他に行き場所の無い作品を投稿するスレat MITEMITE
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ - 暇つぶし2ch350:創る名無しに見る名無し
09/02/11 15:41:09 PgksbIkH
>>348
正統派軍物って感じだなー
投下してみたらいいのに

351:創る名無しに見る名無し
09/02/11 17:17:34 rYpHIDyM
>>350
正統派かなあ?戦争してないけど・・・
軍事・学園風味が薄いのとWWⅡ関係が皆無に等しいと思ったので自重した

なんにせよ、見てくれてありがとうございます

352:創る名無しに見る名無し
09/02/12 14:35:23 KqMoHS/H
>>348
確かにあのスレとは微妙に趣旨は違う気もするけど、
これはこれで続きを(あるなら)読んでみたいな
大人の女性二人のキャラが好き

353:創る名無しに見る名無し
09/02/15 03:16:39 TDBd2tm1
地図
URLリンク(www6.uploader.jp)
URLリンク(www6.uploader.jp)

354:創る名無しに見る名無し
09/02/15 03:19:13 6QQaVIiS
男やたらかっけぇなーと思ったらオチがwwwwww

355:創る名無しに見る名無し
09/02/15 03:21:44 PfYfn+fJ
論調のダイナミックさに南さんちの次女を連想したwwwなんとダメな大学生かww

356:創る名無しに見る名無し
09/02/18 23:01:24 2l7ikQKx
百日滔々
URLリンク(www6.uploader.jp)

357:創る名無しに見る名無し
09/02/18 23:12:31 Q5MzeN49
zipとな

358:創る名無しに見る名無し
09/02/18 23:19:34 Q5MzeN49
なるほど万華鏡状態の画像詰め合わせですか。これは綺麗

以下チラ裏
zipだとウイルスやグロ張る人もいるので、
できれば内容の概要を記載しておいて欲しいです。
なんか仮想マシン経由でアクセスしたりとか、つい身構えてしまいますw

359:創る名無しに見る名無し
09/02/18 23:21:31 2l7ikQKx
すいません、lzhの方が良かったでしょうか?
内容は約10MB分の画像になります。

360:創る名無しに見る名無し
09/02/19 01:37:56 UB4EKdLj
圧縮せずにロダに1枚1枚貼っていった方がいいってこと
これだと見てくれる人の数、減っちゃうし
ただこれだけの量だと仕方がないかなーって気もするが

見てみたけど万華鏡っぽさは上手く出てて綺麗だと思う
でも若干単調で見てて飽きやすいかも

361:創る名無しに見る名無し
09/02/19 09:59:41 41LjtUtn
ああ前聞いた模様のやつか
これはwktk
携帯だと見れないから今夜帰宅したら速攻見ようっと

362:創る名無しに見る名無し
09/02/19 15:42:34 i9ZQ6HTf
うわ、すごい綺麗だ
どんどん見ていくとゲシュタルト崩壊というか、違う世界に放り込まれそうになるというか
不思議な気分になってくるな
素材に使いたい位だ
何で作ってるんだろう?

363:創る名無しに見る名無し
09/02/19 19:11:21 nZFO62fi
これは綺麗だな

364:創る名無しに見る名無し
09/02/19 21:46:33 3av/o6X4
この模様はペイントでパーツを描いてから
どこからか画像を持ってきて、画像をパーツに切り分け
鏡対称に円展開させて作りました。
ペイントだけだと角度が90°までしか変えられないので
Microsoft Word へ写した後に30°の角度修正してますけどね

Adobe Photoshop 欲しいなぁ・・・

365:創る名無しに見る名無し
09/02/19 22:18:58 y269CH/D
>>364
gimpを使うんだ
フリーだぞ

366:創る名無しに見る名無し
09/02/19 22:40:51 3av/o6X4
URLリンク(www6.uploader.jp)

立体視に挑戦してみました。

>>365
調べてみました。凄いフリーソフトですね!
さっそく使ってみます。良い情報をありがとうございました。

367:創る名無しに見る名無し
09/02/19 22:45:11 aEjP3861
「ファー退屈じゃ脳!」
手には弓、背中には矢が大量に入ったケースがあった。
通三は手に持った和響と名付けられた弓を構えた。
「この弓矢でさっさと殺してやるさ」
首の無いマネキン、通三はそれに狙いを定めた。

「首のあるリアルな物の方が面白いな」
仮面を被ったマネキンがカッコよくポーズをとっている。
並んでいるマネキンの中に一際目立つ物が居た。美しい・・・。
「このマネキンはまるで生きている様だな、顔はままま松下小枝!」
そのリアルなマネキンはダンスのように動き始めた。周りのマネキンも動き始める。
そのマネキンは、口に咥えた薔薇を投げ捨てそれから華麗な装飾の仮面も投げ捨てる。
仮面は空中で回転し地面に当たって跳ねる。
仮面の下から出てきた顔はマネキンの物ではなかった。やはり生きている小枝だ。
ダッ(ドラム)
「ええい、殺してやる」
ダッ(ドラム)
ドラムの音が響くたびに一歩一歩近寄ってくる。
矢が発射される。小枝はそれを「ボワワーン!」と音を立てながら左右に飛びかわしていく。
「びゃーっ!k!a!w!a!s!i!t!a!かわした!」
小枝は通三の左腕を掴む。その時何かが閃く音がする。
忍殺 紅首間接
ボギーン!「あがお」ボギーン!「ギャー!いいいいだいーっ」
ゴギ!
「ぎえ!」
キュピィーッ
首が右方向高速に1回転しふらふら歩き回る通三の後ろで小枝は刀を構える。
通三は前のめりに倒れた、死体からは赤の巻物が飛び出す。

368:創る名無しに見る名無し
09/02/19 22:51:00 EDZjUv9X
小枝さん(再)

369:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:03:45 7LBCw98g
>>367
パッと見た感じだと、カオスを垂れ流してるだけに見える
そのレスしかないから、キャラに蓄積がなく行動の面白さが伝わりにくくなっている
1レスだけで投下をするならば、固有の名前ではなく「男」とか、記号で表わした方が良いかも知れん

通三という人物が殺そうとした人物、小枝について
軽く見た感じだと、通三は既に小枝が死んでいる事を知っているように読めた
地の文でも、
>やはり生きている小枝だ。
ってあるから俺はそう読んだ

死んでいるはずの人間が現れて、突然ダンスを踊りだし周囲のマネキンも踊りだす
さらには口に薔薇を咥えてて華麗な装飾の仮面もつけていた
そんなもんを殺意を持った人物の前で投げ捨てるという行動

これ単品で見るとメッチャ面白い
それを活かすように(具体的にはもっとしつこくするとか)すると恐らくつくレスが増える


>ダッ(ドラム)

これがイマイチわからんかった
効果音として書いてるんだったら、空白をあけたりすると良い
今の状態だと、前後の文章に埋もれちゃってるから効果音として読ませるのは難しいから

周囲のマネキンがドラムを叩いてるんだったら、多少テンポが崩れるのを承知でそう書いた方がよさげ
前半部分でせっかくマネキンも動き出してるんだから、それに「何をしているか」を読み手に伝えられると、
カオスさと意味のわからん面白さが強調されると思う

>「ボワワーン!」と音を立てながら左右に飛びかわしていく。

この擬音の発想は失うな。これ、カオスに読めるけど想像してみると面白い
けれど、読み手がこの擬音だと避けるという動作の擬音だとはあまり認識してないと思う
伝えたいのなら、もうちょっとこの部分の描写を濃くすると良いかも知れない

>「びゃーっ!k!a!w!a!s!i!t!a!かわした!」

大好き


>忍殺 紅首間接

これより下は手を抜いたのがすっげぇわかりやすい
最後まで気合入れてカオスって欲しかった

370:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:07:23 buRKk3y/
濃いねぇ、嫌いじゃないよ

371:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:07:52 7LBCw98g
>>367
感想をつけるとしたら「カオス」だけ
なんだか読んでもらいたいらしかったから、思いっきり読んだ
気を悪くしたらごめんなさい

372:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:14:51 bxjeAL9+
批評すげぇな

一通り読ませて貰ったが、性格からしてバトロワでは窮屈だろ


373:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:17:00 OH9lrkfU
「殺す」ことを目的にしてるんだからそりゃ「殺し合う」バトロワは向いてないよなあ
あれは殺すだけがメインじゃないから

374:創る名無しに見る名無し
09/02/19 23:19:29 6rPubhJz
ここでちまちまと書いたほうがいいかもね
複数で世界を構築するんじゃなくて、一人で伸び伸びとやれるし
このカオスはちょっと真似できない

375:創る名無しに見る名無し
09/02/20 04:51:47 02IXS9eN
雑スレのも見たが、まさに型破り、この感性は面白い
目茶苦茶なようで読みやすく、勢いに引き込まれた
ここで投下続けてもいいが、単発スレ立ててもいいレベルだと思う

376:創る名無しに見る名無し
09/02/20 09:53:27 K2niP7Lz
感想ありがとうございます一応サイトはあるんですけどね、今はこの小枝シリーズ中断してます。
わりとまともな方(ネタ度、超能力度が少ない)書いてるんで先に完結させたい。
ていうか小枝シリーズは基本お約束の展開の繰り返しなので連続して書くとネタ的にきつい物がある、やっぱり台頭で普通のバトルや集団の行動、迷う心理ってものも書きたいし。

377:創る名無しに見る名無し
09/02/20 11:22:23 JereSOdY
>>366
真ん中の花?部分が綺麗に立体になるんだな、これはいいわー

この万華鏡風模様いいなーこういう模様の絨毯ほしい
初めてPCに触れたころ俺も似たような感じで模様描きにはまってたんだけどレベルが違う
あの頃は100×100の小さな模様をいっぱい書いて
それがたまったらパッチワーク的にあわせてニヨニヨしてたなー
あのデータ、古いPCと一緒に消滅したよな
残りとけばよかったといまさらな後悔

378:創る名無しに見る名無し
09/02/21 01:50:41 mhib8i9l
URLリンク(www6.uploader.jp)

GIMPで波打つアニメーションを作ってみました。
本当に凄いソフトですね、これでフリーとは・・・

>>377
私も今、全く同じ事をやってニマニマしてますね
ドットを打って描くタイプの小さな模様を幾つも作って
重ね合わせては消してを繰り返していると
ついつい時間を忘れるほど夢中になってしまいます。
睡眠時間がガリガリ削られて仕事がまともに出来なくなるとか
ロクでもない話なんですけどね

379:創る名無しに見る名無し
09/02/21 02:19:14 5UO3XLcN
すげーとしか言えない

380:創る名無しに見る名無し
09/02/21 04:47:12 J+0LZr0w
なんか凄い動いてるしっ!?
よく見てたら酔いそうになってしまったぜ

381:創る名無しに見る名無し
09/02/21 21:18:52 O6ghmVh4
かなちゃん
加奈は大好きなアニメ「ミティちゃん」を見ようとスイッチを押した。
しかし映っていたのはバトルロワイアルの緊急速報であった。
「この番組は何だろう・・・」
画面に映し出される反政府組織の人間の死体。
「うわーなにこれーミティちゃんじゃなーい」
画面に映し出される刑務所、プログラムに使用された場所だ。
「しかもよく見たら気持ち悪ーい」
テレビの中ではザディスティックな殺人シーン。
柿色の制服を着た生徒がうろうろしている、その左背後から黒い制服の生徒。
「敵襲!」
柿色の生徒は叫ぶが遅かった。
首を背後から切られた。
「ああ」
大量の血が散る。
そしてすれ違いざまに心臓をくし刺しにされた。
「ぎゃあ!」
生徒が前転のように回転しながら倒れ込み、絶命した顔がアップとなる。
顔面にはまだら模様の血。
チャンネルを握りしめたかなちゃんが白目をむく。全身はブルブル、汗が噴き出していく。
「ヴえ!うぶうう!えぶえぶーっぼえつ、ぼえーおうえーえ」
黄土色の塊が、まだら模様の塊が、もんじゃ焼きのような塊がかなちゃんの口から撒き散らされる。
「オヴェッ!」
「ぶえ」
「えげええ」
「ムっ」
「ヴァ・・・」

382:創る名無しに見る名無し
09/02/21 21:28:51 lJyL2Qkc
新鮮なカオスだよ本当に

383:創る名無しに見る名無し
09/02/21 22:47:30 GNuwsaAW
>>378
うおーっうにょうにょしてるうにょうにょしてる

この模様ってドットで小さいの書いてそれをコピペ回転してまたコピペみたいな感じで描いてるんだよね
詳しい描き方講座みたいなの一度やってほしいな

384:創る名無しに見る名無し
09/02/22 00:09:44 HYJ6gEb8
急募

・ 募集する方

1)  平気で嘘をつける方
2)  自分の言っていることの矛盾にまるで気付かない方
3)  自分の発言に責任を持たず、それが原因で何がどうなろうと気にしない方

  1)~3)のいずれかに当てはまる方を募集いたします。

・ 募集理由
 皆さんは、タイムパラドックスというものをご存じでしょうか?
タイムスリップを扱った小説や映画などでよく出てくる概念ですから、ご存じの方も多いかと思いますが、
一応説明させていただきますと、例えば、タイムマシンで自分が生まれる前の過去に戻って自分を生んだ人間を殺すと、
自分を生む人間がいなくなったのだから自分は生まれない、つまり存在しなかったことになる、
では自分を生んだ人間を殺したのは誰か、というような、時間の流れから外れた行動によりが生じる矛盾のことです。
 そしてこのタイムパラドックスは、タイムマシンの実現に対する大きな壁となります。
あらゆる事象は、すべて複雑に因果関係によってつながっており、
単に時間移動先で「何もしなければ」タイムパラドックスを回避できる、というものではないからです。

  では、タイムパラドックスの問題は解消できない、ひいてはタイムマシンは実現できないのでしょうか?

