星新一っぽいショートショートを作るスレat MITEMITE
星新一っぽいショートショートを作るスレ - 暇つぶし2ch500:創る名無しに見る名無し
09/04/06 18:36:00 c1mS2CUR
テロの域ww

501:創る名無しに見る名無し
09/04/06 20:00:44 1AomaQ72
いたずらの域超えてるだろw

502:創る名無しに見る名無し
09/04/06 20:02:02 1AomaQ72
ここ最近のじゃ>>465のやつが好きだなー

503:創る名無しに見る名無し
09/04/06 21:31:14 YNwROUly
>>498
それ応募してみるかな(笑)

504:創る名無しに見る名無し
09/04/06 21:35:17 DOQOa7FZ
いっちゃえいっちゃえ

505:創る名無しに見る名無し
09/04/06 21:45:38 YNwROUly
競争率って激しいの?
てか星新一ぽくなくていいよね?
 
一番気になるのはジャンルなんだが(笑)

506:創る名無しに見る名無し
09/04/06 22:18:16 RRprI69B
競争は激しいがショートショート関連の賞としてはこれ以上ない好条件だと思う。
ショートショート作家の阿刀田高氏が審査してくれるし。

ジャンルは面白ければなんでもおk、ただしエログロとかはさすがに無理っぽい
気になるなら↓のスレを読んでみて

507:創る名無しに見る名無し
09/04/06 22:40:48 YNwROUly
>>498
一人一編って事は
月に1編しか応募できないのか?
 
封筒をいくつかに分ければ平気なのか。
 
小説現代買ってくるわ

508:創る名無しに見る名無し
09/04/06 22:50:07 DOQOa7FZ
>一人一編
こう書いとかないと、大量に送りつける人がいるんだよwきっと
厳選して送るのが良いと思う

509:創る名無しに見る名無し
09/04/07 03:17:54 IFpcVRpU
し、しまった。
俺が余計な質問をしたばっかりに
このスレの職人が減ってしまう!

510:創る名無しに見る名無し
09/04/07 12:14:08 ueEdEUdT
そして俺みたいな低レベルの香具師だけが残るというわけか……

511:創る名無しに見る名無し
09/04/07 22:16:18 rBy2pisH
大丈夫!傑作の1つ以外はここに投下してくれるさ!

512:創る名無しに見る名無し
09/04/07 23:20:40 c75PreCX
>>465
限りなく盗作に近いな。
小説現代のショーショートコンテストで、既存のアイデアがあったよ。
ただし、舞台は『口の中』ではなく『頭の上』だったが。

513:創る名無しに見る名無し
09/04/08 00:38:18 CX9eEJXH
>>499
世にも奇妙なとかストーリーランドでありそうだ

514:創る名無しに見る名無し
09/04/08 06:35:48 OiYpWpkz
実は応募するにあたって大変なのは
博士と見習いとかSF地球消滅とか神様系など舞台設定はある程度に限られていて
ネタが被らないように書くのが難しいんだろうなぁ

515:創る名無しに見る名無し
09/04/08 10:55:11 3qOGCkSw
コンテストのほうは星っぽいとか縛りは無かったと思うよ。結構自由
むしろ星っぽさを外した方がネタ被りを回避できるかも、というか選者自体そういうのも求めてる印象
投稿作がバラエティに富んでいたほうがコンテストとしては面白いしねw

516:創る名無しに見る名無し
09/04/08 11:49:11 5aZ2HDV6
投下させていだきます。

「遅くなりました! 大統領、幸せ測定装置が完成しました! これを使えばその人がどれだけ幸せか一瞬にしてわかるんです」
「ほほぉ、早速測ってみることにしよう」
 二人の幸せ指数を測ってみると、大統領は80で博士は20でした。

「せっかく完成したのに喜こんでおらんな?」
「この発明のおかげで家計が厳しくなりまして……」
「そうか、国防省には内緒でわしのポケットマネーから褒美をやろう」
 大統領が博士に金を渡すと、幸せ指数は変動し、大統領は40博士は60になりました。

「これは大発見です。他人が不幸になると、それだけ自分が幸せになるようです!」
「自分が幸せになるとそれだけ他人が不幸になるんだな……」
 博士は大喜びでしたが、大統領は気落ちして愚痴を漏らしました。

「しかし残念だ。もう少し早くこの装置を開発しておれば、わしは発射ボタンを押さなかったのじゃが……」
 核の炎で更地になった某国の様子をモニターで眺めながら大統領は嘆くのでした。



517:創る名無しに見る名無し
09/04/08 11:57:04 wfrjUo7s
意味がわからない

518:創る名無しに見る名無し
09/04/08 12:39:03 7Qi20e0x
あれ、これ前にも見たような

519:創る名無しに見る名無し
09/04/08 12:43:26 3qOGCkSw
うん?俺もなんかデジャヴ

520:創る名無しに見る名無し
09/04/08 12:49:52 7Qi20e0x
あ、SFSSスレか
転載とがめる訳じゃないけど転載した旨明記してほしいお

あっちでも感想した気がするけど、やはりオチにもう一工夫欲しいかなぁ

521:創る名無しに見る名無し
09/04/08 13:14:36 3qOGCkSw
転載把握。まぁあっちよりこっちの方が……盛り上がってるしねw
んー、しかし俺はあっちの博士&助手の方が好きだったかも知れぬ
会話のコントっぽさが悲惨なオチとの良いギャップになってたとおも

522:創る名無しに見る名無し
09/04/08 18:17:09 hudeTDIr
コンテスト応募する人は、落選したらこのスレに投下してくれw

523:フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY
09/04/09 00:48:58 JU776ZEj
『ミラーワールド』

