09/06/11 23:29:48 FRGYf6R1
うらない
朝から上司に怒られた俺は、外回りと称して競馬場に足を運んでいた。
競馬新聞の代わりに、経済情報誌を丸めてレースを観戦する。朝方、上司に投げつけるように渡されたものだ。もちろん内容なんかほとんど読んでない。
どうせ、この不況で顧客回りなんか空振るだけだ。
右手の経済情報誌の片隅。唯一、俺が目を通した星占いが俺をサボリへと後押しした。
天秤座★★★★★
今日は全てがうまくいく最高の月。いつもなら越えられない壁も、今月はなんなく越えるでしょう。
この星占いに俺は何か感じる物があったのだ。
カラフルな占いの記事は天秤座の俺の瞳に強烈な電波を投げかけた。これは自分に対する天啓だと俺は感じた。
最終レースまでは収支はプラスだったが、最後の最後で超鉄板だったトニートニーゼブラをビリケツ常連のライブラクイーンが3馬身差でぶっちぎり、俺の馬券は紙屑になり、俺の財布は覗きたくもない有り様となった。
確かライブラクイーンは生まれが10月で、天秤座にちなんだ名前がつけられたとか何かで読んだ。
星座占いは馬にはそれなりに当たったらしい。
そういえば、今日久しぶりに快勝した俺のお気に入り、バスターヤマトオウジも10月生まれだった。
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