09/07/05 00:58:50 9hvx54vO
2060年、科学の飛躍的な進歩により、人類は宇宙を自由に探索出来るまでになっていた。
「今日で2年と2ヶ月20日…僕たちはいったいいつまでこうしているんでしょうね?」
彼は傍らに腰掛けている宇宙飛行士に声を掛けた。
彼らはもう2年も宇宙をさ迷っている。
2年前、彼らは宇宙探索の為、2人一組のチームで地球を後にした。
しかし不慮の事故により、地球とも連絡が付かず、広大な宇宙をさ迷い続けているのだ。
幸いと言えるのだろうか、科学の粋を集めた小さな宇宙船には、酸素供給装置、食料など5年は生きていける様になっている。
「あと3時間ほどで今日が終わりますね…」
彼は、不安と恐怖で気が狂い自ら命を絶った宇宙飛行士に声を掛ける。
そして窓ガラスに映った金属の塊を見つめながら呟いた。
「自ら命を絶つプログラム、してもらっとけばよかった…」