「じゃあ、スイッチを入れますよ」
 部屋の中にいるのは、老人と若い男女。
 老人は高名な物理学教授。若い男はその助手。女性は老教授の孫娘だった。
 彼ら3人の目の前には、巨大な金魚すくいのポイのようなものが立てられていた。素人が見ても、サーカスで
ライオンがくぐる輪が置いてあるとしか思えないだろう。輪からはケーブルが引かれ、隣のパソコンに接続されている。
 助手がパソコンのキーを叩くと、輪はヒューと音を立てはじめる。
 やがて、輪の中は鏡のように3人の姿を映し始めた。
「成功だ!」
 青年は感極まった声をあげた。
「待ちたまえ……喜ぶのはまだだ。ただの鏡を力場で作ってみました、じゃあ話にならん。ちゃんと入ってみなければな」
 そう言って老教授は、ゆっくりと片手を輪の中の鏡に突き入れた。片手は何の抵抗もなく、その中に入っていく。
 青年は輪の後ろに回りこんだ。輪の向こう側から教授の手は出てこない。教授の手は輪の中に入ったまま、
切り落とされたようにこの世界から消失していた。
 教授は手を抜いた。もちろん手は切り落とされていない。
「すごいすごい!」
 孫娘が飛び上がって喜ぶ。
「ああ、完成だ。5年に渡る努力がやっと報われたのだ」
 教授は彼女の手を取り、両手で何度も握手を重ねた。そして次に青年のほうを振り返る。
「君もよくやってくれ……」
 そこで教授は言葉を切った。青年の手に、ピストルが握られていたからだ。
「今まで本当にご苦労さまでした、教授。ですが、死んでいただきましょう。もうあなたは必要ありません」
 教授と孫娘は呆気に取られて青年を見た。
 彼の顔から、いつもの穏和な表情は消え失せ、残忍な笑みだけが浮かんでいた。
「この鏡の中に入り込む装置、コアミラー装置は我らN国のものになります。これで我が国の諜報能力は
他国を圧倒的に引き離すことになるわけだ。鏡の中に単身入り込んで諜報活動を行うことができるのだからね。
しかも鏡の外から来た物体の姿は、他の者には見えなくなるときている。完全に安全なスパイ活動だ。さて教授。
あなたには死んで頂きましょう」
 ピストルが火を噴いたと思ったその時、孫娘が男に体当たりした。
 男はわっと叫んで鏡の中に落ちた。すぐに孫娘はケーブルを抜き、接続されているパソコンを叩き壊した。
「おじいちゃん大丈夫?」
「ありがとう……しかし、まだ安心とは言えんよ。鏡の世界にだって機材はある。彼はずっとわしの助手をしていたから、
2ヶ月もあれば新しくコアミラー装置を作って帰ってこられるだろうな」
 大立ち回りをした孫娘はハァハァと息をついていたが、しばらくして祖父の意見に答えた。
「大丈夫じゃないかな。あの人、その前に死んじゃうと思うよ」
「死ぬ? 一体なぜだ?」
 老博士は怪訝な顔をした。
「ひとつ聞くけど、この機械で入れる鏡の中の世界っていうのは、やっぱり左右が逆なんでしょう?」
「もちろんそうだが」
 孫娘はにっこり笑った。
「なら安心よ。なぜってね、人間の体を構成する蛋白質はアミノ酸でできているの……これくらいは知ってるでしょ?」
「ああ、そうか。お前はたしか分子生物学専攻の学生だったな」
「そしてね、アミノ酸にはD体とL体があるの。理由は分かってないけど、人体の蛋白質を構成するアミノ酸はすべて
L体なのよ。自然界にあるほかの生物のアミノ酸のほとんどもね。」
「それがどうしたんだ?」
「人間を含むほとんどの生物は―こっちの世界の生物はと言うべきでしょうね―L体のアミノ酸だけを栄養分として
吸収できるのよ。D体を摂取しても、体外に排出されるだけ。そしてね、D体とL体の違いは、分子構造の左右が
逆だってことなの。鏡像異性体っていうのよ」
「それじゃあ……」
 孫はこっくり頷く。
「鏡の世界にある食べ物は、左右逆の生物の体から作られたもの。つまりD体アミノ酸でできているから、養分として
吸収できない。まあ、間違いなく餓死ね。いくら食べても元気が戻らないのを不思議がりながらね」

524:創る名無しに見る名無し
09/04/09 01:09:04 PAqdIjWg
ショートショートじゃなくてSF小説だね

525:創る名無しに見る名無し
09/04/09 01:10:59 JhuIJLrx
オチが好みじゃない。

526:創る名無しに見る名無し
09/04/09 01:20:42 cSIqCK8A
書き散らすのはいいが、こういう教科書的な説明に面白さはないと思う
むしろ何を面白がらせたかったのかがわからん

527:創る名無しに見る名無し
09/04/09 05:16:27 PnTQnQRY
おお、光学異性体か
そういえばそうだよな、確かに死ぬわ
人為的に合成するとどっちもできるんだがL体しか使えないんだよな
どうやって効率的にL体とD対を仕分けするかが課題だって教授が言ってた

528:創る名無しに見る名無し
09/04/09 11:25:25 z8vkl7bH
先の「逆になってるのは前後」って解釈だと、アミノ酸も前後逆なだけのL対になったりするのかな

529:創る名無しに見る名無し
09/04/09 12:21:38 Dc1DUUFh
アミノ酸の光学異性体ネタか……戦闘妖精雪風でもあったなあ。あっちは代わりにある者を食わされるんだけど。

>>528
鏡像体は、立体構造でX軸Y軸Z軸の一つの軸が他の2つの軸に対して反転しているものだから、
前後軸が逆になっていてもやはり光学異性体になるよ。

>>526
SFには理屈や論理を楽しむって面もあると思うが。特にハードSFは。
推理小説の謎解きシーンで「理詰めの説明はつまらん」とか言ったり
風刺小説で「社会設定を細かく解説されても退屈なだけ」とか言ったりする奴はいないだろう。

530:創る名無しに見る名無し
09/04/09 14:05:55 6KTGnK35
星が編集したショートショートの広場
って文庫見つけたから読んでみたぜ


531:創る名無しに見る名無し
09/04/09 14:34:03 PnTQnQRY
ふと思った
その鏡の中から食べ物もってきたらいくらたべても太らない最高のダイエット食じゃん

532:創る名無しに見る名無し
09/04/09 15:03:02 zo+H5leN
アシモフの科学エッセイでそんなこと言ってたな<D体ダイエット

「鏡の国のフルコース」ってステキな題だった

533:創る名無しに見る名無し
09/04/09 15:12:38 OHwCMmVR
>>529
>>523は構成や文章がよくないんじゃないだろうか。
材料はいいのに調理で失敗した感じ。
同じネタでも上手い人が書けば印象変わりそう。

