでないしな
つかあのゼロ魔SSは、キャラがウザい上にやたらと歴史や小説やらからの引用台詞があって萎えた

292:創る名無しに見る名無し
09/06/08 16:44:27 mnlfUXqF
日本が消えたら大混乱なわけで戦争なんかしてる暇ないだろ
むしろ消えてから戦争が始まるのかもしれないが

293:創る名無しに見る名無し
09/06/08 17:45:51 Dc3aWCDB
国外の在留邦人は国土が無くなった時点で無国籍状態となるのだろうか?
となると亡命したい国に行けないし何よりパスポートが証明されず国外にも出られないということか?

294:創る名無しに見る名無し
09/06/08 18:03:49 LgPvdEka
そう言えば分家にアメリカが転移する奴 転移後もソ連対英主導の連合軍が戦争してると書いてあるけど
無理でしょ 北アメリカの大半が消えたら海流が滅茶苦茶になって気象の大変動が発生して戦争どころじゃない

295:創る名無しに見る名無し
09/06/08 18:26:17 nhdugHnp
アメリカ転移は陸戦描写が出鱈目すぎて萎えた。

296:創る名無しに見る名無し
09/06/08 18:35:27 8jFdPZx2
敵が剣と弓で戦ってたのにいきなり機関銃使ってくるのはかなりアレだけど、内容は面白いよ。

297:創る名無しに見る名無し
09/06/08 20:23:56 k25GDBeX
AKなら刀鍛冶でも作れそうな気がしないでもない

298:創る名無しに見る名無し
09/06/08 20:25:55 YMbJhW+j
>>294

北アメリカ大陸の合衆国部分自体が消えるのではなく

アメリカ合衆国の地下1000mが消える程度なら
巨大な窪んだ平地ができるだけで問題はないと思う

ただ転移した合衆国は地下資源が一部しか採れなくて困るがな

逆にアメリカが転移して喜ぶ国はあるのかな?
その場合、在日米軍基地はどうなるんだ?

在日米軍基地の範囲も含めて転移したら沖縄を含めた各国各地が涙目だわ

299:創る名無しに見る名無し
09/06/08 20:32:59 U3KUd5MX
>>293
漂着民じゃあるまいし、旅行者にせよ出張中にせよ
国を出るときと相手国に入国するときに手続き踏んで居るわけだろ?
「母国の庇護を受けられなくなる」て意味合いは大きいが
近代国家に滞在してる限りでは移動と難民申請は出来るだろう

法治国家じゃなくミンチ国家にいたら悲劇だが

300:創る名無しに見る名無し
09/06/08 21:03:18 /j7/y37+
>>272
中世を高く見過ぎかと。
常備軍20万居れば大陸落とすのも現実的な範囲かと。
占領維持も赤軍的に思想の流布で、貴族を徹底的に敵と教えて……
装備は小銃と小銃擲弾、カール君にM2が有れば十分でしょうね。
失業者が溢れるでしょうから、その吸収にも

301:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:45:49 LdjNi4hd
これより投下開始します。
今回はいつも以上に突っ込みどころが多いと思いますが、フィルターのご用意を。
大陸側のスペックについて書く必要があるかな?簡単に。
公開するとフレキシブルに変形できないので自分の首を絞めるかもしれませんが。

302:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:47:06 LdjNi4hd
ここのところは艦に乗ることが少なくなったな、と青谷は思う。
燃料節約のために艦艇の多くが出航を禁止され、ドッグ入りを余儀なくされている。
旧式の『ひえい』など真っ先にドッグ入りさせられた。
エネルギー調達の目処は二ヶ月が過ぎた今でも立たない。当然だ、大陸側は重油など使わないのだ。
しかし燃える水として認識してはいたようで、政府が必死に交渉を行っているらしい。
なるべく早く動かせるようになるといいが、と切に思う。お陰で海自も空自も腐ってきている。
別に暇というわけではなく、仕事はあるのだが海自も空自も極論すればフネと飛行機が全ての軍である。
フネや飛行機に乗らない人間も結局はそれらに関わるのが仕事である以上、
それらが動かなければ腐るのもしょうがなかった。

「青谷二尉、何を思い悩んでいる。」

そんな腐った日々にロゼッタを見ると思わず顔が綻びそうになる。慌てて青谷は表情を引き締めたが、
どうやら遅かったようだ。

「おや? いま少し顔が緩んだぞ。わたしに会えるのが嬉しかったか?」

「からかわないで頂きたい。大体、自分は貴女より6つも上ですよ」

「承知している。17と23だろう。ところでわが国では15で成人とみなされ、
20以上歳の離れた夫婦も貴族間ではそう珍しくはない」

「それは政略結婚でしょう」

「違いない」

そのまま微笑するロゼッタ。どきっとするほど魅力的だが、
青谷は謹厳実直な自衛官の振りをすることに今度は成功した。
好奇心旺盛で明るいロゼッタは妹のようにも見える。だが青谷とて男だ、女として彼女を時折見てしまう。
しかし会話の中で時に大きな断絶を感じることもあり、付き合うことは様々な意味でないだろうと思っていた。

「それで、業務の終了を見計らってわざわざ基地にきたのは何故ですか?」

青谷は既にロゼッタの世話役の任を解かれている。
実際のところ『ひえい』が動かないのだし、そのまま任についていてもよかったのだが、
いつまでも17歳の少女の後を追いかけているのは流石に彼の矜持が許さなかった。

「ああ、本国から召喚要請が届いた。今すぐというわけではないが、一月か二月中には戻る。
それを報告しに来たのだ。貴公には世話になったからな」

「それはまた律儀に」

一抹の寂しさを覚えないではなかったが、当然の事である。17歳とは言えロゼッタは貴族だ。
大陸を動かしているのが貴族である以上、彼女のような人間とていつまでも遊んでいるわけにはいるまい。
それに彼女は基本的に軍人だ、友好的とはいえ、大陸の軍隊は日本に備えなければならないはず。
恐らく大陸側では大幅な軍組織の改編が起こっているのではないだろうか?
ならば最精鋭である近衛隊がその最新モデルになることは疑いなく、
その旗手である彼女がここにいていいはずがない。

「礼には礼で報いるのが貴族というものだ。しかし、貴公の国は面白い国だな」

いつもどおり、明るく、そして心底不思議そうに彼女は言う。

「農奴が一人もいないのだからな。作物も機械で作れるのか?」

303:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:48:27 LdjNi4hd
こういうとき、青谷は彼女との断絶を感じた。農奴、土地に束縛された農民。土地を持つことを許されず、
生産物の全てを賦役として取られる存在が、彼女の描く世界にはいて当然なのだ。疑問にも思わない。
貴族がいて、農奴がいる。両者が交わることはない。それは彼女にとって当然のことだが、
平等の精神が息づく民主主義国家で育った青谷にはひたすら異質だ。
とは言え、彼女を啓蒙しようという気にはならない。
彼女とて日本を面白がっても、この体制を否定したりはしない。

それはそれ、これはこれ。

例え相容れない存在だとしても相手を否定する行為に正義はない。
それを理解していればこそ、仲良くできるのだ。ただし、最後の溝は容易には埋まらない。

(いずれ、貿易が活発になれば彼らの世界も我々の来た道を辿るはず。
そう、鎖国を解かれた日本のように)

それがいつかはわからないが、それまで互いに敬意を持ち続ければ、きっといつかは溝も埋まる。
青谷はそれを信じて、ロゼッタとその日は別れた。




「冗談ではありません!」

経済産業大臣は、吉田の前で開口いちばんにそう言った。

「何もかもが異質すぎます! とても貿易相手にはなりません!」

「どういうことだね、大臣」

大臣には今後の貿易について当たらせていた。そろそろ経済界が市場を確保してくれと絶叫し始めている。
雇用はガタガタ、失業者は激増、力のあった企業ほど絶望が濃い。
なるべく早くに大陸の通貨と円の交換レートを設定し、限定的であれ彼らに市場を提供しなければ、
多くの企業が倒産し、日本の経済産業は壊滅、国内には失業者の群れが溢れ返る。
今は非常時ということで『とりあえず、政府がなんでも面倒を見る』ことで全てを停止させているが、
健全な状態ではないのは明らかなのだ。崖っぷちにも程がある。

304:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:49:32 LdjNi4hd
「どうしたもこうしたも……首相、推定ですが、彼らの人口の9割は農民、農民で構成されています。
また農民のうち8割はまるで購買力のない農奴です。
彼らが食料の輸出に二つ返事で応えた理由がわかりましたよ。余裕があるんです、十分すぎるほど!
通貨にも余り価値がありません。彼らは農業経済主義をとってます。何せ鉄貨です。貨幣そのものにすら価値がない
彼らはトウモロコシとジャガイモと小麦を基本とした段階から脱却していません。取引は困難です」

聞いていて吉田は目が眩む思いだった。

「馬鹿な、では取引相手になるのは残りの一割だけなのか?」

「然様です。しかも都市生活者でも十分な購買力のある人間はごく一部です。
商人達は国家によって富の再投資を制限されており、狭い都市から出ることができず、
経済の発展は抑制されています。
廉価で大量に販売できる商品に関しては制限が加えられています。
この世界の富と権力は人口の1パーセントにも満たない貴族に完全に握られており、
我々は彼らへの高級嗜好品ぐらいしか、売れるものがないでしょう」

視界が、歪んだ。

「首相!?」

大臣が倒れる吉田を助け起そうとする。だが遅い。吉田は椅子から落ち、床に倒れ伏す。

「これが、絶対主義か……」

わかっていたつもりだが、甘かった。
一握りの貴族に全てが握られた社会で、有効需要は見込めない。
貴族がどれだけ金を持っていようと、彼らは少数であり、買うものの数も種類も限られている。
そもそも貨幣経済がどれほど浸透しているかすら怪しい。
これでは市場の形成など、夢のまた夢だ。

(それに、食料だ)

