08/12/04 22:32:29 rI7Kc1Jw
少年のイデアは呟く、
「……意識を介在させてはいけない。
防波堤はカタストロフィーの布石さえ演じられぬのだから。」
―午前七時四十二分
等間隔に配置された街路樹の下を抜け、彼は停留所に向かう。
眠りから醒め切らぬ街。躁病を抱えたスーパーマーケット。流動性を固持する乗用車の群れ。
弛みに絆されるその感覚は彼を厭世観に染めかけるも、所詮はコピーペースト故、途切れる。
そして劈く不快感。
眼界にノイズの如く走る少女たちの嬌声が彼を現実に縛り付ける。
自動的な歩み。ほら、もうバスが来る。急がなきゃ。パブロフ。
それはさも悲しげに、
「生まれつき歯車として生きていたかった。
せめてそんな風に思われていたかった」と。