09/05/04 21:56:20 uX7I3ET6
ヒロインAが死んで10年後、なぜか彼女は吸血鬼となって帰って来た。
Aと相思相愛だった主人公だったが、
既に彼女を失った辛さを乗り越え、現恋人(B)とゴールイン直前’ただし足踏み中)という状況なうえに
復活した彼女の向けてくる好意の終着点が
「吸血鬼にしてあげるから永遠に一緒に暮らしましょう」というものなので
喜ぶに喜べない。
古典的かつベタな手段で撃退可能なAのアプローチ(吸血)を退けつつ、
Bおよび同僚知人の目からも逃げ回らなければならない(主人公が社会人、Aの見た目が高校生なので、絵面が非常にいかがわしい。)ドタバタした争いが続くが、
ふとした拍子によみがえる楽しかった頃の思い出、死別直後の苦しみ、
そして、屈託無く自分に襲い掛かるAの見かけの裏に隠された
ひとり死んでいかなければならなかった寂しさに触れるうちに
主人公の心も揺れ動きはじめる。(A←→B、過去の自分←→現在の自分間の葛藤。)
このままではAに対してもBに対しても、
そして自分自身に対しても後ろめたい思いを抱え続けることになると悟った主人公は
最終的に逃げ回ることをやめ、Aと正面から対決することを決意する。
死別する前に約束していた場所でのデートのあと、
Aから身を守る手段である十字架その他を放棄したうえで、
10年前にありえたかもしれない「別れ話」を切り出す主人公。
「これを許せないというなら血を吸え。今の自分を全部犠牲にして、永遠におまえの奴隷として生きる」。
Aは血を吸わず、主人公の元を去ってゆく。
10年前に中断された恋の決着を経て、Bのもとへと帰ってゆく主人公。
これまでどうしてもできなかったプロポーズをついに行うが、
Aの存在は、吸血鬼として永遠に生きる彼女自身と同様に
永遠に自分の中のちいさなトゲとして残り続けることも、彼にはもう分かっている。
終わり。