  この問題を解決するために考え出されたのが、「無批判な伝達者」システムです。
実際にはどういうものか、簡単に説明いたします。

 電磁波には過去に向かうものがあり、これを使えば過去に情報を送ることができるとされています。
さて、ここで入力されたデータから、物体を構築できる装置を用意します。
そしてこの装置に未来から情報が送られてくれば、物体が未来からタイムスリップされてきたのと同じことになります。
 人間の精神活動も、脳の物質・化学・電気的状態によるものですから、
これらを再構築できる装置があれば、 例えば未来の記憶を持った人間もタイムスリップさせることができます。

  ここで、物体そのものが送られてくるのではなく、あくまで情報を基に物体を再構築するのだ、という点がポイントです。

  タイムパラドックスを起こすような対象でも、「こんなものをタイムスリップさせますよ」という情報を過去に送り、
 その情報からそのまま無批判に再構築し、
さらに、「こんなものがタイムスリップしてきたことがありましたよ」という情報を無批判に未来に送り、
その先の未来でもやはり無批判にその情報から過去にタイムスリップさせる情報を送れる……ということを繰り替えせば、
  タイムパラドックスを許容できるのです。
   上述の自分を生んだ人間を殺す話で考えれば、未来から自分を生んだ人間を殺す人間がタイムスリップしてきて、
  その人間が自分を生んだ人間を殺しても、「これではタイムパラドックスが起きるのでは……」などとは考えず、
  「これこれこういう人間が送られてきたことがありましたよ」という情報を未来に送り、
  さらにその先の未来でも「こんな人間は存在していないんだけどなあ」などとは考えず、
  「これこれこういう人間をタイムスリップさせますよ」という情報を過去に送れば、
  「未来からタイムスリップしてきた人間が自分を生んだ人間を殺し、その後その人間の存在は消えた」
ということを実現させられることになります。

   さて、今の話でお分かりいただけたと思いますが、この方法には、実際にはあり得ない情報もそのままやり取りしてくれる
  「無批判な伝達者」の存在が不可欠です。

  そこで、タイムマシンの実現のために、「募集する方」の項目で挙げた条件に当てはまる方を募集するのです。

 ご応募お待ちいたしております。


385:創る名無しに見る名無し
09/02/22 04:45:31 s6YQBzo2
>>384
じれコピペか?
そうじゃないならすげー好みなんだが

386:創る名無しに見る名無し
09/02/22 04:46:30 s6YQBzo2
じれってなんだ
これです

387:創る名無しに見る名無し
09/02/22 17:41:28 cpweu/Tj
URLリンク(www6.uploader.jp)
落書き

388:創る名無しに見る名無し
09/02/23 01:25:38 xcU/x+dL
落書きってレベルじゃねーぞw

389:創る名無しに見る名無し
09/02/23 01:28:59 hRoYJn7E
腹筋すぅげー

390:創る名無しに見る名無し
09/02/23 21:06:09 qjqdXlWg
>>387
レベル高い落書きだなー
ここの住民は何気に才能を無駄遣いするよな
まあ、良い事だけど

391:384
09/02/24 00:17:04 CRHKtcmA
>>385
返答遅くなったが… コピペではない。
それが証拠に、コピペならあんなチラホラ誤字があるわけないじゃないか! ……スミマセン……

確かにコピペみたいに見える形式だけど、ジャンル問わない創作の板の中の、他のスレに当てはまらない作品用のスレだから、
いいかと思って。

392:創る名無しに見る名無し
09/02/24 00:33:38 kd8ALgc8
帝國新聞日曜版(神聖暦941年 水龍の月18日付)
連載『エスニック=エンパイア 民族の帝国』
第3回―鬼(オニ)の一族 オウガズホーン・ヴィルの暁

主要な辺境民族の一つに、鬼と呼ばれる一族が存在する。
額の角を特徴とする彼らは、一般に知られているように大きな膂力をもつが、
けっして凶暴な性格ではない。
写真のりりしい姿の少女も、都会の人間よりもよほど礼儀正しく大人びた態度だった。
昨今、若い鬼族の間では角を染料で染めることが流行っているようだが、
それを聞くと彼女は、
「私はこのままでも十分きれいだと思っています」
と、はにかむように笑いながら応えた。
(文:ユジーン・リヴィテス 二面へ続く)
※協力:帝国文化院/オウガズホーン・ヴィル市役所支部/同観光協会/
     キリエ・ヒサクレさん(写真)他、オウガズホーン・ヴィルのみなさん
■写真:
鬼族の戦闘正装/キリエ・ヒサクレさん(撮影:レナ・ロウンズ)
URLリンク(www6.uploader.jp)
□解説:
帝国成立以前より、鬼族は傭兵としてその力と名を知られていた。
写真では、中世の鬼族の、戦場における装いを再現していただいた。
軽装なその出で立ちから、機動性を重視したかつての鬼族の戦い方の片鱗が見て取れる。
手にする六角棒はオウガ・クラブとも呼ばれる代表的な武装。
軽々と持っているように見えるが、材質は内部までミスリル鉄で、大砲並の重さがある。
破壊力も大砲のそれに匹敵するというが、
ヒサクレさんによれば、「自分の力ではせいぜい岩を砕けるくらい」とのこと。
※衣装提供:オウガズホーン・ヴィル観光協会

393:創る名無しに見る名無し
09/02/24 00:48:47 QX/Xeug0
>>391
コピペじゃないのか……
だとしたらこういう話すげー好きだ

SF系過疎ってるがぜひ頑張ってくれ
他のもぜひ読みたいぜ

394:創る名無しに見る名無し
09/02/24 06:04:23 wtpRV+QH
避難所でやってたネタですが、そういやあっちの雑スレでやるのもスレ違いだと今更気づいたんでこっちに

ハルトクエストⅢ
URLリンク(www6.uploader.jp)

395:創る名無しに見る名無し
09/02/24 06:05:44 wtpRV+QH
やべ、フィルター過ぎて見づらかったorz
ごめん

396:創る名無しに見る名無し
09/02/24 06:08:16 qEhbLcjE
閣下…よし子になってるwwww

397:創る名無しに見る名無し
09/02/24 06:21:14 +xes5S92
>>391
コピペにも誤字があることはあるよ。
どんなコピペだって最初は誰かが書いた文章にすぎなかったんだから。
それこそ無批判な伝達者が時空の彼方からコピペしてきたのでなければだがw

>>392
こういうファンタジー系も大好きだ。
ぜひ連載してほしいぜ

398:創る名無しに見る名無し
09/02/24 12:09:47 zPdX5RGR
>>394
じじいwwwww

399:創る名無しに見る名無し
09/02/24 18:26:51 RwP0/JBZ
ハルトクエストはハルトシュラー本スレに投下してほしいかもw

400:創る名無しに見る名無し
09/02/25 04:24:18 gIqVxtAG
お誘い頂けるのは有難いですが、本スレでやっても大丈夫なんですかねこんなの

ハルトクエストⅢ 第三回
URLリンク(www6.uploader.jp)

401:創る名無しに見る名無し
09/02/25 09:07:11 8++fZbp8
こんなのいうなっ!!

しかしあれだ
ここまでの流れをしらない人もいるだろうから、
これまでの分のウラルを書いておくのも必要だと思う

402:創る名無しに見る名無し
09/02/25 11:37:55 gIqVxtAG
ウラルいうなっ!!

 ハルトクエストⅢ 第一回
URLリンク(www6.uploader.jp)
 ハルトクエストⅢ 第二回
URLリンク(www6.uploader.jp)

403:創る名無しに見る名無し
09/02/25 11:41:02 8++fZbp8
わーい、無理せず頑張ってねー

404:創る名無しに見る名無し
09/02/25 15:40:17 d95HqRQ2
普通にハルト本スレでやっておkだと思うでよ

405:創る名無しに見る名無し
09/02/25 15:43:22 gM9fTiFt
3か。懐かしいな。外に出て戦うのが怖くて
アリアハンの城下町をぐるぐるまわってたっけ…

406: ◆LPYVPYS942
09/02/26 00:05:13 SJ6L0qO2
こんな紫電改は嫌すぎる―最終章―予告編

スレリンク(army板)
現在、軍事板上記のスレッドで不定期にSSが投下されています。
元々は2ch各地で見られる「こんな○○は嫌だ」系スレの一つでありますが、
いつしか一つのネタを繋ぎながらリレー形式で話が進む→長文化という流れになっていきました。
しかし一方で、板の特性に沿った一発ネタスレという本来の姿に戻したいという意見も高まり、
住人同士で話し合った末、現在の長編が完結したら元の流れに戻そうという結論に至りました。
当初は現行スレ内で完結させる予定でしたが、大幅に遅れ&伸びまくったために収まらず、
僭越ながら、この場をお借りして続きを書かせて頂きたく思います。
(新規スレを創発板に立てるという案もありますが…当面の間は様子見とします)

以前は複数の書き手で回していたものの、現在は 一式陸攻◆LPYVPYS942が一人で書いておりますので、
何分投下ペースは極めて遅いですが、しばらくの間お付き合い頂けたら幸いです。
(今のところ完結までの総レス数は未定ですが、大体数十ぐらいになるかと)

お読みになる前に注意する点をあげますと、

この物語は第二次大戦~現代の兵器たちが中心となって進んでいきますが、
彼らは人のように振る舞い、時には笑ったり怒ったり泣いたり、或いは本当の人間とも会話し、
しかし有事の際には戦場へと旅立っていくという
それがごく自然に行なわれている極めて不思議な世界であります。

また日常では余り耳にしない軍事用語も出てきますが、
一方で常識的に考えてこういう動きはないとか、この兵器は計画のみに終わっているから実在しないとか、
その武器は○○年に戦没(退役)しているから、その年にいるのはおかしい等々、
とにかくある程度の知識をお持ちの方からすると、突っ込みどころ満載ではありますが、
ネタスレならではの繰り広げられる超展開を、広い心で受け止められる方のみ、
これより先をお進み下さいますよう―

407:創る名無しに見る名無し
09/02/26 00:06:35 SJ6L0qO2
~あらすじ~

第二次大戦末期、昭和時代の日本。
日に日に敗戦ムードが強まる中、海軍の局地戦闘機紫電改は
今日も仲間やライバルの陸軍機たちと、愉快な日々を過ごしていた。
しかし突然の未来からの使者により、その緩やかな日常に終止符が打たれる。

少しでも日本側に有利な条件で終戦を迎え、戦争による被害を最小限に抑えることにより
軍事力を温存し、国際社会における日本の地位をより強固なものにする。
21世紀、平成時代の航空自衛隊が中心となって編み出された歴史改変計画であった。

計画に基づき昭和世界へと送り込まれた自衛隊機たちは、次第に現地の海軍機たちと交流を深めていく。
しかし計画は思うように進まず、逆に陸軍航空隊との対立を一層深めてしまい、内戦勃発の危機に陥る。
またこの計画に反発を覚えた陸軍戦闘機が、特殊能力を駆使して未来の武器を盗み出していた。

事態を重く見た海軍の駆逐艦は、昭和世界の代表として平成世界へと赴き、計画を指揮した空自戦闘機と会談する。
一方で、日本の歴史改変計画を阻止するために送り込まれる米国海兵隊、
更にその活動を阻止しようとする平行世界の使者たち。
様々な勢力が錯綜する中、遂に空自の指導者は計画を中止し、元の歴史の流れに戻す事を決意する。
新たに海上自衛隊の艦船も加わり、歴史修正部隊が時を越えて派遣されていく。

依然として迷走を続ける昭和の日本、一番の問題は複数の弾道ミサイルがこの時代に流出している事であった。
抵抗を続ける陸軍戦闘機の手により、一発が米軍基地へと打ち込まれてしまうが、
数々の犠牲を乗り越えて、何とかミサイルが設置されていた一箇所は差し押さえる事に成功する。
行動を共にしていく内に、それまで対立していた海軍と陸軍、自衛隊や海兵隊も次第に打ち解け合っていく。

しかしそれも束の間、新たな強敵が目の前に立ちはだかる。
果たして、歴史を元の流れに戻す事は出来るのであろうか、昭和世界の運命や如何に―



紫電改「…とまあ紹介してきた訳だが、前振りはこんな感じでいいのか?」
零戦 「実際のところ本編は、この様に会話形式で進んでいったりする。あらすじだけ読むと重苦しい内容みたいが、
    ところどころギャグ要素もある。でないと書く方も読む方も疲れるからな」
雷電 「何しろ軍事板以外で初めての書き込みだからよ、慣れない事して緊張したからあ~腹減った」
震電 「ここから初めて読む人たちのために、補足みたいなまとめがあった方がいいのかな…?
    取りあえず連載開始までもうしばらく待ってて下さいね!」

408:創る名無しに見る名無し
09/02/26 00:20:35 ivhpJEHc
紫電改、がなにかもよくわからないや
軍事の人は凄いなー

409:創る名無しに見る名無し
09/02/26 00:43:30 Yhx99Nqw
>>408
ウィキペでよろしければ…

紫電改
URLリンク(ja.wikipedia.org)

410:魔法少女軍事系 ◆NN1orQGDus
09/02/26 21:09:41 hFDZ+GlT
番外編

 詳しい説明は省きますが、遠征する事になりました。
 そうです。最近調子に乗っている北国の一派のヴォルなんとか人民学園を、第三帝国系譜を受け継ぐ感じのアヴィなんとか学園が討伐するのでお手伝いするのです。
 勿論タダではありません。
 偉い人は相応の謝礼を要求する予定だそうです。
 紙切れ程度の価値しかないマルク(ドイツの通貨です)を嬉々として発行している第三帝国ですから、謝礼はお金ではなくて土地で貰うそうです。
 簡単に見積もりをすると第三帝国丸々一つです。
 大変お買い得ですよね?

