09/03/12 11:16:21 AaHeXIbK
そして、その均衡を破ったのは、マスクをかぶった野郎だった。
「紹介しておこう。私の右腕の『紅蓮』だ」
ぬけぬけとそう言ってマントを翻して去ろうとする。
「こらっ…待ちなさいよっ……」
そう言いかけたが、私の首筋に当てられた爪が皮膚に食い込み、黙るしかない。
だが、それで思い出したかのように仮面の野郎は振り返った。
「そうそう、言い忘れていたね。我が名はゼロ。覚えておきたまえ……。ふっははははははは」
憎たらしいほどの高笑い。
その笑い声が段々と小さくなっていく。
それにあわせるかのようにぼんやりと薄くなっていく奴の姿。
そして、声が消えたのと同時に掻き消すように奴の姿も消え、同時に私の後ろに立っていたものの気配も消える。
そこに残されたのは、私と静寂だけ。
くそっ…。くそぉーーーっ……。
私は、自分の不甲斐なさと怒りでどうにかなりそうだった。
こんな屈辱っ……。
ギリギリとかみ締めた歯が軋み、握り締めた拳が震える。
「マリアンヌ……」
心配そうなアーニャの声が遠慮がちに聞こえた。
だけど、今の私にはそれに答えてあげられる余裕はなかった。
「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第3話 我が名はゼロ
「ふむー、さすがは閃光のマリアンヌだな。契約したばかりだというのに、あんな術式を使ってくるとは……」
暗がりの部屋の中で、ゼロはさっきの術式で縛られた部分を手でさすりながら呟いた。
かなりきつかったのだろう。
言葉の節々には驚きが含まれているように聞こえる。
「ゼロ、お戯れは程々にしていただかないと困ります」
さっきまでの無表情とはうって変わって、心配そうな表情で駆け寄ろうとする紅蓮。
それを大丈夫だと手で制するゼロ。
「すまんな…。これも性分だと思ってくれ」
そう言って、苦笑を漏らす。
そして、紅蓮の顎に指を添えて囁いた。
「すまない、カレン。迷惑をかけて……」
その手を両手で包み込み、微笑みながら答える紅蓮、いやこの場合はカレンの方がいいだろうか…。
「迷惑なんて思った事は一度もないよ……」
473:簡単に書いてみた その3
09/03/12 11:17:06 AaHeXIbK
だが、そんな恋人同士の語らいのような甘い雰囲気を壊したのはいきなり入ってきた1つの映像連絡だった。
部屋にある大きなディスプレに映し出される女性の姿。
そして、ゼロに寄り添うようなカレンの姿を目に留めて、ニタリと笑う。
「あのさ~、立て込んでるとは思うんだけどさ~、いい?」
慌てて、ゼロから離れるカレン。
咳払いして、映像の方を向くゼロ。
「なんだ、ラクシャータ」
「あのさ……、本当に、アレぶつけるの?」
ラクシャータと呼ばれた女性は、細長い愛用のタバコパイプで自分の後ろにある培養液に満たされた巨大な筒を指した。
そこには、まるでこの世のものとは思えないグチャグチャとした異物が生かされている。
「ああ、そのつもりだ」
「でもさ、アレって…ランクSS相当だよ。いいの?」
そのラクシャータの言葉にゼロは笑いを漏らして答える。
「ふふふ……。魔女の力がどの程度かを見極めないと計算できないからな」
そして、暫く間をあけて言葉を続けた。
「それに……ギアス能力者が傍にいるとなるとそれぐらいは必要だろうしな」
だが、その言葉はまるで呟くような感じだった。
「あのさ、どうしたんだい?」
心配そうにライさんが顔を覗き込んでくる。
「う、ううんっ…なんでもないよっ」
わざと陽気に否定する。
だが、ライさんの寂しそうな表情が胸に痛い。
ライさんにあんな顔させたくない。
でも話せない。
マリアンヌの気持ちを考えるとどうしても口が重くなる。
あんな悔しそうなマリアンヌ……初めてだった。
どうしたらいいの……。
そんな私を気遣ってか、ライさんは私の手を握って励ましてくれる。
「わかったよ。今は話せないかもしれない。でも、どうしても苦しい時は、頼って欲しいんだ、アーニャ」
その言葉と手の温もりが私の心に響く。
マリアンヌ、貴方も感じているよね、ライさんのやさしい気持ち。
474:簡単に書いてみた その3
09/03/12 11:18:36 AaHeXIbK
ああ…、感じているよ、アーニャ。
私は答えなかったが、心の中でそう返答していた。
だが、そんな優しい雰囲気は、突然の乱入者によって壊された。
そう、異形のものの襲撃によって。
しかし、こんな近くに近づくまで判らないなんてどういう事?
そんな疑問が最初に湧いたが、今は考えている暇などない。
こいつを倒さないと……。
そう考えて、素早く戦いに向けてへの思考に切り替えるとアーニャから身体の支配権を受け取った。
変身し、ライくんを巻き込まないように敵を別の場所へと誘導する。
妖気からしてそれほどランクは高くないようだ。
せいぜいランクBぐらいか……。
なら、だらだらやるよりも一気に決める方が効率がいいだろう。
「アーニャ、一気に決めるわよ。いいっ?」
「うんっ。わかった」
敵の攻撃をかわしつつ、詠唱する。
「我、マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアが命ずる。我の心と共に歩むものの力を我が剣に宿らせ、光の輪廻へと切り捨てよ。ファン・ルーファー・イズシス」
そして、光の剣が完成すると一気に決着をつけるべく相手を切り捨てた。
「斬っ!!!」
光の一撃を受け、光に包まれていく異形のもの。
ふう。
たいした事なかったわね……やっぱり。
そう思った瞬間だった。
「あぶないっ……」
そのライくんの叫びに反応して無意識のうちに魔法防御壁を展開する。
すると完成と同時にびりびりという衝撃が防御壁を振るわせた。
間一髪……。
だが、それよりも私は目に映る光景に唖然としてしまう。
そこには、倒したはずの異形のものの姿があり、そして……私の必殺の一撃は、まったくと言っていいほどダメージを与えていなかったのだ。
「う、嘘っ……」
言葉に詰まる。
確かに、今の私の力は、条件が悪い為に通常の半分程度だ。
だが、リミッターを外し、契約者の力をも借りたあの攻撃はランクAでさえ一撃で倒す。
それなのに……。
嘘だ……。
そんな馬鹿な……。
こんなランクBにも満たないやつに……。
そう思った瞬間だった。
今まで抑えていた妖気を開放する異形のもの。
みるみる高濃度の妖気が回りに広がっていく。
そして私を包み込む妖気。
その妖気でわかった。
こいつ、ランクSSだ。
駄目だ……。
駄目だよ……。
今の私じゃ……勝てない。
私の膝から力が抜け、がくりと姿勢が崩れる。
そして、私は呆然とした表情でその場に力なく座り込んでしまっていた。
475:簡単に書いてみた その3
09/03/12 11:19:40 AaHeXIbK
「ふむ……。あの程度では呆けてもらっても困るのだがな」
少し離れた場所で戦いを見守るゼロ。
そして、その傍には紅蓮がいた。
「いかがなさいますか、ゼロ」
その自信に満ちた言葉からは、命令とあらば、すぐにでもあの異形のものを始末しますというニュアンスが含まれていた。
「いや、待て……。あのギアス能力者がどう出るか……。それを見極めたい。だからそれまでは手出しするな」
その言葉に、紅蓮は頷くと視線を戦いへと戻した。
彼女の目から見れば、敗北濃厚な戦いに……。
第参話 終了
次回予告
襲い掛かるランクSSの異形のもの。
その圧倒的な力の前にマリアンヌの傷ついた心が諦めへと染まっていく。
そして、何も出来ない自分に絶望するライ。
絶望が…諦めが…その場を支配した時、それはおこった。
次回 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第4話 ライが命じる… にご期待ください
476:簡単に書いてみた その3
09/03/12 11:22:16 AaHeXIbK
以上で第3話終了です。
普段なら、最後を決めて書き始めるのですが、このシリーズは決めてません。
さてさてどういう感じになるのかは、私自身もすごく楽しみです。
では、第4話でお会いしましょう。
477:創る名無しに見る名無し
09/03/12 17:36:19 veHNwspC
>>476
GJでした!
ゼロキターwww
そして紅蓮(カレン)にラクシャータ。
魔物? を創っているのか、それとも……
次回予告……ライがどうするのか気になる。
あと、ランクって何さ? という疑問を抱きつつ
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
478:創る名無しに見る名無し
09/03/12 19:31:02 jyB1t4KE
>>470
ナナリーの設定……誤字?
479:創る名無しに見る名無し
09/03/12 20:28:03 BIZJyTDH
a
480:創る名無しに見る名無し
09/03/12 23:46:30 wRfMr2Ys
>>476
実質オリキャラなのになぜこんなに面白いんだろう。
作者の力量を感じる。乙です。
481:創る名無しに見る名無し
09/03/13 19:02:08 1tRtB616
こんばんわ。
19時15分頃から投下いたします。
よろしくお願いいたします。
482:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:14:23 1tRtB616
そろそろ時間ですかね。
では・・投下したいと思います
さて、第4話です。
相変わらず、勝手に突っ走ってますが楽しんでいただいているでしょうか?