534:創る名無しに見る名無し
09/04/09 16:42:53 1+kt8v5U
起承転結が起転承結になってると思う

例えば、まず鏡の世界に入りたい
問題は食糧だ
L体を吸収できる薬を作った
裏切り
娘活躍
「奴は薬も作れるぞ?」
「それはないわ。材料も鏡像体だもの」
とかの方が、オチが映えると思う

535:創る名無しに見る名無し
09/04/09 22:24:13 M2QhLK40
>>533
同意。
「すぐに孫娘はケーブルを抜き、接続されているパソコンを叩き壊した。」

コレの後くらいで、鏡の中に場面を移して、青年がちゃんと食べてるのに衰弱するシーンを入れて、
装置の完成と同時に気が付いて、「後はスイッチを入れるだけなのに」
って言って飢え死にしてしまう。

だったら良かったと思う。

536: ◆tHwkIlYXTE
09/04/09 23:04:17 6KTGnK35
>>194
どう?どうなの?

537:創る名無しに見る名無し
09/04/10 00:11:44 NvHQTO8+
ん? どしたん?

538:創る名無しに見る名無し
09/04/10 01:36:31 CMFIF2aG
感想がほしくて‥

539:創る名無しに見る名無し
09/04/10 14:29:35 xJ1ueDqh
たんぱく質・アミノ酸は光学異性体あるけど
脂質はないはず。
炭水化物はどうかなぁ・・・

540:創る名無しに見る名無し
09/04/10 16:47:18 9a4OO5Rw
>>536
面白かったよー
一人称で端的に「彼女」と「自分」の関係と感情をあらわしている
短い行数なのにドロドロした苛立ちと諦めが伝わってきて
最後の二文できれいにオチをつけてる

感じたことを集約すると>>195と同じになってしまうから感想書かなかったけどw

541:創る名無しに見る名無し
09/04/10 17:06:56 9a4OO5Rw
あと、星っぽくなく一レス以内だったら
「一レス以内でおはなしを作るスレ」
スレリンク(mitemite板)
の方があってるかも

542:創る名無しに見る名無し
09/04/11 01:18:15 a4QDnOuB


543:ささき のぶひこ
09/04/11 22:27:03 jRidbPjT
 
「天皇が、ヤスクニ神社を参拝するべきだ」 (福沢諭吉)

「靖国神社の臨時祭には、辱(かたじ)けなくも天皇陛下の御臨席(ごりんせき)さへ(さえ)ありて、・・・。 
・・・大に(おおいに)遺族のものに給与して死者の功労に酬ひん(むくいん)こと我輩の切望・・・」(死者に厚く(あつく)す可(べ)し」  
(1895年 福沢諭吉全集 第15巻341頁)

(天皇陛下が、死者の功労に十分あつくむくいれば、遺族も悲しまないだろう. そうしてほしい. そうすれば国民は、天皇と国のために、喜んで死ぬだろう)

福沢諭吉の時代には、憲法は国の機関の宗教活動を禁じてはいませんでした.

URLリンク(koheina-hoso.blogspot.com)

544:創る名無しに見る名無し
09/04/12 00:48:18 fY9AFSOa
 メルトダウン

ある科学技術で飛躍的に成長した国があった、その国は発展した科学技術によって
世界で一番明るい国と言われた

世界中の科学者たちはこの国の発展を見て科学技術なら何でもできるのではないかと考えた。

世界中の科学者たちは新しいエネルギーを生み出すために、自らの国の技術を持ち寄って
世界共同の技術開発に着手した。

そして実験の日、人々は成功を信じていた「成功する」と
そして実験は始まった

どんどんとメーターの数字は100%に近づいていった
しかし99%になったそのとき、突然機械が止まった。

すると途端に実験装置が大爆発を起こし、実験場は炎上した。

人々は「まさか失敗するなんて・・・!」と絶望した

しかしそれ以上に大変なのは、その実験場から世界中に放射能が放たれたことだった・・・



545:創る名無しに見る名無し
09/04/12 01:11:12 fuiFz7yl
なんだこれは。
面白みのない文明批判で終わってるな。

546:創る名無しに見る名無し
09/04/12 06:16:39 4PtElL3G
今から図書館で借りたショートショート1001を読んで創作力を鍛えるぜ!

547:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/04/12 13:03:38 D4UuhhUz
追憶


私がN君に電話すると、「すぐ伺います!」の声と共に、車の激しいブレーキ音とクラクションの音が聞こえた。急なUターンでもしたのだろう。
まあ、新薬の価値からすればそれも当然だと言える。
なにしろ新薬を吹きかければ、移植の際に拒絶反応を完全に押さえ込むばかりか、回復力を極度に高めることもできる、さらには人工心肺やペースメーカー手術も飛躍的に進歩するのだから。

俺は車のドアに鍵も掛けずに博士の研究所に飛び込んだ。
今朝方、新薬の開発に成功したと博士から連絡があったからだ。
研究所の扉を開けて飛び込んだ俺を驚かせたのは、新薬ではなく博士の右手にべったり癒着した携帯電話だった。

N君は研究所に飛び込むなり、私の右手に視線をやると目を丸くして固まってしまった。
私の右手には何も握られていないし、右手の携帯電話は特に問題なく動いている。
ははん、どうやら他社に電話していると思ったんだろう。
私はN君に落ち着いてソファーに座るように促した。

驚く俺を見ても博士は笑っていたが、近づくと見間違いで無いのがはっきりわかった。
画面の裏には血管が脈打ち、テンキーの上には親指が溶けたあべかわ餅のようになって広がっている。
画面自体にも、うっすら皮膜のようなものがかかって見える。

ソファーに座ってもN君は青白い顔をして私の右手を凝視したままである。
流石におかしい、と思った時、ふと視界が桃色がかってる事に気がついた。
しまった、朝からバルブの調子が悪いと思っていたが、ひょっとして新薬が漏れ出しているのかもしれない。
そう思ったとき、足元がグラリと揺れた。