 どかーん。

 大きなビームが発射されました。あまりの威力に口を大きく開けてしまいます。
 ええ、ぽかーんと口を開けてしまいました。
 その威力たるや、お洒落戦車が溶けるくらいです。
 北国の秘密兵器は超兵器みたいです。
 ところで。
 物凄い超兵器と言えば、ノブナガさんです。
 惑星ですら砕くノブナガさんのクニクズシ・タネガシマがあればカタがつきます。
 しかし、ノブナガさんは来ていないないので困ってしまいます。
 困った時にはパトリックちゃんです。
 ですが、パトリックちゃんはエーリヒさんを見て「げぇ、惇兄!」とあわわと泡を吹いて倒れてしまいました。
 指揮官なのに倒して終うなんてどうしようもないです。
 ですが、指揮などというものとは無縁なのが自慢なのが大英帝国の魔法兵です。
 勝てる状況でなくても勝つのが英国流です。
 勝てなければ戦わないというのは弱虫です。
 兎に角。
 ビターさんは余裕たっぷりにニヤリと笑っています。

「今こそ見せよう! 山籠りの成果を!」

 白い光がビターさんを包み込みました。光の中に見えるシルエットは、ちょっと不適切な表現ですが、すっぽんぽーんです。
 ハッキリ言って悩殺です。あられもないです。はしたないです。
 アヴィなんとか学園の人達は戦いを忘れて食い入るように見ています。

「蕾から花へ! 花咲く百合は麗しく、そして可憐! 百合の聖騎士ビター推参!」

 白い光が晴れると白銀の甲冑を纏ったビターさんが現れました。
 わーい、すてきー。

「私に眠る忠義の遺伝を解き放つのであります! 若くして散った先達の無念を、今此処に!」

 アイズサンの身体が膨張して真っ白なもふもふの毛が全身に生えて―。

「がおーっ!」

 白い毛皮がチャーミングな虎になりました。



411:魔法少女軍事系 ◆NN1orQGDus
09/02/26 21:11:41 hFDZ+GlT
「シャクシャインもへんしーん」

 シャクシャインさんも同様に、もふもふみたいです。

「ばろろろろろーっ」

 大きな熊です。月の輪熊ではなくてヒグマっぽいです。赤い兜を被ったような頭がカッコいいです。

 お三方は敵陣に突進して、敵を片っ端から薙ぎ払っていきます。
 ビターさんは良いのですが、あとのお二人はちょっと問題ありっぽいです。
 戦場で狩りをしてはいけません。
 ばっちいから落ちているエサを拾い食いしてはいけません。
 屍は越えていく物です。
 いくら死骸の後処理だといってもどうかと思います。
 人を食った性格と言われる私ですが、この有り様にはドン引きしてしまいました。

「私も負けてられないのだわ!」

 アンさんはうふふうふふだわだわ言いながら円卓の騎士を全員集合させました。

「円卓合体! キング・アーサー・王! It's show time!」

 わーい。合体して巨大化したアーサー王が「ま゙ー」と叫んで暴れ始めました。

 それだけではありません。

「うぇーはっはっは! 金は天下の回り物! 地獄の沙汰も金次第でっせぇぇぇ!」

「……地獄からぁ……黄泉帰って来たぜぇ……」

 神様に賄賂を送ったのかシャイロックさんと伊庭さんが生き返って来ました。

「日ユ同祖論でおまっ!」

「……皆殺しだぜぇ……二百三高地の借りは……徳政令なんてさせねぇ……」

 わーい。良くわかりませんが鬼に金棒というよりは○○に刃物です。
 兎に角。
 ハッキリと申しまして、機械に頼った魔道兵は、極限まで魔法を鍛えた魔法兵の敵ではないみたいです。
 安易に機械に頼ると堕落します。
 己を律して克己の精神を持たなければ駄目です。
 つまり、ヴォルなんとか人民学園は衰退しました。
 まあ、世間知らずの跳ねっ返りがピョンピョン跳ねたところで井の中の蛙といったところでしょうか。
 ニコライさんが草葉の影で泣いているのが目に浮かんでしまいます。

 とりあえず、今回の遠征は大成功といったところでしょうか。
 変身がとけたアイズさんとシャクシャインさんがすっぽんぽーんになってしまい風邪をひいてしまったなんて亊は些細な事です。
 因みに。
 ユダヤの帝王をなのるシャイロックさんが責任をもって今回の謝礼を取り立ててくれるそうなので、アヴィなんとか学園も衰退するかもです。
 兎に角。
 久しぶりのめでたしめでたしでした。



412:創る名無しに見る名無し
09/02/26 21:12:33 hFDZ+GlT
某スレをみてインスパイアされたの投下。

413:創る名無しに見る名無し
09/02/26 21:17:34 fqfRtihS
GJだ

414:創る名無しに見る名無し
09/02/26 22:18:10 Zt+cJSmW
乙です!こいつら容赦ねえw

415:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:13:29 mvOPo1KV
どこかに投下しようかと思ったら、どこにも投下できなかった
こんなことを思いつくなんて、脳みそが腐っているとしか思えない


昔話ももたろう

416:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:15:01 mvOPo1KV
ももたろうは おにたいじに でかけましたが とちゅうで さるに でくわしました


さる「おこしに つけた きびだんご ひとつ わたしに くださいな」

もも「きびだんご なんて もってないよお」

さる「オレサマの めは ごまかせないぜ こしの ふくろに ふたつも はいってんじゃねえか」

もも「だっ だめえー」

さる「へへへ おんなみたいな かお しやがって」

もも「いやー」



さる「ふう うまかったぜ」

もも「うわーん ひとつ なくなっちゃったよお」

さる「なくなよ おにたいじに いくんだろ てつだってやるから」

もも「あ うん」


417:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:17:04 mvOPo1KV
こうして さるを おともにした ももたろう でしたが こんどは きじに でくわしました


きじ「おこしに つけた きびだんご ひとつ わたしに くださいな」

もも「だめだよお もう いっこしか ないんだからあ」

きじ「そういわずに こんなに りっぱな ものは みたことがない」

もも「いやー」

きじ「いやよ いやよも すきのうち いただきまーす」



きじ「ふう ごちそうさま」

もも「うわーん とうとう なくなっちゃったよお」

さる「あーあ なかせた なかせた おまえも せきにんもって おにたいじに ついてこい」

きじ「しかたありませんね」


418:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:18:50 mvOPo1KV
こうして さると きじを おともにした ももたろうでしたが こんどは いぬに でくわしました


いぬ「おこしに つけた きびだんご ひとつ わたしに くださいな」

もも「もう なにも もってないよお」

いぬ「おれの はなは ごまかせないぜ ここに まだ あるじゃねえか」

もも「だめえ それは きびだんごじゃ ないよお」

いぬ「ちぇっ じゃあ その ぼうで がまんしてやるか」

もも「いやー」



いぬ「ふう くった くった」

もも「うわーん ぼく もう おとこのこじゃ なくなっちゃったよお」

さる「あーあ なかせた なかせた」

きじ「あなたも おにたいじに ついてきなさい」

いぬ「わかったよ」


419:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:20:29 mvOPo1KV
ももたろうは だいじな ものと ひきかえに さんびきの おともを つれて おにがしまに のりこみました


おに「よくきたな ももたろう しかし そう かんたんには やられんぞ」

もも「うわーん うわーん ぜんぶ おまえが わるいんだー おまえが わるさなんて していたからー」

おに「なんだ なんだ ももたろうと いうから おとこかと おもったら おんなじゃないか」

もも「うわーん うわーん」

おに「これは こまった なくな なくな わしが わるかった もう わるさは しない おたからも かえすよ」

もも「やったー」


こうして ももたろうは ぶじ おにを たいじして むらに かえりましたとさ

めでたし めでたし


420:  
09/02/27 19:22:02 fNpWCcrp
これはひどいwwwwwww

421:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:22:52 mvOPo1KV
ももたろうが おにたいじに でかける あさのこと


じじ「どうしても おにたいじに いくのかい」

もも「はい とめないでください わるい おにを やっつけるのです」

ばば「しかし おんなのこに ひとりたびを させるのは しんぱいじゃのう」

じじ「そうじゃ おとこのこの かっこうを させよう おまえは いまから ももたろうじゃ」

もも「はい わかりました」


ばば「おなかが すいたら この きびだんごを おたべ」

じじ「ばあさん とくせいの きびだんごじゃ あじは わしが ほしょうするぞ」

ばば「ありゃ さんこ つくったのに いっこ たりん」

じじ「すまん うまそうだったんで わしが くってしまった かわりに この うまいぼうを あげるから」

ばば「しょうのない じいさんじゃ ほれ ももたろう ふくろに いれて こしに つけてやろう」

じじ「どこからみても りっぱな おとこのこじゃ」

もも「ありがとう おじいさん おばあさん では いってきます」

422:創る名無しに見る名無し
09/02/27 19:25:19 evCwjA3O
なんだ、ロリになったショタはいないんだね……

423:創る名無しに見る名無し
09/02/28 13:41:28 vSBfJNDM
>>412
キ、キター!!!!!!!!!!
まさか続きが読めるとは感涙

424:創る名無しに見る名無し
09/02/28 13:42:23 vSBfJNDM
>>421
独特の雰囲気がいいなw
一応童話民話スレもおすすめしとくぜ

425:創る名無しに見る名無し
09/02/28 17:36:35 5iniuinK
レスしにくい作品だなw

426:創る名無しに見る名無し
09/02/28 17:47:41 vgnEhubG
これはいい話だった

427:創る名無しに見る名無し
09/03/02 03:53:16 CXHG+mNu
昔々あるいは未来の彼方、あるところに、ひとりの科学者がおりました。
天才的な頭脳を持った彼はしかし変わり者で、
ひとりの名も無き雪女の少女に恋をしてしまいました。
少女もさまざまな問題はありますが根は優しい科学者に心を開き、
ふたりは仲睦まじく暮らします。
しかし春の日、とうとうそのときがやってきます。
雪女の少女は春の訪れとともに消えてなくなってしまうのです。
「ごめんなさい、科学者さん。でも、わたし、とてもたのしかった……」
はかなげにそう言う彼女に対し、科学者は答えます。
「君を失うなどということは考えられない。待ちたまえ、私にいい考えがある」
彼の『いい考え』がいい考えであったためしがないということを、
雪女の少女はよく知っていたので、思わず少し後じさりました。
「この冷蔵装置を使えば春などは関係なくなるだろう。ずっといっしょにいられるんだ」
そう言って彼がお披露目したのは、冷蔵庫をそのまま家サイズに大きくしたような、
彼を心から愛する少女も顔をひきつらせるようなシロモノでした。
「あ、あの、わたしそろそろ……」
「死に急ぐことはない。この中で私といっしょに暮らそう。愛しているよ」
「うッ……でも、凍っちゃいますよぉ、あなたもわたしもッ!」
「溶けるよりはいいだろう。さあ!」
「い、いやぁッ」
科学者は強引に少女を冷蔵室に連れ込みました。傍目から見れば誘拐ですが、
いちおう両者とも愛し合っていました。
ともあれ、当人以外の大方の予想を裏切って、
科学者の作った冷蔵室はほとんど奇跡的に、カンペキなはたらきを見せました。
「ほぉら見ろッ!技術の勝利だ!科学が愛を勝ち取ったのだッ!!」
勝ち誇る科学者の後ろで、ゆらりと立ち上がった影があります。
「ふゥーん……ま、これはこれでいっか」
そのドスのきいた声に、科学者はぎくりとして振り返ります。
「うッ……な、なんだおまえはッ!?」
そこにいたのは、可憐な少女とは似ても似つかない―いや、よく見れば
似た面影があるのですが、あきらかに異なる印象をもつ、ひとりの妖艶な女性でした。
「愛だなんだって言ってるくせに、もう忘れたの? あたしよ、あたし……ふふ」
「ま、まさかッ! おまえがあの……」
「男のくせにびくびくしないでよ。いい?」
と、彼女はずいと顔を近づけます。
「雪ってのはねェ、溶けるから雪なのよ。溶けなくなったらもうそれは、雪じゃないの」
「じゃあ、なんだというんだ!?」
「それは……氷よ」
つつつ、と科学者の頬を、切れるような冷たさの指がつたいます。
「な……し、しかし、容姿はともかく性格まで変わることはないだろう……」
「なんだかあたしの性格が悪いみたいじゃない」
「だから、そう言ってるんだッ」
「あんたねェ、あたしは氷女よ? 氷の女なのよ? 『氷の微笑』とか見たことないの?」
「ないよ! おまえはあるのかよ!」
「木曜洋画劇場でね。ともかく、氷の女ってのはすべからく美しい、冷徹な悪女だってことよッ!」
「そ、そんな、非科学的なぁッ……」
「あんたが望んだことよ、科学者さん…………ふふ、これから一生、ずうっといっしょ、ね?」
氷のようなするどく凍えるような微笑みを浮かべ、
雪女あらため氷女は、冷たい指をさらに下へとはわせます。
家サイズの冷蔵庫に、科学者のか細い悲鳴が響き渡るのでした……。

……けれども、大方の予想を裏切って、二人はこの後も、
巨大冷蔵庫の中で幸せに暮らしたとのことです。
科学者さんにそのケがあったのか、氷女さんが軟化したのか、
あるいは、やっぱり雪と氷はたいして違わなかったのか……。
……ともあれ、それは当人たちのみぞ知ること。
ここはひとまず、めでたし、めでたし……。

428:創る名無しに見る名無し
09/03/02 23:00:42 DypLgfxP
雪女が成長するとそれは氷女なのかw

429: ◆LPYVPYS942
09/03/04 01:38:38 JH5abb94
>>406のスレが埋まったため、続きの投下です。
こちらから初めて読まれる方にも分かりやすくするため、加筆修正をした上で
少し前に戻ったところから始めますので、ご了承下さい。



こんな紫電改は嫌すぎる 最終章・Ⅰ


昭和20年の日本。
航空自衛隊による歴史改変計画、『日本救済プロジェクト』を阻止するためにこの時代に送り込まれた米海兵隊。
国内の監視を行なうという目的で、一部の機体が千葉館山海軍航空基地に潜入する。
諸々の事情で計画が中止となった今も尚、基地に止まり監視を続けていた。

そんな折、基地内格納庫の一角から現代米空軍戦闘機F-22ラプターが、燃料切れ寸前の状態で現れる。
彼を発見した海兵隊機F/A-18Cホーネットは仲間の元に連れて行くが、何故ここにいるのか記憶が全くないと言う。
そこでF/A-18Cと僚機のA-4Eスカイホークは、燃料を補給するF-22にこれまでの経緯を話し始める。

A-4E  「…という訳でジャップの歴史改変計画は頓挫した、だが余計な力がこの世界に働いたためまだ不安定な状態が続いてる」
F/A-18C「今正にその歪みを直し、元の状態に戻そうとしているんだが…その修正活動が思うように進まなくてな。
      一番の問題は弾道ミサイルがこの世界に流出しているという事で、その一つがここより北方面の陸軍飛行場にあって
      今頃自衛隊の連中と共同作戦を展開しているところだろう。だがミサイルはまだ他にも…」
F-22  「……修正?…しゅうせい……うぐううぅ~」
それまで話を聞いているのかも怪しく、虚ろな様子だったF-22が突然頭を抱えて苦しみ出す。
F/A-18C「おい、燃料に変なものでも混じってたか?」
A-4E  「んな訳あるか、(顔を覗き込んで)もしかして何か記憶が思い出せそうとか?」
F-22  「予定通り不穏分子の掃討作戦を開始する…まずはお前たちからだ!」
A-4E  「へ?何訳の分からん事を…」
F/A-18C「いいから逃げろ!こいつ顔つきが急におかしくなったぞ!」