まぁ、気難しく考えずに読んで楽しんでいただければ幸いです。。
●タイトル 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第4話 ライが命じる…
●カップリング 今のところ…マリアンヌ←ライ←アーニャ
●ジャンル ラブコメ魔女っ子バトルストーリー(予)
●注意
パラレルワールドの為、キャラクターの設定等が大きく変わっています。ご注意ください。
・アーニャ・ 普通の人として今まで生活してきた為、あくまで普通の中学生。
マリアンヌに寄生されてからは気苦労が耐えない日々を送っている。
最近、親身なってくれるライが気になる様子。恋に恋するお年頃のようです。
・マリアンヌ・ ブリタニアから"異形のもの"を封印する為にこの世界に来た魔法使い。
だが、単身ではこの世界に実体化出来ず、契約を交わしたものの身体を借りている。(寄生しているとも言う)
現在、契約したばかりという事もあり、力を出し切れていないようだ。また、回復者がいないという事も彼女の力を引き出せない原因になっている。
・ライ・ ふとしたことからアーニャやマリアンヌと関わるようになった普通の高校生。
しかし、記憶喪失の為、3年以上前のことは覚えていない。マリアンヌの美しさに惹かれている。
・ルルーシュ・ ライの親友でナナリーの兄。
・ナナリー・ ルルーシュの妹でアーニャの友達。
最近、アーニャの行動がおかしい事に疑問を抱いており、何も相談してくれない事に寂しさを感じている。
・ゼロ・ 黒尽くめの仮面の男。ライの事をギアス能力者と呼び危険視する。秘密結社「黒の騎士団」を率いて何やら暗躍している様子。
・紅蓮・ ゼロの右腕として暗躍する黒の騎士団幹部の一人。本名はカレン。
・ラクシャータ・黒の騎士団の幹部の一人。騎士団随一の科学者で、科学・技術部門のトップ。
・ランクについて
簡単に言うと異形のものの強さの目安。Dからスタートして、最高はSSSまで。
だが、これ以上のものも存在しており、それらはランク外、或いはカテゴリーゼロと呼ばれ別扱いにされている。
では、スタートします。
483:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:16:01 1tRtB616
勝利を確信したのか、異形のものはゆっくりと私に近づいてくる。
だけど、それを呆然と見ているだけしか出来ない私。
なにが『閃光のマリアンヌ』よ。
ただの哀れな道化じゃないの。
自虐的な苦笑が漏れた。
「しっかりして!!」
アーニャの叫びが聞こえたが、私の心はその叫びでさえ動かなかった。
ただ、心を支配するのは、自分の惨めさ。
そして、恐怖……。
そう、初めて味わう死への恐怖が私の心をがんじがらめに縛りつけ、麻痺させてしまっていた。
私……。
ここで……死ぬんだ……。
諦めという甘い誘惑が心に染み込んでいく。
その甘美な味に、私はもう逆らえない気がした。
「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第4話 ライが命じる…
駄目だっ。
完全にマリアンヌさんは、戦意を喪失してしまっている。
このままじゃ……。
そう思った瞬間、僕は走り出していた。
させないっ。
させるものかっ。
絶対にマリアンヌさんは、死なせない。
僕が絶対に守る。
だが、彼女の傍に駆け寄ろうとした瞬間、異形のものの触手が僕を襲う。
鞭のように撓りながらの一撃。
奴にしてみれば、軽く牽制程度に振ったものなのかもしれない。
でも、それを受けて、僕は壁に叩きつけられた。
背中を思いっきり打ちつけ、一瞬息が止まる。
一気に身体中がガタガタになる感覚……。
いや本当にガタガタなんだろう。
再度立ち上がろうとしているのに身体は痙攣し、動こうとしなかった。
くそっ…、なんで僕は無力なんだ。
絶望が心を蝕んでいく。
くそっ、くそぉーーーっ。
そして……。
僕の意識は、絶望の中に沈み込んでいった。
484:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:18:18 1tRtB616
私達を庇おうと走り出したライさんが、吹き飛ばされるのが目に入る。
宙を舞い、壁に叩きつけられるライさん。
その瞬間、私は叫んでいた。
「い、いやぁぁーーーーーーーっ」
一気に体温が失われたように身体が、そして心が震える。
ライさんがぁ……。
私の大切な……ライさんがぁ……。
私の心が悲鳴を上げる。
いやだよぉ、こんなの……。
絶対に……。
絶対にいやだよぉーーっ。
そして、その絶叫を合図に私、アーニャ・アールストレイムの意識のブレーカーが落ちた。
僕は暗闇の中にいた。
ふわふわと漂うような感覚。
僕は死んだのか?
だが、その思いは、否定される。
「それくらいで死にはしないさ。特にお前はな……」
その女性の声に僕は聞き覚えがあった。
だけど、誰だったか思い出せない。
大切な人だったような気がする。
だけど、どうしても思い出そうとすると頭に激痛が走る。
「無理はするな……」
ぶっきらぼうだか優しさを含んだ声。
そして、その声は語りかける。
「お前はどうしたい?」
その言葉と同時に視界が開け、目に入るのはマリアンヌさんに迫る異形のものの姿。
「僕は……」
その光景から目が離せない。
「僕は、あの人を守りたい」
「いいのか?危険な目にあうのだぞ。死ぬかもしれないのだぞ」
確かに声の言うとおりだろう。
だけど、僕は……。
そう、僕はそれでも……。
「それでも、僕はあの人を守りたい。彼女の支えになりたいんだ」
485:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:19:47 1tRtB616
その僕の言葉にくすりと微笑が返される。
「ふっ、男の顔をするようになったな、坊や。三年前とは違うということか……」
「えっ?三年前?!どういう……」
その言葉に僕は混乱する。
そう、僕は3年前、半年間の記憶を失っている。
その記憶がない時の事をこの声の主は知っているのだろうか……。
だが、そんな混乱する僕を無視して、声は喋り続ける。
「いいだろう。記憶は無理だが三年前に封印したお前の力を開放しょう。偉大なる王の力を……」
「力?!そんなもの……僕には……」
「いいや…。お前はもう持っている。ただ、使い方を忘れただけだ」
その言葉と同時に、まるで女性に抱きしめられて包み込まれるような感覚が僕を襲う。
ああ…、なんて安心できる心地よさなんだ。
「思い出せ…、ライ」
混乱していた僕の心がだんだんと落ち着いていく。
そして、心の中に浮かび上がる光。
そうか…。
そうだよ。
僕はその光を知っている。
そう、僕の持っている力……。
ギアスの力を……。
「そうだ。お前の力だ」
声が優しくそう囁く。
「うん、わかるよ、C.C」
僕は、無意識のうちにそう答えていた。
そして、一瞬、僕の頭の中に、緑色のロングヘアの女性の姿が浮かぶ。
その女性は、僕を見て微笑んでいた。
「ふむ。ここまでのようだな」
ゼロが、無意識のうちに落胆したような声を漏らす。
あのギアス能力者が何かすると思ったのだがな。
それとも、まだ完全に覚醒していないのか?
どちらにしても、まだあの魔女には生きて駒として動いてもらわなければならない。
「紅蓮、すまないが……」
そう言った瞬間だった。
壁に叩きつけられ倒れた男がゆっくりと立ち上がる。
そして異形のものを見て叫んだ。
「ライが命じる……」
男の顔が狂気で歪んだようにゼロには見えた。
「異形のものよ、お前は………死ね!!」
男の声が辺りに響く。
そして、自らを切りつけ、血反吐を吐きながら崩れ落ちる異形のもの。
「あれはっ……『絶対遵守』の力かっ…」
驚いたような声がゼロの口から漏れる。
そして、しばしの沈黙の後、彼は呟いた。
「そうかっ、そういう事かっ。やつは、三年前の……」
「ゼロ……」
恐る恐る紅蓮が声をかけるが、まるで聞こえていない様子だ。
「いいぞ。いいぞぉ……。これで……うまくいく。うまくいくぞっ。あははははははは……」
まるで何かに取り付かれたかのようにただ笑い続けるゼロ。
それを驚き、ただ見ている事しか紅蓮には出来なかった。
486:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:20:52 1tRtB616
「あれ?私……」
気が付くと見知らぬ部屋のベッドに寝かされていた。
きょろきょろと周りを見渡しているとドアが開いた。
「よかった。気が付いたね」
そう言って入ってきたのは、ライさん。
「あっ……えっと……」
どういうことなの?
私達、異形のものと戦っていたんじゃ……。
状況把握が出来なくてきょとんとしてしまう私。
そんな私の疑問や混乱がわかったのだろう。
ライさんは、優しい微笑と一緒に状況を説明してくれた。
どうやら私が気を失った瞬間、マリアンヌの変身が解けで本来の私に戻ったらしい。
そして、私を学校の健康管理室に運び込んで、汗を拭く為にタオルを濡らして戻ってきたら私が目覚めていたという事らしかった。
そうなんだ……。
その説明に納得しかけて、やっと私は大事な事を思い出す。
そういえば、異形のものはっ……。
その事を思い出し、私は慌てて起き上がろうとした。
しっかりかけられていたシーツがめくれる。
そして目に入ったのは大きく開らかれた自分の胸元だった。
「えっ?!」
きっちりボタン上までしてネクタイつけていたのに…。
そして、ライさんと目が合う。
真っ赤になって慌てて横を向くライさん。
その瞬間、私は悲鳴を上げていた。
「きゃーーーーーっ」
真っ赤になって慌ててシーツで胸元を隠す。
「な、なんで……」
「ご、ごめん……。苦しそうだったから…少し外したんだ……」
胸が激しく動悸し、ますます恥ずかしくなる。
「み、見ました?」
その問いに慌てて即答するライさん。
「み、見てないよっ。白のキャミソールなんて…」
あー…。
正直すぎるライさんの言葉。
それって見たっていう事じゃないですかっ。
でも、それを聞いて沸き起こったのは、怒りではなかった。
そう、私は呆れかえって笑い出していたのだ。
もう本当にライさんってしょうがないんだから……。
でも、ライさんなら……いいかな。
そんな気持ちさえしてしまう。
いきなり笑い出した私をきょとんとした顔で見ているライさん。
そして、その様子にますます笑ってしまう私。
ああ、そういう事なんだ。
笑いながら私は湧き上がる感情に気が付いた。
私、ライさんの事……好き…なんだ。
487:簡単に書いてみた その4 ◆M21AkfQGck
09/03/13 19:21:55 1tRtB616
そこは周りが黒に塗りつぶされたような空間だった。
その中で、私はまるで迷子の子供の様にただ泣きじゃくっていた。
たすけて……。
必死に助けを呼ぶが、その声は、闇の中に響くだけ。
アーニャっ……。
ライくんっ……。
必死に名前を呼ぶ。
だけど返事は返ってこない。
いやだ…。
一人はもう嫌だよぉ……。
だれか……たすけてよぉ……。
私はただ一人泣き続けた。
暗い暗い闇の中……ただ一人で……。
そして、彼女は呟いた。
シャルル……もう嫌だ。
帰りたい……。
帰りたいよぉ……。
第四話 終了
次回予告 (アーニャ)
あの戦いの後、マリアンヌは心の中に閉じこもったままだった。
そんな彼女に私は何が出来るの?