今のところは技術供与を種に食料を引き出しているが、いずれそれも尽きる。
教える種には困らないはずだが、多くの技術は向こうが欲さない可能性が高い。
その時に売るものがない日本はどうやって食糧を買い付ければいいのだ。通貨に兌換性もないのに。
赤字貿易どころではない。取引が成立しない。

(田中の言うとおりに……自衛隊を活用しろというのか)

田中は、圧倒的な攻撃力を誇る自衛隊を傭兵として有効活用するよう提言していた。

『大陸諸国は安定した状態とはいえ、歴史を見ればしばしば戦争を繰り返しています。
こういったところに自衛隊を派遣して平和維持に貢献し、土地を購いましょう。
土地でなくてもいい。金でも食料でもいいでしょう。
昔のスイス傭兵の手法ですな』

その場で怒鳴りつけてやった。あの時は激情を抑えられなかった。
田中は冷徹すぎる。自衛隊を生きた人間の集団ではなく、駒と見ている。
そんな人間が政治家をやっている不快感に吉田は耐えられなかったのだ。
だが、平和的に日本を救う道は閉ざされつつあるように見えた。

(戦争か……? いや、冗談ではない)

まだ手はある。あるはずだ。そんなことを考えながら吉田は医務室へ担ぎ込まれていった。

305:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:50:52 LdjNi4hd
「予算不足のため、当楽団は本日を以って解散することと相成ります。今までご愛顧ありがとうございました。
今日が我々のラストコンサート、そして次の曲が最後の曲となります。
心を込めて演奏いたしますので、どうぞお聞きください。
それでは、ロッシーニ『泥棒かささぎ』より序曲です」

東京フィルハーモニー管弦楽団主席指揮者の言葉。異世界でのラストコンサートに際して。



日本が転移して三ヶ月が過ぎていた。寒い。季節はもう真冬だ。
日本の冬より遥かに寒いこの季節だが、日本人は変わらぬ日常を送っていた。
そしてこの日、ロゼッタがついに本国へ帰る事になり、青谷は見送りのために港まで来ていた。

「出発までは、まだ少しある」

ロゼッタが僅かに寂しさの残る表情で言う。

「共に歩かないか?最後の日本見物だ」

青谷に否のあるはずがない。『姫様の仰せのままに』とおどけて言うと、馬鹿め、本物の姫だぞと笑われた。
厳しい寒さだというのに、街はイルミネーションで飾られ、商店は安売りで客の目を引いている。

「大した騒ぎだ。何か特別な日なのか?」

「いえ、特には。ここのところは連日こうですね、気付きませんでしたか?」

「いつも人が多いからな、東京は。わたしには四六時中祭りをやってるように見える。
今日で見納めと思えば、急に冷静になって物が見えるのだ。しかし何でこんなに騒いでいる?」

「わかりません。或いは寒くなったからクリスマスとでも思っているのやも」

「クリスマス?」

「寒いときのお祭りですよ」

冗談を言いながらも、ここのところの妙な騒ぎを青谷もなんとなく不思議に思っていた。
青谷自身、いまのうちに騒げるだけ騒ぎ、楽しむだけ楽しんでいたほうがいいような、
そんな気がしてならないのだ。恐らく周囲の人たちもそうなのではないか?
行き交う人たちの笑顔はかげりがないように見えて、どこか引きつっている。そして青谷自身の表情も。

(おかしな話だ。全て、上手く行っているのに)

大丈夫、全て上手く行っている。不安もあるが、政府がきっと何とかしてくれる。
そう自分に言い聞かせていると、怪訝な顔のロゼッタに気付いた。

「ご無礼、姫君の前で」

「いやいい。しかし歩くだけというのも芸がないな。
ん、なんだあの音は」

ロゼッタが街の一角に視線を移す、見れば、この寒い中でオーケストラが音合わせをしていた。

「東京フィルですね。無料コンサートのようです。寄って行きますか?」

ロゼッタは一も二もなく頷いた。

306:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:51:42 LdjNi4hd
首相官邸に吉田は一人、佇んでいた。
先ほど経済産業大臣が悲観の余りに首を括ったという知らせが届いたばかりだ。
市場開放、せめて一部の制限の撤廃を強く求めたものの、ついに容れられなかったのだ。

『それは、わが国の支配体制を揺るがす恐れがある。それだけは断じて受け入れるわけにはいかない』

というのが向こうの言い分だった。自由化に伴う競争による商工業者の発展に王侯達は酷く臆病だ。
また、廉価で優秀な日本製品の流入による既得権益の破壊を恐れた商人たちも猛反発したらしい。
八方塞がりとはこの事か。日本には売るものがない。あっても、売れない。共通の価値がある金銀で凌いでも、
いつか限界が来る。

ひとりにしてくれ、と言い残して官邸でテレビを眺める。ニュースでは今日も企業が倒産し、
自殺者と失業者が出たことを報じていた。いたたまれずチャンネルを変えると、野外コンサートの模様が映った。

『泥棒かささぎ』序曲。

小太鼓の連打が響き渡る。主人公のニネッタが死刑台に上るフレーズだ。
ニネッタはこの後、突如現れた召使によって無実を証明されてハッピーエンドとなる。

「……ごふっ」

吐血する。急いで吉田は洗面所に走った。このところ酷く体調が悪い。
眠れない日が続いているのだ。鏡に映る自分の顔は青ざめていた。

(人口を抑制し、自己完結的な国家に改造できるか。
無理だ。今更農業主体の国家体制に切り替えろなどと、
それぐらいなら)

戦争か。
頼まれもしないのに民主主義を輸出して強制的に農奴を解放させ、廉価な製品で大陸を席巻するか。
そのために戦争をするのか。

(いやだ)

そもそも、無理だ。戦争をやっても勝てる保証もない。
そんな戦争に日本を突入させた宰相として歴史に名を残したくない。

(もう手はないのか、何か妙手があるはずだ、何か)

だが何も思いつかない。またしても吉田は吐血する。もう立つことができない。
『泥棒かささぎ』が鳴り響く。吉田は最後まで聞くことなく逝った。

307:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:52:49 LdjNi4hd
ユグドラ帝国皇帝領、サントラルは歴史ある都である。
ここは一千年の長きに渡って帝国の都として栄えており、その人口は20万を超える。
古き都は500年間ほとんど何の変化もしていない。
人口も、町並みも、システムも500年前とほぼ変わることなく今日まで続き、今日も明日も変化を拒んで
続いていく。サントラルは静止した大陸の縮図だった。
その生ける化石の如き都の中心、天を衝く高さの尖塔の中で、華やかな楽の音が鳴り響いている。

「それは?」

「ラジオというものだ。日本人から買い求めた嗜好品だ。
こうも小さいのに遥か彼方からの放送を受信できる。恐ろしいものだな。
我が方は伝書鳩か伝令だが、彼らは瞬時に通信できるというわけだ」

『泥棒かささぎ』が鳴り響く。ルクツァとアンシャムは暫く黙ってそれを聞いていた。

「よい曲ですね」

「ああ、よい曲だ。だが民族の代表者としてはこれから先、耳を傾けるわけにもいかん」

(民族の代表者か)

アンシャムは不満げに目をそらす。

(我々はひょっとして、取り返しのつかないことをしているのではないか)

このひと月で大陸中に大量のパンフレットや冊子がばら撒かれている。
そのうちの幾つかはアンシャムとルクツァが関与してばら撒いたものだが、
その多くは自発的に学生や貴族らが著し、ばら撒いたものだ。
いずれも大陸の共通文化を称揚し、誇張された歴史と神話に基づいて大陸人の優位を訴えたものだ。
最近は血統的な優越にまで話が及んでいるという。早くも事態はコントロール不能になりつつあるが、
ルクツァは気にせずもっと燃えろと言わんばかりに御用学者を動員し、各種冊子をばら撒く。

「無論、余とて自分が何をしているかはわかっている。これは伝統の破壊だ。
たとえ全てが成功したとしても、昨日までの我々ではいられまい。
全ては、勝つためだ」

「本当に戦争になるのですか?」

「その時に備えるのが我々の務めだろう。起こらぬに越したことはないが、
もし起こった場合はなるべく勝ちたい。
アンシャム、民主主義は大衆にとって王政よりも魅力的だよ。
従来の体制を敷く限り、我々は戦う前から負けている。
だからこそわたしは敢えて現体制を放棄する危険性を承知した上で、歴史と神話を捏造し、
下品なパンフレットをばら撒いたのだ」

ルクツァはそこまで語るとラジオを切り、立ち上がる。

「まだ曲の途中ですが」

「ふむ、民族的な音楽の創造も急がせねばな。これは兵器局に回すとしよう。
もっとも理解が及ぶとも思えないが」

扉を開くと、そこには彼の命令を待つ官僚たちが列を作っていた。

「民主主義に勝てるのは、民族主義だけだ」

308:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:54:17 LdjNi4hd
「『泥棒かささぎ』か。陽気な曲だな」

「そうか? 私にはなんだか不安な曲に聞こえるぞ」

そう言われてみれば、と青谷は思う。確かに華やかで陽気な曲だが、どこか影のように後ろから
迫ってくるものを思い起こさせる曲ではないだろうか。
華やか過ぎる曲は、おどろおどろしい曲より余程不気味に聞こえるのかもしれない。
瞬間、視界の全てが色あせ、無価値なものへと変貌するような錯覚を青谷は覚える。
驚いて目を擦ると、全ては元通りになっていた。

「……いや、違う」

「おお、雪か! 雪が降って来たぞ、青谷!」

灰色の空から雪が降る。明日になれば積もっていることだろう。
ロゼッタは青谷の手を取ると、広場に駆け出す。

「どことなく不気味な曲だが、舞踊曲と思えば中々だ!
踊るぞ、青谷!」

「心得はありませんよ、お姫様」

「それでも海軍士官か、情けない。
まぁいい。今日で最後だ。わたしと踊る光栄を授けてやるぞ!」

泥棒かささぎがクライマックスに向かう。二人は雪の降る中を半ば出鱈目に踊る。
次に会えるのはいつの日か。そのときには大陸との間には更に緊密な関係が築かれているだろう。
そんなことを考えながら、青谷とロゼッタは曲が終わるまで踊っていた。

309:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/08 21:58:17 LdjNi4hd
以上で本日の投下を終了します。
事実上の第一部、完です。
ここまで書いたからにはちょっとぐらい不評でも最後まで書きたいところですね。
あんまり不評なら男坂を登りますが。

それと、毎日投稿も暫く打ち切りになるやもしれません。
期待してくださっている(いるのか?)読者の方々にはご迷惑をおかけしますが、
構想期間だと思って、生暖かく見守ってください。

そして今気付いたけど纏められてる!他の方の作品と並べられると
急に偉くなった気がしますね!(傲慢)
まとめてくださって感謝します。それでは続きをお楽しみにー……されてるのかな?

310:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:13:58 YMbJhW+j

>>急に偉くなった気がしますね!(傲慢)

謙遜なさらず、アナタは充分偉い人です。

流石に野党(好戦派)の考え方は受け入れられないです。
それこそ野党が主張してきた「先の大戦」への逆戻りです。

一層の事 国号を大日本連邦皇国にして一部地域(無宗主)を大日本協栄圏にするとか?

311:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:14:39 lAJdTqmx
投下乙
しかしただ転移して外交が0からのスタートになっただけでも
貿易立国の日本じゃ壊滅的だというに
気候の変動でただでさえ残り少ない農業が壊滅とは作者殿は鬼だなwww

312:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:27:28 Bkd5sg2p
投下乙
なんか朝鮮みたいな国になりそうだなw
貿易がまともに成り立たないのは、まあ経済基盤が違いすぎるから仕方ないかもね
でもまあ物を売るんでなく、土木作業を引き受けるとか色々あると思うけどね
川の堤防だとか橋だとか、下水道だとか。
あとは加工業を一括して引き受けるとか。中世だと農機具、鍬だとか鎌でさえ木製とか普通にあるし
対価として土地と幾つかの利権を手に入れて、工場でも作って現地で人を雇いつつ、商業を発展させるとかかな?



313:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:28:27 2/M7f17m
問題はそこまで国民が待てるかだな。

314:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:42:42 umDWDU2H
('A`) ベルサイユ体制は歴史的偉業ではない

    もっとおぞましい何かだ

315:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:43:47 umDWDU2H
△月ж日

 大まかな構造は理解したので、しぐの模造品を創る。
設計以前にいきなり躓いた。“銃”を使うには弾丸が必要である。
銃とは秘薬を衝撃で発破させ吹き飛ばしたものを破片を飛ばす兵器である。

 製作にあたって、魔方陣による魔力回路や伝導効率の良い素材の選定などを考えなくていい。
要は秘薬さえあれば我々でも同じものを造れる可能性が高い。
しかし、秘薬は我々には造れない。無論エルフにもだ。
ニホンの学者に聞いてもニヤニヤして答えてくれない。
予め技術を見せつけ、小出しにしようとの魂胆なのだろう。

ドワーフたるもの 部品を見れば
その機械がどのように造られたか おおよその察しはつく
ましてこれは武器・・・
だが部品を削っている者 整えている者の姿が全く見えん
(出来ておる喃 しぐとやらは・・・)

 そのため我々は二つの決断に迫られた。
一つは武器と弾をニホンから直接輸入する。
一つは独自開発である。
ちなみに買わぬ選択はありえない。
銃は画期的な武器で“訓練も積んでいない”“女子供に”“魔道師並の火力”を“手軽に”持たせられる。

 近年バッサンからの圧力が強まり、呼応してライバーからの圧力も強まってきた。
間にあるエルブとしては力、軍事力を持ちたい。
素早く確実に数に出来る戦力が欲しい。

 平和こそ我々ドワーフ、エルフや国内に住む多種族も含めた悲願であろう。

316:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:44:33 umDWDU2H
 バッサンからの独立戦争以降、エルブは戦力の強化に努めてきた。
だが満足な軍備を整えるのは並大抵の苦労ではなく、
ライバーとバッサンからの政治干渉や物資統制を受けて戦力強化もままならない。
戦力の中核たる魔道師の入国数や訓練すら規制され、対魔物の戦力すら不安である。
両大国はエルブの独立も軍事力強化も望んでいない。
現在の平和は剣の上でシーソーをしているのと同じで、
簡単に崩れ去ってしまうとエルブ国民は理解している。

 エルブ王国。海に面し、大国ライバーとバッサンを繋ぐ交通の要衝。
人口は100万人を超える大陸有数の大都市。
黒エルフが金を産み出し、ドワーフ族の住む金融と工業が発達した地域でもある。
近隣の海域には群島や主要な海路があり軍事的な意味も大きい。
緩衝国としての役割もある。エルブが力を持つと両国も同様に力を付けなくてはいけない。
軍備拡張で財政が厳しいライバー連合にとって頭の痛い話となるだろう。
押さえただけで十分な見返りがある場所。

 無視できるほど小さな国ではなく、かといって緩衝国なので軍も送れない。
結果、両国の代理戦争の場となり国は荒廃した。

 各国の工作員が入り乱れての暗闘。
大国の傀儡執政官達の着任。
両国に武器を給与された組織の内戦。国粋派の成立。
ルーデル教使節団の魔道力兵器査察と不法所持の濡れ衣。
英雄、デ・キッコ・ナイサの反乱、バッサン軍の再侵攻。
追放されていた赤井・マル・ポーロの帰還と反抗作戦。再度の独立。

 平和から遠い国。それがエルブである。

317:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:44:42 k25GDBeX
そこで征服戦争ですよ!

いつの日も国内の不満を逸らすのは軍事手段!
目指すは大東亜共栄圏の確立!


となると脅して市場開かせるのが一番速いな。
軍事的圧力を適当な国にかけて経済植民地化が一番速かったり。

318:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:45:19 umDWDU2H
◎月Θ日

 最終的にニホンから独占で銃を購入し、技術指導を受けつつ量産体制を整え、
独自開発を平行に進めていくことになった。
銃の製作は現在の我々の技術では生産するのは無理だからだ。

 ゴラムが「くやしぃ…でも…」
と部屋の隅で背中を丸めて指をちゅぱちゅぱしていた。
独身の内弟子であるゴラムが時折このような妄想にふけるのを
見て見ぬふりをする情けが私たちにも存在した。

 予定されていた案の両方を採用した結果。
食料輸出や鉱石輸出は既に行い、見返りの技術も相応する適当な交換がなかったため
国際関係に信用のないニホンに対する他国への仲介。口利きを図ったと黒エルフが話していた。
土地譲渡、食料市場の二級品優先販売権、大規模な資源輸出、他国との仲介、
魔法技術支援、魔法軍事技術指導、対魔法犯罪の指導・・・・などなど。
現時点で我々はかなりの譲歩を迫られ、議会では危ぶむ声もある。

 とはいえニホンとに支払った代償は、見返りを十分に満たすのも真実である。
悲願であった精強な自衛力の確保。
海上貿易路の保護と魔物の排除。
バッサン、ライバーを除く強力な第三国との防衛協定。
世界魔法条約に抵触しない兵器の入手と量産
(銃は魔法を使わない兵器である、魔道師を増やさない条件も満たす)
農業、工業、衛生面に渡る技術支援。
高品質の金属。周辺国を圧倒する量と品質の塩。

そして・・・
“世界魔法条約を今だ批准していない強力な国家との技術協力”。
これがとても大きい。銃の利益や技術力、工業生産力も並外れた利益である。
それより、パルクール体制の抜け穴を突ける協力的な大国があるのが素晴らしい。

 世界魔法条約とは大量破壊魔法兵器の所持を禁止する条約で、
ゾンビや超長距離儀式魔法、B級以上のキメラ製造等を監視するものだ。
大量破壊魔法兵器を持っている大国以外の所持を禁止する不平等条約だ。
加えて査察の際、大量破壊兵器を持っていないことを証明するため、
軍の構成や魔道師数、武器の数や種類を完全に公開しなければならない。
武器の数や種類を把握されるのは大国の操り人形になるのと同意である。

319:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:46:06 umDWDU2H
「世界魔法処諸法度が定まった…」
「あれは辛い」
「剣をもたせてもらえぬ…」

査察を拒否すれば経済制裁や軍事力による鎮圧が待っている。
前はルーデル教査察団をエルブ国は拒否しただけでバッサン帝国の侵攻を受けた。

 バッサン軍に占領された際、無理矢理押し付けられたのがパルクール体制。
あらゆる兵器の所持を制限する条約である。
締め付けは厳しく、領国内の魔物討伐さえままならない。


条約を守らずに破ることができるのか。
常に査察を受ける国はごまかすことができるのか。
出来る。
出来るのだ。

 そこにニホンがやってきた。彼らは異世界の住人でまだ日が浅く、条約も批准していない。
バッサン帝国の侵攻を跳ね返す力を持ち、圧倒的な武器。銃を持っている。
ニホンならバッサンやライバーの邪魔はされない。
魔法技術を開発するに、とても都合の良い環境なのだ。

 しかも魔法の知識も乏しく、軍事魔法の技術を欲しがり、既にバッサンとは戦争状態である。
つまり我々が技術を持っていて、彼らは場所を持っている。

 ならば手を取り合おうじゃないか。
ニホンの自治都市で武器の生産や研究を行う。
条約を上回る武器は治外法権の自治都市に保管。
我々は此方の世界に来て日が浅いジェダイ達に対魔物や対魔法を指導し、自らも訓練する。
条約を超える数の魔道師はニホンに送り国籍を変更し“いなくなる”。
“これ”を知っているのは一握りの黒エルフと会議に直接参加していた技術屋ドワーフだけだ。

 奴らに一泡吹かせてやれると思うと心が躍る。

320:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:47:01 umDWDU2H
    世乱れることから全ては始まる

