コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ39at MITEMITE
コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ39 - 暇つぶし2ch2:創る名無しに見る名無し
09/04/04 20:37:31 08g9bG2F
■全般
・支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
 (連投などに伴う規制について参考>>3-あたり)
・次スレ建設について
 950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
 重複などを防ぐために、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えてください。
  ※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
・誤字修正依頼など
 保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス(geass_lc_ss@yahoo.co.jp)に
  ※修正依頼の際には、作品のマスターコード
   (マスターコード:その作品の投稿が始まる、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)
   を必ず記述して下さい
   例:0003-0342 のタイトルを○○に カップリングを○○に
     (↑この部分が必須!)
   マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定だと処理ができなくなる場合があります

■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.前書き・後書き含めて10レス以上の連投になると同一IDからの投稿が規制されます。(←「さる」状態)
  間に他IDからの「支援」が入ることで規制は回避できますので、規制にかかりそうな長文投稿の際は
  投下前に支援を要請して下さい。逆に、必要ない場合は支援の要らない旨を書いてください。
  前レス投稿から30秒ほどで次レスを投稿することができます。(投稿に関する規制については >>4- あたり参考)
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
  ・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
6.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
  ・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
   (トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で)
  ・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます

前書きの中に、以下のテンプレを含むことが推奨されます。(強制ではありません)
【メインタイトル】
【サブタイトル】
【CP・または主な人物】
【ジャンル】
【警告】

【背景色】
【基本フォント色】

3:創る名無しに見る名無し
09/04/04 20:38:43 08g9bG2F
■創作発表板での投稿規制について 参考(暫定)

1レスで投稿可能な容量
 ・X:1行の最大 / 255byte
 ・Y:最大行数 / 60(改行×59)
 ・Byte :最大容量 / 4095Byte
  但し、改行に6Byte使うので注意。例えば60行の文なら59回改行するので
  6Byte×59=354Byte これだけの容量を改行のみで消費する

さるさん( 過剰数の投稿に対する規制 )
 ・1時間に投稿できる数は10レスまで。それを超えると規制対象に
 ・毎時00分ごとにリセット。00分をはさめば最長20レスの連投が可能

連投規制( 連続の投稿に対する規制。短い間隔で連続の投稿ができない )
 ・30秒以上の間隔をあければ投稿可

おしりくさい虫など( 携帯のみ?同一内容の投稿に対するマルチポスト規制 )
 ・「支援」などの同じ言葉を繰り返し投稿することでも受ける規制。
  違う内容を投稿すれば解除される。スペースを挟むだけでも効果あり

4:創る名無しに見る名無し
09/04/04 20:39:45 08g9bG2F
■画像投稿報告ガイドライン

ロスカラSSスレ派生画像掲示板
 PC用  URLリンク(bbs1.aimix-z.com)
 携帯用(閲覧・コメントのみ) URLリンク(bbs1.aimix-z.com)

1.タイトルとコテハン&トリップをつけて絵を投稿する。
  尚、コテハン&トリップについては、推奨であり強制ではありません。
 ・挿絵の場合は、誰の何のSSの挿絵と書く
 ・アニメ他公式媒体などにインスパイアされた場合は、それを書く(例:R2の何話をみてテンさんvsライを描きました)

2.こちらのスレに以下のことを記入し1レスだけ投稿報告。
  (SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。)
  例:「挿絵(イメージ画像)を描いてみました。 画像板の(タイトル)です。
     ~(内容・注意点などを明記)~ よかったら見てください。」
 ・内容:挿絵の場合は、SSの作者、作品名等。それ以外のときは、何によってイメージして描いたのかなど
 ・注意点:女装/ソフトSM(首輪、ボンテージファッションなど)/微エロ(キス、半裸など)
      /ゲテモノ(爬虫類・昆虫など) など(絵はSSに比べて直接的に地雷になるので充分な配慮をお願いします。)

 画像掲示板には記事No.がありますので、似たタイトルがある場合は記事No.の併記をおすすめします。
 *ただし、SSの投下宣言がでている状態・投下中・投下後15分の感想タイムでの投稿報告は避けてください。

3.気になった方は画像掲示板を見に行く。
  画像の感想は、原則として画像掲示板に書き、SSスレの投稿報告レスには感想レスをつけないこと。
  画像に興味ない人は、そのレスをスルーしてください。

4.SSスレに投稿報告をした絵師は以下の項目に同意したものとします。
 ・SSスレに投稿報告した時点で、美術館への保管に同意したものと見なされます
 ・何らかの理由で保管を希望しない場合は、投稿報告時のレスにその旨を明言してください
 ・美術館への保管が適当でないと判断された場合、保管されない場合もあります
  (ロスカラ関連の絵とは言えない、公序良俗に反するなど)


----以上、テンプレ終了----

5:創る名無しに見る名無し
09/04/05 17:43:56 +Su8IClY
『質問したい。あなたはダモクレスで世界を握りたかったのか?』
「違うよ。私はただ、皆が望む事を、SSを作りたいだけだ」
『職人の本質を無視してでも?』
「見解の相違だね」


   THREAD 24『ダモクレス で 執筆』


『あなたはBLの畏怖をもって、スレッドで世界を固定しようと考えた。しかし、変化なきスレッドを、人は読みたがらない。それはただの過疎だ』
「しかし、その僅かなレスの連なりを保守と呼ぶが?」
『やはりあなたは優秀だよ。が、優秀過ぎるが故に見えていない。
 そう、皇帝シャルルは過去ログを求めていた。自分が失ったSSを。そして、あなたは現スレッドを。だが、俺は次スレが欲しい』
「次スレは今のスレッドより過疎るかもしれない」
『いいや、よくなる。たとえどれだけ時間が経とうと、人はSSを求め続けるから』
「それが過疎に繋がるというのに。ははは、愚かしさも極まったな。それは感情に過ぎないよ、ルルーシュ。過去ログや保管庫という名の過去の産物」
『そして、それが皇族というコテハンでスレッドを見下してきたあなたの限界だ。
 俺は何度も読んできた。規制に抗う人を。支援し続ける人を。みんなが芳醇なSSを願い、レスし続けてきた……』
「矛盾だよ。ギアスによって他人のSSを否定し続けた君が、ここに来て人のSSを、存在を肯定するのは。
 ……いや、もういい。どの道、この場でレス掛け論にしかならない議論などに意味はないだろう。早く執筆作業に戻りたまえ。ただし、私もBLを投下する」
『……』
「君が投下して、私も投下する。スレッドは振り出しに戻り、あるいは次のSSがそこから生まれるかもしれないな。しかし、もはや私には無関係な事だ」
『その空虚な内側―だからこそ、あなたに……」
「っ!」
「俺は、ライナナを書けと言葉をプレゼントしよう」
「君は最初から、SSを投下する気はなく……」

 ・・・・・・

「最近、僕の知らない所で世界が大変な事になっている気がするんだ」
「気にするな、ライ。お前はいつだってこのスレッドの中心にいるのだから。……おいシュナイゼル。このSSは駄目だ。書き直せ」
「イエマジェ」
「シュナイゼル殿下……BLにしか執着のなかった方が……これがギアスの呪い」


6:創る名無しに見る名無し
09/04/05 17:59:17 QMMYh57Q
>>5
ワロタ

7:創る名無しに見る名無し
09/04/05 18:24:51 dJg/wJeo
>>5
GJでした!
シュナイゼルはどれだけBL好きなんだw
そして、イエマジェwww
面白さが卑怯だwww
次のスレッドSSも全力を挙げてお待ちしております!

8:創る名無しに見る名無し
09/04/05 18:57:52 W8AJfpMr
>>1
乙!

>>5
イエマジェww相変わらずGJです。


9:創る名無しに見る名無し
09/04/05 19:12:38 cIxrw5J6
>>1
お疲れ様です。
>>5
勘弁してください。
ツボに入って吹き出しましたwww
この調子で次のスレッドSSもお待ちしております。
GJでした。


10:創る名無しに見る名無し
09/04/05 19:12:53 ARQyIow6
BLにハマッてるシュナイゼルクソワロタww
同じくBL大好き人間のトーマス卿とものすごくうまい酒が飲めるに違いない!
GJ!

11:創る名無しに見る名無し
09/04/06 00:16:46 +jdy+pST
>>5

あやつめ…やりおったぁぁぁ!
GJ!

12:創る名無しに見る名無し
09/04/06 08:28:10 KnR0pQKG
>>5
うはwwwなんだこれww

13:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:12:39 Lh+FUDKi
えー、規制がやっと解除されたみたいですので
投下を一つ行きます!

「鉄の道 第二章 」

完全100%オリジナルにつき注意してください
ライ×ノネットかな?
8レス位です、念のために支援お願いします



14:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:14:03 Lh+FUDKi
ミレイ「本日はご乗車下さいましてまことにありがとうございます!この列車はパリ発
ローマ行き寝台特急「オリエンタルエクスプレス」です。これから終点ローマまで
8日間の旅、ご一緒します車掌の私ミレイと――」

「ナナリーがお供いたします!よろしくお願いします」

ミレイ「この列車は先頭1号車から後ろ14号車全車寝台指定となっています
お持ちのキップの部屋番号と照らし合わせお間違えの無いようお気お付け下さい
列車の編成をご案内いたします、2~6号車及び10~13号車はA寝台となっており
14号車は電源車となっています。7号車はキッチン専用車となっており皆様に料理長
C.C、料理人一同が最高のお食事をご提供いたします」

ナナリー「8号車は食堂車「グレートブリタニア」、9号車バー、ロビー車「カラーズ」
バーではマスター、ルキアーノが皆様に合ったオリジナルカクテルをお作りいたします。
準備まで今しばらくお待ちください、準備が出来次第放送にてご連絡いたします。
これより先、ストラスブール翌日9:35、ベルン3日目10:45、ミラノ5日目9:16
ボローニャ6日目8:58、フィレンツェ7日目10:24、終点ローマ8日目9:35
を予定しております。長い旅となりますが思い出の一つとして刻んでいただければと
思います」

ミレイ「これより私達車掌が切符の確認に参りますのでご用意の上今しばらく
お待ちください、オリエントエクスプレスの旅をどうぞ心ゆくまでご満喫ください
本日はご乗車まことにありがとうございます」
長い車内放送の終了からミレイとナナリーは切符の点検のために車内を歩き始める
「「失礼します、切符の拝見です!」」


「鉄の道 二章 」


外はすっかり日が沈み夜の中をオリエントは爆走している。
「フッ、トリャ!!ンッ、ハッ!!」
機関助手のノネットは罐に石炭をくべていた、今季節は冬の真っただ中の12月
外は真白い雪景色でかなり寒い。
にも拘らずノネットの額からは汗が滴り落ちる、炎のまじかでの重労働はかなりの
運動量にも匹敵するし何よりも暑いのだ。


15:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:15:43 Lh+FUDKi
「まったく、女の私が石炭を放る役割でライがなんで運転なんだ?」
「そうは言っても仕方ないじゃないですか、行きは僕で帰りはノネットさん
って決めたのは他ならぬノネットさん自身ですよ?」
ライが機関士になったのが3年前、ノネットさんが2年前の事でその際の
話し合いの結果行きはライが、帰りはノネットが運転する事に決めたのだ。
「それでもなぁ、けどいいか。こういう事も出来るし」
「ノ、ノネットさん!!運転中ですよ今」
「良いじゃないか、いつもはアーニャが抱きつているんだぞ?こういう時位
ライを独り占めしたいんだ」
運転中のライに後ろから抱きつくノネットは意地悪くわざと耳に息が掛かるよう
話す。
「も、もう・・・・」
クラブが切る冷たい風のせいか、ノネットの意地悪のせいかは解らないが
とにかくライは顔を真っ赤にさせるも決して振りほどこうとはしない。
「お、前方信号青!!」
「あとと、確認!!速度80km良好」
「邪魔しちゃ悪いかな?名残惜しいのが癪だ」
ライから離れ本来の仕事に戻るノネットに対して平静を装ってはいるも
ドキドキしっぱなしのライ君
(アーニャに知れたらどうしよう)


そのころ


「何をいらだっている?アーニャ」
「今機関車にはライとノネットの二人だけ、それが気に入らないの」
「ノネットなら何も心配はいらないと思うが?」
オリエントエクスプレスの機関士は交代制でジェレミアとアーニャは1号車の
乗務員専用の寝台車で休息を取っている。
「ジェレミア甘い、泥棒猫はこういった時こそ何をしでかすか解らないもの」
「そ、そう言う物なのか」
話が進むにつれてアーニャから出ている殺気が段々と大きくなっていくのを
ジェレミアは肌でピリピリと感じている。
「ライに何かしたら・・・・」
「わ、解ったからその殺気をしまえ」


16:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:17:23 Lh+FUDKi


列車は順調にストラスブールへ向かっていた、時々ライが鳴らす汽笛の音は
走る列車が切る風に乗り流れていく。
C.C「食堂車「グレートブリタニア」よりお知らせいたします、お食事のご用意が
出来ましたので8号車「グレートブリタニア」にどうぞご利用くださいませ。
皆様のおこしを心よりお待ち申し上げております」
ルキアーノ「続きまして9号車カクテルバー「カラーズ」よりのお知らせです。
「カラーズ」ではワインを初め、オリジナルカクテルや日本酒、ソフトドリンク
など世界のお酒が勢ぞろいし皆様のおこしをお待ちしております」
「あら、食堂車の準備が出来たみたいね」
「そうらしいな、参ろうかマリアンヌよ!!」
10号車の部屋1003号にいるシャルルとマリアンヌはディナーを楽しみに食堂車へ
向う。