私は、どうすればいいの?
迷う私を心配してくれるライさん。
だけど、ライさんの傍には、女性の姿が……。
次回 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第5話 ゼロの命令とあらば… にご期待ください。
488:創る名無しに見る名無し
09/03/13 19:23:19 1tRtB616
以上で4話終了です。
まず、謝らなきゃいけません。
前回、第3話の前ふりの中にある設定に大きなミスが。
すみません。ナナリーはルルーシュの妹です。
何で気が付かなかったんだろう。
指摘され、初めて気が付きました。
本当にお恥ずかしい。
まぁ、そんな馬鹿みたいなミスしたりとうっかり者ですが、これからもよろしくお願いいたします。
また、設定とか知りたい方は、感想とかと一緒に書いてもらったらお答えしたいと思います。
もっとも言える部分と言えない部分がありますけど……。
では次回5話でまたお会いいたしましょう。
489:488です。
09/03/13 19:30:10 1tRtB616
すみません。
482の説明でライの部分で間違っている箇所があります。
(またやったよ。すみません。古い方の設定コピぺしてしまった)
正
↓
・ライ・ ふとしたことからアーニャやマリアンヌと関わるようになった普通の高校生。
しかし、3年前、半年間の記憶を失っている。マリアンヌの美しさに惹かれている。
490:創る名無しに見る名無し
09/03/13 20:35:53 mDDhnAGp
>>488
GJでした!
異形のもの+記憶喪失のライ……くとぅるふチックなかんじ。 C.C.がイスの偉大なる種族っぽい。 ……っと、本題からハズレてた。
異形のもの強ッ!
マリアンヌ→ライ→アーニャと次々とやられていって、ライの意識下にC.C.登場!
絶対遵守、やっぱり反則気味だなぁ……
それにしてもゼロの目的はなんなんだろうか。
マリアンヌがこもりきり……変身できなくなるのかな?
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
491:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:27:46 YH1JjJ2Q
ssの代理投下したいのですが、容量が60KBを超えているので37スレに投下できません。
私はスレの立て方がよく分からないので、誰か次のスレ立てお願いします。
492:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:33:33 WUUcIWOI
では私が試みてみます。暫くお待ちください。
493:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:38:17 mDDhnAGp
>>491
次スレが立ってもまだ48KB程容量が残っているので
こちらに限界まで投下してから次スレに移った方がいいと私は思います。
494:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:39:23 E35NcNpL
もうここ埋めたほうがいいの?
また全部埋めろとか言われそうな
495:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:40:59 WUUcIWOI
建てました
コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ38
スレリンク(mitemite板)
496:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:50:18 WUUcIWOI
>>494
取り敢えず大きなものは次スレに投下してもらって、このスレは納まるものを投下でいいんじゃないでしょうか。
497:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:53:48 YH1JjJ2Q
了解しました。
支援お願いします。
POPPOさんがアク禁をくらってしまったらしいので、回ってきたデータをそのまま
投下します。
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」
TURN00 「終わる日常」 (後編2)
TURN00 「終わる日常」 (後編3)
2人のオリジナルキャラクター、3機のナイトメアフレームの設定資料を投下します。
498:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:54:02 CI84fX/y
ちょっとばかし質問が。
此処ってライが登場するSS限定?
セシル×ロイドなSSがあるんですが~(ロスカラやってる最中に何となく思い付いたので気持ちはロスカラSS)
大丈夫そうなら埋めついでに投下しようかと思っております。
499:創る名無しに見る名無し
09/03/13 21:59:26 WUUcIWOI
>>497
了解、支援はおまかせあれ。
500:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:04:42 mDDhnAGp
支援
>>497
後編2をこちら、後編3と設定を次スレ
ぐらいでいいんじゃないかな?
それぞれ何KBかは分かんないけど
501:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:07:06 WUUcIWOI
>>500
確かに…。可能ならそれがベストかな
502:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:14:00 YH1JjJ2Q
了解です。
ssを投下したことがないので、至らない部分もあると思いますが今から投下します。
503:代理投下
09/03/13 22:16:33 YH1JjJ2Q
青い月だった。
空は暗く、月の明かりと静寂だけが世界を支配していた。
淡く仄かな光だけが窓から差し込んでいる。
アッシュフォード学園の女子寮。その一室に私たちはいた。
窓の淵には秘蔵のピュアモルトウイスキーのボトルが置いてあり、もう半分も残っていない。叔父様が敷地に持っている酒蔵からくすねてきたもので、本国から持ってきた最後の一本。
それを今日、開けた。
だって明日は私にとって『運命の日』なんですもの。
兄の仇をとる決行の日。
そんな前夜に開けずに、いつ開けますか!
時刻は既に深夜を回っていた。
グラスを口につけた。
最初は、大人が何でこんなものを好んで飲むのか分らなかったけど、飲み続けているといつの間にか自ら進んで飲んでいる。
こういうものなのかしら?アルコールって。
「リリーシャ。飲み過ぎなんじゃない?」
向かい側の椅子に座っている少年から声が聞こえた。月に照らされる彼は、どこか神秘的な雰囲気がある。
まあ、本当に神秘的な存在なんだけど…
「…まあ、今日はね。そういうX.X.だって結構飲んでるじゃない」
「すっごく美味しいからね。これ。ついつい飲んじゃうんだ」
「でしょ?叔父様のお墨付きなんだから。それに、家族そろってこの銘柄が好きなのよね。
遺伝かしら?」
そう言って、私は少年に微笑みかけた。
突然、風が窓から流れ込んで純白のカーテンを靡かせた。
風が肌に吹き付け、私とX.X.の髪を揺らす。
窓を中心にして左右対称に椅子を向き合わせて、私たちは椅子に腰かけていた。
「ねえ。アンジェリナちゃん、起きちゃうんじゃない?窓閉めようか?」
「アンなら大丈夫よ。一度目を閉じたら、いくら騒いだって起きないから」
「そうなんだ。じゃあ安心だね」
「ええ。だから呼んだのよ。夜遅くに子供を部屋に呼んで飲酒してるなんてバレたら、即、本国に還されるわ」
「僕は子供じゃないんだけどなぁ」
首をかしげながら、X.X.は苦笑していた。
そうはいっても、グラスに入っている飲み物がウイスキーでなければ、子供にしか見えない。
底をついたグラスにウイスキーを注ぎ足した。
わたし、この時の『トクッ、トクッ』っていう音が好き。
「X.X.がイケるクチなんて、すごく意外だったわ」
「そうかい?伊達に長生きしてないからね。僕は」
「うふ。それもそうね。だって私たち人類の大先輩だもんね」
どちらともなく、お互いに微笑みあった。
子供である私が、大人ぶった態度で大人ぶった一時を味わってみる。
そんな時間が私は大好きだった。
「乾杯しましょ。私たちの未来に」
「うんっ。乾杯」
私たちはグラスを合わせて、小さな音を立てた。
504:代理投下
09/03/13 22:17:44 YH1JjJ2Q
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」
TURN00 「終わる日常」 (後編2)
そんな夢を、私は見ていた。
私は目を開く。
ぼやける視界には白い天井と、見覚えのある顔。
茶髪のショートカットに赤い瞳。黄色に近い素肌。
その顔からは大粒の涙がこぼれていた。
「…………ノエル?ここは?」
周囲を見回した。
私はベッドに寝ていて、カーテンで周囲を遮られている。このカーテンの白い色に見覚えがあった。
一番窓際のベッドで、ノエルの後ろには真っ暗な光景が広がっていた。
どうやら夜らしい。
廊下のほうから騒がしい足音が聞こえるあたり、日が暮れてから時間は経っていない。
「アッシュフォードの保健室だよぉ…やっと起きた……よかったぁ」
泣いているノエルの目元には大きなクマが出来ていた。
涙をぼろぼろと零しながら、ノエルは言葉を紡ぐ。
「リリーシャが正門の前で倒れてたのを、見つけて、私が、ここまで、運んできたんだよぉ…うぐっ、ぐすっ…二日も目を覚まさないから…えぐっ、わたし、わたし…」
「……え?」
…正門の前で倒れてた?私が?
