08/10/12 01:39:37 jbP4OMmk
「seimeitai」
空中15m、30805ビルがソイールたちのオフィスであった。
昼休みということで、めいめいにデスクで食事を摂っていた。
「デイジー、食べすぎだ。メタボ解消の遺伝子は高い。」
ソイールの3倍の炭水化物パックを両手に持ったデイジーの横を通る際に、ソイールはため息ともつかぬ一言を言った。
「ソイール、キミはいつでも数値で表されることばかりを重んじている。だがしかしな、この炭水化物パックを食すことで僕がどれだけ癒されているか、知ってるか?
癒しの時間、これが僕にとっての昼休みなんだ。キミの癒しは何だ、ソイール?」
一言言えば返事も3倍か・・と思いながらソイールは右手を振って「好きにしろよ」の合図をした。このオフィスでの「外出先に行ってよし」の合図である。
デイジーはソイールより二期先に入社したいわば先輩である。デイジーの上下を意識しない性格のお陰で、ソイールは随分とこのオフィスに早く馴染むことができた。
ソイールはデイジーのことを慕っていた。それゆえについつい食べすぎのことにまで口を出してしまうのだった。
先輩であるデイジーは普段仕事のことであれやこれやと指示することに、まっすぐ答えてくるソイールを気に入っていた。
食べ過ぎのことに言及してきたとしても気にならないほど、弟のように思っているのかもしれない。
メタボ解消遺伝子は、デイジーの収入の半分くらいを占める金額であった。