    正気にては覇業ならず

    国家運営はシグルイなり

321:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/08 22:48:04 umDWDU2H
オーウ!ワスレテマシタ・・・投下終了

322:創る名無しに見る名無し
09/06/08 22:55:48 mFg7dBYf
投下乙でした。
よろしい諸君、それでは戦争だ。
人間本当に困窮すると自殺も出来やしませんハイ。

323:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:00:03 e9RoyAtN
投下乙
うーん、やはり交戦止む無し、という気がしますね。
大陸側は日本との貿易は必ずしも必要なものではなく、軍事力を恐れているだけ。
対して日本側は貿易が必須なのに、大陸にそれを強いるには軍事力をバックにするしかない。
しかも、その軍事力さえハッタリの度が強い、と。
だんだん暗雲が立ち込めていく様子がいい感じに書かれていて、微妙にぞくぞくしてきます。
先の展開が非常に楽しみです。

324:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:03:39 mFg7dBYf
しまった、上は>>309氏へ。

とある日記さんも乙です。
エルブ王国、かなり立場微妙なんなあ・・・

325:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:12:35 /j7/y37+
いざという時は核だな
ガンバレル式なら超簡単だし
投射手段は旅客機に載せて突っ込ませれば良いし

326:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:13:58 /j7/y37+
ああ、>>309氏の作品への感想ね

327:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:40:09 a8xLDjkz
六本指の異形のエルフ剣士が脳裏にちらついて離れないわけだが

328:創る名無しに見る名無し
09/06/09 00:24:41 7PQBhXdT
民主主義と民族主義は対決する物ではないと思うけどな

329:創る名無しに見る名無し
09/06/09 00:27:40 I2JmsasP
トウカ乙!

っていうか大量破壊兵器あるんだね、ひょっとしたらニホン大ピンチ?

330:ちゅるや ◆lBYvnQu.8E
09/06/09 00:35:42 p4AOmaQH
小国の苦悩 第五話

本土において戦車と呼ばれる物は、大陸ではチハと呼ばれる。
大陸戦争当時、帝國派遣軍の殆どがチハを装備していた為に戦車その物の名前がチハと呼ばれるようになった。
(実際には九五式軽戦車等も派遣された。また八九式中戦車は足回りの信頼性不足と機動性不足により本土の予備戦力とされた)
帝國暦2620年代に入り、冷戦時代に入ると帝國軍は元の世界に帰還した場合を考えた装備更新により旧式化した1式などのチハ系軽戦車(2611年に軽戦車に種別変更)を保護国及び同盟国に売却し防衛力の強化を行った。
帝國陣営の各国は大陸戦争において無敵の活躍をしたこのチハを競って購入した。
帝國陣営内の軍拡競争は、防衛と言う本来の目的を離れ、見栄の為に激化して行ったのである。
当時出来た言葉に一車百騎という物がある。
これはチハが100騎の騎兵に匹敵する戦力があり、また100騎の騎兵と同じだけの金が掛かるという意味である。
しかし権威を重視する各国の王にとって伝説の千年竜すら倒した竜殺しのチハは素晴らしく魅力的な兵器であった。
当時の戦車は言わば戦略兵器であり、権威の象徴であったのである。

ミツビシ製のトレーラの幌が外され、3台のチハが現れる。
ゴンザレス5世は感動すら覚えていた。
「素晴らしいな」
ゴンザレス王国騎士団の紋章が描かれたピカピカの戦車(中古品)を眺めながらそう呟いた。
騎士団長のピエール男爵と導入訓練の為に派遣された帝國軍将校が、事務的な会話を行っている横で、ゴンザレス5世は鉄の塊に触れた。
「これでわが国もチハ持ちですな!」
大貴族のアルフォンス伯爵がニコニコしながら胸を張った。
「うむ、これでボンザレスの奴に笑われんで済むな」
「まったくです」
当時の貴族や小国にとってチハ持ちと言うのは一種のステータスシンボルであった。
「これで竜でも狩りに行きますか!」
こちらに歩いてきたピエール男爵が声を張り上げる。
「ハハハ、良いなそれは!」

「却下ですな」
「ロ・・・ロエニー男爵!?」
財務担当のロエニー男爵がいつの間にか後に立っていた。
「一回の出撃で幾ら掛かるとお思いですか!」
「いや・・・ただの冗談話で・・・」
「大体、年割でもどれだけの財政負担になっているか理解されているのですか!」
「と・・・取り合えず落ち着いて・・・」
「これが落ち着いてられますか! 大体何時も何時も欲しがってばかりで子供ですか! 
何時も苦労を強いられるのは私で!
大体貴方方はボンジュール公爵に対抗意識を燃やすばかりでこの国の財政について理解しようともしない!
これが国王ですか! 騎士団長ですか!
貴方方が好き勝手やった結果我々がどれだけ苦労しているかそれを考えた事が一度でもあるのですか!
わが国の財政状況を把握してないでしょう!
毎年出す決算のたびに我々がどれだけ寿命を縮めているか考えた事がありますか!?
私はいまでは家族の所に帰る暇すらない! それもこれも全部あなたがたの浪費が・・・」

「騎士団長・・・逃げるぞ」
「ああ・・・陛下! お待ちください!」
ゴンザレス王国は今日も平和であった。


331:ちゅるや ◆lBYvnQu.8E
09/06/09 00:37:54 p4AOmaQH
名前付けろとか言う奴が居たので付けた。
今はマンセーしている。

332:創る名無しに見る名無し
09/06/09 00:39:07 rHl/Llse
投下ラッシュ乙!
チハがんばりすぎだろw

333:創る名無しに見る名無し
09/06/09 00:39:50 b//Zgta6
>>330
投下乙です!
貴作品のファンです。いやぁ和みますなァ。
しかし帝国軍に詐欺師の臭いが漂う。
きっとモンキーモンキーモンキーモンキーモデルぐらいの超デチェーンなんでしょうねぇw

334:創る名無しに見る名無し
09/06/09 02:18:17 pClWv0NQ
>>307
その民族主義が絶対多数である「農奴」に何処まで効くか パンフレットや冊子読めないし
1~2割りの富裕&知識層にしか効かないんじゃ意味が無い 優位主義が肥大化すればそのしわ寄せは農奴にかかり
最悪農奴反乱フラグ 結局日本みたいに王族は「象徴」になるのがオチかな

付け焼刃ですよね

やっぱ軍事に訴えるしか無いでしょ 旧日本軍的発想ですが「決戦」を敵に強いた上で大損害を与え後は外交で良い条約を纏める
長期戦は駄目ですが短期に出来うる限り広範囲に航空攻撃もくわえれば圧力としては十分です

決戦を強いるのも敵に分散してのゲリラ戦と言う思想があまりない中世レベルなら楽ですし

335:創る名無しに見る名無し
09/06/09 03:50:57 Hkcy420I
とあるドワーフの日記
乙です。
国名見てるとしまいにゃドラゴンが貢物要求しそうな気がしてきました。
今後も投下をお願いします。

336:創る名無しに見る名無し
09/06/09 03:58:24 I2JmsasP
投下チョー乙!

チハタンこんなにも皆からアイサレテよかったね(´;ω;`)

337:創る名無しに見る名無し
09/06/09 04:25:07 7ip2G+9S
元から愛されてるじゃないか。ブリキ缶や役立たずと罵るのも愛の形なんだよ。

338:創る名無しに見る名無し
09/06/09 05:07:42 DDf9QS4D
短期決戦で済むならいいけど、泥沼になるのが世の常だからな。
希望的観測にもと基づいて、国家を運営しちゃダメだろ。

339:創る名無しに見る名無し
09/06/09 06:13:39 eyHCAGVI
十分勝算は有ると思うがね
時間は敵だし

340:創る名無しに見る名無し
09/06/09 06:48:21 EEOVpp3Y
>小国の苦悩

う~ん、前から気になってたんだけど、スレ違いじゃない?
ここは自衛隊がファンタジー世界に召喚されますたスレであって、大日本帝國軍が召喚とは違うからね。
分家に該当スレがあるので、今後も続けるならそっち行った方がいいと思うよ。

341:創る名無しに見る名無し
09/06/09 07:02:50 n8yEf/16
ここで連載でも別にいいんじゃない?
そこまで厳密にやってたら「転移はダメ」とか「国軍昇格もダメ」とか変な縛りになるし。

342:創る名無しに見る名無し
09/06/09 08:36:35 PHAtgESn
こまけぇこたぁ(ry
楽しめればそれでよし!

343:創る名無しに見る名無し
09/06/09 11:45:32 zPw0tHOC
何でもかんでも規制するのは良くないと思うんだ

344:創る名無しに見る名無し
09/06/09 12:05:09 pClWv0NQ
>>338
希望的どころか現実的で「政治的手段の一つとして大きな決断が必要」なレベルですからね
結局相手は日本を「なめてる」訳ですし、何らかの形で日本の実力を見せ付けるデモンストレーションが必要ですから

一番良いのはドラゴンとか魔物とか「倒しても文句言われない強大な存在」を倒してしまう事ですが・・・いないし

野党も「デッドライン」を見たらもう自らの生存の為にも手段選んでられないでしょうし
結局軍備縮小しろとか言うのは人気取りや某国から金貰うためであって決して自殺願望がある訳じゃ無いでしょう
もしあるんだったら無能を通り越して狂人ですよ

それに泥沼化する要因が良く考えれば大してないんですよね 多数派の農民は思想教育されてないから流動的です
衛生活動と農業技術支援行えばすぐ日本になびきそうですから
もしあるとすれば・・・日本の勢力範囲以外が騒乱状態になる ぐらいかな

中世レベルと言ってもピンからキリまでありますが 良くても100年戦争ぐらいだとして
一定範囲を確保後 陸自は防衛に専念で十分いけるかと
占領地を無駄に広げなくても空と海から恫喝くわえられますし

345:創る名無しに見る名無し
09/06/09 12:52:12 Sl0ueIFW
>>340-343
新暫定ガイドラインに「主に自衛隊が関わる話」ってあるから、自衛隊分が少なすぎる感じはするけどね

346:創る名無しに見る名無し
09/06/09 13:05:35 86NE0J3z
分家使わないのはもったいないと思うんだ


347:創る名無しに見る名無し
09/06/09 13:14:49 zIdelkrc

日本に限らずイラクのムサンナ県とかソマリアの海域が転移するのはアリ?