8号車「グレートブリタニア」、世界でも有名な豪華列車の食堂車の豪華さはまさに
“走る豪華レストラン”と呼ばれているだけあり素晴らしいもの。
「いらっしゃいませ、お二人様ですね?こちらへどうぞ」
シャルルとマリアンヌが着いた時にはたくさんの乗客が食事を楽しみながら
外の夜景を楽しんだり、他愛もない話で盛り上がっていた。
「フランス料理のフルコースをいただくわ、2人分お願いね」
「かしこまりました」
「結婚記念旅行か、たいそうな御身分だなマリアンヌ、シャルルよ」
コック姿のC.Cが二人に挨拶を交わしに来た、マリアンヌとC.Cは会社で同期であり
大学からの親友でシャルルにマリアンヌを紹介したのもC.Cなのだった。
「ハァイC.C!元気そうで何よりね」
「相変わらずだなC.C、どうだこの列車のコックは?」
「満足だ、私にこそ合っている職場と言ってもいいだろう」
誇らしく言うC.Cに満足気のシャルルの二人を見てマリアンヌも微笑む
「あのぉ、すみません!」
「はい只今!ゆっくりと食事を楽しんでいってくれ」
乗客のオーダーをとりにC.Cは席を離れ、シャルルはテーブルに置かれていた
情報誌に目をやる。
「・・・・何と」
「あら?どうなされたのですあなた」


17:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:18:45 Lh+FUDKi
急に切ない表情になるシャルル
「これを見てみろマリアンヌ」
「・・・・まぁ、これは」
記事をみたマリアンヌも切なくなる、記事にはこう書かれてあった・・・・


“東京発のブルートレイン、ラストラン”


「覚えているか?新婚旅行の時の事を」
「勿論ですわ、初めて乗った寝台列車がこの「はやぶさ」だったのを」
まだ2人が若い頃に行った新婚旅行で訪れた日本で乗った列車が熊本―東京の
はやぶさだった。
「それまでの私の常識を根底から覆した列車だった、それが見納めになるとは」
「寂しいですか?」
話の中にシャルルの右側に座っている老夫婦が話しかけた
「御老体は御存じなのですか?これを」
「ええもちろん、私は10年前まで「はやぶさ」の機関士をしていた者です」
「まぁ、それはそれは」
この老夫婦は日本人、海外旅行でイタリアに向かうためこの列車を利用している
「古き物は何時かは廃れゆくものです、ですがそれが歩んで来た軌跡、魂は永遠に
残るものだと私は信じています、このはやぶさが運んだ数多くの気持ち、夢、それは
無くならんものです。」
優しい笑顔で話す夫はどこか寂しげだがその瞳は強い光を放ち、今まで歩んできた
軌跡の多さを物語っているようだった。
「そうですな・・・」
「形ある物はいつかは廃れる・・・・でもその魂は永遠に残るか」
「そうですとも、永久に」
老夫婦とのその後いろんな会話をし、シャルルとマリアンヌはまた一つの思い出を
作っていった。


9号車バー「カラーズ」ではピアノの奏でる鮮やかな音色が乗客の心を癒し、落ち着かせ
静かな時を過ごさせてくれる。
「いらっしゃいませ!」
「オリジナルカクテルを全員にお願いします」


18:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:20:21 Lh+FUDKi
旅行の一団6人の注文を受けるとルキアーノは
「それでは皆様のご職業は何でしょう?」
「職業ですか?全員レスキュー隊の隊員ですが」
「かしこまりました、少々お待ちを」
ルキアーノはカクテル作りにかかる、カクテルを作る時に聞かれるリズミカル
な響きは出来上がりを楽しみにさせてくれる
「お待たせいたしました、オリジナルカクテル「ファイヤーエクスプレス」です」
赤ワインをベースにしたルキアーノオリジナルで注文した人の特徴、例えば
職業、着ている服などで今回はレスキュー隊員と言う事で“赤く燃える炎”
をイメージして造り上げたのだ。
「ありがとう」
「さすが美味いカクテルだ」
「そのお言葉大変うれしく思います、ごゆっくり」
お酒一つをとっても満足させる、思い出を作ってもらう、それがルキアーノの
信念である。
「おじちゃん、ジュース一つ!!」
「お、元気な子像だな!何がいいのかな?」
ニコニコ顔で尋ねるルキアーノ、しかしおじちゃんねぇ。
「うんと・・・・オレンジジュース!」
「よしきた!!」
「あたしにもりんごジュース!!」
「僕にも!!」
人気列車のせいか結構子供が多い
「落ち付いて、皆の分はちゃーんとあるからな。並んで!」
「あらあら、子供に大人気ですねぇルキアーノさん?」
「羨ましいのかミレイ、また何か思いついたな?」
そこには楽器を持ったオリエントエクスプレス専用楽団「アッシュフォード」を
率つれてミレイとナナリーが準備をしているところだ。
「もっちろん!!こういうのは楽しくなくちゃねーー、ナナちゃんお願い!!」
「はい!!ご乗車の皆様、只今より9号車「カラーズ」で音楽祭を開催いたします!
皆様是非とも9号車「カラーズ」までおこしください!!」
ナナリーは楽団の方を向き指揮をし始める、序曲はミレイが歌う歌「What's The Worry?」
(『ルパン三世 アルカトラズコネクション』エンディングテーマ、大野雄二氏作)
その歌声は力強く心をウキウキさせる、社内のみならず芸能界も歌手デビューしないか
とスカウトされたほどだとか、でもライと一緒じゃないと嫌だと言い断ったそうな。



19:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:21:52 Lh+FUDKi


それから数時間後の深夜、列車内はシンと静まり返っている。聞こえてくるのは
機関車と列車特有のリズミカルな音だけ。
「ルキアーノ、一杯頼む」
「お疲れ様だなC.C、いつものでいいか?」
「あたりまえな事を聞くな」
従業員は全ての営業が終わった深夜に自由行動が許されている、長時間厨房で立ち続けていたから足はパンパン腕はあまり力が入らない状態だが
「仕事の後の一杯が最高なんだ」
「てめー俺がなかなか酒飲めないの知ってて言ってんのか?」
「当たり前だろう、これでも不満なんだぞ。相手がいないからな」
溜息を吐くルキアーノ、ライの人気はどんな時でもうなぎ上りで殆どアイドルと
言ってもおかしくはない。
「あいつには彼女がいるだろうに」
「だがまだ結婚はしていない、奪い取る事は十分に可能だ」
「アーニャも落ち着かない日々が続くな、こりゃ」
その間にルキアーノはC.Cお気に入りのカクテル「カーディナル」をC.Cの
前に置く、C.C的にはこれでライがいてくれたら大満足なのだが生憎その彼は
機関車で運転中プラス
「ふぅ、コーヒーはいつ飲んでも美味しい!特にノネットさんの淹れるのは」
「褒めるな、そうしたら」
チュッ!
「こうしたくなるじゃないか」
「ノ、ノネットさん!?」
頬にキスをされまたしても真っ赤になるライだがノネットはシメシメと思いニヤッと
不気味に笑う、何しろあのライを独り占めしているのだから。


バキッ!!
「な、なんだC.Cいきなり!?」
「いや、今もの凄くムカつく事を誰かがしたような気がしてな」
「・・・・それはいいがグラスは弁償しろよ?」
車掌室
「どうしたのナナちゃん?そんなに顔をひきつって」
「そう言うミレイさんこそ黒いオーラが出てませんか?」


20:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:23:01 Lh+FUDKi
「あら、勘違いじゃなくて?」
「そうでしょうか?」
「「おほほほおほほほほほ」」
1号車101号室
「だからその殺気を何とかしろアーニャ、おちおち休めん」
「ノネットめ・・・・」
ビクビクしてしまうほどの殺気をかもし出すアーニャ、ジェレミアも大変ですなぁ。


翌日の朝9:12


朝日がまぶしく乗客たちに注ぎ目を覚まさせる頃、食堂車はコーヒーの香り
焼きたてのパンのいい匂い、ほかほかのご飯と昨日の夕飯とはまた違う
落ち着いた雰囲気が漂う、と車内放送が入ってきた。
ナナリー「まもなく最初の停車駅、「ストラスブール」に到着いたします。
停車時間は5時間25分、降り口は左、4番ホームです。
下車するお客様は貴重品とを身につけておおり下さい、また発車時刻には
遅れないようお気をつけくださいませ!」

コック「ふむ、久しぶりにのんびり出来るな。ライでも誘って・・・・ふふふふ」
機関士「やっとライと一緒に過ごせる。この機会、絶対に逃さない」
車掌「ライさんと町にお出かけしましょうか・・・・でも誘うの恥ずかしいです」
機関助士(ライとお茶でもするか、すごく眠いだろうから寝たその隙に・・・・)



21:テリー" ◆GH6kzC2bvQ
09/04/06 16:30:23 Lh+FUDKi
以上です、最初の車内放送を自分なりに表現してみましたが
読みずらかったでしょうか?ところどころもですが、それが心配です。
他ご指摘あれば嬉しいです。
この保管庫の軌跡も皆様の心に残ってゆくことでしょう!では失礼します。



22:創る名無しに見る名無し
09/04/06 19:06:55 ggQB7Kec
>>20
いわゆるパラレルワールドものとでも言うべきかな。楽しめました、乙。

23:創る名無しに見る名無し
09/04/06 19:41:29 ok07U2AJ
>>21
なんか、ちょっと誰の台詞かわからなくなった部分がありました。
こう、台詞だけでなく、そのキャラクターの仕草とか入れるともっと読みやすく、またわかりやすくなるんじゃないかと思いました。
それにその分、情景が浮かびやすいかなと。
でも、面白かったですよ。
ある意味、こういうのもありかなと思いました。

24:創る名無しに見る名無し
09/04/06 19:49:45 ZCdnDXqQ
>>21
テリー卿、乙でした。
パラレルは難しいね。
作者のさじ加減が作品を大きく左右するから。
キャラの性格等が異なっている分、>>23さんの言っているような仕草等を入れると分かりやすくなると思います。
あと、地の文の改行を少し少なめにした方が読みやすいとも思いました。
貴公の次の投下をお待ちしております。

25:創る名無しに見る名無し
09/04/07 00:15:05 2X9L3Jld
>>20
なんとも味のある作品ですな。乙です。連載決定なのかな?

26:創る名無しに見る名無し
09/04/07 00:24:29 L74PHBG0
>>21
いい作品だ。職人は常に進化を続けている。その最中のSSを見るのはとても楽しみです。
これからも頑張って下さい。テリー卿、いいセンスです。

27:創る名無しに見る名無し
09/04/07 00:29:41 FYmG+MEv
>>20
GJ、乙です。

28:toto
09/04/07 01:29:18 wNCeuu2i
POPPOです。
今から、
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」
TURN00 「終わる日常」(後編4)
を投下します。
今回は容量が82KBの大容量であり、その上、設定資料は2つもあります。
(長くてすいません…)
支援お願いします。


保管者トーマスさんへ。
ゲイボルグの突っ込みコメント、本当にありがとうございます!
私は銃の口径のことはWIKIでかじった程度の知識しかないので、トーマスさんが貼っていた銃を備えたランスの図を見たときは、
自分の未熟な文章のSSをよく読んでくださっていたことが分かって思わず目元が熱くなりました。
文字だけの感謝では足りないくらいの思いでいっぱいでした。本当にありがとうございます。

口径のことですが50mmでも大きいということでしたので、ここは深い知識を持っているトーマスさんの意見を参考にして、20mmより小さい18mmに設定変更をお願いします。

…あと、保管庫のほうなんですが、後編2のラストあたりが途中で切れていたので修正お願いします。

再度、感謝の言葉を述べます。
本当にありがとうございました。
これからもSSを最後まで書き続けていく所存なので、どうかよろしくお願いします。


29:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:30:25 yRQYlb8t
支援


30:toto
09/04/07 01:31:50 wNCeuu2i
時刻は午前0時を回った。


轟音と共に崩れ去るトウキョウ租界の外壁。
瓦礫に巻き込まれるナイトメア部隊や航空戦力。地響きと大地を覆う黒煙は団員たちを奮起させるどころか、ゼロの策略に恐怖を覚えるほどだった。

黒の騎士団の軍勢の上空で5機のナイトメアがその光景を目の当たりにしていた。
ガウェイン・ラグネルの前方にはフロートシステムを搭載した『斬月』と『暁』が陣形を取っていた。
黒の騎士団の眼前に聳え立っていた障壁が一瞬にして消え去る光景を、モニターごしに見つめるルルーシュは邪悪な笑みと共に頬に手を添える。
「半年前に用意していた作戦だ。加えて、12の柱に爆弾を備え付けておいた。空中戦力もナイトメアに代行される時期では、戦闘機は不要の産物となったな…」

電子音と共にモニターに生き残った戦闘機がロックオンされる。それを視認したルルーシュは無慈悲な一撃を彼らに与えた。
ガウェイン・ラグネルの両肩からハドロン砲が放たれる。
黒く萎縮した数十機の機体は爆炎と共に消え去った。

航空戦力が全滅したことを確認した後、『斬月』のオープンチャンネルで藤堂鏡士郎の号令が響き渡った。
『弐番隊は私に続け!卜部、地上から前線部隊の指揮を頼む。では、四聖剣、散開!!』
『『『『承知!!』』』』
上空を舞う『斬月』と『暁』は四方に飛び散る。


「では、奏でるとするか。ブリタニア崩壊の序曲を…」
ルルーシュは黒のキングの駒を掌で転がした。
紫色の瞳には、暗い大地と燃え広がる戦火が映っていた。






31:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:32:48 yRQYlb8t
しえん

32:toto
09/04/07 01:32:57 wNCeuu2i
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」

TURN00 「終わる日常」(後編4)




シズオカ沿岸部。
暗闇に鬱葱と茂っている森で、絶え間ない銃撃とKMF特有の機械音が響き渡っていた。
小部隊のサザーランドは一機のナイトメアに標準を合わせ、空に無数の弾丸を降り注いだ。
だが、銃弾の雨の中、青いナイトメアはサザーランド部隊に速度を落とさず直進する。
ロックオンされたナイトメアはモニターでは被弾している―――『はずだった』。
『お、おい!何で当たらないんだ!?』
『弾がすり抜けていく!』
回避行動が肉眼では捉えられない脅威のナイトメアフレーム、『蒼天』は両腕からスラッシュハーケンを発射し、2機のサザーランドを拿捕した。
『蒼天』は地上に降り立つとそのまま捕らえたサザーランドを大きく翻弄し、他のサザーランドに体当たりさせた。
衝突を恐れたサザーランドは振り回されているサザーランドに発砲し、同士討ちが起こる。遠心力を利用し、2機のサザーランドを他のナイトメアに向けて投げ飛ばした。
ランスを持って接近してくるナイトメアは両腕のコイルガンで次々と沈黙させていく。
ここまでで既に10機以上のナイトメアが戦闘不能に陥っていた。

