09/07/10 08:06:41 nmcDdhH2
>>723の続き
男はゆっくりとドアを開けた。そこには月明かりに照らされて頭から血を流した女が立っていた。
「あら、ここにいたのね」
女はなれなれしく話しかけてくるが、誰だかすぐに思い出せない。
「先にドンドンドン行っちゃうから、追いかけるのに苦労したわよ」
そう言いながら、女は小屋に入ってきた。
「それ、私のだから、返してもらうわよ」
女はさっきまで男がかかえて寝ていた大きな荷物を指差した。
ああ、そうだ。男は思い出した。確かにそれは昨日の昼間では彼女の物だった物だ。
「もう会えないわね。今度はあなたが私の所へ来る番ね」
男はもう一度女の顔を見ようとした。しかし、彼女はいなかった。
かって彼女だった荷物だけが残った。