博士は新薬について、“本人に移植されたことを気づかせない”と豪語していた。
その時は言葉のあやだと思っていたが、博士の素振りを見るとどうやら本当らしい。右手の状態に全く気づいていない。
兎も角、そうなるとなんとか説明をしなければ。
口を開いたその瞬間、足元がグラリと揺れた。


…記憶が混乱しているようで、断片的に思い出した記憶は支離滅裂で、ピースの混ざったジグソーパズルのようだ。
ただ、地震が起きた事ははっきり覚えている。それも、相当大きな地震だったように思う。
まずは周囲の状況を把握しなくては。

そう考えて、博士とN氏と研究所だった“モノ”は表面に血管の脈打つ体を揺らしながら、その巨体を起こした。


548:創る名無しに見る名無し
09/04/12 13:34:36 U8dVMWGg
おお、この視点の切り替えはいいね
オチまでの効果が立派w

549:創る名無しに見る名無し
09/04/12 22:40:45 5KXc3awg
これはなかなか上手いな。面白い。

…この薬がさらに広がると地球人類みんながくっつくんだろうな…

550:創る名無しに見る名無し
09/04/13 00:32:09 iPT3J9uT
その後火の鳥のコミューンみたいになりそう

どうでもいいことかもしれないけど、携帯の文字盤ってテンキーと言うのか?

551:創る名無しに見る名無し
09/04/13 00:33:04 1f5jC9ij
昼前。エヌ博士から電話がかかってきた。
「ついに完成したよ」
「何がです?」
「タイム・マシンだ」
「タイムマシンですか」
「タイム・マシンだ」
「ですからタイムマシンでしょう?本当ならあなたは一躍、時の人ですよ。タイムマシンだけに」
「タイム・マシンだ」
「あぁ。タイムで区切ってマシンですね」
「まぁどちらでもいいよ。とりあえず急いで研究所まで来てくれ」
エヌ博士の理不尽な態度に少々の怒りを覚えたものの、好奇心が勝った。
慌てて研究所の前まで行くと、全長4m程の鉛色をした細長い筒のような機械が置かれており、その横にエヌ博士が立っていた。
「これがタイム・マシンですか」
「そうだ。あそこの窓の部分を見ていてくれ」
「あの四角い切れ目のようなところですか?へぇ。あれが窓なのですか」
「そろそろ時間だな…」
エヌ博士が言い終わるが早いか。タイム・マシンの窓からは平和の象徴が飛び出し、それと同時にお昼を告げる軽快な音楽が流れだしてきた。

552:創る名無しに見る名無し
09/04/13 00:45:22 v1j+TGhd
うわ、これ好きw

553:創る名無しに見る名無し
09/04/13 01:11:01 BX+qEobO
どんどん星的な作風の品が埋まって来た予感ww
しかも良策揃いだから困るw

554:創る名無しに見る名無し
09/04/15 10:02:31 HYljyS3h
>>553
 そんなこと言われちゃうと、投稿しずらいなぁ……。

555:創る名無しに見る名無し
09/04/17 01:53:03 r9HTKf3u
はと時計かよw

556:靴下 ◆L0fX2oZiZI
09/04/18 21:39:22 mAIGXDs/
【神と願い】

 エス氏が夜道を歩いていると、後ろからスーツの男に呼び止められた。
 「なんでしょうか?」
 エス氏が尋ねると、スーツの男は軽く笑みをつくり、こう言った。
 「いえ。少し、後ろ姿が、寂しげに見えたものですから。何か悩み事でも?」
 「悩みと言えなくもないが。わざわざ、他人に話すような事でもないのです」
 「どんな些細な悩みでも、吐き出せば楽になるものです。ささ。遠慮せずに、話してみて下さい」
 「そうですか。なら」
 エス氏と男は、近くにあった公園の中に入り、ベンチに腰掛けた。
 「では。聞かせてください」
 「はあ。実はここ最近、生きているという実感が、どうしてもわいてこないのです」
 「と、申しますと?」
 「自分に、何か意味があるとは到底思えません。なら、生きている価値はないのではないか?と思い悩んでしまうのです」
 「では。どうすれば価値がうまれると思いますか」
 「徒歩で日本列島一周、いや。紙で造った船に乗って世界一周、いやいや」
 「もっと大きな事をなさりたい」
 「そうですね。子供じみていますが、神様のように、世界を自由に操れたら面白そうだ」
 「例えば、このような具合にですか?」
 そう言うと。男は、スーツの左ポケットから、妙な形をした機械を取り出し、スイッチらしきものを押した。
 すると、突然のどしゃぶり。しかし、エス氏と男の周りだけは、雨粒が落ちてこない。
 「これは一体どうなっているんだ?」
 エス氏が驚きに満ちた表情で聞くと、男は笑いながら言った。
 「天候を操ったんですよ。実をいうと、わたしは神なのです。この機械はあなたにあげます。どうか、楽しく生きてください」
 言い終わると、男は、機械をエス氏に渡し。天に向かって飛び立ってしまった。
 「まさかあの男が神様だったとは。まぁ、いい。さっそくこの機械を使ってみよう」
 しかし、どのスイッチを押しても、ダイアルを回しても、レバーを動かしても、機械はなんの反応も示さない。
 「しまった。使い方がわからない。いや、それ以前に、この機械は、人間には扱えないのかも知れないぞ」
 渋い顔をしながら、エス氏は未練がましく機械をいじり続ける。
 「なんとかして使い方を知る事が出来ないものか。もう一度、神様が地上に降りてきて、教えてくれればいいのだが。いや、もし。もう一度会えたら、次は別の願いをしてみよう」
 生きる意味を見つけたエス氏は、公園を出ると、どしゃぶりの中、家路を急いだ。

557:創る名無しに見る名無し
09/04/18 23:46:59 4ykS0eaf
このオチ好きだわぁ( ´∀`)