『蒼天』の背後に取り、バズーカを向けている最後のサザーランドがいた。
『死ねええ!化け物をおおお!』

次の瞬間、短刀がサザーランドの胸部に突き刺さった。
サザーランドの体勢が大きく傾く。
青いナイトメアは右腕のスラッシュハーケンで短刀を引き抜いて手元に戻す。サザーランドはバズーカを空に向けたまま、黒煙を吐いて沈黙した。

『蒼天』の周囲にはサザーランドの残骸が散乱し、炎上していた。
夜の森が、赤い炎で彩られる。
動いているナイトメアは青いナイトメアを除いては皆無だった。
コクピットにいるライは通信を入れる。
「こっちの部隊は全滅した。十八番隊は引き続き前進を。十九番隊と二十三番隊はルート6からプランCを展開しろ。今のところ作戦に支障はない。予定通り作戦を実行せよ。繰り返す。予定通り作戦を続行せよ」
大きく息を吐いて深呼吸をし終わると、紅蓮可翔式から通信が入った。
ライはキーボードを叩く。
「どうした?カレン」
『こっちも左翼に展開していた部隊は全滅させたわ。防壁を作り始めた部隊もいるけど、どうしたらいい?指示を仰ぐわ』
「部隊の侵攻の障害になるなら防壁ごとナイトメア部隊を潰して構わない。ミッションセカンド終了後、予定を繰り上げてカレンはポイントT-34に向かってくれ」
『了解!』
「あっ、カレン!」
『何?』
「くれぐれも油断しないでくれ。作戦が上手くいきすぎてる。何かキナ臭い感じもするんだ」
『分かったわ。気をつける。でも、このままいけば完全勝利よ!少しは誇りなさいよ。指揮官として』
「皆のおかげだよ」
『うふふっ、相変わらず謙虚ね。じゃあ、次の定期連絡で』
「ああ、分かった」


33:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:33:31 yRQYlb8t
しえん

34:toto
09/04/07 01:35:26 wNCeuu2i
カレンの通信を終えた後、僕は熱源反応から敵の総数や陣形を確認しながらブリタニア軍の策略を何百通りもシミュレートしていた。
(おかしい、あまりにも未熟すぎる…)
サザーランド一個体の戦術は優れているが、地形を無視した配置であり、戦争の要である戦略は明らかな失策だった。
日本という土地は多くの山々や川に囲まれていて、起伏の激しい土地だ。特にこの富士周辺のシズオカはサクラダイトの磁場の影響もあり、それが特に顕著だ。
(有能な指揮官に恵まれなかったのか、それとも功績を先急いだブリタニア内部のもつれか…いずれにしても僕たちに有利に進んでいることには変わりは無い)
僕は操縦桿を前に倒し、『蒼天』を浮上させた。
そして、侵攻方向に向きを変えた時だった。

二つのハドロン砲が視界を過ぎった。

「――――――――っ!!」
機体を急速に回転させ、回避行動を取る。
瞬時にキーボードに打ち込み、熱源反応感知領域の広範囲に展開させた。
熱源反応が確認できない。
しかし、電子モニターには捉えられていた。
上空に浮かぶ、フロートシステムを装備したナイトメアフレームの群れ。

(ヴィンセント・プロトが10機!?それに、あれは…)
先ほど、ハドロン砲を撃ってきたと思われるナイトメアが中心に浮かんでいた。
見たことの無いナイトメアフレームだった。

深紅のサザーランド。
所々に金色のラインが入っており、量産型のサザーランドより一回り大きい。体型はガウェインのような重厚感があり、両肩にはハドロン砲が覗いている。
両手には対KMF用ハンドガン。
ランスロットのように背中には2本の大剣が装備されている。
そして、フロートユニットの黄緑色の発光色が夜空を輝かせていた。
頭部はサザーランドと同様だが、2本の金の角のようなものが付いている。
その姿はまさしく…
「デーモン、鬼か…」
一目で分かった。
あの機体こそが、僕の計画を揺るがしかねない『イレギュラー』だと。


35:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:35:38 yRQYlb8t
しえん

36:toto
09/04/07 01:36:26 wNCeuu2i
ナイトオブツー専用機のコクピットのモニターで『蒼天』を視認したセルゲイ・サザーランドは呟いた。
「資料には無い機体だな。フロートシステムを搭載した機体を持っているとは、黒の騎士団の資金はよほど潤沢と見える」
モニターに『SOUND ONLY』の文字が表示された。セルゲイの小部隊に参加した特派の第7世代型ナイトメアフレーム、ランスロットからの通信だった。
『お気を付けください!ナイトオブツー様。あれは『ゼロの双璧』の一翼です!KMFの腕が立つだけではなく、ゼロに匹敵する指揮官の腕もあります!』
「ミスター枢木がそこまで危険視するか。確かに、『パロミデス』のハドロン砲を回避する技量は並ではないな」
『ナイトオブツー様、私は奴と戦闘経験があります!どうか私にッ…!』
「それは譲れんな。ミスター枢木。見ただけで分かる。奴は強い。私に格好を付けようと、先急いだ愚か者たちを弔うためにも、な!!」
通信を切ると、パロミデスに大口径のバズーカを構えている月下に向けて、単発の銃弾を浴びせた。
そして、フロートシステムを展開させて、一気に『蒼天』と距離をつめる。


パロミデスに撃たれた5機の月下は目立った損傷は無いが、完全に沈黙していた。パイロットたちが操縦桿を何度も動かすが、月下が動き出す気配は無い。
サザーランド敵機と交戦中のこともあり、団員たちはパニックに陥っていた。
『なんで動かない!たった一発被弾しただけだぞ!?』
『くそっ!メインの動力回路だけが撃ち抜かれてる!』
『俺の機体もだ。まさか、狙って撃ったんじゃあ…』
『んな神業、人間ができるわけ無ぇだろ!早く脱出するぞ!!』
煙と音を立てて、5機の月下の脱出ポットが空に舞った。シズオカの防衛戦が始まって以来、初のナイトメアの損害だった。


37:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:36:49 yRQYlb8t
しえん

38:toto
09/04/07 01:40:01 wNCeuu2i
バガンッ!!
『蒼天』の蹴りを紅いサザーランドは右腕に展開したブレイズルミナスで受け止めた。
その瞬間、蒼天は両腕両足からブレイズルミナスを付加した4つのスラッシュハーケンを発射させる。
2本のスラッシュハーケンがハンドガンで撃たれて弾かれるが、1本のスラッシュハーケンが左手のハンドガンを破壊した。
腰部に帯刀していた回天刃刀を引き抜いて斬り込もうとしたが、
バオオオオ!!
赤黒い光線が回天刃刀を黒く染め上げ、脆く砕け散った。
咄嗟に回避行動に出たが、真下にいた地上部隊の月下がハドロン砲の直撃を受け、爆散した。
「――ちぃっ!!」
一部始終をモニターで見た僕は思わず舌打ちをする。一瞬で3人の団員を死なせてしまった。
強化されたブレイズルミナスを装備しているとはいえ、ハドロン砲の直撃は防ぎきれない。
僕は殺気を込めた視線で上空を見上げる。

そこには蒼天に標準を合わせるハドロンブラスターを構える純白のナイトメアフレームがいた。
かつて僕たち黒の騎士団を何度も追い詰めた、驚異的な機動力と攻撃力を持つ、ブリタニアが誇る第7世代型ナイトメアフレーム、ランスロット。
『…ライッ!』
「スザァァアク!!」
咆哮した僕は操縦桿を強く握った。心に強い激情が押し寄せながらも、冷静さを失わないために冷たい感情が流れ込んでくる。一瞬でこの小部隊を全滅させる方法を何十通りも脳内で弾き出した。
その中で最善の手段を選択する。

ヴィンセントの銃撃の雨をくぐり向けていると、距離をとった紅いサザーランドが両肩からガウェイン同様の2発のハドロン砲が放たれた。完全な回避は出来ないために、左腕のブレイズルミナスで防御しつつ、機体の方向を曲げた。
蒼天はスラッシュハーケンを発射して、紅いサザーランドの胸部を直撃した。だが、損傷は浅い。
目の先にはハドロンブラスターの第2射を放とうとするランスロットが見える。
その標準から逃れるために、ランスロットの直線上に紅いサザーランドを挟んで蒼天を滑り込ませた。
しかし、スラッシュハーケンによって引き寄せられた紅いサザーランドは攻撃を回避するどころか、思い切り『蒼天』の左肩を殴りつけた。
ドガッ!!
重い衝撃がコクピットにも伝わる。
『ナイトメアのことなら知り尽くしておるわ!おなごの体よりもなぁ!!』
蒼天のコクピットにアラームが鳴った。
一撃の殴打で左腕が使えなくなった。
ライは目を見開く。
(…こいつ、ナイトメアの関節部位を的確に!あの機体のパイロット…まさか、スザクより上か!?)
突き飛ばされた蒼天はそのまま地面に落下していった。
ランスロットにロックオンされたことで再度、コクピット内にアラームが鳴り響いた。
近くには紅いサザーランドがハンドガンの銃口を向けて接近している。
危機的な状況を目の前にしながらも、
僕は、

不適に笑って見せた。


39:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:42:29 yRQYlb8t
しえん

40:toto
09/04/07 01:42:32 wNCeuu2i
バオオオオォォォ!!
紅い一閃がランスロットの装甲を掠めた。それを見たスザクは声を上げる。
「っ!!この光はっ!」
赤い光を発しているエネルギー弾は逃げ遅れた1機のヴィンセント・プロトを仕留めた。機体が膨張し、爆発する。

それを見た僕は、操作パネルの中央に現れたグリップを握り締め、親指でボタンを押した。
蒼天の胸部が展開し、眩い光を放ち始める。
「凝縮型輻射波動砲―――――発射!!」
ドオオオオオオ!!!
轟音と共に、夜空を彩る赤い光線が蒼天から放たれた。直線上にいた紅いナイトメアは巨体に似合わない素早い動きで、輻射波動砲の有効範囲内から逃れた。
(これを避けるか!…でも、僕の狙っているのはそこじゃないんだよ!)

蒼天の凝縮型輻射波動砲は、ランスロットの背後で、先ほど放たれた紅い光線と交わった。その交点から眩い赤い光と共に、輻射波動砲の軌道が四方に散らばった。
赤い稲妻のような線が後方に広がり、その無縦横な光線を受けた2機のヴィンセント・プロトは回避できずに爆破した。
「まさか、これを狙って!?」
それを見たスザクは『蒼天』をロックオンし、ハドロンブラスターの引き金を引いた。
しかし、ハドロン砲が発射されない。
モニターではハドロンブラスターに異常が起きたらしく、アラームが鳴り響いた。ハドロンブラスターを視認して、スザクは言葉を噤んだ。
「なっ…!」

ハドロンブラスターの機構部に『蒼天』の短刀が突き刺さっていた。

誘爆を避けるために、ランスロットは素早くハドロンブラスターをパージした。
一瞬送れて、自由落下したハドロンブラスターが爆発する。
2本のMVSに持ち替えたランスロットの眼前に一機のナイトメアフレームが現れた。

ドグゥウウウウ!!!
高出力の輻射波動の響音と共に、赤い稲妻のような電撃が周囲に撒き散らせる。禍々しい鉤爪を装備している紅いナイトメアフレーム、紅蓮可翔式がランスロットに襲い掛かってきた。
『面白いことになってるじゃない!私も混ぜてよ!!』
「カレンかっ!!」


41:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:43:34 yRQYlb8t
しえん

42:toto
09/04/07 01:45:25 wNCeuu2i
『ぬっ!?』
蒼天を掴もうとしたパロミデスの腕が、投擲された『紅蓮』の短刀によって弾かれる。
宙に舞った紅蓮の短刀を『蒼天』のスラッシュハーケンが捕まえた。
体勢を整えて急浮上した蒼天は、体勢を崩したパロミデスの頭部を蹴り飛ばし、さらに上空へと舞い上がった。

もう片方の腕にあるスラッシュハーケンはランスロットに直撃し、『蒼天』の短刀を捕らえる。
蒼天のスラッシュハーケンが捕まえた2本の短刀はそれぞれの機体の手元に戻る。
『蒼天』の短刀は蒼天の手元に。
『紅蓮』の短刀は紅蓮の手元に。
ガンッ!という金属がぶつかる音と共に蒼天のスラッシュハーケンが両手に収納された。蒼天はパロミデスとランスロットに向き合った。
4機のフロートシステムを装備した専用機のKMFは次の攻撃を仕掛けるべく、距離をとった。
『一度ならず二度までも私に攻撃を当てるとは…一瞬で3機も…』


「いや、6機だ」


ドンッ!ドッ、ドドンッ!!
背後でライフルを構えていたヴィンセント・プロト3機のフロートシステムが同時に爆発し、身動きがとれずに落下していった。
『っ!?』
セルゲイ・サザーランドは声を上げた。
「なんてことは無い。輻射波動と同時に放った『スティンガー』が着弾しただけだよ」
小型といっても大きさから3つしか装備できなかったが、威力、性能は申し分ない。
何故ならこのミサイルは電子モニターにも熱源反応に反応しない奇襲用の武装。通常のレーダーでは察知できない。奇襲でも乱戦でも十分に活用できる。
そう、ラクシャータの研究チームが開発した追尾型ミサイル『スティンガー』がその有効性を発揮した。


夜空を舞う赤と蒼のナイトメアフレーム。
ライが駆る蒼い機体、『蒼天』。
紅月カレンが駆る赤い機体、『紅蓮』。
歴戦のブリタニアの騎士すら恐れた凄腕のパイロット。
スザクたちに一矢報いた2機の機体は左右対称に並び立ち、短剣を『彼ら』に向けた。
コーネリアの部隊すら凌ぐ黒の騎士団の最高戦力にして、エリア11では誰もが知る戦士。
優雅に戦場を舞い、ゼロと共に敵を翻弄する姿はまるで一枚の絵のよう。
彼らのその姿を見た人々は、口を揃えて言った。

