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エヌ氏は高名な武道家であった。
さらなる境地をめざし、深山にこもり、ひとり鍛練に明け暮れた。
長い修行の果て、遂にはうちなる気をビイムのように打ち出す技に開眼した。
エヌ氏は満足して、勇んで下山してみると、驚いたことに、街は荒れ果て、ゴーストタウンのようなありさまである。
ただならぬ状況に、エヌ氏は人を求めて彷徨い歩くと、広場らしきところにみすぼらしい姿をした人々が集まっている。
ひとりを掴まえ事情を訊くと、どこからともなく現れた化物が暴れ回ったせいなのだという。
エヌ氏は怒りに燃えた。
人々から声が挙がると、空から降りてくるなにかが見える。空を飛ぶなど面妖な、あれが元凶だなとエヌ氏は身構え、はぁ! と全霊の一閃。
ビイムがそれを打ち落とした。
すべての力を使い果たしエヌ氏は絶命した。
世紀末。
天が使わしたメシアを失った人類は滅亡した。