その頃、館山湾には秋月型防空駆逐艦新月が航行中で、真っ先に基地で発生した異変を発見する。
新月「大変だ!館山方面から火の手が上がってる…でも空襲にしては爆撃機の姿なんか全然見かけなかったし、何かおかしいぞ。
   早速秋月兄さんに報告しなきゃ…その間にちょっと勇気を出して自力で調査してみようかな…
   あっ、基地から何か飛んでくる。あれは……あああ兄さーーーん!!!」
自艦の真上を掠める神々しくも凶々しい異形の米軍戦闘機、それが新月が最後に見た光景だった。


ところ変わって現代日本の横田基地、その一角に米空軍を影で動かす黒幕たちが集まっていた。
影1「ついに"猛禽"が覚醒したか…」
影2「一時はどうなるかと思ったが、結果的には丁度良いタイミングで発動したな」
影3「手始めに基地を一つ壊滅に追いやった…最強の戦闘機と銘打っているからには、やはりこうでなくては」
影4「しかしいささか派手過ぎではないか?搭載量の少なさが玉に瑕であるから、最初からこの調子だと
  すぐに弾薬が底をついてしまうぞ」
影1「心配無用、専用の補給部隊を現地の沖縄に配備した。攻撃の度に立ち寄るようプログラムを組んである」
影2「既に沖縄は米軍の占領下であるから、ジャップに発見される可能性は限りなく低い。さて…」
影3「早速次の任務に向けて動き出している模様だ。無論最終目標は"ゼロ"の名を受け継ぐ戦闘機の完全抹殺であるが」

影1「それでは諸君、お手並み拝見といこう」

430:創る名無しに見る名無し
09/03/04 01:42:39 JH5abb94
再び昭和20年、太平洋側にある千葉香取海軍航空基地。
県内内陸部にある藤ヶ谷陸軍航空基地に設置された、弾道ミサイル設備の破壊任務から戻ってきた航空自衛隊機、
共に任務を遂行した日本海軍機及び米海兵隊機、そして藤ヶ谷から一時的に避難してきた陸軍機と
基地所属機体に加えて様々な航空機で入り混じり、香取はカオスな賑わいを見せていた。

しばらくして、新司偵こと百式司令部偵察機と零戦こと零式艦上戦闘機を載せた
海上自衛隊の哨戒機P3-Cオライオンが戻ってくる。

新司偵「藤ヶ谷の様子をくまなく見てきたが、元通りの状態に戻っていて、特に問題はなさそうだ。ただ…」
隼   「…ただ?」
P-3C 「かの陸戦が立てこもっていたと思しき格納庫の箇所だけは原型をとどめないほど破壊され、
     機体はおろか部品の残骸すら、発見する事は出来ませんでした」
疾風 「そうか…あいつ自分のいた痕跡すら残さず消し去ったんだな」
キ45 「全く、最後の最後まで騒がせやがって…結局俺は、兄として何一つ力になってやれなかった」

「私は…」
それまで陸軍偵察機と戦闘機たちのやり取りを聞いていたのか、海軍夜間戦闘機・月光が不意に口を開く。
一連の騒ぎの張本人であり、弾道ミサイルを未来から持ち出して基地に立て籠もっていた二式複座戦闘機・屠龍、
陸海という組織の枠を越え、彼と親しかった月光は基地を元通りするよう、必死の説得にあたっていた。
その結果、藤ヶ谷基地は開放されるものの屠龍は自らの命を絶ったのである。

月光 「かつて子供たちが私にそうしてくれた様に、屠龍を過ちから目覚めさせ、救えるのは自分にしかできないと思っていた。
    でもそれは単なる思い込みで、結局彼を救うどころか死なせてしまった。私と関わったばかりに、
    私のせいでどれほどの機体が犠牲に…」
零戦 「それは違うな。大体恨みを残して死んでいった者が、あんな安らかな表情をするか?」
自責の念に捕らわれる月光を零戦は軽く窘める。
月光 「え…どうしてそれを?」
零戦 「ああ、未来の指導者に伝える必要があると判断したからな。すまんが格納庫の跡地で起こっていただろう
    それまでの出来事を、勝手に"視"させて貰った」
紫電改「ぷぷっ、レイ(零)戦だけにレイ(霊)視ですか…あだっ!殴ったね!姉貴たちにもぶたれたことあるけど」
零戦 「そもそもこれまでの経緯を考えても、奴が未来からの武器を持ち込んで基地に籠城してから、こちら側が反撃に
    打って出るまでにそれなりの時間があった。その間攻撃を受けたのは硫黄島だけだったが、その気になれば他もいくらでも
    攻撃出来たはずだ。或いはここに取り残された小園司令を人質にして、海軍に対し無茶な要求を突きつける事だってな。
    だが現実はそうならなかった、何故か?」
紫電改「…坊やだからさ」
零戦 「やかましい(殴)!雷電、あとで奢るからこいつが余計なこと喋らんように抑えつけとけ」
雷電 「ほい来た♪悪く思うなよ」
紫電改「むぎゅうぅ~」
P-3C 「何故そうしなかったのか…それは再び貴女が来てくれることを、心のどこかで待ち望んでいたからではないでしょうか?」

431:創る名無しに見る名無し
09/03/04 01:45:44 JH5abb94
零戦 「奴は特殊能力を使い過ぎて機体の寿命を縮めたと言っていただろう?取り返しのつかない事をしているという自覚は
    あるにはあって、しかし最早引っ込みがつかない状態だったに違いない。完全に動かなくなる前に、最も親しかった者に
    一目会いたい、ごく自然な心理ではないか。このまま再会出来なければ、切り札として取っておいた武器でこの国もろとも
    道連れに自爆していた可能性だってある。しかし実際月光は彼の元へと向かった。命がけで説得に来てくれた友に対して
    感謝こそすれ、恨みを持つなど筋違いではないのか?だからこそ自らの非を認め、基地を無血で解放した上で
    自決の道を選んだ。命を助ける事は叶わなかったものの、魂は十分に救われている、そう思うのだが違うか?」
月光 「私には分かりません…本当に、仰る通りなのでしょうか?」
P-3C 「今はそう信じるより他ありません。貴女自身立て続けに大切な人を失い、その悲しみは計り知れないものでしょう。
    しかし、貴女を慕う者たちはまだまだ沢山いるはずです…どうか彼等の言葉にも耳を傾けて下さい。
    きっと力になって支えてくれますよ」
天山 「俺がもしその立場だったら、正に零戦の言った通りだろうな…あの野郎の気持ち、今なら少しだけ分からんでもないぜ」
零戦 「とにかく、これまで重大な任務ご苦労だった。後一つ残っているが…そう、藤ヶ谷に軟禁されていた小園航空司令を
    厚木基地まで送り届けたら、そのままゆっくり休んでくれ。念の為天山にも同行して貰おう」

零戦の言葉に従い、小園司令を乗せた月光は艦上攻撃機・天山と共に神奈川厚木基地へと飛び立っていった。
基地で出迎えた部下たちは、藤ヶ谷で司令が月光に前代未聞の改造を施し、未来の戦闘機を破ったという風の噂を聞きつけ、
こぞってノウハウの伝授を乞うたが、彼は向こうでの記憶がほとんどないと頑として一点張りで、固く口を閉ざしたという。


偵察隊の報告を受け、藤ヶ谷に戻っても問題ないと判断した陸軍機たちは帰り支度を始める。
隼    「色々世話になった。かの夜戦にも宜しく伝えてくれ、余り気を落とすなと」
五式戦 「また何かあったらご一報下さい。できる限り我々も協力致しましょう」
零戦   「了解した。そちらも達者で…」
XFV-14B「あ、ちょっと待ってくれ」
隼    「…何か?」
XFV-14B「さっきは、身の危険も省みず駆けつけてくれて有り難うよ。あんた達のお陰で余計な戦闘をせずに済んだ」
隼    「礼には及ばん。当然の事をしたまで…それでは(敬礼)」
同じく敬礼を返す零戦及びスーパー・ゼロことXFV-14B。
紫電改 「全く、うちのリーダーも陸さんみたいに誠実で勤勉だったらどんなにか…ぐえぇ~」
悪態をついた瞬間、かのリーダーにそそのかされた局地戦闘機・雷電のボディアタックが見事に決まった。


一方、空自機たちはというと、任務は成功したもののこの戦いでF-1支援戦闘機を失っていた。
先に派遣されたF-2支援戦闘機及びネオ・ゼロことFXS-90は既に戦線から脱落しており、自衛隊側には手痛い損失である。
今ここ香取では戦いに殉じた後、硝子玉と化したF-1の魂をT-2高等練習機が手にしていた。

T-2 「それでは今回の戦果をイーグル様に報告すると共に、この魂を間違いなく平成世界へと送り届けて参ります。
    向こうに残った展示機体が再び空を舞う事はありますまいが、弟が自らの命を賭して成し遂げた事は、
    この時代の兵器の方々がそうしてきたのと同様に、私たちの間でいつまでも語り継がれていく事でしょう
    …いえ、語り継がねばなりません」
F-4 「ああ、頼んだ…とうとう空自戦闘機も俺だけになってしまったか…」
唯一残ったファントムことF-4EJ戦闘機は、深いため息をついた。

432:創る名無しに見る名無し
09/03/04 01:48:51 JH5abb94
そしてこれら一部始終を見守っていた米海兵隊機たちは…
F/A-18E「どうやら日本国内もようやく落ち着いてきたみたいだな、そろそろ俺たちも帰投するか」
XFV-14B「すまんが先に戻っててくれないか?俺はこの日の丸ペイントを元に塗り替えるついでに、
      こいつらと今後の方針についてちょっと話がしたいから」
A-4E   「次の任務まで余り間がないから、適当なところで切り上げろよ」
XFV-14B「ああ…分かってる」
次の任務に向けて、A-4E、F/A-18Eスーパーホーネット、そしてAV-8BハリアーIIは母艦へと戻っていった。


「それで、流出した残りの弾道ミサイルなんだが…」
日本国内での衝突を避けるため機体に施していた日の丸マークを、元の星の模様に塗り替えながら、
XFV-14Bは自衛隊機及び零戦たち海軍戦闘機と打ち合わせをする。
XFV-14B「後二カ所に分散していて一つがハワイ島、これは今米海軍第七艦隊が総出で向かっている。そしてもう一つが…」
F-4   「海自の護衛艦と哨戒ヘリが探索中の東アジア方面だったな。確か」
XFV-14B「そう、平たく言えば朝鮮半島にあるんだが…厄介な事に我々と同時代のサウスコリアン連中がやって来て、
      ミサイルを奪っていったらしい。歴史を改変してやると息巻いてな」
F-4   「よりによって一番関わりたくない相手が…何という事だorz」
XFV-14B「祖国の早期独立、朝鮮戦争回避、南北の分断を無かった物にするとか…どんな改変をしたいのか大体の想像はつくな。
      最初は海軍だけだったのが空軍もその話に乗り出してな。そうなると海自勢力だけで対抗するのはきついだろうから、
      俺たちも乗り込んで一気に片を付けようって訳だ」
F-4   「成る程。では我が空自側からも参戦させて貰おう」
XFV-14B「断る」
F-4   「何故…!?本来なら我々が処理しなければならない問題なのに、藤ヶ谷での恩も返したい。
      数が多ければ多いほど有利ではないか?」
XFV-14B「万が一ミサイルが本土に飛来した時は?そのための防空という重大な任務があるだろうが。
      空自で戦闘能力を持つ機体はあんた位しか残ってないんだろ?恩返しをしたいならそっちを全うしてくれ」
F-4   「くっ、その通りだ…不甲斐ない話だが」

XFV-14B「それはそうと、ミサイルの件でどうも気になる点が一つあるんだ」
F-4   「何、どういう点が?」
XFV-14B「各地に分散している位置だが…まず持ち出した陸軍戦闘機の国内の所属基地、これは納得がいく。
      そして朝鮮半島もこの世界では日本の統治下とされているから良しとする。
      問題は三つ目のハワイ…何故これだけ二つとは離れた場所にある?」
F-4   「それは…」
XFV-14B「ハワイでまっ先に思いつくのが、開戦のきっかけとなったパールハーバー(真珠湾)への奇襲だが、
      ジャップの攻撃はそれきりじゃないか。海外の拠点に設置したつもりなら、
      もっと重要な土地が他にあるはずだ、ましてや陸軍という立場で考えたら」
零戦   「確かに…言われてみれば」
XFV-14B「奴の特殊能力による転送先がたまたまそこだったと、一言で片づけるにはどうも腑に落ちなくてな
      …逆にアメリカ側の立場から考えたら、パールハーバーはそこでやられた屈辱を倍返しとか、
      ジャップ憎しの代名詞になってる訳だ。この前のイオージマ基地への攻撃がきっかけで、米国内の世論が
      停戦派と徹底抗戦派に真っ二つに分かれて、当然ハワイは後者だが、そこに直接日本を狙い撃ちできる
      弾道ミサイルが発見されたりして、とにかく現地は想像以上に緊迫した情勢だと、第七艦隊の連中もこぼしてた」
紫電改 「ふ~ん。歴史改変の危険性は日本だけじゃなくてアメさんもなんだ」

433:創る名無しに見る名無し
09/03/04 01:50:24 2bBfqAAn


434:創る名無しに見る名無し
09/03/04 01:51:14 JH5abb94
XFV-14B「たった一発のミサイルで、歴史とんでもない方向に行こうとしている。俺は改変の怖さを改めて思い知ったぜ。
      そんな訳で、少ない知恵で俺なりの仮説を立ててみたんだ。ハワイにあるミサイルが、
      日本と朝鮮半島方面にあるものとは別のルートから流出したとすれば…」

その時、XFV-14Bの元に思いもよらぬ通信が入る。
F/A-18E≪こちらホーネット、スーパー・ゼロに告ぐ。我々の部隊が…"猛禽″によって壊滅寸前に追い込まれている…≫
XFV-14B「なっ……!それはどういう事だ一体!」
F/A-18E≪母艦のいる海域に向かったら、奴の手によって船が沈められていた…無論、中にいた連中はもろとも海の底だ。
      辛うじて上がっていた者たちで反撃を試みたが…全く歯が立たない。俺もいつまでこうしていられるか分からない、
      落とされるのも時間の問題だろう…この世界に派遣された海兵隊とそれに協力した連中を、奴は残らず皆殺しにする
      つもりだ…次は間違いなくお前が狙われる…命が惜しければ、今すぐ奴の目の届かない、できる限り遠くまで逃げ…
      アムラーム(中距離空対空ミサイル)がこちらに向かってくる……駄目だ、もう避けきれない…!!≫
XFV-14B「どうした!応答せよ!!ライノ………そんな…」
がっくりと肩を落とすXFV-14B。通信はそこで途絶え、雑音しか聞こえなくなった。


