09/06/08 10:12:17 uqXMPTMR
黒の騎士団のアジトの片隅でライは考えこんでいた。
C.C.に言われた事が頭から離れなかったためだ。
「むっ、どうしたんだ? ライ」
その様子を見て騎士団のトップであるゼロが声をかける。
「あぁ、実はC.C.に『そういえばお前に声ネタは使えないな。 内輪ネタと言われることも多いがギャグの手法としては手軽なネタが使えないのは痛いな』と言われて……」
大真面目な顔をしてそんな事を言うライを見ながらゼロの中の人はとりあえずしばらくC.C.にピザを与えないことに決めた。
そんな決意を固めつつ彼は付いた事を並べたてることとした。
ウソのアドリブは得意なのだ、普通のセリフは時々まれによく噛むが。
「違うな、間違っているぞライ!」
「え?」
ライはいきなり大声を出し始めたゼロを少し驚いた様子で見た。
「声ネタが無いなら出来ない? 逆だ、決まっていないからこそ様々な台詞ネタを使うことが出来るのだ!」
堂々と馬鹿らしいことを言うゼロだが、そのカッコイイポーズとあいまって妙な説得力がある。
少し圧倒されるライを仮面ごしに見ながら彼は更に言葉を続けた。
「確かに分からないならば構築は難しい、いや、だからこそ好きにできる事があるのだ……」
「じゃあ『絶好調である!』とか『戦うと元気になるなぁ!』とか『我が世の春が来たぁ!』とか言ってもいいのかい?」
「……何故その人物を選ぶ」
どこかズレたライの質問にしばしゼロは即座にツッコミを入れた。
「じゃあ……『俺は不可能を可能に……』とか『まだ私は自分を弱者と認めたわけではない!』とか『にいさぁぁぁぁぁぁぁん!』とか……」
「そこから離れろ! そして何故負けゼリフ的なものを選ぶ!?」
子○ネタから離れないライによりゼロのツッコミは更に加速した。
「じゃあ藤堂さん達と『僕が! 僕たちが! 月下だ!』……」
「……好きにしろ」
色々な台詞を連呼するライを残してゼロは書類仕事の続きをすることにした。