例えばソマリアだったら

DDさざなみ・さみだれ 補給艦 P3哨戒機 ヘリ巡視船 日本商船(油、農産、レアメタルなど)だったら

348:創る名無しに見る名無し
09/06/09 13:57:08 y+HkNfDo
なんだったらもう物語氏のように自衛隊が軍事政権をとればいいと思ったが
政治家がいる状態だと国民の反発すごいだろうなあ・・・
いっそのことウヨク議員と組んでサヨク議員の暗殺でもやるか?


349:創る名無しに見る名無し
09/06/09 14:18:12 fdibuZft
>>344
思うんだけどこの世界って中世じゃなくて近世レベルじゃね?
マスケット銃とか、攻城砲とか、三銃士とか、絶対主義とか、
それを思わせる単語はいくつか出てるっぽい。
でも500年間静止とか書いてるし、モデルは江戸幕府かもね。

>>345
あまり規制すんのもどうかなー
萎縮して書かない人が出たら困る。
いいじゃんスレが盛り上がるならちょっとの違いぐらい。

350:創る名無しに見る名無し
09/06/09 14:22:01 HePEJPVo
国民を飢えさせてなければそれは「地上の楽園」と言っても過言でない気がw>F世界大陸側

現時点で農奴は自己の境遇に比較対象無いが故の盲目であるわけで
彼等に「民主主義」を与えるのは啓蒙活動ではあるが
「多数決の原理」をどれだけ理解させられるかが問題
絶対王制を廃止させてもその先をどうするか、て問題がある
スレ内容見るに王侯貴族に取って代わって日本国が支配階級に収まれば良し、て流れだが
彼等(F世界の民衆)が「我らに主権有り」と主張されると弾圧できる冷徹さが日本国に有るか否かかと

対案を出すとするなら
日本国民を大陸に移住させて
そこで生産活動させて産物を日本国に売却する(主に食料品、のちのち鉱物・原材料も
移住受け入れ国は売却益の一部を税として国庫に入れる
その資金が(F世界の)基軸通貨として日本国産物(精密機器や贅沢品)の購入にあてられる
**貨幣制度が未熟どころか鉄貨が流通してるなんて国家間の取引はどうなってるかという疑問は有るが
**設定がそうならそれで仕方なし

351:創る名無しに見る名無し
09/06/09 14:32:41 7LU/btOh
>>349
まあ過去作というか軍板時代もこのくらいには
自衛隊が直接関わってこない作品とかあったしね

352:創る名無しに見る名無し
09/06/09 17:19:53 wfUHAoDJ
分家住人としては分家に来て欲しいかな
最近過疎りすぎで……

353:創る名無しに見る名無し
09/06/09 18:44:09 7QjT01Zp
もういっその事、「近代軍が異世界に召喚されますた」スレにでも改名すればいいんじゃね?
F世界じゃなくておk、自衛隊じゃなくてもおkじゃスレタイが有名無実じゃん

354:創る名無しに見る名無し
09/06/09 19:09:44 eyHCAGVI
対F世界で核の話はよく出るけど、毒ガスや生物兵器はあんま出ないな
生物兵器は効果が予想し難いからだとしても
毒ガスは、一宗教団体でも作れるほど簡単に作れて、効果的だし

355:創る名無しに見る名無し
09/06/09 19:29:27 HePEJPVo
>>354
あんまし倫理観に欠ける戦争すっと
反生物兵器(アンデット)ぶちこまれっからw

356:創る名無しに見る名無し
09/06/09 20:01:46 pClWv0NQ
>>348
さすがに国民も生きるか死ぬかの選択つきつけられたら生きる(武力行使)選ぶでしょ
それにこのまま小田原評定続けてたら 食料燃料問題により内戦状態になる か 強硬的な政権(実質軍事政権)になる
になりかねないですから

特に強硬的な政権になれば政治の柔軟性は失われ 外交能力を自ら喪失し延々と戦いを続ける可能性も


>>350
うーん、別に民主主義を率先して教えなくても良いんじゃ

教育は統治体制の日本への入れ替えから衛生、農業技術の支援を行い生産能力に余裕が出来てからの話しだし

でも比較対象(日本勢力範囲の農民)が出現すれば範囲外の周辺地域の農民からどんどん「より良い生活を望む声」が高まるかも
ついでに日本との緊張状態に各国がより重い税を課すようになれば、農民の不満は爆発し・・・

民主主義や共産主義は「より良い生活」を望む声により結果的に生まれたものですから

357:創る名無しに見る名無し
09/06/09 20:33:37 wfUHAoDJ
つか野党とかが武力反対とか左翼的なことを言うのは政治信条でなく
そこに特アとの利権が絡んでるからだろうから、それらと切れた異世界だと
保身のためにあっさり意見翻しそうw

358:創る名無しに見る名無し
09/06/09 20:43:31 pClWv0NQ
>>349
でも江戸幕府の方が商業や産業で優勢な予感
商人が大きな力を(商業的活動の結果)持っていますし 産業も農民の割合はもっと少ないです

まあ産業革命には乗り遅れましたが江戸を同時代のロンドンやパリ以上の大都市にするだけの実力はある訳で

359:創る名無しに見る名無し
09/06/09 20:53:09 kYfpCQUl
>>357
きっと、必要のない戦いをしたがらない自衛官を臆病者とかののしるんですね。たぶん。

360:創る名無しに見る名無し
09/06/09 21:08:07 thHJbW8h
>>357
でもさまだチャンとチョンは日本に残ってるんでどうかな アイツら骨の髄まで反日だから

361:日本が国ごと召喚 ◆mGG62PYCNk
09/06/09 21:19:46 McCO6eWJ
ロゼッタ「諸君! 傾注せよ!」

青谷「なんですか一体」

ロゼッタ「前日に約束したとおり、毎日投稿は暫くおやすみだ!」

青谷「正気ですか、読者が離れますよ。折角楽しんでもらえているのに。
   こういうのは絶え間なく続けないと人気は一過性のもので終わるという歴史的事実をご存知ないのでしょうか」

ロゼッタ「言うな、2尉。作者とて忙しいのだ」

青谷「さっき魔女っ子スレとガンダムスレ見てましたよ……そのままあっちへ行ったら戻ってこないやも」

ロゼッタ「戻ってこないのなら刀の錆にしてやる」

青谷「ああ、そういえばそれですよ」

ロゼッタ「む?」

青谷「刀です、刀。大陸の軍事レベルはどんなものなのでしょうか?
   今まで一度も言及されていませんから、読者も大陸の実力を測りかねています」

ロゼッタ「これも作者の怠慢のせいだな。よろしい、わたしが解説しよう」

まず、我々の主力武器は銃剣つきのマスケットだ。長槍はないと言えば、わかる人間にはどの程度の
軍事的レベルにあるかわかるのではないか?戦術は密集横隊による一斉射撃と銃剣突撃だ。
だが実際には距離50m程度で延々撃ち合いをやっているうちに片方が崩れて逃げ出すのが殆どだな。
砲は榴弾、榴散弾などもあるが、炸裂しないただの鉄の塊の弾が殆どだ。
射程は1kmほどあるが、命中はあまり期待できないな。歩いてくる敵軍の前面に砲撃して、散兵を蹴散らすのが主な役割だ。
とはいえこれだけで士気阻喪して崩れることもあるから、案外侮れない武器だと認識されているぞ。

青谷「ナポレオン時代くらいといったところですね。動員力はどうです?」

各国ばらつきがあるが、ユグドラ帝国の皇帝だと常備10万だな。
東西南北の貴族も似たようなもので、戦時はその3倍から4倍を動員可能だ。
平時に存在するのは各国とも近衛軍を中心とする常備軍だが、戦時には大量にその辺の
農奴や市民を雇用して促成訓練を施して傭兵軍に仕立て上げる。
基本的には自由意志による雇用だが、場合によっては人攫い同様につれてくることもあるぞ。
もっともこの500年間生きるか死ぬかの大戦争などないから、そこまで動員することもないがな。
大体は近衛と常備同士で干戈を交えた後、国際社会による調停を待つこととなる。
そもそも戦争そのものがそうそう起きないがな。その前に外交官がカタをつける。

山一つ越えたところにあるラウジッツの軍は特殊だ。
元々騎馬民族ということもあってか、歩兵より騎兵が多い。
広大な土地だが物凄い数の貴族が群雄割拠していて、各貴族は敵対勢力の力を
削ぐため、ただしその背後を別の貴族に衝かれないため、少数の騎兵による長躯侵入と一撃離脱を
主な戦術とし、堂々たる大決戦は余りやっていないらしい。兵站上の制約もあるようだな。

さて、今日はこんなところでいいか?わたしはお腹が空いた。

青谷「はいはい、今日はカレーですよ。海軍カレー」

ロゼッタ「うむ、楽しみだ」

362:創る名無しに見る名無し
09/06/09 21:44:42 WEzCKcfK
投下乙解説乙です。
このままだと引き裂かれる二人、しかし別に好き合っている訳ではない様子。
wktk

363:創る名無しに見る名無し
09/06/09 22:04:07 PYTRsAl8
乙です.絶望的なり日本国!
在日米軍無しでは戦力投射能力が…

こうなったらこの国全員でだな,アカくなっちまえばだな…
コウコクニホンでは,人民が,エルフを喰う

そういえばこの世界の航空戦力はどうなってるのかな.
あとは,魔法の有無についてと人外民族の有無については言及があったかな?