558:創る名無しに見る名無し
09/04/19 02:05:52 tttNslyb
句読点が多いのは気になったけどいい話だわ

559:創る名無しに見る名無し
09/04/19 08:51:46 1Xy7x15S
結局機会は使えないけど生きる意味を見つけたのね

560:創る名無しに見る名無し
09/04/19 12:19:09 V1e6BJNw
生き甲斐って案外こういうもんだよなぁwこれはいいよ

561:創る名無しに見る名無し
09/04/19 21:52:49 RECzSvgm
ほんとこのスレ、良作が多いな

562:創る名無しに見る名無し
09/04/20 00:03:05 iABWM07I
うん本当に

563:創る名無しに見る名無し
09/04/20 01:20:39 Djp7pU47
ここにも荒らしがいるのね
いけしゃあしゃあと

564:創る名無しに見る名無し
09/04/20 04:23:34 D49gpAeo
かがやかしいみらい

文明の発達。
それはこの世に存在するありとあらゆる地点への移動を可能にした。
この世に存在するすべての情報や知識が手に入るようになった。
かつて科学者が夢見た何億光年も先の銀河への移動が可能になったし、
哲学者が思いに耽った存在の本質の答えも明かされてしまった。
どうしたものか。人々は困ってしまった。
知識欲という、人類特有の欲求を満たしてくれるものが無くなってしまったからだ。
そうだ、あそこへ行けばいいんだ。ある時人々はひらめいた。
あそこならば未知の世界が広がっているに違いない。
そのことに気づいた者は次々と「あそこ」へ旅立っていった。
それから間もなく、人類は滅亡した。


どっかで見たことあるような気がするなぁ

565:創る名無しに見る名無し
09/04/20 14:09:36 8ctctv+r
黄泉の世界逝っちゃったんですねw

確かにありがちな着想かも。
その手の不安に苛まされた時は、捻りどころを熟考する良い機会かもしれませぬ

566:創る名無しに見る名無し
09/04/20 16:37:33 iABWM07I
いや空想妄想の世界かもしれぬ

567:創る名無しに見る名無し
09/04/20 20:15:01 YKXYYX6g
二次元世界に逝けたのかも知れない。

568:創る名無しに見る名無し
09/04/21 01:25:46 Qrvr7Qi3
その夜男は奇妙な夢を見た。
血のような赤黒い土が足元に広がり鋭角に尖った山が辺りに広がっている。

最近仕事ばかりで疲れて変な夢を見ているのだろう、
最近ニュース番組で過労死という言葉を良く聞く。他人事ではない。
しかしここはいったいどこなのだ?
振り向くと恐ろしい姿の鬼が男を睨んでいた。
「私は地獄に住む鬼だ。お前を食べに現れた」
怯えた男は暴れようとしたが体に力が入らない。

「安心しろ。食べるといってもお前の身体をむしゃむしゃといただくわけではない。
鬼は人間の感じる負の感情を食べるのだ。
そこでお前に尋ねたい事がある」
悪魔の指先から炎が飛び出て、ある道具の形になった。
「人間の事を調べると、どの人間もこの道具を持っている事に気が付いた。
また地球上のあらゆる場所にこの道具はあり、人間はこの道具が故障するとすぐに修理をするか、別の新しいのを用意する。
よほど大切なものなのか?」
男は震えた声で応えた。
「確かにとても大切だ。それがないと大変困る。しかしどうしてそんな事を聞くのだ?」
鬼は残酷な笑みを浮かべた。
「いっただろう?鬼は人間の負の感情を食べると。
俺は中でも人間が大切なものを失った時に感じる絶望が好みでな。
くくく、今夜この道具を地球上から消し去ってやる。朝起きた時、お前ら人間は絶望するだろうな。
毎日大切にしてきた道具がいきなり全てなくなるのだから。
もう腹が減ってたまらん。早く食べないと俺が餓死してしまう。お前は用済みだ目を覚まして絶望するがいい」



男が目を覚ますと確かにその道具はなくなっていた。
幼い頃から毎日隣にあった道具が地球上から無くなったのだ。
しかし男は絶望どころか歓喜していた。
この様子だと、今日は仕事を堂々と遅刻できる。久しぶりにゆっくり眠れる。
しかしあの道具がなくなって困る人間はいても絶望する人間などいないのではないのだろうか?
むしろ我々人間はあの道具に支配されているせいで絶望しているのではないだろうか?
うるさく出勤をせかす時計のない朝は思いの外幸せだった。


569:創る名無しに見る名無し
09/04/21 01:28:12 ID3uO/Ay
目覚まし時計かww
最後まで携帯だと思い込んでたから意外だった

570:創る名無しに見る名無し
09/04/21 16:33:04 /YAsOlty
この話運びはいいねw
博士と発明並に汎用性高そうだ

571:創る名無しに見る名無し
09/04/22 21:16:13 hkxaW9I/
【酒と不幸】

私はその日長年連れ添った女房と別れ、絶望に打ちひしがれていた。
感傷に浸りながら街を歩いていると一軒のバーが目に留まった。

店の看板には“Bar Unhappiness 不幸な方には無料でお酒をお出しします”と書かれていた。
丁度いい、私は今不幸の絶頂だ。入ってみよう。

「いらっしゃいませ。お客さん、貴方は今不幸なんですね?」
「えぇ、長年連れ添った女房と別れてしまったんです」
「それなら無料でお酒をお出しします」

そこで私はウォッカ・トニックを何杯か注文した。
そして四杯目のウォッカ・トニックを飲み干した頃には、私はもう酔ってしまっていた。

「どうです?酒を飲んでいると不幸なんてものは忘れてしまうでしょう?」と、マスターが尋ねる。
「えぇ、もう僕の不幸なんて何処かへ消えてしまったみたいです」

そう言うとマスターは笑みを浮かべ、私に言った。

「そうですか。ではお代の方はきちんと払って頂きます」

世の中には上手い商売があるものだ。

572:創る名無しに見る名無し
09/04/22 21:19:38 evx3Zvsu
タイトル「悪夢」
URLリンク(www8.uploader.jp)
寄生虫なのでjpgです、携帯の方ごめんなさい。

573:創る名無しに見る名無し
09/04/22 21:24:38 hkxaW9I/
>>571
あ~「私」は「男」の方が良かったな…orz

574:創る名無しに見る名無し
09/04/22 21:29:00 /Ss1i6SV
>>571
ひどい口車や、gdりにバー行く時は注意しようw
短さとタイトルがいい感じ

575:創る名無しに見る名無し
09/04/22 21:30:02 0cR/dDjz
>>573
>>571は、地の分では「私」なのに、喋るときは「僕」って方が気になった。
でも、それ以外はいい

>>572
分からん。
夢の登場人物たちは、主人公を怖がってたり恨んでたりするのに、
なんで、目が覚めなくなる薬を飲まして、ずっと夢の世界に居るようにしようとしてるの?