朦朧とする意識の中、私は記憶を探った。
確か、隠れ家に逃げこんで、ずっと閉じこもってて、食事もろくにしなかった。
トイレ以外、ベッドから一歩も動かなくて、何もしたくなくて、体中が死ぬほど痛くて…
一度、頭に血が上って証拠隠滅も兼ねてパソコンを床に叩きつけて…
バッグもデスクも散らかしたままで。
それからしばらくして、部屋に音がして、銃を撃って、
それから…
『悪魔』の笑顔が脳裏に蘇る。
瞬く間に記憶が鮮明になり、全身に怖気が走った。
「―――――――ッ!!!」
私は悲鳴にならない声を上げた。
「だ、駄目っ!リリィ!急に体を動かしちゃ!全身怪我してるんだから!」
起き上がろうとして、体中に激痛が駆け巡る。
覚ましたばからの脳に直接電気を打ち込まれような感覚が襲う。
「――――ンッ!―――あ、あああっ!かっ、はっ…」
無意識に胸を抑える。
まともに呼吸が出来ない。
苦しい。
ノエルが優しい手つきで背中をさすってくれる。
胃から込み上げる嘔吐感を両手で押さえつつ、私は徐々に呼吸を整えていった。
「ほらっ。水をお飲みなさい。貴女、脱水症状ですってね」
私の口にコップを当てて、少しずつ口に運んでくれた。
コクコクと、乾ききった喉に生ぬるい水が沁み渡っていく。
コップにある全ての水を飲み干して、深呼吸を繰り返して、心身ともに落ち着かせた。
505:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:17:59 WUUcIWOI
支援
506:代理投下
09/03/13 22:19:00 YH1JjJ2Q
その時、両腕に包帯が巻かれているのに気づいた。黄色のパジャマの袖に隠れていて見えなかった。
顔に手をそっと当ててみる。湿布のようなものが左頬に貼られていて、指の所々には絆創膏が貼られている。
体を少し動かすだけでも痛みが走る。
首に痛みが走らない程度に動かして、薄目で周囲を見回した。
右側には涙の跡が色濃く残っている親友、ノエル・パッフェンバウアーが椅子に座っている。
そして、左側には…
「……ヘンリエット?」
「…今ごろ気付いたのですか?貴女は」
先程まで、心配そうな顔で私を見つめていたのに、私の言葉で気分を害したのか、急に顔を顰めて鼻を鳴らし、腕を組んだ。
彼女は私とノエルと同じクラスメイトの一人であり、絵に描いたような傲慢稚気なお嬢様。
淡い紫色の瞳に、同じ色をした綺麗な長髪。透き通るような素肌に豊満な胸をお持ちである抜群のスタイルの持ち主。
性格さえ矯正すれば中等部のトップアイドルになりうる素質を持つ美少女である。
ヘンリエット・T・イーズデイル。
いつも私をライバル視していて、会話をするたびにギスギスしてしまう同級生。
私の目の前に、意外な人物がいた。
「……なぜ貴女が、ここに?」
「…私がここにいちゃ悪いかしら?」
不機嫌な顔を露わにして、ヘンリエットは言葉を発する。
反射的に両手を振ろうとしたが、腕を少し動かしただけでも痛いので、不自然に体をビクッと震わせただけだった。
「い、いえっ。そんなことは無いわ。…ただ、見舞いに来てくれるとは、思ってなかったから」
「私がお見舞いに来ることが、そんなに意外?」
となりでノエルがうんうん、と首を縦に振っている。
「…いえ、とてもありがたいわ」
私は精一杯の笑顔で返した。
「…………そう」
腕を組んだまま、黙り込むヘンリエットだった。
彼女を見ていて、ふと感じた違和感を口にする。
507:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:19:24 WUUcIWOI
支援
508:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:20:34 mDDhnAGp
支援
509:代理投下
09/03/13 22:21:10 YH1JjJ2Q
「ギプスは?肩は、もう大丈夫なの?」
今さら何を言っているんだ、私は、と思う。
私が彼女を痛めつけた張本人なのに。
本当のことを話しても信じてくれそうもないけど、彼女には後ろめたい気持ちがある。
「…先々週からつけていませんよ?貴女、最後に学校に顔を出したのはいつ?」
「22日前…」
「……呆れてものが言えませんね」
「ご、ごめんなさい」
なぜかヘンリエットは目を見開いていた。
ん?私、何か変なこと言ったかしら?
そして、ノエルがヘンリットに目配りをしている。
そのコンタクトはなに?っていうか、ノエルってヘンリエットと仲良かったっけ?
「あっ、あのっ、リリーシャさん…」
「え?何かしら?」
「実は貴女に、謝りに来たんです…」
「……はい?」
「あの時は、その、言い過ぎたといいますか…私も、色々と当たってしまって…今さらなのですが、…申し訳ありませんでしたっ!」
そう言うと彼女は恐縮した態度で頭を下げた。
今度は私のほうが目を見開いた。
あのヘンリエットが頭を下げるなんて…
おそらく、本国の両親に叱咤でもされたのだろう。子ども同士の小競り合いでも貴族にとっては不仲の火種になりかねない。
特に同じ爵位を持つ貴族同士は出土が異なろうと、縦の繋がりだけは無く、横の交友関係も大切だ。貴族にとって人の繋がりは命である。
だからこそ、貴族はこのような些細な出来事でも敏感に反応し対処を怠らない。
大きな失敗も、多くの場合は元を辿れば小さな事柄から派生していることを鑑みれば、当然の対応であるが…
510:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:21:25 WUUcIWOI
支援
511:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:21:35 mDDhnAGp
支援!
512:代理投下
09/03/13 22:22:06 YH1JjJ2Q
まだぎこちない態度でも彼女なりの精一杯の謝罪をしていた。
だから、こっちも誠意を返す。
「気にしなくていいわ。ヘンリエット…貴女が私に言ってた事は全部、本当のことだから」
しかし、
その言葉に、ヘンリエットは心底驚いた顔をした。
彼女だけは無い。反対側にいるノエルすら驚いている。
ちょっと待って。
何でびっくりするのよ?
「…リリーシャ」
「…貴女」
そうと思いきや、今度は悲痛そうな表情に変わる。
ますますワケがわからない。
「ちょっと、二人ともどうしたのよ?私、何か変なこと言った?」
「いや…そういうこと、じゃなくて、さ」
「……アンジェリナさんの件、聞きましたわ」
私は、息を飲んだ。
「……やっぱり、知ってたんだ。だから、リリィは学校をとび出したんだろ?」
「…え?」
「え?じゃありません!!ノエルがどのくらい貴女のことを心配していたか!?少しは分ってて!?」
「ちょ、ちょっとヘンリエット!やめなよ!」
「貴女ねぇ…いくら頭が良くても、テロに巻き込まれたらどうなるかお分かりでしょう!?あれほどの騒乱を一人でどうにかできるとでも思って!?思いあがるのも大概にしなさい!!」
唾を飛ばしながら、私の胸倉を掴み上げた。
痛みに体が悲鳴を上げていたが、声を出さずにそれを甘んじて受け入れた。
ヘンリエットの言っている事は正しい。
テロ行為の前では武器を持たない少女なんて無力だ。
そんなことは分っている。
彼女たちは、「事件を知った私はアンを助け出そうとして、騒乱に巻き込まれて帰ってきた」と思っているらしい。
私の性格と状況証拠から判断すると、誰だってそう解釈するだろう。
しかし、実際は違う。
私が、このリリーシャ・ゴットバルトがその事件の黒幕なのだ。
2か月前から準備をして、ギアスを用いて引き起こした大事件。
それに、私は式典にアンがいることを知らなかった。その日、アンは寮で自習をすると言っていた。
だが、奇妙な偶然が重なり、アンは式典へと足を運んで、鬼頭が用意した爆弾に巻き込まれて、
命を落とした。
それが真実だ。
513:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:22:25 mDDhnAGp
支援……
514:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:22:40 WUUcIWOI
支援
515:代理投下
09/03/13 22:22:49 YH1JjJ2Q
「うん……ごめんなさい。ヘンリエット。ノエル」
私がそう言うと、ヘンリエットは手を放した。
私はしわくちゃになった黄色のパジャマの襟元を戻していく。
まだ怒っているヘンリエットに、心を覆い隠したまま、笑顔で返した。
誰にも、これを悟られるわけにはいかない。
私の罪を知ったら、この娘たちに迷惑がかかるだけだ。
それだけは絶対イヤだ。
「心配してくれてありがとう。ヘンリエット。貴女、とっても優しいのね」
「なっ!?」
突然、顔を赤らめて慌てはじめる彼女。
「べっ、別に貴女が心配というわけじゃ、ただ、貴女を心配するノエルが不憫に思えて仕方なかっただけですわ!それだけよっ!」
鼻を鳴らして私から目を逸らす彼女。
…ははぁ。
落ち着いて話してみると、彼女の性格がよく解った。
優しいのに、気持ちを伝えるのが不器用なんだ。この娘。
「でも、お見舞いに来てくれた事は本当にありがとう。とても嬉しかったわ」
私は彼女にお礼の言葉を述べた。
「……そう」
こういう人には、ストレートな言い方が一番効果がある。
ヘンリエットの反応に、何だか意地悪心が芽生え始める私。
(この娘、結構面白いかも…)
その時、保健室のドアをノックする音が聞こえた。
この保健室には何故か私たちだけしかいなかった。席を立とうとしたノエルをヘンリエットが制す。
「私が見てきますわ。ノエルさんもリリーシャさんの看病でお疲れでしょう?」
「えっ?私が見てく…」
「人の好意は素直に受取っておくものよ?」
そう言って、ご機嫌な様子が隠せてない顔でカーテンを潜っていった。
二人きりになった時、私はノエルに疑問をぶつけてみた。
「ねえ、なんで私、保健室にいるわけ?体の包帯、誰がやったの?」
「医者。一昨日、医者が学園にいた時にリリーシャが帰ってきたから、本当に幸運だったんだ。病院は何処も満席で、ベッドが足りないらしいよ」
「納得。…ところでさ、ノエル。いつの間にヘンリエットを仲良くなったの?」
「ふふん?それはね~、ヘンリーって実は…」
それ以上、私はノエルの話を聞くことができなかった。
なぜなら、
「リリーシャ!!一体どういうことっ!!?」
カーテンを乱暴に開くと、凄い剣幕で私の胸倉を掴み上げてきたからだ。
「!!ヘンリッ、い、いたいいたいたいたい!」
激痛が全身に走る。
私、重度の筋肉痛なんだって!それに所々擦り傷があるし!ホントに痛いのよ!