ちょうど時を同じくして、香取基地からも騒然とした空気が流れ始める。
紫電改 「急に騒がしくなったけど、一体どうしたんだい?」
流星  「どうしたもこうしたも…さっき彩雲から連絡があって、館山がやられたって」
雷電  「やられた?B公の仕業か?」
彗星  「それが、直前まで爆撃機は見当たらなかったのに、いきなり火の手が上がったとか…」
紫電改 「何だそれ?空襲じゃなくて内部からの火…?」
流星  「でも、基地の他に湾内の艦船も被害を受けたらしいんだ。火事だったらそんなにならないだろ?
     やっぱり敵に襲われたのは確かなんだよ。ここもいつそうなるか…くわばらくわばら」
零戦  「心配するな、香取には強力な守護神がついてるからそう簡単にやられはせんよ。
     それはさておき、これはただ事ではなさそうだから早速館山の様子を見に行こう」
XFV-14B「館山には確か…俺も連れてってくれ!」



以上で今回の投下は終了です。
登場する航空機の数が半端ではないので、こちらをご参照下さい。

日本製航空機の一覧
URLリンク(ja.wikipedia.org)
尚、XFV-14Bは架空の兵器で詳細はこちら、米軍機も併せてご参照願います。
スーパー・ゼロ(XFV-14B)
URLリンク(ja.wikipedia.org)

他にも気になる点がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

435:創る名無しに見る名無し
09/03/04 10:49:16 UNKERSdR
紫電改って航空機なんだ
↑こんなレベルっす><

436:創る名無しに見る名無し
09/03/04 12:06:31 IvoYJlcd
戦闘機はわからんけど機関車トーマスみたいのイメージしたらちょっと萌えた

437:創る名無しに見る名無し
09/03/05 01:13:03 axU8AQrd
なんというカオスなSSwww
一応こういうスレもあるので、よかったらどうぞ
【軍事】ミリタリー系創作スレ【兵器】
スレリンク(mitemite板)

438:406=429
09/03/05 08:21:55 cnQDKLZr
レス下さった方どうもです。

上記のスレは移転先候補の一つに上がっていたのですが、
過去と現在の武器が一緒くたになってる以前に
実際のカタログスペックやリアリティを無視した何でもありの内容ですので、
真面目な軍記物と並べると違和感有りすぎるかなと思いました。
同様に台詞系SSや擬人化総合スレでも浮いてしまうだろうという理由で、
最終的にこちらを投下場所として選びました。
単独スレを立てようかと悩んでもいるのですが、それにしても長さが足りませんので…

ちなみに軍事板の現行スレはこちらになりますので参考まで。
スレリンク(army板)

439:創る名無しに見る名無し
09/03/05 08:22:48 uLzICbD0
>>437
元のスレがネタスレで、そこから派生した長編ネタという経緯もあって、
そっちに投下するにはカオス過ぎるので自重といった感じでして…

440:創る名無しに見る名無し
09/03/05 08:24:20 uLzICbD0
うわ、被った

441:創る名無しに見る名無し
09/03/08 01:36:22 t/BAbGlm
現代のアンパンマン達に捧げる散文詩
URLリンク(www6.uploader.jp)

442:創る名無しに見る名無し
09/03/08 01:45:41 JsIRTmbx
なんでzipなのかと思ったら画像化してあるのか
文章のみみたいだしそのまま投下でもよかったんでない

443:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:44:06 7U3gS8Lu
トントントントントン
軽快なリズムで蕎麦を切る。
しかしよく手元を見ると完全に指まで切ってしまっていた。
肘から先が何枚もの薄ぺらいMRI画像みたいになってしまった。
しかしあまりに切れ味がよかったせいか血は出ていない。
ばらばらにならないように上手く揃えたら、やがて血が通って元通りに繋がった。
大将に蕎麦を出す。
「……うむ。おめぇも上手くなったな。暖簾分け、考えてやってもいいぜ」
「やった、ありがとう大将。しかし僕さっき指切って繋がったから蕎麦屋辞めます」
「なんですと!?」
「辞めます。10年間ありがとうございました大将」
僕は蕎麦屋を辞めた。
うどん屋に再就職して15年。
僕はうどん打ちをやっていた。
蕎麦アレルギーでアナフィラキシーショックを起こさなくても済むから、僕には天職かもしれなかった。
粒子にまで砕挽された粉状の何かを捏ねる。
麺棒で延ばす。
と、気がつくと僕がうどんの生地に打たれていた。
「麺の気持ち考えたことあんのか貴様」
麺の言うとおりだった。僕に麺職人の気概はない。
うどんを店長にだす。
「ほほう、あんたもなかなかの腕になったね。暖簾分けしようか」
「辞めます。僕に麺の気持ちはわかりませぬ」
「はぁ?今更辞めんの??」
僕はうどん屋を辞めた。
蕎麦屋とうどん屋で稼いだ500万の金で大学に通い始めた。
材料化学、流体力学を学んだが、どうも蕎麦やうどんの気持ちを理解するには至らず、素粒子物理を習い始めた。
なんとなく材料を混ぜたら硬くて熱に強いセラミックになったので論文を書いた。
教授によばれた。
「君、この論文スゴいよ。サイエンスに寄稿しよう」
僕は教授になった。
僕は素粒子物理があまりにわけわからないから、
僕のわからないものの代表である麺にたとえて考えた。
「教授、この理論スゴいですね」
僕の超麺理論は何故か超ひも理論と改竄されて流通した。
わからないものをわからないものでたとえて考えたらわかる気がしてきた途端、僕は蕎麦屋を始めた。
アナキラフィシーショックで昏睡になった。
蕎麦屋になったのは、蕎麦が食いたかったからだ。
でも、僕は蕎麦を食えない。
せつないなぁ。

444:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:51:04 JsIRTmbx
なんというカオスww
でも面白いwなんか悔しいw

445:創る名無しに見る名無し
09/03/08 10:06:05 d8WBl3Dw
冒頭の軽快なテンポから一気に引き込まれる文章だね。

446:創る名無しに見る名無し
09/03/08 10:09:25 dAP8C9tN
こりゃあれだよ。
星新一だ。

テイストはそれ以外表現しようが無いな。

447:創る名無しに見る名無し
09/03/08 12:41:56 7U3gS8Lu
頭からっぽにして書いたらそうなりました

448:創る名無しに見る名無し
09/03/08 12:44:04 6NlLGNE2
溶ける魚思い出した

449:創る名無しに見る名無し
09/03/08 13:37:09 K5dh2I0d
あっさりとしていながらなんというカオスw
発想力わけてくれw

450:創る名無しに見る名無し
09/03/08 21:06:08 6NlLGNE2
自分だとようわからんのですよね、こーいうの

喋ってて気がつくのは「とりあえず」「基本的に」「まあ」「なのです」が多い
あと、行頭で「(接続詞)、」ってよく言ってしまう ←この文もそうだけど

小説だと、わざと語法狂わせたりとかよく使ってるかな、気づく範囲で
「喋り言葉を忠実に真似よ」を金科玉条第一条件とする故に、何の文章書いてもこうなるみたいです

451:創る名無しに見る名無し
09/03/08 21:06:57 6NlLGNE2


452:創る名無しに見る名無し
09/03/09 17:08:51 +39KY8x2
カオスなのに不快感を与えないのがすごいな

453:創る名無しに見る名無し
09/03/10 23:15:30 KZRmUeHW
>>442
投稿回数の制限を考えていましたが
ここでは大丈夫だったみたいですね(汗
読み辛い作品を失礼しました。
これに懲りず、創作には挑戦し続けたいと思います。
と言っても、アンパンマン云々は過去に別所で酷評頂いた代物ですが


魔法使いのカエル
URLリンク(www6.uploader.jp)

bmp形式の画像作品となります。
重くなり申し訳ございません。

454:創る名無しに見る名無し
09/03/11 02:45:16 KVBgPPv1
>>453
絵も自作かな?
現代の童話作品という感じで洒落た作りが、いい。

455: ◆LPYVPYS942
09/03/11 03:53:15 u4tZ1E0f
>>434からの続きです。

こんな紫電改は嫌すぎる 最終章・Ⅱ


「こいつはひどい…」
館山基地に到着した一行は、余りの惨状に呆然と立ち尽くす。
滑走路から諸々の施設に至るまで、全てが使い物にならないほど悉く破壊されていた。
基地に配備されていた機体たちについても…同様であった。
その残骸の中から出てきた意外なものは…

紫電改  「何で米軍機が混じってるんだ?鹵獲したのを基地で保管してたのか?」
XFV-14B「そいつは俺の仲間だ。この時代にやってきた際、日本国内の監視役をここに置いて、ついでに任務の長期化に伴い
      部隊の燃料弾薬などの資材もストックさせて倉庫番も兼ねていたんだが…駄目だ、スカイホークは反応がねえ、
      完全に事切れてやがる」
零戦   「おい!こっちの米軍機は微かだがまだエンジン音が聞こえるぞ」
零戦の一声によって、瓦礫の下敷きになっていたのを助け起こされるF/A-18C
XFV-14B「しっかりするんだ、レガシー!一体ここで何があった!」
F/A-18C「………うぅ……ぐふっ…」
しかし瀕死の状態で、会話すらもままならない。
零戦   「喋るのが無理なら心の中で念じるだけで構わん。俺が読み取ってやるから」
F/A-18C(あそこに…あった…格納庫に…空軍戦闘機の…ラプターが…どういう訳だか…閉じ込められて…いたんだ
      …そいつは燃料切れ寸前の上に…記憶喪失に陥っていた……俺たちは…奴に…燃料の…補給をさせて…これまでの
      経緯を…説明していたら…突然奴が…狂ったように暴れ出しやがった……近くににいた…スカイホークは…真っ先に…
      蜂の巣にされた…俺も急いで脱出しようとしたが…間に合わなかった……基地で破壊の限りを尽くした奴は…
      どこかへと去っていった……親切心で…行なった結果が…この有様……だ…)
それだけの事を伝え切ると、A-4Eの後を追うようにF/A-18Cも完全に機能が止まった。
そっと両手(翼)を合わせた後、思念を読み取った零戦はその内容を皆に伝える。

雷電   「ひでえ話だな…恩を仇で返すなんて」
紫電改  「しかしたった一機の戦闘機によって、一つの基地がこんなになるもんかね?」
秋月   「信じられないとは思うが、実際炎上する基地から飛び立つ戦闘機を付近の駆逐艦が目撃しているんだ。
       直後にその駆逐艦、弟の新月はそいつ撃沈されてしまったがな…俺が到着する前に、あいつ無茶しやがって…」
海上で回収した新月の残骸を手にしながら、無念そうに呟く秋月。
XFV-14B「ああ、この基地をぶっ潰したのも俺たちの母艦を襲ったのもあの野郎の仕業に間違いない。位置的にもそう離れてないしな」

456:創る名無しに見る名無し
09/03/11 03:57:45 u4tZ1E0f
「どうしよう…こうなったのも僕のせいだ」
その声に一同が振り向くと、今にも泣き出しそうな表情の震電が背後に佇んでいた。

紫電改  「知っているのか雷電…じゃなかった震電?」
零戦   「件の戦闘機と何らかの関わりがあったと?詳しく話してくれないか」
震電   「…あのね。大分前にここで対空射撃の訓練をしていたら、空から米軍の戦闘機が降ってきて、最初は弾に当たったのかなと
      思ったんだけど、何か別の世界からやって来たみたいで、みんなに見つかると厄介だから、あそこの格納庫に隠したんだ」
紫電改  「見つからない様に隠したって…お前なあ、相手は犬や猫と違うんだぞ!」
震電   「ごめんなさい…でも、悪い人には見えなかったし、何か訳があってここに来たのかなと思って。
      時折燃料を持ってきて様子を見に行ってたけど、次第に僕に対して打ち解けて色々話してくれたよ。
      近い内重大な任務があるからそれまで待機してる様にって…」
紫電改  「燃料の横流しや敵国に機密漏洩とか…さり気なくお前らすごい事やってたんだな」
雷電   「まあ震電の性格からして、自分の燃料から削って出してただろうし、機密と言っても具体的内容は一切口外してない
      みたいだから、その辺は多目に見ようぜ」
紫電改  「それ以前に俺たちの燃料って未来の連中の口に合うのか?」
XFV-14B「多分合わないと思うぜ、カーボンがたまるし」
震電   「そうこうする内に、月光さんと一緒に陸軍に体験入隊する事になったでしょ?出発前にもここに来て、一週間ほど
      留守にするって伝えたら了解してくれた。だけど実際は一週間どころじゃなくて、その後も色々あったし結局今の今まで
      行けずじまいだったんだ。きっといつまで経っても僕が顔を出さなかったから、怒ってこの基地を壊したんだ、
     僕がちゃんと約束を守っていたらこんな事には…うえ~ん」
雷電   「よしよし、分かったからもう泣くな。大体様子を見に来なくなったからと言って腹を立てるなんて、匿われてる身分で
      そりゃないだろ?」
XFV-14B「そうそう、まかり間違えば坊主もそいつに襲われてたかも知れなかったんだぜ。むしろ難を逃れてラッキーだったと思いな」

零戦    「ところでその米軍戦闘機について、何か知ってる事はあるか?」
XFV-14B「…F-22、通称ラプター。現代米空軍が開発した最新鋭の戦闘機で、一応こちらの世界では最強とされている。
       鷲や隼などのどの鳥たちよりも性能が上回る猛禽という意味合いで名付けられた」
紫電改  「世界最強、ねえ…具体的に言ってどの辺が強いの?」
XFV-14B「まず何といってもレーダーでの捕捉が困難というステルス性能、その一方で自機には高精度のレーダーが備え付け
      られているところから、敵に攻撃の機会を与えることなく一方的に倒せると言われている。制空の更に上をいく航空支配戦闘機と
      呼ばれる所以でもある。他にもアフターバーナーを使わなくても超音速で長時間の飛行が可能、並外れた機動性、中距離と
      いいながらも遥かに遠くまで届くミサイルなどなど、とにかくステルス性能を差し引いても、莫大な費用を掛けて開発した
      だけに一つ一つのスペックが…って、お前ら説明の途中で寝るなーーっっ!1!1!」
FXS-90(声)『いや、こいつらに理解不能な難しい話を最後まで聞けって方が無理だって』
零戦   「ああすまんすまん、俺は寝ていても話は聞こえてるから心配するな。少なくとも向こうの指導者の耳には
     届いているだろう、うん」
XFV-14B(器用な奴…)