364:創る名無しに見る名無し
09/06/09 22:08:50 eyHCAGVI
民衆が捕まえた貴族を確保に来た青木が見たものは
体中に白濁をまみれさせ、部屋の隅で人間に怯えるロゼッタだった
とか期待

365:創る名無しに見る名無し
09/06/09 22:11:18 eyHCAGVI
>>364
ああ、間違えた
青木→青谷


366:創る名無しに見る名無し
09/06/09 22:15:23 WEzCKcfK
>>364
こらこらw
ここはsenkaスレじゃありませんよw

367:創る名無しに見る名無し
09/06/09 23:09:46 p4AOmaQH
>>366
同胞だらけだw

368:創る名無しに見る名無し
09/06/10 00:08:15 UvzD1en1
>>351
後付けで自衛隊を絡ませたような作品もあったね。

369:創る名無しに見る名無し
09/06/10 06:55:22 ZEltLokV
>>363
何処が絶望的?

結局ナポレオン時代並なら対空迎撃能力無し 蒸気機関無し 兵站極めて貧弱 大規模夜戦能力無し で

幾つもの手法を選択出来る自衛隊に勝ちは動かないかと もう少し中世の軍事史読むべきだと思います


特に促成兵員の錬度は致命的ですし・・・精兵を真っ先にぶつけて消耗し後は烏合の衆で無駄に包囲し補給不足で自滅しそう

または地図を読める人が多くない故に戦場への移動中に「迷子続出」とか
昔の軍が殆ど街道や街道沿いに大軍動かしてるのは迷子防止でもあります
小部隊ごとによる浸透突破なんて夢のまた夢ですし

給食部隊もレーションも無いから食事は基本硬く焼いたビスケット
火を熾して粥を炊こうとしたらそれを見た自衛隊がミサイルか砲弾が夜昼問わず落としてくる とかやられたら士気崩壊ですよ
まあナポレオン時代並の技術+日本の文化を見た影響で瓶詰め食品が誕生しそうですが・・あれは割れやすいので

370:創る名無しに見る名無し
09/06/10 07:19:08 t+oDlIJm
ところで中世だとまともな常備軍がないから戦争は基本農閑期に行うもんだけど、そこを付けばわりとあっさり勝てそうな気はする。

371:創る名無しに見る名無し
09/06/10 07:54:29 JllyJMq8
>>369の言っていることには同意するけど、ナポレオン時代を語るそこはいい加減「近世」と言って欲しいな。

まあ、それについては作者氏も盛大に勘違いしてそうだけど。
領邦国家からなる神聖ローマ帝国を引き合いに出して「絶対主義国家」というの甚だ違和感が拭えないし、
歴史講学上の時代区分や政治体制とのリンクを無視してこのF世界を「中世」と呼び続けるのももおかしい。
神聖ローマが絶対主義を確立するのは遅れに遅れて近代前夜と言っても過言じゃないし、ナポレオン時代
の兵制を採用している軍隊を中世国家の国力で支えられる訳がないはずなんだけどなあ。

372:創る名無しに見る名無し
09/06/10 08:35:52 7sUNA/9S
>>369
なんでそんなに喧嘩腰なんだw
みんなプロの作品でもないいち作品にちと熱くなりすぎとらんかね。
もっと肩の力抜いて読もうよ。
この分じゃいざ開戦、となったときには物凄い勢いで、『それは現実的ではない』って
批判が出そうで、作者の筆を鈍らせそうで漏れは怖いよ。

フィクション、フィクション。
リアリティに文句があるならプロのを読もうぜ。

373:創る名無しに見る名無し
09/06/10 10:22:06 HSvmicNL
>>369
絶望的なのは日本の食料事情とエネルギー事情とと兵站じゃないか?
弾が無限に出てくるわけでもないし資源が何所にあるかもわからない
攻め取って統治も前のレスに出たように難しいし

374:創る名無しに見る名無し
09/06/10 11:10:36 Gw88gdFi
>>372
突っ込むのも自由だが、スルーするのも自由だ。
気にするころはないさ。
反映が面倒ならしなくてもいいのだ。

375:創る名無しに見る名無し
09/06/10 11:19:27 UZU6gmtP
絶望的なのはなまじ混乱なく移転が完了して、侵略戦争に抵抗を覚えてしまう状況になっちまってるからかな?
この状況で国を維持するには満州国やらないことには

376:創る名無しに見る名無し
09/06/10 13:18:11 sY0byVw3
ここで整理
いまんとこアクティブ投下なのは
1)日本が国ごと召喚
*大陸が中世から近世の設定、貨幣制度が未熟
2)日記
*日本人技術者の視点からの日記風描写、将来魔術師に進化か?
3)ドワーフ日記
*ドワーフの日記風描写、竹島戦闘の生き残りエルフの赤丸ちゃんのいる世界

こんな感じで各作品間の関連は無い、と理解してOK?

377:創る名無しに見る名無し
09/06/10 14:59:40 ocA9U09Z
>>376
元々各作品間の関連があったのは軍板時代の
物語氏と元1だおー氏の作品の一部でぐらいだったと思う
あれは片方のプロットをもう片方がSSにしたという合作のはずで
両方の作品に同じキャラが出てきた

378:創る名無しに見る名無し
09/06/10 15:10:58 SMZG6enm
>我々の国の民全てを合わせたのとほぼ同じだけの人間があの狭い国内に生活しているそうです

>各国ばらつきがあるが、ユグドラ帝国の皇帝だと常備10万だな。
東西南北の貴族も似たようなもので、戦時はその3倍から4倍を動員可能だ。


大陸総人口が日本と同じぐらいで、それを三カ国で割ってるとしたら、
この規模の軍を支えるには寧ろ人口が多すぎる印象を受けるかな。

379:創る名無しに見る名無し
09/06/10 17:52:20 HSvmicNL
>>378
何人の農民が一人の兵を支えれるかがよくわからないんだが
日本人口=約1億2千万人
1億2千万人÷三ヶ国=一ヶ国の人口4千万人
4千万人が10万の兵を支えるから
40000000÷100000=400
つまり4百人の農民が1人の兵を支えているってことでおk?
んでその農民が多いってこと?

380:創る名無しに見る名無し
09/06/10 17:58:57 ZEltLokV
>>373
統治は農民がまだ流動的ですからノウハウの確立に時間はかかると思いますがそんなに難しく無いかと
資源問題は既に幾つかは発見されているので

そして食料事情が問題で時間が無いから戦争が必要な訳で
まあ「良い条件で貿易協定を結ぶ」 それが出来れば戦争は必要無いですが
一番てっとり早いのが武力行使による恫喝ですから 手段を選ぶ時間さえあれば選択肢も増えるんですけどね

兵站に関しては「無定見な戦線の拡大」さえしなければ
補給能力と必要な土地の量から「占領範囲」を決め 交通の要所などに防御拠点を築くようにすれば防げるかと
土木能力に限界がある以上敵が大兵力を移動出来るルートは限られますから
第一次大戦に回帰したような塹壕防御でもナポレオン時代の軍には絶望的壁になりますし

後は空と海が何処まで恫喝に動けるかにかかってますね
出来る事なら開戦初期に敵が数万単位の兵力で決戦を挑んでくれれば弾薬の消耗も少しは避けられるんですが


>>375
確かに「軍事アレルギー」が日本の特徴ですからね 欧米だったら「もう武力行使してるよ」な状況ですから

381:創る名無しに見る名無し
09/06/10 18:07:07 ZEltLokV
>>378
計算の式間違ってる

近衛10万+東西南北40万(大体)=50万で

40000000-500000=39500000 が兵士以外

さらに「大体9割が農民」だから 甘めに見て8割とすべきかもしれないけど今回は9割で

40000000×0.9=36000000

36000000÷500000=72

72人で一人の兵かな まあこれは総人口4千万の計算だけど実は5~6千万かもしれないけど

382:創る名無しに見る名無し
09/06/10 19:36:57 ocA9U09Z
軍と国民の比率そのものは(数字の上では)問題ないけど
何にせよ人口規模が大きく軍の規模もそれなりに大きいから
制度とか経済状態とか詳細がわからないと何ともいえない

でも国民の9割ぐらい農民ってのはちょっと偏りすぎだなあ…
物流経済とかどうなってんだろ?
(場合によってはこういう生産者偏重の国民比率って、どっかの地方だけ飢饉起きたりそれが暴動になってるけど
周辺地方には食料が有り余ってる、でもそれを動かす手段が無いって事を歴史上引き起こしてる例があるし)


383:創る名無しに見る名無し
09/06/10 20:17:52 3eg9L0e9
お前等、俺が作者だったら『こうでなければいけない』この数字が適切である
なんて細かく決められたら書く気が失せる

一見妙に見える演出や文章は複線なのかもしれないから暖かく見守ってやれ
早漏は嫌われるぞ

384:ルーデル
09/06/10 20:24:36 NFdrccGT
小国の苦悩 第六話

『我が帝國陸海空軍はロストニア王国に対し宣戦を布告』
『宣戦布告と共に、我が精鋭軍は各地に進撃、これを制圧したのである!』

ヴァァァァァァアアアアン(サイレン付きの99式艦爆が急降下)

ズガガガガガ!(土嚢の上で九九式軽機関銃を乱射)

キュラキュラキュラキュラ(チハが崩れた城壁を乗り越える)

ズドーン! ズヴァーン!(艦隊が一斉射撃)

ジャンジャジャーン!
『我が強大なる帝國軍の前に、全ての抵抗は無意味なのである!』
キュィィィィン ズドーン(巨大な城が吹き飛ぶシーン)

「うちの城なら丸ごと吹き飛ぶな」
「瓦礫も残るかどうか・・・」
騎士団長ピエール男爵と側近がコソコソと話し合っている。

『我が帝國軍の進撃の前にロストニア兵士達は次々に投降するしかなかったのである!』(長々と続く捕虜の列と護送の帝國兵)

