09/02/25 01:42:14 GM52K8O6
>>287
東方クロスが一瞬東方モモタロスに読めた
つーわけで電王でちょろっと
大昔から魔法の森に生えている一本の大木。この木には三人の光の妖精が住んでいることで有名である。
だが、今この彼女らの棲家とも言えるこの木に異変が起きていた……
その異変に気づいたのは、同じく魔法の森を拠点とする普通の魔法使いの少女。
興味を引くものは無いか、箒に乗り空からいつもの風景を眺めていた、そこで見つけたのだ。
大木に、とても理不尽な装飾が施されていることに。どう考えても妖精の仕業ではない装飾が。
その理不尽極まりない装飾……人間に、魔法使いの少女は躊躇うことなく接近する。
「どうだ? この大木から眺める景色は?」
何をするかと思えば世間話である。助けようという考えは少女には無いらしく、状況を楽しんで見ているとも取れる。
だが大木の小さな装飾となった人間もまた、自分のおかれている状況に気づいていないのか普通に返している。
「前に似たような経験あるからね……けど、見慣れない景色だけど、ここどこ?」
その一言で、少女はこの人間……青年の正体を大まかに掴んだ。
いまやこの辺りの名物となりつつある「外の世界」からの迷子である、と。
「その質問に答える前に……今自分が置かれている状況を考えたほうがいいと思うぜ」
おおよそ少女らしくないぶっきらぼうな言い草に面食らいながらも、青年は自分の周囲を見渡す。だがそれがまずかった。
「およぉぉぉぉぉぉぉ!?」
落ちた。青年は大木の上からまっさかさまに。助けるそぶりを見せなかった少女も、流石に目の前で
人間がつぶれたトマトになってはかなわないらしく、箒で追いかけて捕まえた……が。
「ちょっ、私の手じゃなくて……箒……掴んでくれよ……ッ!!」
「そんな事……言ったって……!!」
箒がどういう原理で飛んでいるかはさておき、少女の力では青年を引き上げるのは至難の業であった。
見た目弱弱しそうな青年ではあるものの、それでも少女にとってはとても重たい対象である。
体重全部を引き上げるのは困難を極めた。だからこそ、この結果も安易に想像出来た。
つるっ
「「あ」」
ドスン
落ちた。地面に。大木から直撃するよりはましな位置からだが、それでも地面にたたき付けられた事に変わりは無い。
怪我……は少女の位置からは確認出来ないが、つぶれたトマトは免れたようである。
「いたたた……今日もついてない部類に入る日だね、これは」
落ちたにもかかわらず青年は落ち着いていた。まるで場慣れしているかのように。
むしろ、この木の居住者である妖精達の方が驚きを隠せずにいた。
人間が降って来たという異変に。
東方俺参上
序符「始まりはいつも突然に」