さっきまでの和やかな雰囲気は何処へっ!!?
「貴女に会いたいって、ライ先輩がお見えになってるわよっ!!」
その言葉に、私は凍りついた。
516:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:23:09 mDDhnAGp
支援!!
517:代理投下
09/03/13 22:23:36 YH1JjJ2Q
「うん……ごめんなさい。ヘンリエット。ノエル」
私がそう言うと、ヘンリエットは手を放した。
私はしわくちゃになった黄色のパジャマの襟元を戻していく。
まだ怒っているヘンリエットに、心を覆い隠したまま、笑顔で返した。
誰にも、これを悟られるわけにはいかない。
私の罪を知ったら、この娘たちに迷惑がかかるだけだ。
それだけは絶対イヤだ。
「心配してくれてありがとう。ヘンリエット。貴女、とっても優しいのね」
「なっ!?」
突然、顔を赤らめて慌てはじめる彼女。
「べっ、別に貴女が心配というわけじゃ、ただ、貴女を心配するノエルが不憫に思えて仕方なかっただけですわ!それだけよっ!」
鼻を鳴らして私から目を逸らす彼女。
…ははぁ。
落ち着いて話してみると、彼女の性格がよく解った。
優しいのに、気持ちを伝えるのが不器用なんだ。この娘。
「でも、お見舞いに来てくれた事は本当にありがとう。とても嬉しかったわ」
私は彼女にお礼の言葉を述べた。
「……そう」
こういう人には、ストレートな言い方が一番効果がある。
ヘンリエットの反応に、何だか意地悪心が芽生え始める私。
(この娘、結構面白いかも…)
その時、保健室のドアをノックする音が聞こえた。
この保健室には何故か私たちだけしかいなかった。席を立とうとしたノエルをヘンリエットが制す。
「私が見てきますわ。ノエルさんもリリーシャさんの看病でお疲れでしょう?」
「えっ?私が見てく…」
「人の好意は素直に受取っておくものよ?」
そう言って、ご機嫌な様子が隠せてない顔でカーテンを潜っていった。
二人きりになった時、私はノエルに疑問をぶつけてみた。
「ねえ、なんで私、保健室にいるわけ?体の包帯、誰がやったの?」
「医者。一昨日、医者が学園にいた時にリリーシャが帰ってきたから、本当に幸運だったんだ。病院は何処も満席で、ベッドが足りないらしいよ」
「納得。…ところでさ、ノエル。いつの間にヘンリエットを仲良くなったの?」
「ふふん?それはね~、ヘンリーって実は…」
それ以上、私はノエルの話を聞くことができなかった。
なぜなら、
「リリーシャ!!一体どういうことっ!!?」
カーテンを乱暴に開くと、凄い剣幕で私の胸倉を掴み上げてきたからだ。
「!!ヘンリッ、い、いたいいたいたいたい!」
激痛が全身に走る。
私、重度の筋肉痛なんだって!それに所々擦り傷があるし!ホントに痛いのよ!
さっきまでの和やかな雰囲気は何処へっ!!?
「貴女に会いたいって、ライ先輩がお見えになってるわよっ!!」
その言葉に、私は凍りついた。
518:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:24:32 mDDhnAGp
支援!
519:代理投下
09/03/13 22:26:13 YH1JjJ2Q
同時刻。
メジロゲットー。
既に日は暮れ、夜になっていた。
黒の騎士団の前線部隊が周辺を占拠していた。十機あまりの月下とその倍以上の無頼が配備されている。
周囲には物々しい雰囲気が漂っていた。
夜は冷えることもあって、たき火の周りに黒のジャケットを着た男たちが屯っている。
たき火を囲み、休憩を取っている見張り役は配給されたお吸い物を口にしていた。
「またブリタニアと戦争することになるとはな。まあ、いつかこうなるとは思ったが…」
「なあ、行政特区はどうなったんだ?」
「馬鹿野郎!もうお終いだよ!あの裏切り皇女め。ゼロを撃ちやがって!死んで当然だ!」
「ここの指揮官、奥さんがやられちまったらしいぜ」
「…ひでぇ。ブリキ野郎。どこまでも腐ってやがる」
「ゼロは軍人だけだと言ってたが、邪魔をするなら民間人も容赦しねえぜ」
「当ったり前だ。あんなやつら、片っ端から…って、ん?」
団員の一人が、空で光るものを見つけた。
星にしては大きすぎる。
団員が双眼鏡で『それ』を確認した。
それを見るなり、顔が蒼白になる。
「!?あ、あれはっ!」
「あ?一体どうした?」
ドォン!!
爆発した。
粉塵を舞い上げて、コンクリートが深く抉り取られた。
大きな爆音と共に彼らは吹き飛ばされた。
周辺に警告音が鳴り、多くの団員が動き出した。
それを上空五〇〇メートルから確認する一機のナイトメアがいた。
両腕に装備された大型ガトリングが火を噴く。
ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!
パイロットは、モニターでロックオンされたナイトメアや倉庫に容赦なく口径1213mmベネディクト弾を撃ち込んでいく。
着弾地点から次々と火の手が上がった。
KMFが空を飛べると飛べないとでは、戦力的に天を地の差がある。
一方的な虐殺に、そのナイトメアのパイロットは納得いかなかった。
このような戦術は彼女のスタンスではない。
口径1213mmベネディクト弾の雨を終わる頃には、倉庫や施設は全て崩壊していた。
520:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:26:28 WUUcIWOI
支援
521:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:26:32 mDDhnAGp
支援
522:代理投下
09/03/13 22:28:07 YH1JjJ2Q
「私は遠距離から攻撃は嫌いなんだよなぁ…」
モニターに残存する多数のナイトメアの熱源反応を感知する。
それを見たパイロットは思わず、笑みに口元を歪めた。
「だから!」
瞬時に右手でパスワードを打ち込んだ。
ガチャッという音と共に、両腕に装備されていた大型ガトリングがパージされる。
そして、背中に備え付けられていた、ナイトメアの全長の2倍はあろうかという複雑な形状をした巨大ランスを両腕に持ちかえた。
そのまま、多数のナイトメアが集結している敵陣の中心に猛スピードで突進する。
爆風を周囲にまき散らしながら、自ら境地へと降り立った。
『緑色のグロースター?』
『いや、違う!巨大な槍とあの機体は、まさか!!』
突然現れたKMFに周囲の人々は目を見張った。
外形はグロースターを緑にカラーリングしたような機体。
しかし、所々の部位がグロースターとは異なっていて、全体的なシルエットはグロースターのよう重厚感では無く、ランスロットのような機動性を重視した印象を受ける。
特に胸部の形がグロースターと大きく異なっていた。
金色の槍のようにとがっていて、嘴のように展開した奥には大型のファクトスフィアが顔を覗かせている。
背中にはフロートシステムに漆黒のマント。
明らかに量産機ではない専用機体。一人のパイロットがそのKMFの名を口にした。
『まさか、べディヴィエール!?』
『ははっ!ご名答おお!!』
そう、ブリタニアの騎士ならば誰もが憧れ、畏怖する存在。皇帝直属の騎士、ナイトオブラウンズの一角が目の前にいる。
『マリアンヌの再来と謳われる、『あの』!?』
『ラウンズがこんな辺境にいるわけ無えだろ!一斉にかかれ!相手はたったの一機だ!』
驚愕の叫びと共に襲いかかってくる幾多のナイトメア。
523:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:28:40 mDDhnAGp
全力で支援!
524:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:29:01 WUUcIWOI
支援
525:代理投下
09/03/13 22:29:18 YH1JjJ2Q
それを見たノネットは声を荒げる。
『やっぱこうでなくっちゃなあ!騎士の戦いというものは!!』
ランスに備え付けられた4つのスラッシュハーケンが4機の月下を捕らえた。
その大槍を何なく振り回し、振り回される月下が周りにいる無頼に次々と激突する。
まるでカーニバルのようにナイトメアは円を描きながら振り回されていた。
それだけではない。
バババババババババババッ!!
ランスの中心が回転し、槍に装備されているバルカンが火を噴いた。槍の先には無数の弾丸が飛び交う。
被弾したナイトメアは黒煙を上げて沈黙する。
スラッシュハーケンが『べディヴィエール』の手元へ引き戻され、4機のナイトメア
が宙に舞う。
ランスの先端の回転数が更に増し、コーン状のブレイズルミナスを形成した。それだけでは留まらず、ブレイズルミナスの槍はさらに伸びる。
そして、一列に並んだ4機のナイトメアのコクピットを串刺しにした。
4機のナイトメアを串刺しにしても、ブレイズルミナスコーンの先端は4機目のコクピットから突き出している。
それを肩手だけで持ち上げる剛腕のKMF。
そのまま、『ベディヴィエール』はランスの先端に最後の一機を捉えた。
亡き骸を貫いたまま、『ベディヴィエール』はフロートシステムを展開し、黒いマントを靡かせながら最後の1機に突進していった。
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
抵抗も空しく、その無頼改は貫かれた。
しかし、べディヴィエールの勢いは止まることなく突進を続け、後方にある倉庫に激突した。
ドォォォオオオン!!!