576:創る名無しに見る名無し
09/04/22 23:25:41 SKDgq515
>>573
外国のジョーク小噺みたいだw

577:創る名無しに見る名無し
09/04/23 20:48:41 RKJ42cgG
「お、お前はだれだ!?」
「ふふふ、私はタイムパトロールですよ」
「タイムパトロール!? 俺に何の用があるんだ!? さっさとこの家から出て行ってもらいたい」
「あなたには死んでもらいます」
「なに!?」
「あなたは30年後、独裁者となるので死んでもらいます」
「なんだって! 冗談じゃない!? それじゃタイムパラドックスの問題はどうなるんだ!?」
「それは並行宇宙解釈で解決ずみです」
 そう言うと彼はレーザーガンを取り出し、壁に向かって引き金を引いた。青いビームが壁を焦がした。
「おい! なんで可視光線が壁を焦がすんだ!?」
 俺は抗議した。
「ビームが目に見えなきゃ舞台効果に欠けますからね」
 彼はそう言うと俺に向かってレーザーガンの銃口を向け、引き金を引いた。

578:創る名無しに見る名無し
09/04/23 21:57:43 n9kNwQO8
>>577
おわり? 俺が読解力ないのかもしれないが意味がわからない。
だからなんなのって感じだ。

579:創る名無しに見る名無し
09/04/24 00:15:46 aByw8VqY
読解力ないわけじゃないと思う。
明らかにオチがない。

580:創る名無しに見る名無し
09/04/24 00:30:58 97IPPOz6
なんだろうね。
作品になってない感じ。

581:創る名無しに見る名無し
09/04/24 11:12:54 Xs4nCi0V
これはSSではないよな……
って、誤爆?

582:創る名無しに見る名無し
09/04/24 21:55:51 kumSVrC6
この文章、
創作文芸板の「あなたの文章、無理して誉めます」ってスレの
>>67の文章を貼ったやつだな

583:創る名無しに見る名無し
09/04/24 23:33:56 kJelDm1x
絶対安全装置

「はあ、借金は減らないし給料も増えない。ギャンブルでもしてお金を稼ごうにも元手がない。
はあ、どうしようか。」
そう嘆いている男の足もとに、小さな箱のようなものが落ちていた。
「おや、これはなんだろう。宝石なんかが入ってたら嬉しいのだが。」
男は箱のなかから紙と球形の物を取り出した。
「なになに…。
これは絶対安全装置です。人間が起こすことのできる最大のスピードを想定して作っているので、
剣でも矢でも防ぎます。
へえ、でも字が相当古いな。だいぶ昔に作られた物なんだな。」
男の思ったとおり、それは約1500年前に作られたものだった。
「そうだ!これを持っていれば無敵ということは、強盗をしても警官に殺されたりする心配がないわけだ。
よし、やってやろう。これで借金が返せるぞ。」
男はしっかりと計画を立て、絶対安全装置とモデルガンを持って銀行へ強盗へ入った。
しかし、駆け付けた警官に足を撃たれ、あっさりと男は捕まってしまった。
「何が絶対安全装置だ。くそっ。」

まさか自分たちの子孫が、想像もできないようなスピードを持つ凶悪な兵器を開発するとは、
1500年前の人々は思ってもみなかっただろう。

584:創る名無しに見る名無し
09/04/25 00:23:57 v1icOGcg
これは俺の読解力が足りない所為なのかも知れないが
細かい点を指摘するのであれば、その“絶対安全装置”の具体的な使用法が分からない
一瞬防弾スーツの様な物かとも思ったけど、小さな球体の物質のようだし

それを持っているだけで何か特殊な防護壁が持ち主を守る、という解釈でいいのか?

585:創る名無しに見る名無し
09/04/25 02:17:49 hAwAJJgY
もしそうだとしたらそれだけの科学力を持っていた昔の人が
銃弾ほどの殺傷能力を持った武器の存在を想像できないのは違和感がある。

だけど、ネタは面白いから俺は好き。なんか星の地球人が善良な宇宙人に、鍵を通して悪い発想を教える話を思いだした。

586:創る名無しに見る名無し
09/04/25 19:54:27 MgKXHrUc


「もう駄目でしょう。軍はほぼ壊滅状態です」
大尉は敵性宇宙生命体との戦争の総指揮をとる元帥にぽつりと言った。
かつて60億存在した人類は、現在5億にも満たない。
スライムのような姿の宇宙生命体は突如現われ、
人に覆い被さって一瞬で骨に変えてしまうという恐ろしい生き物だった。
人肉を自身の糧にしてどんどん膨れ上がり、
どんな攻撃をしてもふよふよと分裂するだけで人間は手も足も出なかった。
 「いや まだだ!優秀な博士が奴等を殺す薬をようやく開発したのだ。
  もうこれしか方法は無い!この薬を奴等の体に浴びせれば溶けて液状になるはずだ」
元帥はポケットから赤色の液体のサンプルを取り出し、大尉に差出した。
 「…しかし、どのように?あれは大小様々、地球全土に行き渡って増え続けていますよ」
 「ヘリで上空から撒けばいい。薬は大量に用意した。地球にスプレーして
  奴等を駆除するんだ!害虫だらけの地球をこの薬で治してやる!」

