09/07/09 23:15:19 msnXuWPn
「212年後に地球は確実に滅ぶ」
ある科学者によって発表された論文を、はじめは誰も信じなかった。根拠となる計算式があまりに難解で、誰も解こうとはしなかったのもあるが、一番の理由は、その科学者が黒人で、しかも無名であり、発表した日が4月1日であったからだ。
ところがが半年後、論文にあった隕石の姿が、新型宇宙lens式望遠鏡(ユニシス)によって捉えられると、世界は癌を告知された患者に等しく、誰もが青ざめて刹那沈黙した。
しかしながら212年後。もう、その頃には、今生きている者は隕石の衝突以外の理由で死んでいる。今の子供たちの子供たちも、おそらく同じ。だから、どう捉えて良いかわからなかった。
果たして200年後、地球からどこかの星へ移り住むことは可能であろうか。
一体何人が? いや、自分が乗るわけでは無いのだ。どうでもいい。恐れるべきか。悲しむべきか。我が身の幸運を神に感謝すべきか。
皆が混乱していた。この件をきっかけに派生し、世界に瞬く間に広まった宗教の教祖は言う。
「考えても仕方がない。備えるのはこちらの損。次世代に任せようではないか」