5機のナイトメアは爆発し、倉庫を巻き込んで周囲に爆炎が吹き荒れた。
通常、サクラダイトの爆発に巻き込まれたナイトメアは同等の被害をこうむる。
多くは誘爆、良くて戦闘不能の大破。
しかし、燃え盛る炎の中にいた緑色のKMFは傷一つ負ってはいなかった。
槍を中心に、べディヴィエールの全身をカバーできるほどの六角形のブレイズルミナスが展開されている。
最大の攻撃力と最高の防御力を備えた巨大ランス。
それがこのKMFの唯一の矛にして、盾。
周囲は火の海だった。
一瞬で20機近くのナイトメアは撃墜され、攻撃開始からわずか数十秒でこの一帯の戦力は皆無と化した。
周辺にいた黒の騎士団の団員も灼熱の炎に身を焼かれ、絶命している。
526:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:30:11 mDDhnAGp
支援
527:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:30:34 WUUcIWOI
支援
528:代理投下
09/03/13 22:30:58 YH1JjJ2Q
コクピット内にいる凄腕のパイロット、ノネット・エニアグラムは大きなため息をついた。
戦闘終了後、すぐに通信が入った。
「まったく手応えが無い。これではつまらん」
モニター画面に映っている開発主任は、苦笑しながら言葉を返す。
『ノネット様。『ゲイボルグ』の調子は如何でしたか?』
「ああ。悪くない。突貫作業、感謝するよ。短期間でよくここまでやってくれた」
『勿体なきお言葉です。連中もその言葉だけで疲れも癒えましょう』
「いや、お前たちには本当にすまないと思っている。ロシア戦線に続いて疲労も溜まっているだろう。ここが済んだらたっぷりと休暇を与えてやる。それまで楽しみに待ってろ」
『はははっ。本当にお優しい方です、ノネット様は。優秀な上司を持つ我々は果報者ですな』
「あはっはっはっはっ!お前は人を持ち上げるのが上手いなあ!」
『私は本心を述べたまでですよ』
「私が優秀な上司かぁ?ならこの『べディヴィエール』を駆動系がいかれるまで使ってやろうか?お前らの休暇を短くしてやる」
『…開発者として嬉しいのですが、それだけはご勘弁を』
「なはっはっはっはっ!本当に正直だな、お前は」
豪快な大笑いを返した後、ノネットは再び操縦桿を握りしめた。
「よし!私はこれで帰還する。『ゲイボルグ』の肩慣らしは済んだしな。コーネリア様に伝えておいてくれ。決戦では噂に聞く『ゼロの双璧』とやらを相手にさせろ、とな」
『イエス、マイロード』
この日、メジロゲットーにある黒の騎士団の中継基地は一分足らずで壊滅した。
たった一機のナイトメアによって。
だが、その事実が黒の騎士団の本部に通達されること無かった。
駐屯していた連絡員も一人残らず殺されていたからだ。
もしこの時、『彼ら』がナイトオブラウンズの存在を知っていれば、未来は変わっていたのかもしれない…
529:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:31:20 mDDhnAGp
支援!
530:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:31:38 WUUcIWOI
支援
531:代理投下
09/03/13 22:32:53 YH1JjJ2Q
私はノエルとヘンリエットを退出させた。
幸いにもこの部屋で休んでいるのは私だけだった。
窓際のカーテンを閉めて夜空を覆い隠し、そのままライ先輩は立ったまま私を見降ろしていた。
笑顔が印象的なライ先輩の顔に、一切の表情が無かった。
それを見ただけでも、あの光景が嘘ではなかった事を切に訴えている。
ライ先輩の口が薄く開く。
「お友達は、いいのかな?」
第一声はそんな気遣いの言葉。
ひどく意外だった。
「ええ。それに、私の友人たちの前で話せる話でもないでしょう?」
「……君ひとりで、あの事件を引き起こしたっていうのか?」
「………それが何か?」
出来るだけ平然とした表情を取り繕った。
内心は驚愕にうち震えながらも、そんなことは表情に一切出さなかった。
幸い、声も上ずっていない。
「心配しなくてもいいですよ。誰にも話してしません」
「…そうか。それは、助かった」
「それで、要件は何です?私を殺しにきたんですか?」
「…だったら、どうする?」
ライ先輩の眼光が急に鋭くなった。
怖気がした。
冷たい。
冷たすぎる。
人間の目じゃない。
気付くと、無意識に震える体を抑えていた。
手に力が篭もる。
腕に食い込む爪が少し痛い。
「…私の命は先輩にあげます。…焼くなり煮るなり、好きにして構いませんよ……できれば、ひと思いに殺してほしいですけど」
その言葉にライ先輩は目を見開いていた。
私の発言が大層意外だったのだろう。
532:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:33:10 l1qIXJkw
sienn
533:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:33:33 mDDhnAGp
支援
534:代理投下
09/03/13 22:33:42 YH1JjJ2Q
「…それは、友達を、失ってしまったから?」
「っ!!!」
そこまでっ、私の事を!!
……隠しても無駄か。
…ここは、素直に答えておくべきだろう。
「…ええ。そうです。…今さらなんですけどね……怖くなったんです」
私はライ先輩から目を逸らした。
夜の景色が見られなくて少し困る。
でも、ライ先輩の行動は正しい。尋問する時、窓が無い個室で行うのは閉鎖的な圧迫感だけではなく、質問に全ての注意を向けさせるための手段でもある。
その上、カーテンには模様も無くて面白みが無い。
目がとまる場所が無かった。ライ先輩の美形を間近に見られるというのに、今は全然嬉しくない。
「…君に聞きたいことがたくさんある。正直に、答えてくれるかな?」
「……ええ、でも、一つ条件があります」
「…何だい?」
「先に私の質問にも答えてほしいんです。勿論、嘘偽りなくですけど」
「…答えられる範囲であれば、いいよ」
ライ先輩は私が何を質問するか分っていないと見える。
おそらく、ゼロの正体が誰かと、もう一度問い詰めるようなことはしないとは分っているようだ。
さっきのやりとりでも何となく私と同じくらいの思考力があることは理解できた。
そうでなければ、学生と黒の騎士団の幹部を両立するなんて出来るわけがない。
私は頬笑みを浮かべながら、爆弾を落とした。
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア…」
ほんの一瞬だが、ライ先輩の目が見開いた。
「……やっぱり、そうなんですね。隠さなくても結構ですよ。先輩。今の反応で分かりました」
先輩は口を噤んでいた。
肯定と受け取っていいだろう。
うまく不意打ちをかけられたことに私は内心で微笑んでいた。
「本当に王子様だったんだ。先輩は」
「なぜ、分かった?」
「ルルーシュ先輩がゼロって分かって色々考えてたんです。そしたら昔、兄が言っていたことを思い出して。実は、結構前から思ってたんですけど…」
「…驚いたな」
「なぜ、ゼロがブリタニアに歯向かうのか。ゼロの正体を知ったら誰だって気付きます。
…だから、『王の力』を持ってたんですか。納得です」
「……ギアス、か」
今度は私のほうが驚いた。
まさか、知っているなんて…
535:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:34:01 WUUcIWOI
支援
536:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:34:06 1tRtB616
しえん
537:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:34:19 l1qIXJkw
支援するー
538:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:35:49 slP58YDJ
支援
539:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:36:01 1tRtB616
しえん
540:代理投下
09/03/13 22:36:37 YH1JjJ2Q
「…先輩も知ってたんですか?それを知ってて、私の前にのこのこ現れたんですか?随分と不用心ですね」
「用心しているからこそ、ここに来たんだ。今、アッシュフォード学園は避難民で一杯だ。その上、警備のために軍人も出入りしている。そんな状況下で殺人なんて出来るはずが無い。
特に、君の能力ではね」
「…へぇ。私のギアス能力、分かってるんですか?」
「人の身体を操るギアス。操る為にはその人間を視認し続けなければならない。操作できる人間は一人…そして、あの異常な身体能力は自分自身にかけていた。違うかな?」
言葉を失ってしまう。
何故か、思わず笑ってしまった。
「…うはは、く、くっはっはっはっ…うはは、うふふ。…驚きましたね。全部正解ですよ。まさか、あんなに少ない情報で的確に当ててくるなんて…すごいですね。ライ先輩」
「…素直に答えるんだな」
「さっき約束したでしょ?私、約束破るの大っ嫌いなんです」
そんな私を見ても、ライ先輩は眉一つ動かさない。
微笑んでいるイメージが強いだけに、とても不気味に感じる。
わたしは再度、ライ先輩に微笑みかけた。
「警戒しなくとも大丈夫ですよ。私はもう、ギアスを使えませんから…」
また反応があった。少し怪訝な表情をしている。
そんな顔も絵になるわね。ライ先輩って。
「…無くなったんです。もう」
「ギアスを、失った?」
「はい。私の願いは、もう叶わなくてもいいので…ギアスは無くちゃったんです」
目覚めた時から妙な違和感があった。
何かが抜け落ちているような感覚。それが『ギアス』だと、すぐに気付いた。
実際、ライ先輩を見た時、即座にギアスをかけようとしたのだか全く反応が無かった。
だから、確信した。
あの時、X.X.は私の能力を奪った。
X.X.からしてみれば、貸していた『力』を返してもらったに過ぎないだろう。
彼の願いは私が叶えた。
私は願いを叶えなくていいと思った。
当然の帰結だ。
前後の記憶が曖昧なのだが、おそらくその副作用だと思う。
「私にギアスはありません。『王の力』なんて、庶民の私が持つべきものじゃないんです」
ライ先輩の青い瞳を見つめた。
何か吸い込まれそうな深い眼だ。
「分かってるでしょう?私の動機も、罪も」
「…罰を受けたいのか。君は」
「……そうですよ?悪いですか?」
やっぱり、先輩は頭の回転がすごく早い。私が喋る言葉を想定して、口に出す言葉を選んでいる。
もしかしたら、私以上かもしれない。
話しているだけでここまで感じるなんて、相当凄い。
541:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:37:01 WUUcIWOI
支援
542:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:37:52 l1qIXJkw
しえんしえん
543:代理投下
09/03/13 22:38:45 YH1JjJ2Q
私の話を聞いて、ライ先輩は腕を組んで、何か考え込むような顔をした。
…何を考えてるのかしら?
