THE IDOLM@STER アイドルマスター part2at MITEMITE
THE IDOLM@STER アイドルマスター part2 - 暇つぶし2ch167:風船とハイタッチ(1/3)
09/05/26 03:57:39 LnRVjG9d
 俺が765プロに籍を置いてもう数ヶ月になる。高木社長に街で声をかけられてから、なんだか
よくわからないままに社員見習い、うかうかしているうちにプロデューサー候補、あれよあれよ
という間に正プロデューサーになって高槻やよいというアイドルを担当し、気付けばまるで
もう長年プロデューサー稼業に就いているかのような振舞いぶりだ。社長の『ピンときた』は
実際俺も知らない才能を探り当てたようで、俺もそれまでのふらふらした生活とはうって
変わった、予定や計画がぎっしりで、体を休めるヒマもない、それでいて心身ともに充実
した日々を過ごしていた。
 やよいはアイドルとしてはまだまだこれからの人材で、デビュー曲が子供番組で当たった
のを足がかりに更なるステップアップを図っている最中である。今日の営業は彼女も得意な
子供相手、遊園地での握手会だ。
「それじゃあみんな、今度はお姉ちゃんといっしょに歌っちゃおう!『おはよう!朝ごはん』っ」
 お馴染みの曲名に、小さなファンたちが沸き立つ。今日のイベントは大成功と言っていい
だろう。三ケタに近い親子連れはそれぞれにイベントを楽しみ、サイン入りの風船を貰い、
満足して帰っていった。最後の方は用意した風船が足りず、予備にと持ってきていた販促
ポスターに目の前でサインを入れる慌ただしさだったが、やよいも子供たちとの触れ合いを
存分に楽しんだようだった。
 さてイベントも終わり、俺たちも帰路についた頃のことである。俺たちの行く手に母の手を
引き、上を見上げてはぐすぐすとぐずっている子供がいるのに気付いた。
「プロデューサー」
 やよいが俺を見上げる。家に弟妹を待たせている彼女だ、そんな年頃の子が泣いている
のを黙っていられないのだろう。
「わたし、行ってきてもいいですか?」
「ああ、かまわないよ」
 プロデューサーとして頭脳を働かせ、かまわないと判断した。おかしな関係の親子には
見えなかったし、彼の視線を追って事態の見当はついていた。嬉しそうに頭を下げ、小走り
に少年に向かう彼女をあとから追う。
「あの、きみ、どうしたのかな?」
「……あ……やよいお姉ちゃん……」
「うん!今日、いっしょにお歌を歌ってくれた子かな?」
「あの……ふうせん……ごめんなさ……ぐすっ」
「ふうせん?」
「飛ばしてしまったんですか」
 鼻をすする音とえずきながらの声でほとんど要領を得ない少年をフォローし、俺は母に
訊ねてみた。先ほど彼の視線の先に、空高く風船が飛んでゆくのを見つけたのだ。うっかり
紐を離しでもしたのだろう。
「あ、ええと?」
「ああ、やよいのプロデューサーです。かわいいお客さんが困っていたようですので、失礼
ながら声をかけさせていただきました」
 母親は一瞬いぶかしんだようだが俺の説明に納得してくれ、そうなんですとうなずいた。
「今日はこの子の誕生日だったんです、ちょうどやよいちゃんのイベントがあるということだった
ので連れてきたんですけれど」
「あ、そっか、えと、……『ゆうたくん』だよね!」
 風船を渡す際にそんな話を聞いたのを思い出した。やよいは名前まで憶えていたようだ。
しかし、彼は彼でそこまで気遣ってくれる大好きなアイドルに申し訳ない気持ちがでいっぱいに
なってしまったらしい。顔をくしゃくしゃにし、目からは涙がとめどなく流れる。
「ふぇ、やよいお姉ちゃんの風船……ごめんなさい、ごめ……っ」
「あああ、あ、あのっ、あのゆうたくん、そんなに泣かないで、ね?ほら、ゆうたくんは悪くないよ、
え、えっとプロデューサー?」
 おろおろと少年をなだめながら、やよいはこちらに問いかけの視線を送ってくる。風船の予備
はないのか、というところだろうが、なにしろファンに配るのも足りなかった状態なのはやよい
自身も承知していた。


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