そして軍は大陸、島にまんべんなく薬を撒き、宇宙生命体は薬が降り掛かると
ただの無色透明な液体になった。その様子を確認すると人々は両手を上げて喜んだ。

数日後の夜、大尉は元帥と空を見上げながら話をしていた。
 「元帥、やりましたね。これで地球は元に戻るでしょう。
  奴等のせいで人口はかなり減りましたが…全滅ではありません」
 「あの薬のおかげだな。博士に感謝しなければ……ん?何か降ってきたぞ」
スポイトで落とす水のような勢いで雨が降り始めた。
 「雨が赤い……?うわっ!なんだこれは!?い、痛い!」
2人の肌に雨粒が当たると火傷するような痛みが走った。「な、なんなんだ一体…」
急いで軍の施設の中に入ると、雨はざあざあという音に変わった。
同時に部屋から電話の音が聞こえ、大尉がその音を止めた。
 「もしもし…え?人が死んでいっている?何故…死んだ人達に
  何か共通点はないのか?……赤みがかった野菜を食べたって?そんな馬鹿な!」
元帥の頭の中であの薬の行方が映像の早送りのように再生された。
赤い液体のたっぷり染み込んだ土で植物は育つ。
川に混ざり海に流れ蒸発して雲になり水滴となって落ちる。
元帥は大尉から電話を奪い取り、博士の研究室の番号を打ち込んだ。
 「博士!どういうことだ!あの薬が人体に有害なんて聞いていないぞ!
 …(頼まれた通りあの生物を殺す薬を作ったんだからいいだろう)だと?ふざけるな!
 あれは薬じゃなかったのか!地球を治すための!人が生きるための!」

その後人類がどうなったのかは わからない。

587:創る名無しに見る名無し
09/04/25 20:01:08 0YDZMOKQ
うーむ、救いがないw

博士に要件定義して発注しろよとか、副作用を綿密に確認してから使えよとか突っ込もうと思ったんだけど、
博士に地球滅亡の意図があったと解釈すると、地味に深いなと思った

588:創る名無しに見る名無し
09/04/26 01:11:41 otL11dAU
てっきり敵が小さな分子になって人間の体内から食ってるのかと思った

589:創る名無しに見る名無し
09/04/26 14:20:55 OHEg0+xZ
>>587-588
レスありがとうございます
農薬をイメージして膨らましていったんですけど、何かまとまり無かったですね
自分でも突っ込み入れたんですが まあいいかとスルーしてしまいました
後味悪いものに挑戦してみましたが…難しいっすね

590:創る名無しに見る名無し
09/04/26 14:57:07 SmoY55zZ
>>583

安全装置と言われると、どうしても拳銃の誤動作防止装置を
思い出します。完全防御装置とかの方が良いと思います。

急展開すぎるというか、主人公の動機が短絡的すぎます。
こういう展開の時は、オチで笑わせる位が良いと思いました。
笑えるネタとしては、けして悪くないので、
真面目なオチよりも、ユーモア路線、、、

591:創る名無しに見る名無し
09/04/26 15:13:52 SmoY55zZ
>>586
薬は人体には無害だけど、
薬を含んだ土壌で植物が育つと非常に毒性の強い実がなる
の方が良いと思います。


592:創る名無しに見る名無し
09/04/26 20:09:48 4qg8jrVn
薬は人体とその怪物には有害だが、植物には無害でその科学者が地球を無に還す為に
敢えてそういう薬を開発した、とかも良いかもな

593:創る名無しに見る名無し
09/04/26 21:06:42 COwNfbV4
元帥「博士!どういうことだ!あの薬が人体に有害なんて聞いていないぞ!」
博士「頼まれた通りの薬を作ったんだがな」
元帥「ふざけるな! あれは地球を治すための!人が生きるための薬じゃなかったのか!」
博士「おいおい、あんたは『あの生物を殺して地球を治す薬をつくれ』って言ったじゃないか。二つの効果をもたせるのには苦労したんだぞ」

594:創る名無しに見る名無し
09/04/26 21:34:52 VikKRFri
これはいい落ちだw

595:創る名無しに見る名無し
09/04/30 15:55:49 ChPQzUuI
あかない箱

つい先日、怪しげな露天商で奇妙な箱を見つけた
その箱は店主曰く「絶対にあかない箱」らしい
酔った勢いもあって深く考えずに購入した
そして私は箱と手に取り開けようと必死になった
しかし、箱はうんともすんとも言わなかった
どうやっても開かない事に怒った私はので工具を使って箱を分解して中を見た
箱の中は何もなく内側の壁がそれぞれ青、藍、緑、黄色、黒、白、灰色に塗られていた
何も入っていないことに落胆した私はそのまま箱を捨ててしまった

後日、友人にその事を話したら一人で納得した顔で笑っていた
何故笑っているのか?と聞くと友人は一言だけ言った
その言葉を聞いた私は納得をしてしまった
そうあの箱は…
「あの箱は「絶対に赤無い箱」だったんだよ」」

お後がよろしいようで…

596:創る名無しに見る名無し
09/04/30 16:03:47 ChPQzUuI
×どうやっても開かない事に怒った私はので工具を使って箱を分解して中を見た

○どうやっても開かない箱に怒った私は工具を使って箱をバラバラにした


少し落ち着いてから書き込んだほうが良かったですね

597:創る名無しに見る名無し
09/04/30 16:08:39 gmxDyFow
推敲なんて適当でいいのです(暴論

これはダジャレスレの方が適切かもw下らなくて素敵ww

598:創る名無しに見る名無し
09/05/05 02:35:50 70F/Qx7P
>>595
星さんはまぁ置いて
低学年層とオヤジ層という限られた枠だろうが俺にはイケてる作品だ。



599:創る名無しに見る名無し
09/05/05 02:46:39 5zgSAPWJ
ニヤリとしてしまったwいいねこのオチ
でもダジャレー婦人の方が適切には同意w