唐突に先輩が私に言葉を返してくる。
「なあ、君は僕に『命をあげる』といったよね?」
「…ええ」
「じゃあ、僕が君の命を預かる。だから…」
…だから?
「黒の騎士団に入ってくれないか?」
「――――――――――――――――――は?」
私は今度こそ呆気にとられた。
おそらく表情も取り繕えていない。
開いた口が塞がらないって、まさにこうゆうことを言うのだろうか。
「…何を言ってるんです?気でも触れましたか?」
「いや、僕は正気だ」
「……私が何をしたか、わかって言ってるんですよね?」
「そうだ」
「私は、貴方たちを、日本を陥れたんですよ?」
「知ってる」
「…兄の、兄の仇を取る為に、ゼロを殺そうとして…それだけじゃなくて、黒の騎士団を壊滅させる為に、ブリタニアと戦争させようとしたんですよ!?」
「知ってるさ」
「な、なにを!!それが…『だから!!!』
私の大声はライ先輩の声に遮られた。
柔和な容姿からは想像できないほどの力強い声で。
「だから、僕が君の命を奪う代わりに、僕たちの仲間になってくれ」
私はワケが分らなかった。だから、ライ先輩の話を最後まで聞くしかなかった。
初めてだ。この私が、話の主旨が掴めないなんて。
「君はとても優秀な人間だ。事をなせる力がある。
だから、今から起こる事を、戦争で犠牲になるかもしれない人たちを、
一人でも多くの命を救ってほしい。
それが、君にはできる。いや、しなければならないはずだ」
「それが罰、ですか?」
「いや、僕からのお願いだよ」
そういってライ先輩は微笑んだ。
綺麗な銀色の髪、男とは思えないほどの透き通った白い肌。一目見たら忘れられないほどの端麗な容姿。澄みきった青い瞳。
その姿は一枚の絵のようだった。
(な、何を考えてるの?この人。分からない、分からない!)
「それとね。罪は消えるものじゃない。償うものなんだよ」
私の鼓動はそこで止まった。
544:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:39:01 WUUcIWOI
支援
545:代理投下
09/03/13 22:39:48 YH1JjJ2Q
その言葉に、私は頭に血が上った。
思わず拳を握り締める。
私に、この私に…諭した。
安っぽい、一般論で。
ありったけの声を張り上げた。
「…ライ先輩に、そんなことが言えるんですか!?黒の騎士団の幹部の貴方が!テロリストが!そんな綺麗事を吐いて私に説教ですか!?」
「…そして、罪は背負うものなんだ。罪は消えない。いくら、償おうが、一生消えることは無いんだ」
「っ!!知ってます!そんなこと!そんな単純な事!罪は何をしても消えないってことくらい!!」
思い切り、拳をベッドに叩きつけた。
手を振り上げるだけでも痛かったが、それでも腹の虫が収まらないっ!
ふざけるなふざけるなふざけるな!!
私が黒の騎士団の仲間に!?醜いテロリストになって助けろって!?
確かに私は黒の騎士団を窮地に追い詰めた。
だから、私は助けろっていうの!
…分かってる。分かってるけど、私は、私はブリタニア人で、由緒正しい、ゴットバルト家の人間で…
私は…わたしはっ!!
546:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:40:19 WUUcIWOI
支援
547:代理投下
09/03/13 22:41:21 YH1JjJ2Q
次の瞬間、私の手に温かな感触が伝わった。
「!?」
ライ先輩の手が私の左手を握っていた。
そして、ポケットから取り出したものを私に握らせる。
金属の手触り。
それを見た私の目は見開いた。
「これは、君が持っておくべきだ」
思わず、声を上げてしまった。
「えっ…!ど、どうして…これをっ!?」
そう、それは銀色の十字架のネックレス。
私のお気に入りで、アンからプレゼントされたもので。
アンの手に握らせたはずの、私が置いてきたはずのネックレスで…
「アンジェリナさんのお母さんから預かってきたんだ。君が彼女を看取った事、知ってたみたいだよ」
「!?な、なんで!!」
「そのペンダント。お母さんと一緒に買いに行ったらしい。だから、握られているペンダントを見て、気付いたんだと思う」
「え、へ…う、うそ…」
「…お母さんから、伝言を頼まれてるんだ」
「最期まで傍にいてくれて、ありがとう。って」
「―――――え?」
息が止まる。
時間が止まる。
言葉が出なかった。
氷の刃が私の胸を突き刺したように、体中に冷たい血が走る。
頭の中が真っ白になった。
――――――――――――――――アリガトウ?
―――ナゼ?私ガ感謝サレルノ?
「失ってしまった命の為に自分ができること、それを自分で考えて、自分で行動するんだ。そして、嘘を本当にしてしまうことだって、できる…」
「!?」
息を飲んだ。
いつの間にか、ライ先輩は私の手を放していた。
両手には、銀色のペンダント。
先輩は私を見下ろしていた。
ライ先輩の顔が見えない。いや、見る事が出来なかった。
なぜか、とても怖くて…
548:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:41:57 WUUcIWOI
支援
549:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:42:50 l1qIXJkw
しえんですよ
550:代理投下
09/03/13 22:43:20 YH1JjJ2Q
重い静寂が漂う。
「先輩…私、思うんです」
先輩は何も答えない。
でも、私は話を続ける。
「輪の中に入れない人々。存在してはいけない人々。そういう人たちはその烙印を背負って、必死に生きていきます。
ルルーシュ先輩も、黒の騎士団に参加している人々も、そういう人たちだと思うんです。
でも、私は、生きてちゃいけない人間はやっぱりひっそりと死んだほうがいいって思うんです。それが一番、迷惑がかからないと思いませんか?
そして、私は大罪人。私も、存在しちゃいけない人間…
だから…」
「それでも…」
「君は、僕たちは、生きてるだろう?」
…すごく、深い響きを持った言葉だった。
ライ先輩の制服の背中が、少し寂しく見えた。
今だから分かる。
まさか、この人も…
「ライ先輩は……失ったんですか?大切なものを…」
「もう、随分と昔のことだよ。でも、今も、大切なものがあるから」
…そうなんだ。だから、分かるんだ。私の気持ちが。
罪の重さが、償いが、その存在が…
かけがえのないものの、本当の大切さが…
その後、長い沈黙が続いた。
私もライ先輩も何も喋らなかった。
ライ先輩は私と目を合わせないし、私は私でカーテンについているシミを何度も数えたりしていた。
…重い。
「…ねえ、先輩。こんなことを聞くのは野暮だと思うんですけど…」
「何かな?」
「カレン先輩と付き合ってるんですか?」
551:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:43:40 WUUcIWOI
支援
552:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:44:16 l1qIXJkw
しぇん
553:代理投下
09/03/13 22:44:41 YH1JjJ2Q
「…うん」
「カレン先輩はライ先輩が黒の騎士団の一員であるとこを、知ってるんですか?」
「…うん。知ってる」
「っ!…そう、なんですか」
「黒の騎士団とカレンを選べと言われたら、僕は迷わずカレンを選ぶ。そのくらい好きさ」
そう言って、ライ先輩は私に断言した。
大きくて、力強い声ではなく、いつものように優しい口調だった。
だから、それが本当のことだと分かる。
当たり前だと言わんばかりに…
「ちょっと、恥ずかしいセリフだったかな?」
「いえ、とっても素敵です。ライ先輩。そんなこと言われたら、女の子は誰だって嬉しいですよ」
「…ありがとう。リリーシャ」
「!?」
ライ先輩は、初めて、私の名前を呼んだ。
…先輩。優しすぎます。貴方は。
テロリストに、向いていないんじゃないですか?
でも、多くの死を、人間の醜い部分をたくさん見てきたから、優しいのかな?
先輩の優しさは、罪が生み出した償いの一つなのかな?
「先輩…」
「ん?何だい」
「さっきの話…少し考えさせて下さい。…色々と、整理がついていないんで…」
「分かった。リリーシャの体も大丈夫じゃないみたいだからね。…僕としては、良い返事を待ってるよ」
554:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:45:14 WUUcIWOI
支援
555:代理投下
09/03/13 22:47:39 YH1JjJ2Q
ドアが閉まる音が聞こえて、先輩は保健室を出ていった。
私は手元にあるペンダントを見た。
銀色の十字架のペンダント。アンの形見。
血は付いていなかった。
ただ、何となく、重みを感じる。
感傷に浸っていると、大きな音を立ててドアが開いた。
二人がやってきた。
カーテンを乱暴に開けて、ノエルとヘンリエットが私に問い詰めてきた。
ノエルは興味深々といった顔で。
…ヘンリエットの目が血走ってるのは何でだろう?