457:  
09/03/11 04:00:05 42tOO2LQ
なんだこの微妙に男心を揺さぶる台詞系は
素晴らしい

458:創る名無しに見る名無し
09/03/11 04:01:57 u4tZ1E0f
紫電改  「…で、その最強野郎が牙をむいた理由は結局何なの?この世界では敵国の日本軍基地はともかくとして、同じ国
      同じ時代の、しかも歴史修復活動真っ最中のお前らまで襲うなんて、いい迷惑どころか同士討ちそのものじゃん」
XFV-14B「もし奴が空軍の指示で動いているなら、海兵隊が所有している俺たちXFVシリーズが狙いにまず間違いない。
      たとえ試作でも高性能の機体を航空分野の専門でもない組織が保有していては、空軍の面目が立たないんだろうよ」
紫電改  「何だよそれ。どの機種を使おうがお互いに不都合がなければ問題ないじゃん別に」
XFV-14B「それが大いにあるんだ。お前らのとこの海軍陸軍が別々に航空部隊を運用してお互い足を引っ張っていた様に、
       米軍の組織も必ずしも良好な関係とは言えない。現代世界の目の行き届かないこの地で横槍を入れ、どさくさに紛れて
       俺たちの存在を抹消し、強力な武器を喪失させる事で組織における海兵隊の影響力を削いでから、空軍が取って代わって
       優位な立場につくつもりなんだろう」
雷電    「つかお前ら確か歴史がどうとか重大な任務を請け負っているよな?途中でそんな邪魔が入ったら未来にまで支障が
      出てくるだろうに」
XFV-14B「その辺は奴らも計算済みだろう。目的を果たすために多少強引とも言える手段も使い、いつもそうしてきた。
      だから空軍連中は刺客としてラプターをこの世界に放ち、海兵隊の活動区域を片っ端から潰しにかかろうとしている。
       ここが襲撃に遭ったのも、日本軍基地だからという理由じゃない。そう…」

一旦言葉を切ると、XFV-14Bは足元に目を移す。
辺り一面に散らばる無数の残骸、ミサイルやバルカンで撃ち落とされた者、マッハを越える飛行で生じた衝撃波で分解した者、瓦礫の

下敷きになっ者、また火災が引火した者等々…かつての航空機だったなれの果ては、一部の米海兵隊機を除いた他は、
全て館山海軍基地所属のものであった。
「畜生…あの野郎何の関係もないこの時代の連中まで巻き込みやがって、絶対に…絶対に許せねえ!!」
兄を亡くした時、奇しくも館山沖で出逢ったあの夜間戦闘機・極光の可憐な面影が、足元の残骸と不意に重なる。
「この世界に来ると決まった時は、向かう先は敵地だと認識していた。だが今となっては俺の最大の敵は他でもない、
空軍のあいつだ!」
これまでにない怒りによって闘志が後から後から沸き上がってくるのが理解できた。

零戦    「…それで、海兵隊機の中でお前だけが生き残った訳だが、これからどうするつもりだ?」
XFV-14B「知れたこと、ラプターに空戦を挑むまでよ。抹殺対象となっているのはXFVと原型のFSX、奴は今残り一つとなった
       実機である俺を血眼になって探しているだろう。俺は逃げも隠れもしない、こっちから出てきて迎え撃ってやる、
       そしてこいつ等の無念を晴らす!」
雷電    「空戦で仇討ち…とは言ってもな、化け物並みの強さを持つ相手に勝算はあるのか?」
XFV-14B「俺のスペックだってなかなかのもんだぜ?何せ空軍の地位を脅かす存在としてマークされるぐらいだからな。
       それに実戦経験の練度なら負けてはいない」
零戦    「ならばせめて、一度香取に戻って補給をして来い。そっちにいる空自の連中も可能な限り力になると言っていた」
震電   「僕も一緒について行くよ。今まで顔を出せなかった事情をちゃんと説明して謝れば、ひょっとしたら話を
       聞いてくれるかも知れないし」
XFV-14B「補給ならさっきの時点で済ませてきた。いいか、これは俺に対して売られた喧嘩なんだ。お前たちは一切手出しをするなよ。
       これ以上奴に好き勝手させない為にも俺はそろそろ行くぜ」
そう言って、廃墟と化した基地から離陸するXFV-14B。

「じゃあな…達者でな」
一度だけ振り返るとそのまま空の彼方へと消えていった。

459:創る名無しに見る名無し
09/03/11 04:03:31 u4tZ1E0f
震電 「行っちゃった…本当に大丈夫なのかなあ」
雷電 「もしかして俺たちに迷惑がかからない様にとか…全く水くせえ奴だな」
零戦 『…そうか、沖縄に…よし、うん、分かった』
残された海軍機一同。その中で深く考え込みながらも、時折この場にいない相手と会話をしている零戦の様子に、
何となく嫌な予感を覚える紫電改。
紫電改「あのう先輩、さっきから何やってるんです?そろそろ俺たちも…」
零戦 「ん?ああ、これからやるべき事を整理していてな。その前にあのラプターとかいう戦闘機についてどう思う?」
紫電改「どう…って言われても」
零戦 「最初ここに来た時に遭遇した震電に対する態度と、今の無差別攻撃と、同じ者にしては余りにも違い過ぎていないか?」
雷電 「あれじゃね?最初は善人の振りして周りを油断させるための演技だったとか…」
零戦 「しかし演技だったとしたら、記憶喪失状態から突然暴れ出したという米海兵隊機の証言と矛盾しないか?
    いまわの際に嘘をついてたとも思えんしな。それにもう一つ、こっちに来てみろ」

零戦の言葉により、一行は破壊された格納庫の一つに移動する。
零戦 「奴を匿っていた格納庫はここだな?震電」
震電が頷くのを確認して奥から何かを取り出す零戦。歪んではいるものの、辛うじて液体の入った缶だと識別できた。
震電 「あっ!これは僕が差し入れに置いていった燃料…!」
零戦 「震電がどこからこの缶を調達してきたのか今は問うまい。問題は中身に手を付けられた形跡が見当たらないという事だ。
    海兵隊機によると、燃料切れ寸前でここから発見されたというが、何故燃料が無くなる前にこれを使わなかったか…」
雷電 「高級燃料しか口に合わなくて、たとえ腹ぺこでも俺たちの燃料は不味くて飲めなかったとか…?」
紫電改「それともストックの燃料がある事自体忘れていたとか。頭をぶつけたショックで…まさか月光先輩みたく、
    震電が来なくなった後に何者かによって記憶を封じられた…?」
零戦 「お前にしてはなかなか鋭いところに着目してるじゃないか。そんな紫電改くんに褒美をつかわそう。
    かつてない危機に見舞われたこの世界に、希望をもたらす救世主となる権利だ」
紫電改「工エエェェ(´д`)ェェエエ工 何それ、てっきり食い物だと思ったのに…」
零戦 「前にも言っただろう。時代も国も組織も越えて、皆が一致協力して困難に立ち向かっている中、
    どうにもならない事態に陥ったらお前が最後の切り札になれと。どうやらその時がついに来たようだな」
紫電改「まさか、あの化け物戦闘機と戦えってことじゃ…そんなの絶対無理むり無理ムリカタツムリっすよ!!
     一万機以上のグラマンが密集しているところをかいくぐるよりも、生還できる気がしません、
     そんなら零戦先輩が行って下さいよ、日本軍機の指導者なんでしょう?」
零戦 「俺はその時に応じて的確な指示を出していくのが役目だから、前戦に立ったらそれが出来なくなるだろう?
     彩雲からの情報によると、沖縄に夜襲に出ていた彗星が見慣れない設備を発見したとの事だ。
     どうやら奴はそこで燃料や武器の補給をして行き来をしているらしい。次に戻ってきた時が勝負となるな。
     おそらくその前に、XFV-14Bが会敵すると思われるが…勝敗の行方は何とも言えん。
     平成世界の指導者も、これまでの情報を整理しているだろうから、返事が来るまでしばし待機しているがいい」



今回は以上です、過去ログとの重複部分もここまでとなります。
そして今回のエピソードに出てきた海軍戦闘機はこちら、本スレでも登場頻度が高く、人気のある機体です。

零式艦上戦闘機
URLリンク(ja.wikipedia.org)
局地戦闘機・雷電
URLリンク(ja.wikipedia.org)(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
試作局地戦闘機・震電
URLリンク(ja.wikipedia.org)

460:創る名無しに見る名無し
09/03/17 04:05:12 sky9Os8r
あるところに夜の眷属が幅を利かせていました。
大統領は銀の詰まったクラスター爆弾を投下してノスフェラトゥを焼殺そうとしました。
ですがノスフェラトゥに支配された街の人間が盾となり、ノスフェラトゥは全然死にませんでした。
「あははっ!」
ノスフェラトゥは楽しそうに笑います。
ノスフェラトゥは優雅に腕を伸ばします。
そのアルビノの手を、支配されている人間が剣を持って切り落としました。
しかし切り落とされた腕は瞬く間に黒い霧になり、やがて収束したかと思うと無数の蝙蝠になって飛び去りました。

翌日のトップニュースは大統領の声明でした。
「か れ を こ ろ し て は な ら な い 。せ い さ く は へ ん 
こ う だ 。イ エ ス ウィー キャン。イ エ ス ウィー キャン」
ノスフェラトゥの蝙蝠はまんまと大統領を支配していました。
「くはっ!あはははっ」
クラスター爆弾で半壊した城の中、壊れた天井から満月の煌々と照らす寝室で、
ノスフェラトゥはテレビを見て大笑いしました。
ベッドの天蓋に帰ってきた蝙蝠がとまり、やはりノスフェラトゥと同じ様にケタケタと笑っています。
大統領の声明ののち大統領が支配されてしまった疑いがあること、
国連が総力をあげてノスフェラトゥを討伐する予定であることが報道されました。
あははは、ケタケタ、はははは、ケタケタ。
ひとしきり笑うとノスフェラトゥは安楽な寝間着を脱ぎ捨ててスーツを着込みました。
夜こそがノスフェラトゥの時間なのです。
スーツを着込むと、ノスフェラトゥは寝室から見える満月を仰ぎました。
ノスフェラトゥの全身が黒い霧になって満月を目指し、収束したかと思うと無数の蝙蝠になって飛び去りました。
国連は翌日、ノスフェラトゥ討伐の予定をすべて撤回し第三次世界対戦を行うことを発表しました。
互いの総力を持って戦うことをロシアとアメリカが調印し、
その日の午後には互いの国に水爆や窒素爆弾をぽろぽろと零し合いました。
焼け野原になった街の映像を見ながら大国の主たちが笑い合います。
ケタケタ、ケタケタ、ケタケタ。
その瞳はことごとく感情の抜け落ちた臘人形の様なうつろなものでした。
「はははははは」
ノスフェラトゥは笑います。
その瞳もまた臘人形の様なうつろなものでした。
ノスフェラトゥは長く生き過ぎているため人の心が透ける様に読めてしまいます。
ノスフェラトゥは荒み続ける人の心に触れ過ぎました。
結局ノスフェラトゥのやっていること自体、人間が望むことだったのです。
終わり

461:創る名無しに見る名無し
09/03/17 04:06:39 J6QXNte+
確かにこれは投下先なさそうだw

462:創る名無しに見る名無し
09/03/18 02:27:21 FTllDxJ7
人間はほとんど死にました。
ノスフェラトゥは笑います。
「ははははははははははは……」
笑いますが、その頬には涙が這います。
気付いてしまったのです。
ノスフェラトゥは人間に毒されたみにくい自分に気付いてしまったのです。
食前酒の水面に浮かぶノスフェラトゥの姿は、幾百年前に始祖と契りをかわしたときと寸分たがいません。
でも彼には見えてしまうのです。
みにくい心の端々が見えてしまうのです。
その証拠に視界がこんなにも霞んでしまっています。
ノスフェラトゥはオードブルを少しだけついばみ、メインには手を付けませんでした。
メインの運ばれるそのまえに、ステーキを切る銀のナイフでもってその両の目を抉りました。
黒々とした赤がクロスに垂れ、ナイフに抉り出された目玉とノスフェラトゥの視線が合いました。
抉り出された目玉は砂になりました。
もう一方も抉りノスフェラトゥはついに光との決別をすませました。
とろとろと黒ずんだ血を眼窩から流しながら、ノスフェラトゥは思いました。
あらゆるものを見るためにある涙はすべての色を知っている。
あらゆる色を知っているから無色でいられる。
偏り過ぎた自分には赤がお似合いだ。
「ははっ……」
ノスフェラトゥは笑います。
ノスフェラトゥの身体は黒い霧になってレストランに充満しました。
霧は収束して、無数の蝙蝠になりました。
天井やシャンデリア、テーブルにとまるそれらの蝙蝠には、どれひとつとして目がありません。
ケタケタケタケタ。
蝙蝠は合唱するように笑います。
ドアマンが扉を開けると、蝙蝠達は一斉に飛び立ちます。
蝙蝠達は月夜を塗りつぶすように舞い狂い、やがて何処ともなく姿を消しました。

澄んだ空気に迎えられ、月光が傘を帯びています。
蝙蝠達は夜の砂漠に飛来しました。
蝙蝠達が寄り集まり、黒い霧になったかと思うと、それは収束してノスフェラトゥとなりました。
ノスフェラトゥが指でもって眼窩の軟らかな粘膜を掻きむしると、とまりかけていた血が溢れてこぼれます。
ぽたり、ぽたり。
砂地に落ちた血は真っ黒で、見る見るうちに拡がってゆきます。
血痕の黒円の円周から兇悪な牙が生えてきて、やがてその円は狼の口蓋になりました。
狼の喉は何処までも続いているようにみえます。
ノスフェラトゥはさも当たり前のことのようにその口に飛び込みました。
ノスフェラトゥが入ると同時に、大地に現れた狼の口蓋は堅く閉じられました。
狼の口蓋が砂に馴染んで消えてしまうと、あとにはもう青い月が凛と冷め輝くばかりでした。