『ゼロの双璧』と―――






43:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:46:48 yRQYlb8t
しえん

44:toto
09/04/07 01:50:56 wNCeuu2i
『大丈夫!?ライ!!』
「…ああ、左腕の駆動系が故障した程度だ」
『…ライを傷つけるなんて、只者じゃないわね。あの紅いナイトメアのパイロット』
音声のみの通信で僕の安否を確認するカレン。
僕は彼女に感謝の意を述べようとしたが、その前に敵機の音声に遮られた。

蒼天と紅蓮の姿を見たセルゲイ・サザーランドは突然、オープンチャンネルで大声を上げた。
怒り狂うどころか、思わぬ強敵に心を躍らせた。
『がぁっはっはっはっはっはっはあー!!まさか、一介のテロリストがここまでやるとはなぁ!!ゼロの双璧か!中々の腕だ。これほど骨のある奴は本国でもそうはいまい!』
『…サザーランド卿?』
パロミデスは太股に備え付けられたホルスターにハンドガンを戻すと、背後にぶら下がっている2本の大剣が鞘から引き抜かれた。
ランスロットのMVSよりも長く、幅が広い。カットラスのような激しい反りを持った形をした双剣だった。甲高い音と共に刀身が赤く染め上げられる。

僕とカレンはスザクの声に驚愕した。
「サザーランド卿だって!?」
『ちょっと待って。サザーランドって、まさかセルゲイ・サザーランド!?』
「崇高な騎士道を持つが故に、ナイトオブワンに選ばれなかった真の騎士。…その実力はナイトオブワンすら凌ぐと言われる…」
『ブリタニア最強の騎士!!』

「っ!?カレンッ!来るぞ!!」
大剣を構えたパロミデスは、僕たちの驚きを余所に先制攻撃を仕掛けてきた。







45:創る名無しに見る名無し
09/04/07 01:53:13 yRQYlb8t
しえん

46:toto
09/04/07 02:03:07 wNCeuu2i
同時刻。
闇が炎と明かりに彩られるトウキョウ租界上空では、4機のナイトメアが一機のナイトメアが火花を散らせていた。
ナイトオブナインの専用機、『ベディヴィエール』は『斬月』と3機の『暁』を相手に互角以上にやり合っていた。
『おらおらおらぁ!!『奇跡の藤堂』ってのは、この程度なのか!?』
『ぐ、ぐぅ!!』
『くそっ!これがラウンズか!?』
『なんか、遊ばれる感じがするんだけど、ねぇ!!』
朝比奈が乗っている暁が回天刃刀で斬りかかり、『ゲイボルグ』のブレイズルミナスと衝突した。ベディヴィエールの背後に仙波が駆る暁が迫っていた。

突然、ベディヴィエールの背中からスラッシュハーケンが発射される。
ベディヴィエールは後ろに見向きもしないで、スラッシュハーケンは的確に暁の回天刃刀を弾き飛ばした。
『なんとっ!?』
回天刃刀を拾ったベディヴィエールは、千葉が乗る暁に投げつけた。
火花を散らせて、胸部から黒煙が上がった。
『きゃあああっ!』
『っ!千葉!』
墜落する暁は脱出ポットが自動作動し、損傷した機体は地に落ちていった。瓦礫の山に叩き付けられ、フロートシステムと共に機体が大破した。




ハドロン砲が一機のヴィンセント・プロトを屠った。
しかし、上空には8機のヴィンセントがガウェイン・ラグネルに迫っていた。幾重の銃弾がビルに当たり、穴だらけになっていった。
高性能の自動回避プログラムが備え付けられているとはいえ、相手は一流の訓練を受けた精鋭のパイロットたち、徐々にガウェイン・ラグネルは追い詰められていた。
「ナイトオブラウンズ…イレギュラーにもほどがある!」
「ぼやいている暇があったら手を動かせ!」
ガウェイン・ラグネルはハドロン砲を撃った。ヴィンセント・プロトには当たらなかったが、橋を支えている石柱に当たり、もう1機のヴィンセント・プロトが瓦礫に巻き込まれて戦闘不能となる。
大きな水飛沫が舞い上がった。その中をガウェイン・ラグネルは潜り抜けた。その後をヴィンセント・プロトが黒い機体の後を追い続ける。
ガウェイン・ラグネルのコクピット内に通信が入った。
『総司令!シズオカから緊急入電です!』
「後にしろっ!今は…」
『シズオカで副指令がナイトオブラウンズと交戦中とのこと!また、ランスロットもシズオカに出向いているそうです!』
その報告にルルーシュは驚愕した。
またもや彼の計画に支障をきたすイレギュラーの存在がいたのだ。
「何だと!?一人だけでは無かったのか!?」
『は、はい!相手はあの、ナイトオブツー、セルゲイ・サザーランド率いる小隊だそうです!!』
『!!セルゲイだと!?』
(母さんの師匠だった、あの男が!?)
「…流石のライでも危ないんじゃないのか?カレンが一緒とはいえ、ランスロットもいるとなると」
「ちっ!イレギュラーが多すぎる!通信はこれで切る!300秒後の定時連絡の際に詳細を!以上だ!」
一機のヴィンセント・プロトが大口径のバズーカを撃ち、ガウェイン・ラグネルの脚部に被弾した。機体に損傷は軽度であるものの、機体には大きな衝撃が走った。
地に足を突き、足底にあるランドスピナーで衝撃を殺していた。断続的に続く銃撃にガウェイン・ラグネルはブレイズルミナスを展開させ、煙を巻き上げながら後退していった。
『終わりだ!テロリストの親玉ぁ!!』
上空から接近する数機のヴィンセント・プロト。
囲まれて撃たれれば、いくら防御力が強化されたナイトメアフレームとは無傷で済むはずが無い。ゼロとC.C.は危機に陥った、

はずだった。


47:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:03:51 yRQYlb8t
しえん

48:toto
09/04/07 02:05:37 wNCeuu2i
ヴィンセント・プロトが空中で立ち止まった。
一機だけは無い。ビルの間を通過しようとしたヴィンセント・プロトは全てそこで動きを止められた。
『な、何だ!?これは!』
機体を動かそうとするが、何かに捕らえられていて上手く動かない。
機体がもがいていると、白い糸のようなものが浮かび上がり、機体全身がそれに絡めとられていた。
まるでクモの巣に引っかかった蝶のようにナイトメアは宙にぶら下がっていた。
「ふはははははっ!空を飛ぶナイトメアの対策を俺が講じていないわけが無いだろう!」
ビルの瓦礫の隙間から多数のナイトメアフレームが出現した。旧日本軍のKMF、無頼がアサルトライフルを構えている。
「B小隊、C小隊、一斉射撃!」
バババババババババババッ!
倍の数の無頼から銃撃を浴びるヴィンセント・プロトは次々に爆散していく。
ルルーシュは地上から、残ったヴィンセント・プロトに向けてハドロン砲を何度も放った。
生き残ったフロートシステムを持つナイトメア部隊は政庁へと撤収していった。

その後姿をモニターで見たルルーシュは鼻息を鳴らす。
「シアノアクリレートを加工した化学物質の網。まあ、瞬間接着剤といったほうが分かりやすいかな」
「なんとか巻いたな。随分とエナジーフィラーを消費してしまったようだが…」
「ああ、ポイントR5で補給を受けた後、政庁に向かう。俺はコーネリアに用がある」
「ナイトオブナインは藤堂たちが足止めをしている。…ただ、時間の問題だそうだ」
「こっちは心配ない。だが…」
ルルーシュは口を濁して、下をうつむいた。
その姿をC.C.は前部座席から見上げる。
「ライ、か?」
「相手はあの男。母さんの師匠だった、現ブリタニア最強のナイトメアパイロット…ライとはいえ、勝てる見込みは…」
「しかし、ここからではライたちに協力できることは何も無いぞ」
「分かっている!そんなことはっ…」
「なら、信じるしかあるまい。ライを」
「……」
「どうした?ルルーシュ」
「…変わったな。C.C.」
「フン、お前が平和ボケしただけなんじゃないのか?」
「……そうだな。そうかもな」
ルルーシュは自嘲気味に笑った。
だが、その表情に憂いは無い。
その表情をC.C.は複雑な表情で見ていた。

ドドドドドドン!!
機体と共にコクピットが揺れた。
突然、周囲にいた無頼が炎上した。
「敵襲だと!?」
敵機接近のアラームがコクピットに鳴り響いた。レーダーには上空から急接近するナイトメアフレームの熱源反応を捉えた。
『そこにいたかぁああ!ゼロッ!!』
「ラウンズか!!」
10メートルほどの高さで2機のナイトメアフレームは激突した。ガウェイン・ラグネルはブレイズルミナスを展開し、その赤い障壁にゲイボルグは高音を上げて、じりじりとブレイズルミナスを破壊していく。
ベディヴィエールの横から『斬月』の攻撃が繰り出される。それを巧みに交わし、緑色のナイトメアは上空に舞い上がった。
『無事か!?ゼロ!』
「藤堂と四聖剣ですら歯が立たないか…」
『仙波さんの月下もやられちゃったからね。空を飛べるナイトメアは僕と藤堂さん、そしてゼロの機体しか残ってないよ』
ゲイボルグの銃口が火を噴き、ガウェインたちに銃弾の雨を注いだ。
ハドロン砲やコイルガンで距離をとり、ベディヴィエールとガウェイン・ラグネル、斬月、月下は夜空で再び対峙した。
『…さぁって、コーネリア様の手見上げにゼロの首を持っていくとするか』
ノネットは女には似つかわしくない、濛々しい獣の瞳で口を歪ませた。
ベディヴィエールのゲイボルグが、再び轟音を上げてガウェイン・ラグネルに向けられた。






49:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:06:02 yRQYlb8t
しえん

50:toto
09/04/07 02:06:55 wNCeuu2i
その光景は、アッシュフォード学園の生徒会室では中継でテレビに映し出されていた。
生徒会室にはミレイ、リヴァル、シャーリー、ナナリーが固唾を呑んでテレビを見ていた。
「おいおいおい!映ってる場所って結構近くじゃないの!?」
「でも、すぐ決着はつくわ。なんたってこのエリアにはラウンズ様が二人もいるんですもの。アッシュフォードは警備も固いし、租界では一番安全な場所ね」
「…………」
「…あの、どうされたんですか?シャーリーさん」
「…え?あ、何でもないのよ。ナナリー」
「ちょっと、シャーリー大丈夫?顔色悪いわよ」
「あったり前でしょう。だってこんな時にルルーシュがいないんですよぉ。ニーナは篭って何かしてるし…」
「リヴァル!!」
ミレイは鋭い口調でリヴァルを咎めた。
それを聞いたリヴァルは肩を震わせて口を噤んでしまった。
「…いえ、大丈夫です。会長」
「シャーリー、無理しなくてもいいのよ?」
「ルルは必ず帰ってきます。それにライ君だって……だから」
シャーリーは決意に満ちた瞳でミレイを見つめた。
ミレイはシャーリーの真剣な目つきに軽く驚いた。ミレイには彼女をそこまでさせる動機が分からなかったからだ。

「その間、ナナリーは私が守ります」

力強い言葉が生徒会室に響いた。皆の視線がシャーリーに集まる。
ナナリーもシャーリーの顔色を伺った。
その張り詰めた空気を一人の少年が茶化した。
「だよなー。だって将来、義妹になるかもしれない大事な女の子だもんなぁ」
「うん……って!!ち、違う!違うの!そういうのじゃ!…い、いや、違わなくもな、いけど…」
「あはは~。シャーリーったらそんな下心があったんだぁ」
「ち、違います!会長!本当に違うんです!」
「分かってる分かってるぅ~」
「!!その顔、分かってるって顔じゃありません!」
いつものようにじゃれあう生徒会のメンバー。こんな時でも、和やかな雰囲気を作り出す声を聞いたナナリーはくすっ、と笑った。
さりげなく爆弾を落として。

「…うふふっ。ありがとうございます。お義姉様」

その言葉にピタリと体を硬直させる3名。
恐る恐るシャーリーはナナリーに話しかけた。
「……ナナリー?今、なんて?」








51:toto
09/04/07 02:07:34 wNCeuu2i
保健室にノエルとヘンリエットが訪れた。ノエルの両手にはお盆に載せた食事。おかゆに
コーンポタージュ。そして、コップ一杯の水。
ヘンリエットの両手にはリリーシャの着替え一式。
「何で私がこんなことを…」
「いいのいいの。リリーシャは気遣いの出来る人には優しいから」
「…どういう意味かしら。ノエル?」
「まあまあ」
ヘンリエットを適当にあしらったノエルはカーテンを開けた。
「リリィー。着替えと食事を…って、あれ?」
「ん?どうかしたの?」
二人はカーテンを開けてリリーシャが寝ている『はず』のベッドを見た。

いない。

ベッドのシーツはくしゃくしゃになったまま、布団も肌蹴たままだった。
窓が開いて、冷たい風が部屋に流れ込んでいた。白いカーテンがゆらゆらと踊っている。
ヘンリエットは持っているものを床に落とした。
「……リリィ?」
ノエルはそこにいるべき彼女の名を呼んだ。








52:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:08:01 yRQYlb8t
しえん

53:toto
09/04/07 02:09:37 wNCeuu2i
『皆、馬鹿だ!!あんな男の口車に乗せられて!』
『お前に何が分かる!この裏切り者がぁ!!上から目線でうざいんだよ!!』
激しくぶつかり合うランスロット・コンクエスターと紅蓮可翔式。彼らが激突するたびに轟音と眩い光が生み出される。
ドグゥウウウウウ!!
輻射波動を帯びた紅蓮の鉤爪がランスロットのMVSを掴んで、爆散させた。
だが、その隙に紅蓮の胸部をランスロットが蹴り飛ばした。ガツンッ!という金属がぶつかり合う音が鳴る。
『はぁっ!!』
『ぐぅ!』
急下降する紅蓮にランスロットは腰部から取り出した予備のヴァリスを向けた。それと同時に両側から襲ってくるヴィンセント・プロト。
それを視認したカレンは思わず舌打ちをすると、紅蓮の胸部から2本のスラッシュハーケンを発射した。
一つはヴィンセント・プロトのライフルで撃ち落とされたが、もう一つは右方にいたヴィンセント・プロトを掴んで、ヴァリスの盾に使った。
ヴァリスのエネルギー弾をまともに受けたヴィンセント・プロトは爆散した。その爆煙を突っ切って、紅蓮はランスロットへ直進した。
紅蓮可翔式は最大出力で輻射波動をランスロットに撃ち込んだ。
ドバァアアアア!!
赤い光線がその爆煙を消し去って、反応が遅れたランスロットに直撃する。
『やった!?』
周囲に黒煙が撒き散らされる中、ブレイズルミナスの緑色の光が眩いた。その中からランスロットが現れる。
全身にブレイズルミナスに展開していたランスロットは戦闘不能に陥ってはいなかった。しかし、ブレイズルミナスを発現する部位からは煙が上がり、両足の足首から下は無くなっていた。勿論、ヴァリスもMVSも持っていない。
その姿を見たカレンは思わず口元を歪ませる。
『へぇ、ラウンズに勝ったって言う割には手ごたえが無かったわね』
紅蓮は右手をランスロットに構えた。
『バイバイ。裏切り皇女の騎士さん』
スザクは冷たい視線と共に彼女に告げた。