「物凄い捕虜ですな」
「地平線まで埋まってる・・・」
「あれだけ捕虜を採ると食費だけで国が傾きますな」
財務担当ロエニー男爵が冷静に分析する。
「そう言えば帝國がやたら食料を買ってたがひょっとして捕虜用か?」
ピエール男爵が納得したような顔をする。
「でしょうな、帝國通貨で支払いされた時は困りましたが」
帝國通貨は帝國陣営での共通通貨として流通し始めていた。
帝國政府は、帝國通貨の普及と各国の作物本位制から通貨本位への切り替えを図り、全ての支払いを帝國通貨に切り替え始めていたのである。
「だが帝國通貨なら帝國製品が買える! うむ素晴らしい!」
ゴンザレス5世は満面の笑みを浮かべながら髭を弄る。
「帝國槍や帝國刀、帝國鎧は是非とも揃えたい所・・・」
ピエール男爵が分厚いカタログ『03年度帝國同盟国兵器カタログ』をパラパラ捲りながら物欲しそうに眺めている。
武者鎧っぽい形状の西洋鎧の写真に大きく赤丸でチェックされているのでこれが欲しいらしい。
因みに最恵国待遇の場合なら『三八式帝國銃』まで購入できるが、ゴンザレス王国は当然最恵国ではない。
「お待ちください、先に農業効率改善の為、帝國鉄製の農具を・・・」
農業担当のエリック子爵が『03年度帝農商会カタログ』を振り回す。
「む、王妃へのプレゼントも買わなくては」
「この試製堂の香水とかでは?」
「電報設備もご検討を!」
「いや、先に乗り心地のいい帝國式馬車を・・・」
「押すなコラ!」
「何だと!? 貴様!」
「国王陛下、これなんかどうです?」
「何々? 帝國織ドレス・・・高くないか?」
「王妃様が喜ばれますよ」
「陛下! 刀買ってくだされ!」
「帝國製農具を買う事で効率性が10倍にも・・・」
「何かあった時のため貯蓄をすべきだ!!」

プロパガンダ映画上映の為、来ていた帝國外務省の役人はひたすら無表情を取り付くっていた。


大陸戦争初期、『帝國の威光を世界に知らしめ、今後の大陸運営の円滑化を図る』として帝國政府はプロパガンダ映画の製作、支配地域での上映を行った。
しかし帝國のプロパガンダという物にたいする理解、特に中世レベルの文明に対するプロパガンダへの理解が全くなかった為、こうしたプロパガンダはあまり効果をあげる事が出来なかった。
結局、帝國の威光を大きく広めたのは国内産業維持の為に、苦肉の策として行われた民間向けの優れた帝國製品だったのである。
注 ゴンザレス王国における反応は大陸においても特異なものです。

385:ちゅるや ◆lBYvnQu.8E
09/06/10 20:25:36 NFdrccGT
アクティブに入れてもらえなかったorz

なんか名前欄がおかしくなったorz

386:創る名無しに見る名無し
09/06/10 20:28:17 sY0byVw3
「日本国ごと召喚」では農本位政策で商業は制限されてる模様
産物にもよるが「長期間備蓄が可能」ならば消費以上の過剰生産はどうだろ?
備蓄しても味の低下がそんなに無ければ生産しない考えもあるし
有っても困らないからどんどん生産、もあり得る
「生産過剰で値崩れして困る」てのは商業本位な政策ゆえだし

戦争するのは貴族の領地のいさかいが原因としても
長い間の政略結婚の結果、各国の支配者が親戚関係なら
徹底的に相手を滅ぼすのは我が世界の悪しき伝統なのかもしれない

マジで「バイストンウェルに日本国が転移した」みたいな
われわれ日本人が「楽園のヘビ」みたいな役割担わされるとかw

387:創る名無しに見る名無し
09/06/10 20:49:28 ZEltLokV
いや、相手を滅ぼすのが伝統な訳ないし

まあ第一次大戦はそれまで「親戚関係でなあなあ」で済ませてたのが「民意」の登場で戦争へと激化した例だけど

今回は人種や宗教上の問題ではなく経済上の問題でぶつかってる訳だから 「買い手」や「働き手」の消滅はそれこそ最悪ですよ

388:創る名無しに見る名無し
09/06/10 21:57:23 6/EugGeI
まあ、SSだからね。
でも俺は見てるよ。

389:創る名無しに見る名無し
09/06/10 22:30:39 RJnhRRZB
投下乙
ゴンザレス王国は和むなあ。俺が外交官ならこういう国に赴任したいよ。
まああまりに小国だから、外交官が駐留してるか疑問だけどねw

390:創る名無しに見る名無し
09/06/10 22:33:43 HSvmicNL
>>381
ゆとりですまん
吊ってくる

391:創る名無しに見る名無し
09/06/11 00:42:24 YWnevtRF
>>379
真っ当な現代国家の常備軍総兵力が総人口の1%以内(1%はかなり多い方で普通は0.5%以下か)を推移するはずだから、
他の要素を全て捨象して純粋に人口比から考えれば、ユグドラ帝国とその傍系国家の常備兵力は最大で120万、最小で40万ぐらいになると思う。
そこに兵站の貧弱さ、(兵員の)教育システムの未熟さ、そもそもの財政規模等の中世的要素を加味すると最大でも40万、最小で10万割るんじゃないかな。
人口3000万のオスマン朝の動員可能兵力が10万(0.33%)だったから、それほど的外れな数値ではないと思うけど、ユグドラ帝国は商業を統制しまくってて
経済力は貧弱だし、人口構成も戦時に動員しても大した戦力にはならない無学な農奴が大多数じゃ、確かに40万はちょっと多いかもね。
それに、実際に40万以上の兵数を集められても、自衛隊の火力に晒されたら一撃で壊乱するような張子の虎になる可能性が高いと思う。

392:創る名無しに見る名無し
09/06/11 00:56:17 O8+QWFG/
>>383
何とでも理屈をこねて無視すればいい。
何ならガン無視で突っ走ってもOK。
作者の特権だ。


393:創る名無しに見る名無し
09/06/11 01:21:39 +vUFfo8+
「そう言う物理法則の世界です」
と言い切れば無問題

妥当かどうかの議論は否定しないけどちょっと続けすぎ

394:創る名無しに見る名無し
09/06/11 19:57:19 sgiwJiz4
>>393
別に荒らそうとか思っているつもりは無いが
作者が投下するまで議論以外することが無いんだから仕方ない
感想もそんな長く続かないし
てか感想いってたら議論になる
だからといってレスを控えると過疎る恐れがある
だから暇つぶしに議論するしかない

395:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:15:55 ZSh4ZL9C
◎月Θ日

 我々とジェダイは模擬戦闘演習を行った。
昨日から来国していたジェダイの特殊部隊と、特戦部隊レッド・キャップズ(以下赤帽子)、一分隊。
双方12人の野外演習。戦闘時間は夜9時から12時までの三時間、戦闘場所は三階建てのニホン家屋。
ジェダイが防衛側、赤帽子が攻撃側となる。
勝利条件は攻撃側が司令部の旗を取るか破壊。
敗北条件は赤帽子の殲滅か時間までに旗を奪えないこと。

 状況はジェダイ側が奇襲を受け、防衛線を突破され後方の重要拠点を襲撃されたと想定している。
戦闘開始前にジェダイ側は10分の猶予が与えられる。
10分は戦線突破の報告後に部隊が急行したと想定されている。
双方地図は事前に配られる。但し、攻撃側は家屋内の詳細な図面は配られていない。
地雷や有刺鉄線、戦闘車両等事前持込不可。
武器の持込については、双方状況に適当であると判断した物を持ち込んでいる。

 当然だが、訓練はゴム弾、BB弾、ペイント弾を使用。
魔法も“対人は気絶させる程度”である。
ただ、特例として接近戦においては模擬刀又は相当品を使い(本来は触れるだけで死亡と判断らしい)
刃を相手の胸や手を突き戦闘不能に陥ちいった場合のみ死亡と判断される。
触れるだけで死亡の条件など腑抜け。
剣は抜いて、敵の急所を捉えるまでが勝負。
特例は我々、エルブ側の提案に合わせた条件である。

 まさか赤帽子を生きている間に見るとは。
黒エルフを中心に構成された商会直属の暗殺部隊。意志を代行する剣。
彼女らの帽子は、敵の溢れ出る返り血を用いて帽子を染め上げているとされている。
名前のみが知られ、実在を疑われつつも確固とした存在感がある謎の部隊。

 噂では赤帽子の姿を見ただけで軍全体が降伏した話もある。
彼女らを見た彼らがどうなったかは知る由もない。

 監視塔から演習場を見下ろすと、入り口側に赤帽子が待機しているのが見えた。
赤錆色のアンシーリーコート(呪鍛加工された雨避け状の防護服)を見に纏い。
肩に逆十字と杖と斧を組み合わせた紋章をつけている。
顔や武器はポンチョに隠れて見えない。
鉄の靴が黒いズボンから覗いていた。


 今回、彼女らが呼ばれたのはエルブの面子である。
エルブの兵士が“使える”のを示さねば、ニホンより“対魔術戦において優勢”である
外交的優位が揺らいでしまうからである。
ジェダイはバッサン軍との戦いや対イビルアイ掃討戦で結果を残しており、
今一度“我々が必要である”と示さなければならなかった。


396:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:16:46 ZSh4ZL9C
 ジェダイと我々の戦闘能力は隔絶している。
剣を抜く間に殺され、魔道師が呪文を唱える間に撃たれ、弓を構える間に頭を吹き飛ばされ、
魔法の撃ち合いになると、一人の兵士が魔道師の五倍十倍の魔法を放つ。

 というのも、前の演習では酷い目にあった。
以下は訓練に参加した兵士達の証言である。

黒エルフ、エインセルの証言。
「エインセルが日本のジェダイと戦ったとき、それはもう驚きました。
遠くで光ったと思ったら、血糊を吹いて周りの人達が一斉に倒れていきました。
エインセルは怖くて地面に伏せて隠れるのが精一杯でした。
接近戦に持ち込もうにも、自衛隊員の動きは速いし、重い鎧を着たままでは追いつけません。
なんとか接近戦に持ち込んでも、剣では短すぎ魔法では遅すぎて、遭遇すれば皆殺されます。
これは彼らの武器が魔法杖でかつ槍であり、個人で持ち運べるほど軽く強力で自在に用いているためです」