463:創る名無しに見る名無し
09/03/19 00:05:34 z2uoVnSN
もしかしたらアンパンマンの散文詩を書いた人かな。
何となく作風が近いものを感じたので…別の人だったらスマソ

464:創る名無しに見る名無し
09/03/19 01:46:02 Bes1W40I
ノスフェラトゥは自らの生み出した異空間に永らく閉じこもっていました。
幾日も幾月も幾年も、ノスフェラトゥは閉じこもっていました。
ジョン・ケージのASLAP(アズ・スロウ・アズ・ポッシブル)が二度ほど完奏するころ、
ノスフェラトゥは目を覚ましました。
ASLAPは一曲が640年の曲です。
夜よりも暗い黒い霧が地面から染み出し、それはノスフェラトゥになりました。
ノスフェラトゥが地上に出てみるとそこには熱帯雨林がひろがっていました。
なにしろ1280年の年月ですから、砂漠が無くなったことに驚きはありません。
でもノスフェラトゥは空に違和感を感じました。
月がうるさいのです。
ノスフェラトゥは黒い霧になって舞い上がり、蝙蝠に変身すると、熱帯の精気から逃げる様に飛び立ちました。

街に着いてみると、その異常は明らかでした。
街にいる人間はノスフェラトゥがかつて支配した人間達のみでした。
普通の人間の一切が全くいなくなってしまったのです。
絶滅したのでしょうか。
ノスフェラトゥは残っていた支配した人間に、何が起こったのかを問いました。
「む か し、い ん せ き が 落 ち て き ま し た」
過去にノスフェラトゥに支配された人間達が、ノスフェラトゥに群がります。
支配された人間達は口々に語りました。
「ほ し は く だ け、塵 に ま み れ ま し た」
「日 が さ し ま せ ん」
「わ れ わ れ に は 快 適」
「し か し 普 通 の 者 に は つ ら す ぎ た」
「疫 病 が 流 行 り ま し た」
「ひ と は み な、月 に ゆ き ま し た」
「や が て 塵 は 消 え ま し た」
「ひ と も 消 え た ま ま で し た」
「帰 っ て は 来 ま せ んで し た」
ノスフェラトゥは呆気に取られました。
あれだけ死にたがっていた人間達が、いざ死ぬとなるとこぞって逃げ出したのですから、
ノスフェラトゥが呆れるのも無理はありません。
「くはっ、くっく……は、はははは、アハハハ!」
ノスフェラトゥは腹の底から笑いました。
目尻に涙が浮かび、息も吐ききってなかばむせながら、それでも笑いました。
そのくらい愉快だったのです。
ノスフェラトゥは笑いました。
黒い霧になり無数の蝙蝠に変身してからも、ケタケタケタケタケタケタと、しばらく笑い続けました。
蝙蝠達は笑いながら飛び交い、1280年の年月を生き長らえた支配下の人間達に次々と食らいつきました。
支配下の人間達をみんなミイラみたいにしてしまうと、その支配下の人間達の萎んだ身体を全部、
地面に召喚した狼の口蓋にほうり込みました。
力を補充した蝙蝠達は空高く翔んでゆきます。
彼らの落ち窪んだ眼窩はしかし、確実に月を見据えていました。

465:携帯 ◆4c4pP9RpKE
09/03/19 01:50:43 Bes1W40I
アンパンマンの散文詩の人とやらではありませんですハイ。

466:創る名無しに見る名無し
09/03/19 01:55:22 0aZtz7ni
芸の幅広いのう

467:創る名無しに見る名無し
09/03/20 22:37:19 SS4C3rBb
 私は会社に行く途中、通りに座り込んで泣いている女性を見つけた。
 私以外の通りを行き交う人々は彼女に目もくれずに先を急いでいる。
 私も彼らに倣おうかと考えたが、やはり気付いてしまった以上は放っておくの
は心が痛むので、とりあえず声をかけた。
 女性はただ首を振り、うつむいて黙っていた。
 私は彼女を心配に思いながらも、彼女が私を拒否しているのがわかったので、
その日は素直に引き下がって会社に急いだ。
 翌日、私は同じ場所で同じ女性を見つけた。
 彼女は今日も泣いていた。
 私はそれを見たが再び声をかけるなんてことはせず、やはり会社に急いだ。
 翌日は会社が休みだった。
 私は特に予定もなかったので、暇潰しに彼女が今日も居るかどうかを見に行っ
た。
 彼女は今日も泣いていた。
 私はさすがに不審に感じ、彼女に近づいて声をかけた。
 彼女はやはり私を拒否したが、今度は私は引き下がらなかった。
 彼女は顔を上げ、私を見た。
「どうしてあなたは私に構うの?」
 私は答えた。
「三日間も通して同じ場所で泣き続けている人を放っておく方がどうかしています。」
 彼女は再びうつむいた。
「あなたがここで泣いているのは、恐らくそれ相応の理由があるのでしょう。力
になれるかもしれません。話していただけませんか?」
 私がそう願うと、彼女は首を振った。
「話しても仕方ありません。どうにもできないことなのです。」
「ならば益々他人の助けが必要でしょう。」
「あなたの助けを得たからといってどうにかできることではありません。」
「それは私を侮辱しているのか。」
「いいえ、そんなことは。」
「ならば話していただきたい。」
「仕方ありませんね。」
 彼女はため息をついて、憂鬱な表情で語りだした。
「友人が遠いところへ行ったのです。」
「それはお気の毒です。」
「友人だけではありません。家族もです。」
「それはひどい。心中お察しします。」
「私は孤独になりました。この世界でただ独りになり、そして独りのまま消えて
いくのです。」
「それは違います。」
 彼女は顔をあげた。
「私が貴女を独りにさせません。私と友人になりましょう。」
 彼女は顔をそむけた。
「いいえ。たとえ貴方と友人になっても、私は永遠に独りです。独りのままです。
それはあなたも同じです。」
 私は顔をしかめた。
 彼女は立ち上がり、懐から剃刀を取り出して手首を切った。
 私は彼女の手首から勢いよく流れ出している血を眺めていた。
 彼女は再び泣き出した。
「さようなら、親切な人。」
 彼女は手首から血を流しながら人混みの中へ消えていった。
 私は彼女の背中を眺めながら自分の首に手を当てる。
 ヌルリとした感触に首に触れた手を見ると、手は自分の血に濡れていた。
 ああ、そういうことか。
 私はようやく気づいたのだった。

468:創る名無しに見る名無し
09/03/21 03:38:46 PiotrEJ9
シックスセンス的な意味と考えればいいのかな。
ゾクッときた。

469:創る名無しに見る名無し
09/03/26 23:33:50 GOeyDopb
一人で荒しを擬人化した萌えキャラを描こうとしたが、萌えとはかけはなれたものになったのでここに埋葬
デザインコンセプトは荒し→嵐で風の精みたいな感じ
手にしたハンマーは場を荒らすためのもの。
性別は判断つかないようにしてみた。

URLリンク(imepita.jp)


470:創る名無しに見る名無し
09/03/27 07:46:37 IqLUXxgn
>>469
充分萌えのストライクゾーンで、ショタっ子に脳内変換した。


ところでここでは投下のない時に雑談はしない方が
いいのかな。今までの作品の感想も含めて。

471:創る名無しに見る名無し
09/03/27 22:00:06 +MlcOgHK
「王様、今日は良い報告と悪い報告があります。」
「申せ。まずは良い方からだ。」
「はい。我が国の軍備が、この国始まって以来最大のものになりました。」
「なるほど。して、悪い方は。」
「貴方の治世は今日で終わりだということです。どうかご覚悟を。」


3行スレに投稿しようかと思ったけど3行に纏まらなかったんだぜ

472:創る名無しに見る名無し
09/03/28 05:32:15 8Y6TLj0h
>>471
なんとなく星進一っぽい感じがした。

473:創る名無しに見る名無し
09/03/29 00:53:41 8lnhW+KX
>>470
ぽちぽちあちこちのスレに投下してる人間として、個人的な意見を言うと、雑談とかあった方が、作品投下も呼び込めると思う。
俺自身のことで考えると、新しい書き込みがあまりないスレへの投下は考えてしまうところがある。
ネットに書き込もうという時点で、多かれ少なかれ、他人に見て欲しいという気持ちがあるワケで、
そのためには、現在、見ている人がいるスレに投下するのが良いのだが、
あるスレが、そういう見ている人がいるスレかどうかを判断する基準になるのが、新しい書き込みの量だから。
そのため、あまり新しい書き込みがないと、同じ作品を投下出来る別のスレを探して、もしあれば、そっちの方に投下するだろう。

特にこのスレの場合、特定のジャンルやモチーフを設定していないので、他スレに投下先を変更しやすい傾向があると思う
(ただこれは、全く同じ理由で、様々な作品が流れ込みやすいという大きな長所の裏返しでもある)。

そういった訳で、雑談とかは、見ている人間がいるスレだというのを示す意味でもいいんじゃないだろうか?
雑談が続いてると作品投下しにくいんじゃないかという意見を他所で目にするけど、
「雑談の流れ邪魔すんな!」みたいな空気が無ければそんなことはない、
むしろ一つ二つくらいの作品をスレの全員で熱心に見てるみたいな状態の方が投下しにくい(邪魔するような気がして)。

まあ確かに、投下しにくくなる雑談てのもあるんだけど
(一例を挙げると、心構えや作品の方向性なんかについてかくあるべしとか
 作品を投下していない人間が延々と書き込んでいる場合。
 作品を書いてる人間が論じているのであれば、
 「ああ、この人はこういう考えの下に書いてるんだな」と一つの姿勢として受け止められるのだが、
 書いてない人間がそういうこと書き込むと、色々うるさく縛りを付けられて、自由に書くのを妨害される感じがする。
 率直に言って、作品を批判されたり細かい不備を指摘されたりするより余程書き込みにくくなる)。

長々と書いてスマン。あくまで俺個人の意見だから、自分は違うという人も多いかも知れない。

474:創る名無しに見る名無し
09/03/29 00:58:41 OYmlUFqF
内容が無いよう

475:創る名無しに見る名無し
09/03/29 01:41:25 sBSxb0Vi
>心構えや作品の方向性なんかについてかくあるべしとか
>作品を投下していない人間が延々と書き込んでいる場合。

雑談というより雑音だやね、それはw

476:創る名無しに見る名無し
09/03/29 01:44:57 sBSxb0Vi
でもまあ、このスレは他に投下先がない作品が自然と吹きだまるかのように集まるので、
別に雑談とかで盛り上がってる必要もないのかなとおもた
ここばかりが伸びるようなことがもしあれば、それもおかしな現象だしw
他スレでの一般論としては>>473に同意だけどね

477:470
09/03/29 13:33:38 ePW8PR6v
なるほど、尤もな意見をありがとう。
このスレ的にはみんなが気持ち良く投下できる様に雑談は
程々に、励みになる感想は適度にというところかね。
ちなみに今までの作品にコメントが欲しいもしくはつけたい、でも時間が
経ちすぎて難しいという場合、こういうスレもあるので一応紹介しておく。

スレリンク(mitemite板)
スレリンク(mitemite板)

478:創る名無しに見る名無し
09/03/30 22:13:59 osUTF1mF
キモイ馴れ合いスレになったな
もうここには書かない

479:創る名無しに見る名無し
09/03/31 00:37:07 TFJeSYXA
それがどうした

480:創る名無しに見る名無し
09/03/31 08:31:11 eq2zIsfe
そもそもこのスレって狙って書く場所じゃなくね?w

481:創る名無しに見る名無し
09/03/31 09:54:00 Q8zdrTYs
前から気になっていたけどここの人たちは作品に対する感想が
つかなくても全然平気でむしろ感想ですら邪魔だったりする?

482:創る名無しに見る名無し
09/03/31 11:17:57 vKhqQfZw
邪魔ってことはないっしょw

483:創る名無しに見る名無し
09/03/31 22:32:37 11MYTu1U
邪魔ならなんで晒したんだって話だなww

484:嘘予告CPB(1/5)
09/04/01 16:01:48 BE1toEdN
 CREATION PRESENT BATTLEを開催いたします。
 ルールは一対一の対戦格闘形式で行います。
 参加希望の方は、会場までお集まり下さい。
 貴殿の参加、お待ちしております。
 ……以上【O】


 そんな内容を記した招待状が、各地の戦士達に届けられた。


 春星高校文芸部室。
「という訳でタッ君参加しよう!」
 増田卓(ますだ たく)の背に、一見すると元気のいい男の子みたいな少女、
薬師寺小星(やくしじ こぼし)が覆い被さってきた。
「するか! 俺は頭脳労働担当だ!」
 卓はずれた銀縁眼鏡を指で直しながら、幼なじみの意見を即座に切って捨て
る。
 おかげでマスタースクリーンが倒れてしまった。
 そもそもTRPGをしに部屋に集まってるのに、何故格闘大会に参加しなき
ゃならんのか、訳が分からない。
 しかし、他の面々はどうやら卓とは違う意見のようだった。
 卓の席の右手で、プラチナブロンドの美少女がボキボキと拳を鳴らしていた。
「ふふふ、腕が鳴りますわね」
 炎のように闘志を燃やす少女、カトリーナ・真白・フランクリンを小星が指
さす。
「シロちんはやるきみたいだよ?」
「アイツがやる気でも、俺はやる気はないの!」
 すると、左手に座っていた純和風の少女、駿河壱与(するが いよ)が周囲
を見渡した。
「という事は、参加者は……」
「はい!」
 元気いっぱい手を挙げる小星の手を、卓の手が下げた。
「コイツは却下」
 上がった手はカトリーナともう一人、怜悧な印象を受ける美女だった。
「十和子さんと、カトリーナさんですか」
「うむ」
 壱与の声に美女、鉄砲塚十和子(てっぽうづか とわこ)が手元のキャラク
ターシートから目を離さず頷いた。
 そして向かいの席に座っていた大柄な男、戸隠力也も遅れて太い腕を上げた。
「はっはぁ! 面白そうなイベントじゃないか! 俺様も参加するぞ!」
「……戸隠入れて三人か」
 まあ、妥当かもしれない、と思う卓だった。
「目指すは優勝ですわよ!」
 拳を掲げるカトリーナに、腕組みをしたまま十和子はニヤリと笑う。
「ふ……やるからには、当然だな」
「……お前ら、リアルで武闘派だもんな。どうでもいいけど、プレイ始めるぞ
ー」
 呆れながら、軽く机を叩く卓であった。