『終わるのは君だよ、カレン』


『なにっ!?』
紅蓮は背後から銃撃を受けた。半壊したヴィンセント・プロトがアサルトライフルで狙っていたのだ。フロートシステムが損傷し、機体のバランスが不安定になる。
『う、うわぁあっ!!』
地面に落下する最中にヴィンセント・プロトからの銃撃を受け、所々装甲が剥がれ落ちていった。
不時着して、木々を折りながらも地上に降り立った。それでもなお、ヴィンセントからの攻撃が止まない。
ランドスピナーを起動させ、必死に攻撃を回避しながら上空にコイルガンを撃ち続けた。だが、相手にはまったく当たらない。
弾が切れ、ヴィンセントの銃弾が紅蓮のランドスピナーに着弾した。足を止められた紅蓮は空中から集中砲火を浴び、完全に足止めされた。
紅蓮の周囲を、3機のフロートシステムを積んだナイトメアフレームが囲む。

コイルガンの散弾数がゼロになった。状況を察したカレンは喉が冷えあがる。
『カレン。ライが背後を守ってくれることが当たり前のように思っている君では、僕に勝てないよ』
ヴァリスを拾い上げたランスロットは銃口を紅蓮に向けた。
紅蓮の周囲には味方もライの『蒼天』もいない。
咄嗟に右手を構えてエナジーフィラーが切れるまで輻射波動を撃とうと思ったが、輻射波動が作動しなかった。
カチッ、カチッ、カチッ…
「あ、あれ?まさか、さっきの衝撃で故障したの!?嘘でしょ!」
『安心しなよ。カレン。ライもすぐにそっちに行くから…』
スザクの声が響き渡った。
その言葉にカレンがキレる。
『…ふっざけんなああ!!ライは!ライだけはああ!!』


54:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:10:32 yRQYlb8t
しえん

55:toto
09/04/07 02:15:11 wNCeuu2i
ランスロットのコクピット内にアラームが鳴り響く。
『ロックオンされた!?』
ドドドゥアアアアアアアアア!!!
ランスロットはすぐに回避行動に出るが、巨大な赤い閃光がランスロットの右足を消し飛ばし、2機のヴィンセント・プロトを呑み込んだ。
高速で通り過ぎる敵機に右腕を蹴り飛ばされた。ヴァリスが手元から離れ、即座に奪われる。
カレンの眼前には眩い光が広がった。
そして突如、黒い影に覆われた。
いや、黒ではない。
澄み渡る空のような青。『ゼロの双璧』のもう一翼たるナイトメアフレームの後姿だった。
『蒼天』。

いつも彼女の後姿を見守っていた。
いつも彼女の背中を守り続けていた。
いつも彼女を救ってくれる、
彼女だけの騎士。

それを確認したカレンは思わず涙が零れる。
愛しい彼の名を力いっぱい呼んだ。
『ら…ライ―――ッ!!!』


奪ったヴァリスをランスロットに向けて、僕は吼えた。
『スザクゥ!!!よくもカレンを!』
『ッ!ライかっ!!』
蒼天が脚部からスラッシュハーケンをランスロットに向けて発射した。
ドンッ!
しかし、途中で攻撃を受け、撃ち落とされた。
蒼天と紅蓮のコクピットに警報が鳴る。
蒼天は左腕のブレイズルミナスを展開させ、紅蓮と自身の機体を守った。音を立てて、赤色の障壁に無数の火花が散る。
蒼天の左方向から右手にハンドガンを持った赤いナイトメアフレームが接近してくる。左手にはMVS搭載の大剣を持っている。
『くそっ!!』
僕はヴァリスの全弾をパロミデスとランスロットに撃ち尽した。2機ともブレイズルミナスでヴァリスのエネルギー弾を防いだが、ブレイズルミナスが耐え切れずに、ブレイズルミナスデバイスの破壊には成功した。
使い切ったヴァリスをパロミデスに投げつけるが、大型MVSで銃身を一刀両断される。



56:toto
09/04/07 02:16:07 wNCeuu2i
空中で手負いのランスロットとパロミデスが並ぶ。
セルゲイ・サザーランドはモニターで全身の損傷の激しい『蒼天』を見据えた。

パロミデスの機体は手足を失ってはいないものの、各部のメカは既に悲鳴を上げていた。
パロミデスの両肩にあるハドロン砲は破壊され、使用できない。
一本のMVSと一丁のハンドガンも壊され、残ったハンドガンの弾倉は底を尽きた。6つの内の4つのスラッシュハーケンは既に使い物にならない。

一機のナイトメアフレームにここまで追い詰められるのは、セルゲイ・サザーランドにとって初めてだった。
セルゲイの機体はビスマルクやノネット、ジノのように特定の武器に特化した機体ではない。
汎用性の高い量産型『サザーランド』のように、ライフルや剣、スラッシュハーケンといった多種多様な武器を駆使し、状況や相手によって戦いのスタイルを変えるのがセルゲイの戦術なのだ。
幾多の戦争と死線をくぐり向けて抜けて到達した『柔』の戦術。
ラウンズの頂点に立つビスマルクですら、『剛』の戦術を持つ騎士だからこそ、セルゲイには後一歩及ばない。

しかし、眼前にいる『奴』はどうだ?
セルゲイと同様、多彩な武器を用いて、状況に応じて最良の手を打ってくる『柔』の戦術の持ち主。
そして、それを可能にする柔軟な思考力と大胆な行動力。
セルゲイが50年の年月をかけて到達した領域に、彼はいる。
加えて、声や太刀筋からして随分と若い。おそらく枢木スザクと然程変わらない年頃だとセルゲイは推測した。
年端もいかぬ青年が、自身と同じ領域に立っている。そして、聡明な頭脳を兼ね備えた潜在能力は自分よりも上。
セルゲイはライに対して、賞賛を超えて恐怖すら覚えた。
彼が持つ、尋常ならざる力に。
彼が潜り抜けてきた修羅に。
彼が持つ稀代の大器に。

(成長すれば、竜に化けるか、獅子に化けるか…はたまた、王の器か)
「仕える相手を間違えたな、少年。……惜しい。実に惜しいな」
セルゲイ・サザーランドは悲哀の声で、そう呟いた。






57:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:16:57 v75ouSvp
 

58:toto
09/04/07 02:17:10 wNCeuu2i
『ライ!私に構わないで!貴方に死なれたら、私…!』
『なに言ってるんだ!カレン!君がいてこその僕の世界なんだ!カレンがいない世界なんて、絶対にいやだ!!』
もう一度、凝縮型輻射波動砲を放った。ランスロットとパロミデスには当たらなかったが、最後に残った一機のヴィンセント・プロトを仕留めた。
ランスロットが左足で『蒼天』の胸部に強烈な蹴りを入れる。砲撃の展開時だったため、輻射波動機関に大きなダメージを受けた。
もう、凝縮型輻射波動砲は使えない。
機体は衝撃に揺らしながらも、両手でランスロットの足を掴んだ。

『それに!』
メキメキと音を立てて、ランスロットの足が砕けていく。それを見たスザクは即座に脚部をパージした。
『喜びを分かち合う時も!』
パロミデスの大剣が蒼天を襲う。しかし、それをランスロットの足で防ぎ、隙からパロミデスの胸部にありったけのコイルガンを撃ち込んだ。
『苦しみを背負うときも!』
スラッシュハーケンで引き寄せられたランスロットを蒼天は思いっきり蹴り飛ばした。
ブレイズルミナスが展開しないため、反作用で蒼天の脚部も相応のダメージを受け、装甲が剥がれ落ちてしまう。
『生きるときも!死ぬときも!』
蒼天の短刀を持ち直して、2機のナイトメアフレームと対峙する。紅蓮に背を向けて立ちはだかった。


『僕は、ずっとカレンと一緒にいたいんだっ!!』


ライの叫びが、カレンの心に響いた。
カレンは息を呑む。
大粒の涙が彼女の頬を伝う。
そのとき、カレンには蒼天の背中が誰よりも頼もしく見えた。

もはや、彼女の心に『ゼロ』はいない。
『ゼロ』と『ライ』を選べといわれたら、迷わず『ライ』をとる。
一人の男を心から愛する女。
そんな女に、カレンは成り果てていた。






59:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:17:41 v75ouSvp
 

60:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:17:52 yRQYlb8t
しえん

61:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:18:23 v75ouSvp
 

62:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:19:10 v75ouSvp
 

63:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:19:55 v75ouSvp
 

64:toto
09/04/07 02:20:29 wNCeuu2i
コクピットの中で、僕は苦笑した。
カレンに啖呵を切ったのはいいけど、状況は絶望的だ。
エナジーフィラーも残り少ない。機体は五体満足であるものの、各機能はボロボロだ。メンテナンスを受けたら、オーバーホールか、スクラップ行きなのは間違いないだろう。
輻射波動もブレイズルミナスも満足に機能しない。
武器は短刀と左足のスラッシュハーケン一つのみ。
援軍を呼んでもフロートユニットを装備したナイトメアフレームには歯が立たない。犠牲が増えるだけだ。

各部隊は出現したヴィンセント・プロトに苦戦しているらしい。
地上部隊のサザーランドの総数が黒の騎士団より多く、武器の供給が滞り始めた。
被害がまだ、5パーセント以下というのが唯一の救いだ。


パロミデスがMVSの剣を構えて、再び蒼天に接近してきた。パロミデスの巨体から繰り出されるパワーを受け止める力も無ければ、受け流す術も無い。
いくら強化された装甲といえど、MVSの前には何の意味も無い。このままだと斬り裂かれるだろう。
数秒後にあるのは『死』。

アラームがコクピット内に鳴り響き、画面一杯にパロミデスが映った。
大剣を振りかぶった『赤鬼』が目の前に迫る。

その時だった。

蒼天に通信が入った。
『ライ!準備が整った!』
その言葉を聴いたライは頭をうなだれた。
前髪がライの目元を隠し、思わず口元を緩める。
『……まったく、遅いですよ。杉山さん』
迫り来る紅いサザーランドをモニターで捕らえながら、
ライは手元にある装飾されたスイッチを、叩き潰すように押した。




65:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:20:59 v75ouSvp
 

66:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:22:11 v75ouSvp
 

67:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:23:59 v75ouSvp
 

68:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:24:42 yRQYlb8t
しえん

69:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:25:31 v75ouSvp
 

70:toto
09/04/07 02:32:18 wNCeuu2i
ギュイイイイイイイイイイイイイイ――――!!!
突然、戦闘領域一帯にある、待機している月下や、柱のような特殊な機器が光を放ち始めた。
対照的にブリタニア軍のKMF収納トレーラーや指令軍用車が全機能を停止し、明かりを失っていく。
『?』
セルゲイも異変を感じ取った。
パロミデスの各機能が低下し、MVSの剣先が蒼天の首筋で止まった。
それだけではない。地上にいたサザーランドは各部から電気を放ち、ヴィンセント・プロトは沈黙して地面に落下していった。
動かくなったブリタニアのナイトメアに、月下が一方的な攻撃を加え始めた。
完全にブリタニアが劣勢になった。

「ゲフィオン・ディスターバー・フィールド…」
シズオカ一帯に取り付けた磁場干渉装置。直径100キロにわたる広範囲に設置した。急を要する代物だったために準備が遅れてしまった。壱番隊を総動員して用意した切り札。
シズオカに上陸したKMFは既に本陣に流れ込んでいた。しかし、相手は第5世代型サザーランド。量産型までに対策が施されているわけが無い。

効果は絶大だった。
全てのサザーランドの機体が沈黙した。
『…貴方の時代は終わったんですよ。サザーランド卿。…降伏していただけますか?』
パロミデスの間接部分からパチパチと電気が乱流している。対策はしていたらしいが、各機構がむき出しになっているのでは効果は薄いようだった。
無論、蒼天も無傷ではない。軽度だが、装甲が剥がれ落ちた部分がゲフィオン・ディスターバーの影響を受けていた。
『降伏すれば、命は取りません。剣を収めた者は国際法に則って身柄を拘束します』
『敵の命を奪わず、勝利を得る。テロリストが騎士を語るか…』
『この部隊の最高権力を持っているのはラウンズである貴方だ。貴方の命令はコーネリア総督ですら捻じ曲げられない。ですから……っ!!』

突然、パロミデスが起動し始めた。
それを見たライは青ざめたが、斬りかかる気配は無かった。武器を失ったランスロットは宙に浮いたまま干渉してこない。
『一つ、条件がある』
パロミデスは剣先を引くと、蒼天と距離をとった。
『予備電源が作動しているだけだ。そう長くは保たん』
『…一体、何を?』
僕がサザーランド卿にオープンチャンネルで問いかけるが、返事は無かった。

『ミスター枢木。ランスロットはフロートユニットを作動させるだけで精一杯だろう?』
『は、はい。輻射波動の影響で、各ユニットが不安定に…エナジーフィラーも底を突きかけています…』
『そうか。……ミスター枢木。ここでの戦闘行為の継続を禁ずる。これはラウンズとしての命令だ』
『な、何故です!?』
スザクとの通信を切ったセルゲイは、パロミデスを蒼天の方へ向きを変えた。
剣先を蒼天に突きつけた。