ドワーフ、ボギーの証言。
「日本の自衛隊は接近戦でも死角がない。 我々の兵士は自衛隊を見れば皆身がすくみ逃げ腰になる。
魔術戦に優れた自衛隊だが魔法だけではなく槍の扱いも我が剣兵と互角である。剣と槍は相性が悪い。
槍の扱いも民兵を上回る、その他あらゆる兵科と比べても不足が見つからない。
本当に日本人は殺戮者だ。その家には文字を読めぬものは無く、 子供の頃から錬金術を教えられ始め、
壮年にいたれば手に負えなくなる」

竜人、バッジ・ファーの証言。
「日本戦術は神秘的だ。前後の移動が見事で手出しができない。
そのためファランクス(槍による集団突撃戦法)を使っても毎回負けてしまう」

ドワーフ、ボッケルマンの証言。
 「日本人が全力で動く時風のように漂って動く。 常に寡兵で陣に入って来て、
大勢の兵士でも抵抗できない。 その魔法の使い方は、常に複数で守り合い、あえて止めを刺さない。
怪我人を増やし、助けに来た兵士を狙い、怪我人を運ぶ手間を増やす。
汚い手だが、合理主義の極みである」


 厄介なことにジェダイは集団戦になるとより手が付けられなくなり。
数が増えるほど強さは倍加する。

 それでも勝算はあった。
剣や槍を使った戦闘である。
ジェダイは魔法を使うのを優先して動く。
剣技や無手に関して我方に勝ち目はある。
もっとも、他の技能と比べて弱いと表しただけで、
民兵や徴兵された兵士に対して技術的優位にあるのは確かである。
強いが達人に届かない腕と評価するのが適切だろうか。

 短時間しか持たない魔法を最大限生かせ、接近戦を挑め、なおかつジェダイが連携しにくい環境。
条件を絞り込むと、狭い室内。少数精鋭の戦闘。深夜が最適と出た。
国の面子が掛かっている。彼女らは負けられないのだ。

397:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:17:36 ZSh4ZL9C
某所某日

『赤沢2等陸曹回想録』より

 今日は赤帽子との演習である。
私には赤帽子の隊長、メイと少なからず因縁があった。
それは後で書くとして私について書いておこう。

 海外派兵が始まる前、私は習志野で働いていた。
俗に言うSである。決してSMのSではない。
沖縄でグリンベレーと実戦訓練研修をしたり、イラクへ派兵されたりと。
仕事内容はむしろMに近い。
鍛えるのが趣味の変態と一部で呼ばれているようだが、大きく外れてはいないと思う。

 ××年の×月、私は“エルブ”海外現地共同体の警備要員として復興支援団に組み入れられた。
今までにも派兵や他国の特殊部隊との演習があったので、国外に行くのは別に特別ではなかった。
海外全面通信途絶による混乱がある程度落ち着き、マスコミが海外に眼を向け始めたころ、
外務省からお偉方がやって来て隊の個人面談が始まった。
彼らは海外に興味があるか、本は好きか、内容はどんなか、食べ物の好き嫌いはあるか、
幽霊を見たことがあるかなどの取りとめもない話の後、復興支援団に参加する気はあるかと聞いた。
私は全ての質問にはいと答えた。
情報が全く入ってこなくなった海外事情を知りたかったし、
質問中に不自然に紛れ込んでいたオカルト話に興味が湧いた。
幽霊を見たことがあるか、肝試しは好きか、適応能力は自分にあると思うか。
普通、こんな馬鹿らしい質問をしないのが常識ある社会人だ。
しかし質問しているお偉方の顔は大真面目である。
だからあえて逆を行った。
数日後、また呼び出され書類を貰った。
復興支援団の警備部隊所属宛を証明する紙であった。

398:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:18:23 ZSh4ZL9C
 こうして私はエルブ基地へ所属する身となった。
僅かな私物をまとめ、残りの私物管理を信頼できる友人に託し、家族に電話で連絡してバスに乗った。
護送されたバスが正面ゲートから出ると基地外は気違いで一杯だった。
紅い旗を振り回した平和団体が派兵反対九条賛成と叫び、反対側は別の団体が復興支援賛成九条改憲と叫ぶ。
両団体がぶつかり合い、押し合いへしあい乱闘騒ぎ。
新型の透明盾とジュラルミンシールドを持った機動隊は手を出さず、遠巻きに紅旗の団体を包囲していた。
背後には救急車と消防車。制服を着た代表が「暴動はやめなさーい」とスピーカーで話していた。
誰も聞いてない。

 基地の港に入ってからは静かなものだった(デモの騒音と比べてであるが)
華々しい式典はしなかった。中国四川大地震に似た海外の“緊急”援助だからだ。
大佐級の高級仕官が一言二言話して終わり。あっけない。
既に船のコンテナは積み終わっていて、後は自分達が乗り込むだけなのだそうだ。
私が乗った船については詳しくは覚えていない。
元々船に興味がなかった。
飯が美味かったのは覚えている。
陸より海のが美味しいとは本当らしい。
まあ、まだ戦争になっていないからな。
それよりも大陸の現状はどれほど悲惨なのか考えていた。
あらゆる通信が全滅する事態、大規模なEPMでも炸裂したのだろうか。

 陸地が見えたそうなので甲板に上がって驚いた。
 降りてもっと驚いた。

 海から見えたのは江戸時代の日本と中国の唐時代を混ぜ合わせたような街並み。
外国人が考える『間違った日本のイメージそのまま』の姿。
ヨーロッパ辺りに行き先を間違ったのだろうか?だとしたらデカイ遊園地か何処か?
一ヶ月も二ヶ月も船に乗っていないのは確かだ。
海岸や五重塔に似た建物の上にずらりと並んだ人達が此方の船を見つめている。

 海外から通信が途絶して、謎の生命体が襲ってきて、決死の覚悟で海外情勢を調べに行ったら
ディズニーランドみたいなファンタジーな住居で現地住人が旗持って歓迎ムード。

 訳が判らない。頭がどうにかなりそうだ。
日本全体を巻き込んだ壮大なドッキリか。迷惑な。

399:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:19:11 ZSh4ZL9C
 現地入りして数日は大変だった。
「いよぅ、おつかれ」
「おはよう。今朝は冷えるな、えぇ?」
「ああ、何を!ああっここで動かしちゃ駄目ですよ!待て!止まれ!うぁあああ・・・」
「レッド聞こえるか。頭のイカれた小男達がいる。ひとりでは手に負えん」
「よぉしすぐ行く。カッコイイとこ見せましょ♪」
「容疑者は男性、髭面、130cm、髪は茶、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ」

 特に機械に興味を持ったドワーフ族相手に苦労した。
ところで奴ら一体なんなのよ!車は盗もうとする!シートは引っぺがす!
後で元通りにして返すからちょっと触らせてくれって!
ちょっと!私の時に騒ぎを起こすな!

「一口では言えん、とにかく俺を信じろ」
「無理だそんなの、知り合ってまだ5分と経ってない」

 非番に知り合った黒エルフ族娘に至っては、私をさらう!

「おたくみてえないい男はもっと遊ばなきゃだめだよぉ」
「私は公僕だ。かまわないでくれ」
「アタシの言う通りにしろ」
「駄目だ。7時半に射撃の練習がある。付き合えない」
「今日は休め!」

 娘を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!
かと思ったら人を撃ちあい(銃器は使ってない、手から弾が出た不思議だ)
に巻き込んで大勢怪我人はだす!

「ぶっ飛べ!」
「おいおいおいちょっと待て待て!あち!あちち!ああっ!
 くそっ!息子がやけどしちまったじゃねえか!ちっくしょうもう!バッカ野郎!」

 挙句は電話ボックスを持ち上げる! あんたら人間なの!?
お次はターザンときたわ!警備があんたらを撃とうとしたんで助けたわ!
そしたら私まで追われる身だ!

 もちろん、警備には半日かけて謝った。死ぬほど疲れた。
来て早々営倉行き。
自分だけピンポイントで狙ったかの余りの理不尽ぶりに切れて、田中(外務省筋の役人)に抗議に行った。

「“あの日”海外で一体なにがあったのか教えて頂戴!」
「駄目だ」
「駄目ぇ?そんなぁ」


 驚きと不条理に満ちた数週間。
異文化接触、剣と鎧を持った兵士との演習、耳の長い美女達の化け物に対する講義、
化け物との初遭遇、魔法使いと西洋風の鎧を持った兵士達との訓練。
人生で此処まで密度が濃かった時間はない。
まとめれば映画のひとつも出来そうだ。

 どれもこれも理不尽な黒エルフ、メイのせいであった。
私と彼女の腐れ縁は船から陸に上がり、部屋割りと荷物運びが終わり、
事務手続きもろもろが終わった上陸二日目にまで遡る。

400:とあるドワーフの日記 ◆8b20lCD.o.
09/06/11 20:28:13 ZSh4ZL9C
投下終了

('A`) シュワ映画ハ言イ回シガ洒落テテオモスレー
    国名ニツイテハ>>337ノ予想通り
    巣作りマイスタードラゴンクルセイダース2
    ガモトネタデス アト、キャラ ノゲームカライクツカ パロッタモノヲツカッテイマス ライバー共和国→ライバー連合 エルブワード王国→エルブ ハッサン王国→バッサン帝国
    ヨクワカリマシタネ・・・マイナーナネタナンデ誰ニモ判ラナイト思ッテマシタ

401:創る名無しに見る名無し
09/06/11 21:02:35 TFx2NAsn
投下乙です。
格闘訓練に渋川剛毅でも呼んだら楽しい事になりそうだな・・・
黒エルフのそのお嬢さんとの話をもっと詳しく出来れば中篇SSでお願いします、って冗談冗談。


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