 ―TRPGスレより、『金色の格闘姫』カトリーナ・真白・フランクリン、
『爆撃王』鉄砲塚十和子、『馬鹿力』戸隠力也、参戦。


485:嘘予告CPB(2/5)
09/04/01 16:03:09 BE1toEdN
 同時刻。
 まだ日も高い風杜神社の境内で、天神はづきは泣きそうな顔をしていた。
「木島君、ど、どうしよう?」
 石段に腰を下ろし、はづきのクラスメイトであり相棒(パートナー)の木島
勇人(きじま ゆうと)は招待状から顔を上げた。
 小学四年生とは思えない、落ち着いた少年だ。
「実戦経験を積むのは悪い事じゃない」
 その言葉に、はづきは少しだけ励まされる。
 棍術はそれなりにやれるし、勇人は基本的に根拠のない事は口にしない性格
だ。
「で、でも……」
 ただ、それでもやっぱり自信がないはづきであった。
「色んな人に見られて戦うなんてわたし……やれるかな」
「天神は、本番に強いタイプだと俺は思う」
「そ、そう……?」
「それにルールにあるが……天神、変身してみろ」
「え?」
「幸い、誰もいないみたいだ。問題はない」
「う、うん……じゃあ……」
 はづきは胸元から、勾玉の首飾りを取り出した。
「変、身……っ!」
 かけ声とともに、青い光が身を包む。
 私服姿から、霊力を帯びた巫女装束の魔法少女、トゥインクル・オーガスト
へと変身を完了する。
 同時に勇人も手のひらサイズの赤い子鬼、ボルトへと変化し、トゥインクル
・オーガストの肩に乗っていた。
「小動物はパートナーとして一緒に参加が可能のようだ。問題は、ない」
「……わ、分かった。やってみるよ」
 ボルトが一緒なら、不安もない。
 ちょっとだけ勇気の増えたトゥインクル・オーガストは、変身を解いた。
 同じく元の姿に戻った木島勇人は、ポケットに招待状を突っ込んだ。
「じゃあ、参加者の情報を下調べしてくる。天神はいつも通りに道場で稽古を
続けていてくれ」
「う、うん。頑張ってね」
「お前もな」
 はづきと勇人は手を振って、分かれた。

 ―魔女っ子&変身ヒロイン創作スレより、『魔法☆巫女』トゥインクル・
オーガスト&ボルト、参戦。


 同時刻?
 こことは違う、とある異世界のとある宿屋。
 郵便屋さんの運んできた招待状の封を、若干六歳の勇者、レイルは切った。
 しかし、レイルには文字が難しすぎたので、保護者である羊飼い、スイフト
に助けを求めた。
「おにーちゃんおにーちゃん、これよんで!」
 招待状を渡し、レイルはベッドに腰掛けるスイフトの膝に乗った。
「ふむ、武闘会の招待状だね」
 その言葉に、レイルは目を見開いた。


486:嘘予告CPB(3/5)
09/04/01 16:04:27 BE1toEdN
「ぶとーかい!?」
「うん。どうする、レイル?」
「する! れいる、さんかする! ドレスきて、おにーちゃんとおどるの!」
「うん、レイル。それは違う舞踏会だ」

 ―新ジャンル「ロリ騎士」より、『ろくさいゆーしゃ』レイル、参戦。


 同時刻。
 荒れた古寺『開団寺(かいだんじ)』の離れで、女学生の格好をしたツイン
テールの幼女、武桜(ぶおう)はキラキラと目を輝かせた。
「参加するぞ、豪! 賞金は山分けじゃ! ぱふぇ食い放題じゃぞ!」
 武桜の頭の中は、既に生クリームとフルーツで満たされていた。
 一方、春星高校の制服上着を脱ぎ、稽古前のアップをしていた木島豪(きじ
ま ごう)は、そこそこ冷めていた。
 ギョロリとしたドングリ眼が印象的な、屈強そうな若者だ。
「やる気はいいけど、取らぬ狸の皮算用って知ってるか、師匠?」
「うむ。という訳でこれから大会までは、修行量三倍じゃ!」
「無茶言うな! 死んじまうだろ、そんなの!」
「豪よ。お主もそろそろ黄泉路を渡る経験をしてもおかしくないぞ?」
「したくねえよ、そんな経験!?」
「なーに、師匠である我に任せておけば心配いらぬ。慣れればちょっとした旅
気分じゃぞ」
「旅気分で死線を彷徨いたくねえよ!? 俺は師匠みたいに仙人じゃなくて、
普通の人間なんだからな!」
「普通の人間は、念動力なんぞ使えんと思うがなぁ」
 などと、いつものようなやりとりを師弟がしていると、入り口の扉がガラリ
と開いた。
「お邪魔します」
 一礼をして入ってきたのは、豪の弟、勇人(ゆうと)だった。
 小学四年生とは思えない、落ち着いた少年だ。
「ぬ? 勇人ではないか。どうした」
「兄の見学に来ました。いいですか」
「ほう、それは関心関心。ほれ、豪。弟にいいところを見せてやるのじゃぞ」
「出来れば必殺技など、見せてもらえると助かります」
 言って、勇人は離れの端に正座した。
「ほっほっほ、任せよ」
 気をよくした武桜は軽く笑うと、一足で豪との間合いを詰めた。
「ゆくぞ、豪! 螺旋撃!」
 まだ構えも何もしていなかった豪は、桜色に輝く気を渦状に練り込んだ掌底
に吹き飛ばされた。
「ふ、不意打ちは反則過ぎるだろーーーっ!?」
 壁に大きな穴を開け、錐揉み状態で豪は飛んでいく。
「はっはっは、ざっとこんなものよ」
 勝ち誇る武桜と壁の穴を見、勇人は冷静に呟いた。
「……やはりここは要注意だな」

 ―ロリババァ創作スレより、『格闘仙女』武桜、『サイコ・パワー』木島
豪、参戦。


487:嘘予告CPB(4/5)
09/04/01 16:06:01 BE1toEdN
 同時刻。
 自宅に帰った小泉南雲(こいずみ なぐも)は、招待状を手にベッドに寝転
がった。
「……どこでお前の事を知ったんだろうな」
 すると、霊体の幼なじみ、柳田玖美子(なやぎだ くみこ)が手紙を突き抜
け、南雲の顔をのぞき込んだ。
「さあ? でも、いいのかな? 二人一組での参加って……私たちだけ例外っ
ぽいんだけど」
 重力は無視しているくせに、三つ編みは垂れるのは何故だろう、と南雲は文
学少女然とした玖美子を見て、疑問に思う。
 まあ、そんな事より招待状の内容が問題だ。
 自分と玖美子の二人で戦って、果たして勝算はあるのかどうか。
 二人一組については、大会の方が許可しているなら悩む内容じゃない。
「まあ、ありなんじゃないのか? ほら、キャラクターが生命エネルギーのビ
ジョンを出現させて戦う格闘ゲームもある事だし。……っていうかお前がいな
きゃ、俺ただの一般人じゃないか。死んだらどうする」
 南雲の問いに、玖美子は首を傾げて軽く悩んだようだ。
 それから。
「……あ!」
 ポン、と手のひらを打った。
「わたしと一緒になれるね?」
「名案だ、みたいに手を叩くなよ、おい!?」

 ―恋愛物創作総合スレより、『幽霊使い』小泉南雲&柳田玖美子ペア、参
戦。



 同時刻。
 CPB開催会場は、まだ建造途中であった。
 何体もの岩の巨人が地響きをあげながら歩き、己の身体を崩して岩の建造物
を作り上げていっている。
 ヘルメットをかぶった、小柄な少年だか少女だかよく分からない不思議な雰
囲気の少年シェセプは、使い魔達の働きを見守っていた。
 彼の仕事の大部分は設計部分にあり、それはもう終わっているので気楽な物
である。
 そこに、黒い帽子に黒いマントという魔女然とした幼女が、湯飲みの載った
お盆を手に近づいてきた。
「お茶どーぞ」
 のほほんとした幼女、まったり魔法少女であるなごみに、シェセプは微笑ん
だ。
「ありがとうございます」
「どういたまして。しゅびはどおだ?」
 お茶を啜りながら、シェセプはうん、と頷いた。おいしいお茶である。
「はい。予定通りに進んでますよ。武闘会場というのは初めて作りますからね。
腕が鳴ります」
「それとこれもあげるのです」
 なごみは、薄い手紙を差し出した。
 CPBの招待状だ。
「ボクにも招待状ですか。どうしようかなー。特にお金には執着ないんだけど」


488:嘘予告CPB(5/5)
09/04/01 16:07:12 BE1toEdN
「あ、シェセプ、わすれてた。きゅうけいじょを作るのだー」
「はいはい」
 シェセプの指示で、岩人形の一体がカウンターのある小さな部屋を作り始め
る。
 なごみはそこに、魔法で出したお茶をよいしょよいしょ、と並べていく。
 カウンターいっぱいにお茶を並べ終えると、なごみは大きく両手をあげて笑
った。
「じゅんびかんりょー、ばっちこいだー!」
 はじまりはじまる。

 ―ファンタジーっぽい作品を創作するスレより、『墓職人』シェセプ、参
戦。
 ―魔女っ子&変身ヒロイン創作スレより、『まったい魔法少女』なごみ、
お手伝いとして参加。


 かくして、創作発表板を舞台にした熾烈な戦い(まつり)が今、始まる―!!




 ……なお、同時刻別地点において、ERO PARO BATTLEが開催
されようとしている事には、まだ誰も気づいていない。


489:創る名無しに見る名無し
09/04/01 16:08:29 BE1toEdN
4月1日という事で、自作キャラでバトルロワイアルな嘘作品を作ってみました。
どうせでっち上げなので、自作キャラ~本スレに投下するのも何ですし、
かといって各スレに置くのも妙なので、ここに投下させていただきます。

あと、一番最後の一文ですが、時間の都合で向こうにはこのネタ存在しませんです。



490:殺しはなかった1
09/04/02 05:27:44 TBGpavgJ
 彼は橋の下に住んでいた。
橋の下の青いビニールのテント、それが彼の家だった。
今彼の風貌をなんとかここに描写できたらいいと思うのだがそれができない。
なぜなら彼を良く知る人物というのが一人もいないからだ。
つまり彼の顔を正確に知っている者はこの世にいないのである。
唯一私が知っている彼の特徴を述べるならあの長く白い髭だろう。
それは相当長い間手入れされておらず、彼がかなりの高齢である事を示していた。
彼には身内というものがなかった。
もしかしたら本当はどこかに、彼の身内はいるのかもしれない。
しかし誰も彼を必要としていなかったし、愛してはいなかった。
例え彼を道端で見つけたとしても、小汚いこじきだと思うだけで一分後には何もなかったかのように忘れてしまうだろう。

そんな彼の毎日は全く変わらない。
しかし今夜は青いテントの中でいつもとは変わったことが起きていた。
深夜零時、いつもは彼も寝ている時間、今日に限って彼は仰向けになり青いテントの一点をじっと見つめている。
彼はきっとこれからずっとこの一点を見つめる事になる。
誰かが彼を見つけない限りずっとだ。
もしかしたら一生彼はこのままかもしれない。
何故なら彼を知る人は誰もおらず、彼がいなくてもいつも通りの明日が訪れるからである。


491:殺しはなかった2
09/04/02 05:31:19 TBGpavgJ
 その青年が住むのはその橋のすぐ近くの家だった。
青年の顔立ちは非常に整っており、見たものは誰でも一瞬惚れこんでしまうような、そんな美しい顔をしていた。
しかし顔色には一種病的な青白さがあり、よく彼を観察した者であれば、彼があの美しい顔の下でどれだけ私たちを侮蔑していたかすぐに分かっただろう。

学校でも彼はほとんどの人間を見下していた。
確かにそれができるほど彼は賢く、なおかつスポーツでも彼は非常に優秀な成績をおさめていた。
学校中の人々は皆彼と話したがった。
しかし彼はそれを冷徹な態度でいつもあしらっていた。
このような行動は彼にマイナスの効果を与えたかというとそうではなかった。
ただ他の者達は、(この人はあまり他人と話さないんだな)つまり内気な人と思い込みそれで解決した。
ほとんどの人間が、彼がその行為を侮蔑から行っているとは全く気づかなかったのである。

 彼はいつも通り零時にベッドに潜り込んだ。
しかし今日彼はなかなか寝付く事ができない。
彼は分厚い毛布をかけ、それでもなおガタガタと震えていた。
別にここが特別寒いわけではなかった。
むしろ季節は六月の中旬であったし、この場所はもうそろそろ夜も蒸し暑くなってきているような、そんな天候のはずだった。
もちろん彼が異常に寒さに弱いとかそういうのではない。
彼が震えているのには別の理由があった。
ずっと今日の夕方に起こった出来事について考えている。
彼はそのために震えているのだった。

 (くそ、いったいどうしたってんだ俺は、あんな訳の分からないじいさん相手に。
俺はただあのじいさんがどんな事してるか見てやろうとしただけだ。
やつのテントは思えばやつが盗んだもんばかりだった。
あいつはもともと死ぬべきだったんだ。
そうだ、だってあんな橋の下で暮らしているようなやつがあんな金の時計なんて持っているわけないじゃないか。
他にも金目の物がいくつも置いてあった。
そうだやつは死ぬべきだったんだ。
それがあいついきなりテントに戻ってきて、俺を見つけるなり襲い掛かってこようとした。
だからやっちまったんだ、近くにあった…あれはなんだったんだろう?
クリスタル?
あれもやっぱり高そうな置物だったな。
細長いダイヤみたいな形をしていて下に台座が付いていた。
ええい、何でこんな時に俺はそんなどうでもいい事を思い出すんだ!
これじゃあ駄目だ。
明日は学校に行かない方がいいかもしれない、このままじゃ何か気づかれるかもしれない。
いや、俺はなんて馬鹿なことを考えてるんだ!
もし明日死体が見つかったらどうする!
その途端学校を休みだした俺が疑われるのは当然じゃないか。
そうだ、明日はいつものように学校へ行くんだその後はどうすれば?
とりあえず学校に行っている間は何もするべきじゃない。
終わってからだ!その時には何かいい考えが浮かんでいるかもしれない。
それよりまず明日の学校だ。
寝不足で行くのはやはりまずいな。
なんとか少しでも寝て疲れをとるんだ。
ひどく疲れているはずだ、眠れる、眠れる…。)
 きっと彼は今晩一睡もできない。
例え眠れたとしても、彼は夢の中であの青いビニールのテントを見るだけなのであった。



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