『セルゲイ・サザーランドの名において、そなたに決闘を申し込む!!』


71:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:33:06 v75ouSvp
 

72:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:33:13 yRQYlb8t
しえん

73:創る名無しに見る名無し
09/04/07 02:57:37 yRQYlb8t
猿かな・・・・


74:toto
09/04/07 03:03:06 wNCeuu2i
「……」
『…はぁ!?』
彼の性格を考えると、予想範囲内の行動だった。
ブリタニアの国是よりも、騎士道を重んじる屈強の戦士。
そして、戦争の悲惨さを受け止め、ナイトメアを開発した。しかし、平和のための努力がさらなる血を流すというジレンマを知る男。
人の命の重さを知る、崇高の騎士だ。
この展開を僕は想定していた。
『…18時間後、ここに10万を超える援軍が到着する』
『!!10万ですって!?』
カレンが声を上げた。
…つい一分前に情報部から同様の報告があった。
そんな大軍が押し寄せれば、シズオカの戦場はさらに熾烈を極めるだろう。勝利を収めても、黒の騎士団の被害も甚大だ。
このシズオカ防衛線はそれを食い止めるために沿岸部まで侵攻するつもりだった。しかし、フロートユニットを搭載するヴィンセント・プロトの参加によって侵攻を阻められた。
日本にはまだフロートユニットを搭載したナイトメアフレームは配備されていないからだ。ラウンズの参加は完全な想定外だった。
『…だが、私はその間、ここにいる6万の兵に死ねと命じなければならない』
『だから、自身の命の代わりに、部下を見逃してほしいとおっしゃるのですね?シズオカ戦線の停戦を『条件』として…』
『違うな。私が勝っても負けても部下の命を見逃してやってほしいのだ』
『……』
『私が勝った場合、無条件でこちらの軍を撤退させてもらう。
しかし、お主が私を斃した場合は、救ってもらうのは部下の命だけでいい。KMFや兵器は置いていく。好きに使うが良い。停戦と共に約束しよう』



(…さて、どうする?)
僕は思考を巡らせた。
ここでセルゲイとスザクを捕虜としてしまうのが得策だ。撤退してしまえば、態勢を整えてここを再び攻めてくるだろう。10万の軍を迎え撃つ準備もある。

しかし、『停戦』の条件は願っても無い好条件だ。

10万の軍を相手にしたときの被害想定は40%を超えていた。これから国家を成立させようという時期に、兵力の損失は出来るだけ避けたい。
だが、僕が負けた場合、被害はさらに拡大する。もしかすると敗北の可能性も出てくる。僕たちが負ければ、黒の騎士団は終わりだ。それだけは絶対に避けなければならない。
セルゲイ・サザーランドの手の内は完全には読めない。
機体の損傷から見て、ナイトメアの性能の条件はほぼ同じだが、KMFの操作技術は彼のほうが上だ。
決闘は不安定の要素は多いが…
僕も『奥の手』はある。

堅実な辛勝を取るか、綱渡りの完勝を取るか…
決断には、もう一押しする何かが欠けていた。

思考している時間はほんの数秒の間だったが、セルゲイ・サザーランドは唐突に口を開いた。
『…私は戦争の『悲劇』を繰り返したくは無いのだ』
『?いったいの何の話ですか?』


『ブリタニアの古の王、ラインヴァルト王が起こしたような悲劇をな…』


僕の思考は凍りついた。
体が無意識に震えだす。
(――――今、なんて言った?)


75:toto
09/04/07 03:04:36 wNCeuu2i
『国とは民あってこそのもの。多くの民を犠牲にした勝利に、価値など無い』

『はん!『狂王』を殉教者と讃えるブリタニアが言えたセリフか!!』

『…ラインヴァルト王……ブリタニア史上、最悪の暴君……そして……』
スザクは複雑な表情で、モニターごしに蒼天を見据えていた。

皆の声が遠くに聞こえた。

…こんなところで、僕の話を聞くなんて……

頭の中に、かつての惨劇が蘇ってきた。

妹を、母を死なせ、民を失った。

残ったのは、僕と、火の海と化した変わり果てた国土だけ。

あの時に味わった喪失感と絶望感が体を突き抜けた。

…そうだ。

僕は…

あの悲劇を…

あんな悲劇を…

二度と…

繰り返さないっ!!!

僕は操縦桿を強く握り締めた。
(誓ったんだ!!僕は!ルルーシュとっ!カレンと!僕自身に!!優しい世界を作るって!!あんな悲劇を繰り返さないって!!失った人々のためにも!僕はっ…!!!)
唇を強く噛んだ。一筋の血が皮膚を伝ってパイロットスーツに落ちた。
キーボードに即座に撃ち込んだ。
黒の騎士団の本部、『イザナミ』から、夜空に黄色の花火が上がる。
『一時停戦』を意味する合図だ。

『…決闘を受けましょう。サザーランド卿』

『え!ライ!?』
『………感謝する』
僕は『蒼天』を浮上させた。
短剣を構え、紅いナイトメア、『パロミデス』を見据える。
紅蓮から緊急通信が入る。
『ライ!相手はKMFの腕だけならブリタニア最強の騎士よ!いくらライが強くても、セルゲイには…』
『カレン』
僕の声を聞いた彼女は口を塞いだ。底冷えするような低い声に驚いているようだった。カレンの顔を見た僕は、出来るだけ笑顔でカレンに答える。
『カレンは、自分の恋人も信じられないのかい?』
『…え』
『勝つよ。絶対に。だから、待っててくれ』
そう言って、僕は通信を切った。


76:toto
09/04/07 03:05:51 wNCeuu2i
エナジーフィラーの残量が少ない。エナジーを戦闘だけに回した。
キーボードに打ち込み、パロミデスをロックオンする。
眼前のモニターには、夜空を背景に浮かんでいる紅いナイトメアフレームが映っているだけ。
『…初めて見るぞ。お主ほどの聡明な騎士は』
『…僕は、貴方以上に素晴らしい騎士を知りません』
『この出会い、神に感謝すべきか、それとも憎むべきか…』

夜空に浮かぶ機械仕掛けの騎士。その間には張り詰めた空気が漂っていた。
MVSの赤い刃が再び姿を現す。
姿勢を低くして、短刀を構えた。

『名を名乗れ。若き獅子よ』

『…黒の騎士団、『ゼロの双璧』の一翼、ライ』

『ライ、か。その名前、しかと胸に刻んでおこう』
口を不敵な微笑を浮かべたセルゲイは、パロミデスと共に牙を向く。
『私は皇帝直属の騎士、ナイトオブラウンズの一角、ナイトオブツー。名をセルゲイ・サザーランド』

『いざ――――――――――』

『――――――――参る!!!』

瞬間、2機のナイトメアフレームが激突した。








77:toto
09/04/07 03:07:59 wNCeuu2i
アッシュフォード学園の生徒会室。
異変が起きていた。
「ううっ……」
呻き声を上げて、崩れ落ちるシャーリー。
彼女だけではなかった。ミレイも、リヴァルも気を失ってしまった。
ナナリーの声だけが生徒会室に響きわたる。
「…お義姉様?お義姉様!!皆さん、どうされたのですか!?」

「大丈夫だよ。ナナリー」

唐突に後ろから声が聞こえた。
ナナリーが聞いたことも無い、少年の声を。
「だっ、誰!?」
盲目の彼女には見えない。しかし、異質な雰囲気が漂っていることを彼女は感じ取った。
「ナナリー。迎えに来たよ」
幼い声が、彼女の耳を震わせた。
場にそぐわない平坦すぎる声が、彼女の心を震わせた。
煌びやかな服を身に纏ったV.V.がそこにいた。







78:toto
09/04/07 03:09:04 wNCeuu2i
同時刻。
シズオカにある、とある森林の中。
焚き火を炊いていた『黒の騎士団』の団員の一人がいた。
中年の男が携帯食品を食べていたら、背後から足音が聞こえた。
「っ!誰だ!?」
食べているものを吐き出して、携帯している自動小銃を構える。
突然、月下の背後から一人の少年が現れた。
赤い色を基調とした舞踏用の服装。老人のような白髪に、女の子のような整った容姿をした少年だった。
「あ?…なんだぁ?ブリキのガキが何でこんなとこにいんだよ?」
銃を突き付けているのに、少年の歩調は変わらなかった。
「っ!!おいっ!止まれ!それ以上動くとガキでも撃つぞ!!」
焚き火の光で、少年の瞳が見えた。
右目は金色。左目は銀色の、左右非対称の瞳が。
少年の唇が歪む。
その顔を見た団員の背筋に言い知れぬ悪寒が走った。
「ねえ…」
少年の金色の瞳が突然輝き始めた。

『金』色の紋章が羽ばたいた。

「おじさんのナイトメア、ちょうだい」
その『声』を聞いた中年の団員は、銃を下ろしてキーを少年に渡す。
「…ああ。分かった。そこにある月下に乗るといい。認証番号は必要ない。このキーを使えば動かせるぞ」

そして、今度は左目から『銀』色の紋章が輝いた。

パンッ!
即座に団員は拳銃で頭を撃ち抜いた。
焚き火に体を突っ込ませて、徐々に服に火が燃え移っていった。
身を焦がす人間を見て、クスリと少年は微笑を浮かべた。
キーを右手の人差し指に引っ掛けて、くるくると回して遊ぶ少年。
少年の顔は邪悪な笑顔で歪んだ。

両目には『金』色のギアスと『銀』色のギアスが宿っていた。

「あははっ。待っててね。ラインヴァルト…」
X.X.が呟いた声は、誰にも聞かれることなく、闇夜に溶けていった。
焚き火に照らされる一機のナイトメアフレームは森の中にただ佇んでいるだけだった。
少年は微笑を浮かべたまま、空を見上げる。

夜空には青い月が輝いていた。


79:toto
09/04/07 03:10:10 wNCeuu2i
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」
TURN00 「終わる日常」(後編4)
投下終了です。
TURN00も次の後編5で終わりです。
そして、設定資料を2つ投下して今日は終わりです。
一週間以内には後編5を投下するつもりなので、感想よろしくお願いします。


80:toto
09/04/07 03:12:10 wNCeuu2i
《パロミデス》
ナイトオブツー、セルゲイ・サザーランドの第8世代型相当の専用ナイトメアフレーム。
サザーランドを紅くカラーリングしたような機体であるが、全長がガウェインに匹敵する大きさである。
また、頭部にはファクトスフィアと共に、レーダーの役割を果たすクワガタの様な金色の角があり、一見すると『赤鬼』のような印象を受ける。
また、ガウェイン同様、ドルイドシステムを搭載したハドロン砲が搭載させており、出力やパワーはモルドレッドすら凌駕するほどである。
武装は両肩にあるハドロン砲、貫通性が高いスパイラル弾を装填したハンドガン2丁、カットラスのような反りがある大型MVSが2本、ブレイズルミナスによる打撃などと、多種多様な武器を備えており、繰り出される戦術は実に多彩である。
パイロットであり、開発者でもあるセルゲイ・サザーランドは、ナイトメアの操作技術だけならビスマルクすら凌ぐ実力を持っている。
武器の汎用性に富んだこの機体こそ、KMFの代名詞となった量産型『サザーランド』の原型となった機体。


81:toto
09/04/07 03:12:55 wNCeuu2i
《ヴィンセント・プロト》
ランスロットをベースに量産された次世代型ナイトメアフレーム。
外形や武装は一緒だが、白と黒のコントラストのカラーリングが施されており、生産ラインに乗せる前の100機だけ造られた試作機である。枢木スザクの戦闘データは一般化に適していなかったので、ラウンズの親衛隊などでテストパイロット目的で造られた。
フロートユニットを備えた初の量産型KMF。


82:創る名無しに見る名無し
09/04/07 03:14:28 wNCeuu2i
すいません。totoじゃなくてPOPPOです。
申し訳ありません。

83:創る名無しに見る名無し
09/04/07 06:54:47 eyYqkenc
>>79
POPPO卿お疲れ様です!いやあ朝からすごいものを見せてもらいました。

84:創る名無しに見る名無し
09/04/07 08:07:04 Hud4UE0A
>>79
質、量ともにまさに怪物級。しかも一週間以内に続編だと!?
凄まじく、そして素晴らしい。脱帽ものです。
次回も楽しみにしております

85:創る名無しに見る名無し
09/04/07 08:20:56 xHoM+cF+
>>79
V.V.にX.X.。二人のショタキャラ大活躍でトーマス卿の狂喜乱舞する姿が目に浮かぶようですw
続きを首を長くしてお待ちしております!

86:創る名無しに見る名無し
09/04/07 08:55:05 sJt/XK3E
>>79
POPPO卿、GJでした!
いいねぇ、心が躍るよ……ワクワクしたってことさ。
パロミデス、早い話がダイサザーランドですね。
それにしてもこのボリュームは、ディモールト良し! だぜ!
ギアス二つに不老不死のV.V.……何このチート、勝てる要素がないな。
しかし、ギアスが使えるということは、不老不死の理由は『コードを持っているから』では無いのか。
赤い鳥のような紋様ではなく『金』と『銀』だし。
――謎は深まっていくなぁ。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!