「さぁって、リリーシャ・ゴットバルト。きっーぃちりと説明してもらぁいますわよぉ…」
ちょっと、顔が近いって。
それに、怖いんだけど、その目。
「これを、渡しに来てくたんだって…」
私は両手にあったペンダントを見せた。
昔、私が落としたところを見て、拾ったのに渡す機会が無くて、たまたま今日、訪れたという話をでっち上げた。
ライ先輩の裏の顔を知って、危うく口封じされるところでした、なんて言えるわけがない。
「落としてしまったのを偶然拾ってもらったんだぁ…いいなぁ。うらやましいな。ライ先輩になんて…」
「…………そういう、ことでしたの」
ねぇ、どうしたの?ヘンリエット。
急に黙り込んで…
なぜか、首を何回も縦に振って、一人で納得していた。
何を?
…ヘンリエットの手元から甘い匂いが周囲に漂ってきた。
私はそれに目を向ける。
『チャワン』を呼ばれる黒い陶器の中にある白いものから湯気が立っている。
「あっ、実はこれ、ヘンリーが作ったんだよ!オカユ!」
「…オカユ?」
「『おかゆ』といって、イレブン、いや、『ニポンジーン』でしたわね。一人の従者が、私が風邪で寝込んでいる時に作ってくれましたの。それがとっても美味しくって…」
そう言って、スプーンで『オカユ』を掬った。
フーフー息をかけて、私の口元へと運んできた。
「お水みたいで、お腹に優しいんですのよ。…ちょっと熱いから、私が冷ましてあげます。ほら、お食べなさい。貴女も病みつきなりますから…」
「うん!私も勧めるよ。リリーシャ。本当にウマいんだから!あっ、それ、ライスだからね」
「…ノエルが言うなら」
私はそれを口に運んだ。水のような音を立てた。
じんわりと口に広がる。
塩味が効いて、少ししょっぱかった。
美味しい…
冷え切った心と体に、その温かさが伝わっていった。
…本当に温かいなぁ。
ノエル、ヘンリエット、貴女たちって、こんな私でも迎え入れてくれるのね。
こんな、こんな、どうしようもない、私を…心配してくれて…
急に視界がぼやけてきた。
556:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:47:48 WUUcIWOI
支援
557:代理投下
09/03/13 22:48:24 YH1JjJ2Q
「ねえ?美味しいでしょ?」
あったかい。
とっても、あったかい。
「……う、うん。お、おいひ…ううう…」
…あれ?…あれ?……私…な、んで…
「ありが…う、ううう、あああああん!!あああああああん!!」
私は二人に抱きついて、大粒の涙を零し始めた。
彼女たちの温かさに、私の冷え切った心の氷河が、音を立てて崩れていった。
「ちょ、リリィ!?」
「…泣くほど、美味しかった?…うふふっ!!嬉しいわ!リリーシャ!」
少し、しょっぱくて、味が薄かったけど、とても美味しかった。
涙で、前が全然見えなかった。
二人は、私を抱きしめてくれた。
本当に優しくて、温かい、
私の、大切な友達。
558:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:48:41 WUUcIWOI
支援
559:代理投下
09/03/13 22:50:14 YH1JjJ2Q
私が派手に泣きはらした後、急にお腹が減って、ヘンリエットが作ってくれた『オカユ』
をすべて平らげてしまった。
彼女たちの分もあったのだが、私に分けてくれた。
まあ、大半は私が食べちゃたんだけど、これって何杯もいける。
美味しいというより、食べやすいわ、これ。
ミネラルウォーターを飲み終えて、私たちは色々と話していた。
ここ2日の出来事を教えてくれた。
あとで、ヘンリエットが二日分の新聞を持ってきてくれるらしい。
男の子の話題が挙がったとき、私は彼女たちが知らない新事実を教えてやった。
「ライ先輩とカレン先輩。付き合ってるって」
「え!?やっぱり!?」
「私の感覚では、相当深い関係よ。このままいけば結婚しちゃうくらい…」
「うっそ………それ、マジでヤバいんだけど。ファンクラブ、解散?」
「…間違いなくね」
「リリーシャがそこまで言うなんて…じゃあ、まず間違いないわね」
…あれ?ヘンリエット。どうしたの?
世界に絶望したような顔して。
ノエルの方を見ると、「あちゃー…」とか言いたそうな顔をしていた。
彼女が落としそうになった『チャワン』を私は支えた。
「そ、そんな…ライ様が、そんな、そんなあああっ!!!」
いきなりの悲鳴にビビる私。
落ち着きを少し取り戻したところで私は恐る恐る訪ねてみた。
私、知らなかった。
「……ヘンリエット。まさか…」
「…そうだよ。ヘンリエットはライ派のファンクラブの副会長だよ?一目惚れして……」
ヘンリエットの顔面蒼白ぶりに、その話が真実であることを如実に表していた。
それにしても、あれはだいぶ入れ込んでいるなぁ……
…色んな意味で罪作りな人ですね。ライ先輩。
「ヘンリエット。良い事教えてあげる」
「な、何です!?」
ちょっと、唾を飛ばさないでよ。
今の顔、男子には見せられないわね。
教えてあげるわ。今の貴女には毒か薬かは分からないけど…
「ライ先輩は本当に素敵な人だよ。ヘンリエットたちが思ってるより、ずっと、ずっと…」
560:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:50:58 WUUcIWOI
支援
561:代理投下
09/03/13 22:54:20 YH1JjJ2Q
多くの支援、ありがとうございます。
コードギアス LOST COLORS
「反逆のルルーシュ。覇道のライ」
TURN00 「終わる日常」 (後編2)
これで終わりです。
後編3は次のスレに投下します。次の話をやたらと容量が多いので出来れば引き続き支援をお願いします。
562:創る名無しに見る名無し
09/03/13 22:55:25 l1qIXJkw
おつかれさまでした~
引き続き向こうの方で支援しますよぅ
563:創る名無しに見る名無し
09/03/13 23:08:00 mDDhnAGp
>>561
代理投下乙!
そして、POPPO卿、GJでした!
貴方のSSに俺が泣いた!
後半ヤバい、読んでてモニターぼやけてきた。
すっごく面白い、物凄くグッときた。
しかし >1213mmベネディクト弾 1メートル越えの弾、パネェ。
……本当に凄いわ、これ。
貴公の次の投下も全力を挙げて支援します!
564:創る名無しに見る名無し
09/03/14 13:57:39 3RGRKMXi
埋めるか?
565:創る名無しに見る名無し
09/03/14 16:33:15 RL2NuWYq
埋めついでに、点呼とらないか?
過疎ってるとか言われてるけど、正直どの程度人がいるか気になる。
なので・・・
イチーー!
566:創る名無しに見る名無し
09/03/14 16:50:55 BxvT5Yq+
2get
567:創る名無しに見る名無し
09/03/14 16:52:26 5aGW76lS
サンダー!
568:創る名無しに見る名無し
09/03/14 17:28:28 FxKe9/CL
4人目の適格者
569:創る名無しに見る名無し
09/03/14 18:01:30 qSETsMLr
誤診ですた
570:創る名無しに見る名無し
09/03/14 18:38:43 m12RwEaz
六人目、と
571:創る名無しに見る名無し
09/03/14 18:57:19 jV4a0kEL
七がセブン!
すなわちジーベンこそがチーでした。
572:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:02:34 grERl194
ナイトオブエイト
573:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:03:47 TMp/Nvzt
ナインのノネット
574:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:07:08 isJn12O/
十人目の吸血鬼
575:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:14:27 3o3qmdAG
ナイトオブイレブン
576:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:20:59 jFnRC9A2
ナイトオブトゥエルブ、モニカで~っす!
577:創る名無しに見る名無し
09/03/14 19:24:56 4pOysj9k
ゴルゴ13
以外に人多いな
578:創る名無しに見る名無し
09/03/14 21:23:45 c5AcbfTx
14だぎゃー
579:創る名無しに見る名無し
09/03/14 22:48:06 cKX0py+C
15だ・ぜ
580:創る名無しに見る名無し
09/03/14 22:50:59 FBAWJxy3
16だ
581:創る名無しに見る名無し
09/03/14 22:59:13 +mF7jt+p
大鉄人17
582:創る名無しに見る名無し
09/03/14 23:23:29 K7kj2iuW
18っと
583:創る名無しに見る名無し
09/03/15 00:26:28 VBBk0GvA
19
584:創る名無しに見る名無し
09/03/15 11:35:39 a23iptVk
埋め
585:創る名無しに見る名無し
09/03/15 11:39:57 a23iptVk
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なぎはらえー |:|\\:::::||.:.||::::://| /イ
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__ ィ ,. -―- 、 |:|:二二二二二二二 !// /
/ ∟/ \. |:l///||.:.|l\\\|/ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./ / / l l l lハ |:|//:::::||.:.||:::::\\l /
ト、 ,.  ̄ ̄Τ 弋tァ― `ー / l从 |メ|_l l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄ | イ
ヽ \__∠ -―く __ .Z¨¨\ N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\| / / | / !
ヽ ∠____vvV____ヽ < ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐ . \ / / \ / l
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\! | / 入_.V/| >-ヘ \:::∨::∧ ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ / / / l. l
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入ノ. ヽ く ヽ______7 ー―∠__ 〃 l :/ :l l \V ヽ \ ,. '´
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\ ヽ /`ー「と_し^´ | | } ム-‐' / / \_/ / / ヘ \
ヽ _>-ヶ--∧_} ノ j /` 7 ̄ ̄ ̄{ (  ̄ ̄`ー‐^ーく_〉 .ト、_>
', / 人__/ .ィ {__ノ`ー' ヽ 人 \__ { } |
V 人__/ / | /  ̄{ ̄ >‐ ァ-、 \ 〉ー} j
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<ヽ__ /し / < )__ \ _r‐く___/ / < ) \ {__ノ /
Y__>一' / ___r―、_\ >' `ー' ,. ´ >.、 \__ノ {
∠二)―、 `ー‐┐ ∠ ∠_r‐--― <__ ∠ )__ \_
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