87:創る名無しに見る名無し
09/04/07 12:42:24 yRQYlb8t
13時から投下予定です。
もし誰かおられるのでしたら、途中1.2回でもいいので支援をお願いできないでしょうか?
念のためなんですけど、どうもお猿さんとは仲がいいようなので……。
すみませんけどもお願いします。


88:創る名無しに見る名無し
09/04/07 12:59:01 kaks6q0P
まだいるかな支援

89:創る名無しに見る名無し
09/04/07 13:00:42 yRQYlb8t
どうも、予告どおり投下いたします。
今回は「蒼天の騎士」です。
さすがに、ヴィレッタさんのお話3連投は無理でしたww
そちらを待っておられる方は、もう少しお待ちくださいませ。
あと昼ドロシリーズの方ももうしばらくお待ちください。
どういう風にニーナが狂気に駆られてミレイをいびるか思案している最中ですので。(ぇ?)
ともかく、がんばって考え、がんばって書いております。
(ああ、がんばってのバーゲンセールみたいになっちゃったけど…)

支援表明ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

さて……
では、始めます。

タイトル 蒼天の騎士(20) 攻防
カップリング  ライ行方不明の為、なし
ジャンル シリアス


では、次からスタートです。

90:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:02:19 yRQYlb8t
「先発隊、そ、総崩れです」
震える声で報告する副官。
それを詰まらなさそうに聞いているのは、討伐隊総司令官であるナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリー。
「おいおい、俺の分も残しとけっていうのは言ったが、総崩れとはどういうわけだ? ん~」
ぎろりと副官を睨みつける。
だが、副官は黙ったままだ。
経験上、ここは黙っていた方がいいと判断したのだろう。
そんな反応に気をそがれたのか視線をモニターに移すルキアーノ。
そこには、奮戦する紅いナイトメアが映っている。
「ふん。まぁいい。そんだけ生きがいいっていうんなら殺しがいがあるってもんだ。くっくくくくく…」



蒼天の騎士(20) 攻防


ブリタニア本国から派遣された討伐隊との戦闘は、太平洋上で開始された。
実質、あの会談から2日後である。
そのあまりにも早いその動きに各陣営は傍観するしか術はなく、孤立無援の中、ナナリー達は自らの力だけで戦うしか方法はなかった。
そして、圧倒的な戦力のブリタニア軍に対し、エリア11側は、その戦力のすべてをかき集めても実に5分の1程度にしかならず、誰もがあっという間のエリア11の敗退を予想していた。
だが、戦いが始まるとそれは間違いである事を知らされる事となる。
緒戦、戦力的に劣りながらもナナリーの騎士団と黒の騎士団の残存兵力で構成された行政特区防衛隊は、ゼロ番隊を中心とした切り込み隊による波状攻撃と敵部隊の切り崩しを敢行。
そして、統率を乱れさせた後の戦力集中投入によって完全にブリタニア軍の先発隊を圧倒し、敗走させたのだ。
特に、戦場で舞う紅き死神『紅蓮』と彼女に率いられる黒の『暁』で構成されたゼロ番隊は、まさに鬼神の様な動きを見せていた。
紅き死神。
かってブラックリベリオンでブリタニアの騎士達を恐怖のどん底に落とした悪夢が再び訪れたのだ。

「ゼロ番隊っ、各自補給は済んでる?」
カレンは、紅蓮のチェックをしながら、部隊の確認をする為、声をかける。
「壱分隊、問題ありません」
「弐分隊、Okです」
「参分隊、いつでもどうぞ」
「四分隊、オールグリーン」
すぐに無線から各分隊の答えが返ってくる。
「紅月隊長、ゼロ番隊、すべて問題ありません。ご命令を……」
そして、副隊長からの声が最後に響く。
「他の部隊の方は?」
「そうですね、8割程度でしょうか……」
その報告にしばし沈黙し考える。
さて、どうする……。
彼女が率いるゼロ番隊を中心とした切りこみ隊は、独自の判断で動く許可を頂いている。
「よし。副隊長は、他の切りこみ隊の部隊をまとめて後から続いて…。残りのゼロ番隊は、私についてきて。先行するわよ」
「「「了解」」」

91:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:05:06 yRQYlb8t
「紅月隊長のゼロ番隊、先行するそうです」
オペレーターの報告に、ジェレミア副団長は頷く。
さすがは、黒の騎士団のトップエース。
見事なまでの統率力と判断力だ。
先の戦闘でも、彼女と彼女の率いるゼロ番隊がいなければ、どうなっていただろう。
思わず、そう考えてゾッとした。
多分、圧倒的な戦力差で押し切られてしまったのではないだろうか。
そうとしか考えられなかった。
だが、彼女は、今ここにいて共に戦ってくれる。
おかげで、勝利という予想が少しは考えられるというものだ。
そこまで考えると、頭を振った。
いかん、いかん。
我々は、勝たねばならぬ。
エリア11に住む人々の為。
今は亡き、マリアンヌ様の為。
そして、なにより我が主、ナナリー様の為に……。

ゆっくりと大部隊が迫ってくる。
先発隊とは比べものにならないほどの数だ。
ふふっ……。
思わず笑いが漏れ、汗がにじみ出る。
いいじゃないっ。
やってやろうじゃないっ……。
グリップを握りなおす。
すーっ……。
息を整える。

92:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:06:57 yRQYlb8t
「本隊へ報告。1400に切り込み隊は敵主力部隊に攻撃を開始します」
そう本隊に連絡を入れると素早く無線を部隊連絡用に切り替える。
「各機、予定通り1400より突撃を開始します。いい、各機ノルマは10機だからね。それまで落とされるんじゃないわよ」
かなりの被害が出るのは判っている。
もしかしたら、殆どの部下を失うかもしれない。
だが、少しでも多くの部下に生き残って欲しい。
その思いが言葉からにじみ出ていた。
しばしの沈黙の後、ぽつりと誰かが言った。
「10機程度でいいんですか?」
「え?!」
思いもよらない返事に一瞬言葉を失う。
そして、その言葉を合図に次々と言葉が飛び出す。
「そうですよ、隊長。10機と言わず、15機にしましようよ」
「おおっ、それなら俺は20機だな」
「何言ってやがる。お前はせいぜい10機ギリギリだな」
「なにお~っ、じゃあ、勝負だ」
次々と楽しそうな言葉が流れてくる。
それは、決してふざけているわけではない。
彼女に対しての部下達の思いやりと、そしてこの一戦にかける決意がそうさせているのだ。
「そろそろ、時間です。紅月隊長」
副官の声が最後に場を締める。
私は、いい部下に恵まれたわね。
そんな事を思う。
死なせたくない。
だが、今は心を鬼にする。
「ええ、行きましょう。我々の未来の為に……」
そう言うと私はゆっくりと紅蓮を前進させた。

激しい戦闘が開始された。
切り込み隊が鋭利な刃物のような突撃を繰り返す。
しかし、それ以上に厚い敵の壁によって、まるで食い込むことさえ出来ていない。
元々数の差が圧倒的に違うのだ。
ジリジリと後退を余儀なくされる切り込み隊。
そして、それをカバーすべく本隊は突撃を開始する。
戦場は、乱戦へとなだれ込んでいった。


93:創る名無しに見る名無し
09/04/07 13:09:00 kaks6q0P
支援

94:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:09:27 yRQYlb8t

「くっ……、ここを突破しないとっ……」
私は、夢中で群がる敵ナイトメアを破壊していく。
輻射派動の加熱ゲージが赤く点滅し、警戒音が響く。
補給だけで整備点検もなく乱発しているのだ。
無理も無いだろう。
だが、今、輻射波動を失う事は、大きな戦力ダウンになる。
「もってよっ……紅蓮っ」
願うような気持ちで、私は戦い続ける。
そして、群がる敵の一群を粉砕した時だ。
そいつは私の前に現れた。
「見つけたよ。黒の騎士団のエース、紅き死神」
紫がかった白色をベースにした見たことも無いタイプのナイトメア。
コンピューターが、自動的に検索する。
ナイトオブテン専用機、パーシヴァル。
「ふふっ、総司令官自ら戦場に来るとはね……」
ビリビリと殺気を感じ、すーっと脂汗が浮かぶ。
こいつ……強い。
「司令官なんて、そんなものに興味はないさ。私はね……」
ニタリ……。
見えてないはずなのに、そう笑っているのが判る。
「相手の一番に大事なもの……。そう、命を狩れればいいんだよ。くっくっくっくっ……」
狂気じみた笑いが響く。
「さすが……ブリタニアの吸血鬼ね」
「その言葉はね、最高の賛辞なんだなぁ」
対峙する紅蓮とパーシヴァル。
めまぐるしく動く戦場で、まるでそこだけ切り取ったような止まった空間だった。
それは互いに相手の動きを読みあうかのような達人同士の戦い。
「紅月隊長っ……」
割って入ろうかとする部下の暁を征する。
彼らでは勝てない。
「ごめん……。部隊の指揮は、副隊長に従って……」
私は、相手を睨みつけたまま、そう命令する。
「いい判断だ……。彼らは、私のヴァルキリエ隊がお相手しょう。お前達、殿方たちの相手にしてやれ。暇にさせるんじゃないぞ。くっくっくっ……」
「「イエス、マイロード」」
その言葉と同時にその背後に控えていたパーシヴァルと同じ色で塗装されたビンセントが散開する。
そして、私たちの周りで激しい戦いが開始された。


95:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:11:29 yRQYlb8t

「本隊の損耗率40%を超えました」
「紅月隊長は、現在、ナイトオブテンと交戦中の為、指揮は木下副隊長が行っていますが、いまだに切り崩しに成功していません」
悲鳴にも似た声で報告が続く。
くっ……。
やはり、数が違いすぎたかっ。
突破し、かく乱せねばこっちに勝ちは無い。
ここはいったん引くか?
いや、今ここで引いても予備の戦力がない我々に勝ち目は無い。
どうするっ。
その時だった。
「お困りのようだな…。オレンジ君」
映像末端の一つに、そいつは現れた。
「き、貴様はっ……」
自然と語尾が震える。
「ゆっくりとここは昔話でも語り合いたいところだが、時間がないようだな。
戦線をあと5分間持たせろ。プレゼントが届くはずだ」
そして映像は切れ、オペレーター達の視線が私に集まる。
くそっ。
だが、今の現状ではやつに頼るしかない。
そう、今まで何度となく逆転を起こしたやつの手腕に……。

先端を切ったのは紅蓮からだった。
すでに何度も戦闘を潜り抜けてきた状態であり、長期戦は不利だという判断だと思いたいが、そうではなかった。
すべて悪い方へと流れつつある現状に平常心でいられなかったというのが正しいのかもしれない。
牽制に左腕の固定式武装であるハンドキャノンを打ちながら、接近戦に持ち込もうとする。
紅蓮が接近戦に特化した機体であり、駆け引きをしている時間もない現状を考えれば、この選択は間違っていない。
特に一気にけりをつけたいときなら、なおさらだ。
だが、それは相手も望んだならという要素が必要になる。
「ふんっ……」
ルキアーノは、その牽制を軽くかわすと右手についている刃を回転させ、ドリル状の槍に変化させる。
そして、それを巧みに操って攻撃を仕掛けては牽制し、シールドに付けられたミサイルで一定の距離をおく。
あくまで、紅蓮の得意の距離では戦わない。
そういうスタンスだ。
確かに、ロングレンジの輻射波動も打てるが、精密的な射撃には向いていない。
なぜなら、あの武器は、長距離、或いは一対多数で効果を発揮するものだ。
さらに、今は無駄な輻射波動を使い、負担をかけたくないという事もある。

96:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:13:31 yRQYlb8t
「へぇ~、私のダンスの誘いを断るんだ……」
心理戦ではないが、憎まれ口が自然と漏れる。
「ふふん。残念ながら、女性とダンスよりも狩りの方が好みでね」
律儀にもルキアーノが答える。
そして、距離を置いての攻撃が続く。
くそっ。
こうなったら、粘ってミサイルが尽きた時に接近戦に持ち込むしかないかっ。
そう、カレンが考えていた時だった。
いきなり、パーシヴァルが距離を詰める。
その動きに慌てて紅蓮を突っ込ませようとしたが、再び牽制されて距離を開けられる。
くっ、なんて無様なのっ。
これじゃ、相手に好きなようにからかわれているだけじゃないっ。
イライラが大きくなっていく。
周りの戦況の悪化もそれに拍車をかける。
私がっ。
私が何とかしないとっ。
日本を……。
ナナリーを……。
皆を守らないとっ……。
焦りが焦りを呼ぶ。
頭ではわかっていても、そのプレッシャーとイライラに私は気が狂いそうだった。
そして、それは大きなミスを生む。
ガクッ…。
一瞬ではあるが、機体がブレる。
そして、それを逃すはずもなくパーシヴァルの攻撃が紅蓮に迫る。
ドリル状の槍の一撃。
だが、それは、紅蓮にとってもっとも得意とする戦闘距離だ。
「ちぃっ……」
私はとっさに輻射波動のスイッチを押した。
そして、輻射波動によって槍は粉砕され、パーシヴァルは大ダメージを食らう。
そのはずだった。

97:創る名無しに見る名無し
09/04/07 13:14:25 kaks6q0P
しえん

98:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:15:40 yRQYlb8t
だが、ピーッという警告音と共に輻射波動関係の計器が一気に紅く染まる。
「オーバーヒート?!」
そう、輻射波動は不発に終わったのだ。
そして、パーシヴァルの槍が紅蓮の右腕を粉砕し、その衝撃は紅蓮本体にも伝わってくる。
私は、墜落しそうになる紅蓮の姿勢をなんとか押さえ込み、落ち着かせるので精一杯だ。
そんな紅蓮をパーシヴァルは、静止してゆっくりと見下ろす。
倒そうと思えば、続けての一撃で堕とすことも可能だったはず。
だが、奴はそうはしなかった。
「残念だったね……くっくくくく……」
余裕のある声が響き、そして、それは笑い声へと変わっていった。
怒りと屈辱の炎が私の心を焦がしつくほど焼いていく。
ギリギリとかみ締めた歯が鳴る。
舐められたものね。
私は、怒りに駆られて冷静な判断を失いかけていた。
「紅月隊長っ……」
だが、悲鳴のような部下達の声が無線から響き、私は我を取り戻す。
その声が私の怒り狂った炎を沈めていく。
落ち着け。
落ち着くんだ。
私は、自分に言い聞かせると素早く機体のダメージチェックプログラムを走らせた。
右手を失ったものの、まだ何とか戦える。
だが、輻射波動を失い、どう戦う……。
ましてや、確実に自分達が追い詰められている現状をどう打破できるのか……。
何も思いつかない。
悔しいが、今の私には勝てる方法が浮かばない。
だけどっ……。
「残念だけどっ、生きる望みを捨てるわけにはいかないのよっ!!」
私は、悲鳴を上げる紅蓮を操り、再び攻撃を開始した。


99:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:17:49 yRQYlb8t
だが、そんなカレンの決意をあざ笑うかのように戦いは一方的になっていた。
パーシヴァルは、紅蓮の攻撃をかわしつつ、確実にダメージを与えていく。
満身創痍……。
まさにその言葉どおりになっていく紅蓮。
だが、諦めない。
諦めてなるものですかっ。
カレンは必死になって戦い続ける。
わずかな勝機を得る為に。
たが、食い下がるように攻撃するカレンを嘲笑するルキアーノの声が響く。
「くくくくっ、いいそ。いいっ。すばらしい魂の輝きだっ。そして、それを狩る。ふはははははっ。最高の瞬間だ」
そして、ついに残った左手も破壊さる紅蓮。
すでに計器類の半分が紅く点滅し、いつ脱出ポッドが作動してもおかしくない状態だ。
そして、残る武装は、スラッシュハーケン1基のみ。
「くっ……」
だが、カレンは、諦めない。
パーシヴァルの前に立ちふさがる。
今、ここを突破されれば、間違いなく戦線は崩壊して敗北は間違いないだろう。
そして、ここで逃げるわけにはいかないのだ。
彼女の背中には、多くの仲間達がいて、祖国日本がある。
そして、彼女に託された多くの人達の思いを背負っているのだから……。
「ふふん。逃げ出さないのは残念だけど、まぁ、たまにはこういうのもいいか……」
ルキアーノにしてみれば、弱りきって逃亡を図る相手をねちねちといたぶって叩き潰す事に悦びを感じるのだ。
だから、あくまで戦い続ける紅蓮に興味は薄れ始めていた。
ドリル状の槍がかかげられる。
「終わりだよ、紅き死神。お前の伝説も、そしてお前の命も……ね」
駄目だ……。
ごめん……ライ。
私、やっぱり貴方がいないと……。

100:創る名無しに見る名無し
09/04/07 13:19:13 7sCkstpG
お出かけ前に1回だけ支援

101:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 13:20:44 yRQYlb8t
まさにそうカレンが諦めかけた時、パーシヴァルを一条の光の矢が襲った。
とっさに何とか攻撃を回避するパーシヴァル。
「なにっ…。何だ今のはっ……」
ルキアーノがセンサーレンジを拡大させる。
すると、まるでいきなり湧き出したかのような反応が、後方の本隊近くの空域にいくつも現れた。
敵増援の奇襲だとっ……。
やつらにそれだけの兵力はないはず。
そして、一番の問題点。
それは、レーダーにも視界の中にもそれらしい機影は見えなかった事だ。
だが、ルキアーノがそう思った瞬間、ブリタニア本隊のいる後方で次々と爆発が起こった。
「ル、ルキアーノ様っ、ほ、本隊がっ、敵ナイトメアのき、奇襲をっ……」
副官の悲鳴が無線から流れ、一際大きな爆発音と共に途切れる。
「ど、どういう事だっ……」
現状が完全に把握できない上に、予想外の戦力による奇襲で慌てるルキアーノ。
それは、後方にいた本隊も同じなのだろう。
あっという間に、本隊の戦力が削られていく。
そして、その光景に呆然となっていたパーシヴァルを再び一条の光の矢が襲う。
「くそっ、そこかっ」
その攻撃をかわすと、牽制にシールドのミサイルを発射して光の矢の発射地点へと一気に距離を詰めていく。
もう紅蓮は彼の眼中にはない。
あるのは、姿の見えぬ襲撃者だけだ。
今、攻撃すれば……。
一瞬だが、その考えがカレンの頭の中に浮かぶ。
だが無線から入ってきた言葉にそれは止められた。
「そこの赤いのっ。さっさと後退しな。ここは私が何とかする」
それは、ぶっきらぼうだが思いやりのある女性の声だった。
それと同時に、パーシヴァルの向かう先の空間が歪む。
その様子は、まるで幻影でも解けるかのような感じだった。
そして、そこに現れたのは、ネービーブルーに塗り上げられたナイトメア。
形は、蒼天とよく似ている。
多分、同系タイプなのではないだろうか。
違いと言えば、ハドロン砲が付けられた肩とセンサーやカメラ関係で大型化した頭部だろう。
それに腕の形も違っており、どうやら輻射波動は実装されていないタイプのようだ。

102:創る名無しに見る名無し
09/04/07 13:53:08 ldJDiYvJ
支援

103:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 14:00:28 yRQYlb8t
「ちいっ。俺の狩りの楽しみを邪魔しゃがってっ」
パーシヴァルが弾かれたように攻撃を仕掛ける。
ドリル状のランスが、絶妙の角度で突き放たれた。
だがその攻撃を右手のランスで軽々と受け流す未確認のナイトメア。
「ふんっ。あんたは前々から気に食わなかったんだよ」
その声と共に未確認のナイトメアの左手が大きく動く。
すると左手に持っていた棒状のものがまるでその動きに合わせるかのように伸びた。
いや、内蔵されたワイヤーが伸びたのだろう。
そして、それは腕の動きに合わせてまるで蛇のように動く。
そう、それはまさに鞭だ。
そして、その一撃が攻撃を受け流され体勢を崩したパーシヴァルの左手の盾に絡みつく。
「イッちまいな」
短いその言葉と共に電流が走った。
それがただの盾ならば問題はないのだろう。
だが、パーシヴァルのシールドにはミサイルが仕込まれている。
電流でショートし爆発するミサイル。
慌ててルキアーノは盾を手放すが、すでに遅い。
爆発がいくつも起こり、パーシヴァルに壊滅的なダメージを与えていた。
「くっ……。まさか……てめぇ……」
破片がコックピット内を跳ねたのだろうか……。
血みどろになったルキアーノがひび割れたモニター越しに相手を睨みつける。
「ふんっ。それはあの世で考えるんだね」
大ダメージを受け、なんとか漂うだけで精一杯のパーシヴァル。
そして、トドメを刺そうと未確認のナイトメアが右手のランスを構えた。
その瞬間だった。
いくつもの火線が2機の間に走る。
慌ててパーシヴァルから離れて距離を置く未確認のナイトメア。
その瞬間を狙ったのだろう。
突っ込んできた白と蒼で塗り分けられたランスロット似のナイトメアが2機の間に入り込む。
「そこまでにしていただこう……」
感情の感じられない声が流れる。
だが、ビリビリという殺気がそのナイトメアから発せられていた。


104:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
09/04/07 14:03:03 yRQYlb8t

こいつ……只者じゃない……な。
長年培った経験と本能が警報を鳴らす。
「今回の戦いは、君らの勝ちだが、彼まで失うわけにはいかないのでね」
そのナイトメアの後ろでは、友軍のナイトメアに助けられながら戦線を離れるパーシヴァルの姿。
「ちっ……」
思わず舌打ちが漏れた。
だが、動けない。
確かに戦っても負けないだろう。
それだけの自信も腕も持っている。
だが、勝てもしない……。
そんな感覚だ。
そして、パーシヴァルが戦線を離れたのを確認し、そのナイトメアは信号弾を打ち上げた。
赤と赤……。
総撤退の合図だ。
そして、残ったブリタニアの討伐軍がある程度戦線を離れるとランスロット似のナイトメアは背中を見せる。
そう、後ろから攻撃されないと確信しているのだろう。
そして、それはそのとおりだった。
悔しいが、私には出来ない。
もしかしたら、こいつ、私の正体に気が付いているのか?
私の頭の中で一瞬湧き上がる考え。
そして、その考えは的中する。
「ではまた会いましょう……。ノネット・エニアグラム」
そう捨て台詞を残してランスロット似のナイトメアは後退していった。

「シュナイゼル様、討伐軍が敗退したそうです」
カノンの報告にもシュナイゼルの表情は変わらなかった。
「ゼロの仕業かな……」
「はい。間違いないかと……。戦闘中にゼロからと思しき無線連絡が敵側にあった事をこちらもキャッチしております」
「ふむ……」
しばらく考え込むシュナイゼル。
その視線は、目の前のチェス盤を捕らえていた。
「……」
無言のままチェス盤にゆっくりと手を伸ばす。
そして、自らの陣営のキングを手に掴むとそれをゆっくりと手の上で弄ぶ。
「では、我々もキングを動かすとするか……」
その言葉を受け、無言で敬礼して部屋を出て行くカノン。
そう、戦いはまだ始まったばかりなのだ。
シュナイゼルの口が醜く狂気に歪む。
「楽しそうだね……」
ゆっくりと小柄な影がシュナイゼルに近づく。
「ええ、楽しいですよ。これも貴方のおかげだ」
その言葉に小柄の影が揺れる。
そう、笑っているのだ。
声を殺して……。

第20話 終了
 


次回 21話「ゼロ 対 ゼロ」に続く 

105:創る名無しに見る名無し
09/04/07 14:06:26 yRQYlb8t
以上で20話終了です。
支援していただいた方、本当にありがとうございます。

しかし…またお猿さんとダンスしてしまいました。
支援もらったのに……。
もう、勘弁してください。
もちっと間隔あけるべきなのかな……投下時間の…。

ふう、
長かった。
本当に長かった。
これで、これでやっと書きたかったエピソードが書ける。
もう書きたくて、書きたくてずーっと暖めていましたから……21話「ゼロ対ゼロ」は……。
まぁ、構想だけは頭の中でばっちし形になっていますから、後は、僕の文章力がどれだけ再現できるかにかかっていたりします。
えーっと……
………
……
がんばらせていただきますwwww
それしか今は言えない……。

まぁ、ともかく、このSSで少しでも皆さんが楽しんでいただければ幸いであります。
次は「わんこカレンシリーズ」か「マリアンヌシリーズ」あたりでお会いしましょう。
では~♪

106:創る名無しに見る名無し
09/04/07 14:14:47 ldJDiYvJ
乙です

107:創る名無しに見る名無し
09/04/07 18:14:42 +1Q19UvH
>>105
GJ乙!今回も面白かったです!

108:創る名無しに見る名無し
09/04/07 19:22:27 sJt/XK3E
>>105
あしっど・れいん卿、GJでした!
流石ナイトオブテン!
本編じゃあ瞬殺されていたけど、KMFの能力差が戦力の決定的差だっただけなんだね。
カレンの指揮のもと、士気の高い団員達。
しかし、援軍がありやっとこさ勝った――いや、引き分けたといった方が良いのかな? これは。
次回の展開も気になります。
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!

109:創る名無しに見る名無し
09/04/07 20:55:12 B0FgDr3v
>>105
あしっどれいん卿GJです。いよいよクライマックス突入という感じですね。
それぞれはどこに向かうのか…続きがとても気になるです。

110:創る名無しに見る名無し
09/04/07 22:42:25 6fT34DBy
>>105
今最も楽しみな連載の一つです。いつもおつかれさまです。

111:創る名無しに見る名無し
09/04/08 08:02:21 /+EWL+ge
酸性雨さんGJ!いつもいつもありがとうございます!

112:創る名無しに見る名無し
09/04/08 11:37:24 LiwruPsj
>>105
GJ!

113:創る名無しに見る名無し
09/04/08 20:35:20 /sEpbtrX
スレ違いとは思うけど、協力してもらえないだろうか……

携帯ゲー板より転載
URLリンク(www.tanomi.com)

ここで頑張れば、もしかしたら多少は続編に希望が持てたりしないかな?

114:創る名無しに見る名無し
09/04/09 00:30:53 a3xowFu9
>>113
続編か
正直待ちくたびれた感がある

115:創る名無しに見る名無し
09/04/09 11:04:06 msyLJnwE
>>79
POPPO卿GJ乙です!重厚なストーリーとオリジナルを違和感なく取り入れる筆力に
読んでいて震えが来そうです。これからも頑張ってください!
誤字発見 >>48
誤 なんとか巻いた
正 なんとか撒いた

116:創る名無しに見る名無し
09/04/09 12:10:27 LxaJ+DiN
>>79
POPPO卿、gj!

117:創る名無しに見る名無し
09/04/09 12:13:21 YVta+Lb6
便乗w
>>48
『…さぁって、コーネリア様の手見上げにゼロの首を持っていくとするか』
                  ↓
                 手土産

118:創る名無しに見る名無し
09/04/09 12:41:31 GaGsJzOx
えーっと、誰もいないようですので投下いたします。

どうも遅くなりました。
やっとこさ完成したので投下いたします。
まぁ、好き勝手に暴走しちゃってますけど、まぁ、気軽に楽しんでくだされば幸いです。

●タイトル 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第5話 ゼロの命令とあらば…
●カップリング 今のところ…マリアンヌ← ライ ←アーニャ (両思いが一つもない……
●ジャンル ラブコメ魔女っ子バトルストーリー(予)

●注意
パラレルワールドの為、キャラクターの設定等が大きく変わっています。ご注意ください。
 
・アーニャ・ 普通の人として今まで生活してきた為、あくまで普通の中学生。
      マリアンヌに寄生されてからは気苦労が耐えない日々を送っている。
      ついに、ライに恋している事を自覚する。アーニャの恋の行方はどうなる?
・マリアンヌ・ ブリタニアから"異形のもの"を封印する為にこの世界に来た魔法使い。 
       だが、単身ではこの世界に実体化出来ず、契約を交わしたものの身体を借りている。(寄生しているとも言う)
       契約したばかりという事もあり、力を出し切れていないようだ。また、回復者がいないという事も彼女の力を引き出せない原因になっている。
       現在、敗北感で引きこもり中。ニート・マリアンヌ状態。
・ライ・ ふとしたことからアーニャやマリアンヌと関わるようになった高校生。
    記憶喪失の為、3年以上前のことは覚えていない。マリアンヌの美しさに一目ぼれ中である。
    ついにC.Cと呼ばれる意識体の導きで、ギアスの力を取り戻す。
    どうやら、三年前の出来事に深く関わっているらしいのだが、その部分は思い出してはいない。
 ・ルルーシュ・ ライの親友でナナリーの兄。
・ナナリー・ ルルーシュの妹でアーニャの友達。 
      最近、アーニャの行動がおかしい事に疑問を抱いており、何も相談してくれない事に寂しさを感じている。
・ゼロ・ 黒尽くめの謎の仮面の男。秘密結社「黒の騎士団」を率いて何やら暗躍している様子。
     何やら計画を進めているようだが、その計画とは……。
・紅蓮・ ゼロの右腕として暗躍する黒の騎士団幹部の一人。本名はカレン。
・ラクシャータ・黒の騎士団の幹部の一人。騎士団随一の科学者で、科学・技術部門のトップ。




では、スタートします。


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