600:創る名無しに見る名無し
09/05/05 17:38:43 OqOHNTBv
確かにダジャレー婦人向きだなw

601:創る名無しに見る名無し
09/05/05 18:50:56 s1egmn2Y
メガネ

 国立医科学眼鏡センターでは、博士が秘密裏にある発明を進めていた。
「いいかね。メガネというものは、もともと視力を矯正するための道具だ」
 博士が新米の助手に、研究の内容を説明する。
「しかし100年前の技術革新以来、この地球の医療技術は非常に発達してしまった。
 今では近視・遠視・乱視・老眼すべてを義眼の埋め込み手術によって回復することができてしまう」
「はい。博士」助手は言った。「しかし、それではメガネの出番がありませんね」
「そのとおり!」と博士。
「私も昔は使っていたが、メガネというものは手入れが大変な道具なのだ。そのうえ常に携帯していなければ不安になるし、
 身につけているときゅうくつで、下を向けばすぐにずれてしまう。こんな前時代的なものを人々が欲しがるわけがない」
「そうですね」と助手。「それじゃあ、ここでは何を研究しているのですか?」
「良い質問だ。ずばり、メガネの新しい可能性について研究している」
「新しい可能性?」
「そう。メガネが商品として売れるために、これまでにはなかった新機能を取り入れる。
 100年前の技術では実現不可能だった機能でも、今ならいくらでも実装可能だからな」
「なるほど。たとえばどんな機能を」
「私が参考にした昔のアニメでは、犯人にとりつけた発信機を追跡する機能が付いていた。
 ダイヤル式変声機も超小型麻酔銃も現在では商品化され大ヒットになったが、これはまだ誰も作っていない」
「感動しました! それなら同じシリーズですから、大ヒット間違いなしですね!」

 二人は早速研究にとりかかり、マイクロ型発信機と追跡メガネを商品化した。
 メガネには助手のアイデアで盗聴機能も加え、安価で売り出したのだが、まったく売れなかった。
「なぜだ! 私は消費者のニーズにちゃんと合わせたはずだ!」
「とくに警察関係者が欲しがらなかったのは疑問ですね。犯人を追うのに便利なのになぁ……」
 当惑する博士と助手のもとへ、一人の警察官がやってきて言った。
「あなた方をプライバシー侵害罪の幇助犯として逮捕します。
 おっと、逃げても無駄ですよ。こちらにはナノ型発信機と追跡義眼がありますからね」

602:創る名無しに見る名無し
09/05/05 20:16:17 OqOHNTBv
もうあるんじゃんw
メガネはファッション小物として進化すべきだと思うよ、うん

603:創る名無しに見る名無し
09/05/09 10:31:08 AHd+CMA8
「肉」

目の前に分厚いステーキがある。
単なるステーキではない、高級なレストランのステーキなのだ。
そのステーキを一口食べると……不味い!
肉は臭味がまだ残っており塩や胡椒、ハーブやソースなどでは全然消えない臭みだ。
油も油でギトギトしておりとても食べられて物ではない。
私はこんな物を作ったコックを呼び出し文句を言った。
しかしコックは悪びれる様子もなく平然とこう言った。
「仕方ないでしょう、肉が悪いんですから。」
確かにあの肉がとても悪かったのを思い出した。
コックに一体何の肉か聞いて見ると…

レストランの夢から覚めた私は健康の為に運動を始めた。

604:創る名無しに見る名無し
09/05/09 11:12:19 j28rnj3u
…自分の身体の肉? そんな夢見たらドキッとするねw
怖いけどショートショートらしくて好きだ。

605:創る名無しに見る名無し
09/05/09 12:15:58 t+IL9K4t
これ好きだ。いい。

606:創る名無しに見る名無し
09/05/09 15:01:56 8TbnEglA
短さが逆にハッとさせるねえ

607:創る名無しに見る名無し
09/05/09 17:23:07 hztBh1ou
これは耳が痛い
短いのにピリリときく感じがいいね

608:創る名無しに見る名無し
09/05/09 22:24:43 /2fQ2QFZ
たしかにぐうたらしてるやつの肉はめっちゃまずそう

609:創る名無しに見る名無し
09/05/11 16:01:11 iJzK5X/J
北京ダックなんて普通のアヒルより動かないのに旨いじゃないか

610:創る名無しに見る名無し
09/05/11 23:13:10 puFHxeGm
食べるものの問題じゃないかな
ジョジョでも草ばっかり食べる鮎は旨いがライオンは不味いだろうなーと言ってた

611:創る名無しに見る名無し
09/05/12 21:29:31 FTCGFzXm
なぜジョジョ

612:創る名無しに見る名無し
09/05/16 13:11:05 BTZtASs2
「こちら地球探査本部、:-775へ、感度はどうだ」
「こちら地球探査班:-775です、感度は良好です」

「地表の様子はどうだ、なるべく詳細に頼むぞ」

「大気はやや埃っぽく地面は一様に固いもので覆われています。それと、さっきから気になるのですがなんだかすれ違う地球人の殆どがこちらを振り返って見てくるのです」

「気にしすぎじゃないのか、それに我々はこの星のものと思われるパイオニアとかいう宇宙船に描いてあった地球人と思しき生命体。その姿に似せて君の擬態スーツは作られている、よもや誰も君が地球外の生命体だとは思うまい」

「それもそうですね、安心しました。では探査を継続します。あ、痛い痛い何をするんですか。あ、言葉なんて通じるわけがないか。本部、本部、緊急事態です。地球人の男二人組みに拘束され……」

「どうした:-775、おい、ああ電波の届かないところへ行っちまった」



「あー署ですか、駅前の不審者をただいま拘束しました。言葉がわからないのでそちらから外国語に詳しい人員の応援をお願いします。西洋人ってことくらいしか分かりません。え、パスポート、身分証の類は一切ありません。なんてったって素っ裸ですから」

613:創る名無しに見る名無し
09/05/16 13:46:35 EcRAmjge
なるほど、確かにあの絵は裸だったなw
発想が面白い

614:創る名無しに見る名無し
09/05/18 20:00:28 G3cI8+Jc


615:創る名無しに見る名無し
09/05/18 22:44:09 TfTJ6D/r


616:創る名無しに見る名無し
09/05/19 10:49:13 mkE60e1p
 3日未明、N社製ロボットJMAE6755が、ユーザに殺害された被害者に成り代わり、殺人を隠蔽していたことが分かった。
 被害者の家族はショックを隠せない様子で、
「退職金が出ないとは……」
「給与も全額返金しろと言われており困っている」
 などと話している。
 警察では、10年以上もの間ロボットが人間に成り代わっていたケースや、ユーザが既に死亡していて責任を問えないケースもあるとして、慎重に調査を進めてゆく方針だ。




 ねえ、あなた。あなた人間だったわよね?

617:創る名無しに見る名無し
09/05/19 12:04:37 wsIWiOI6
こええw
つーかはじめからロボット雇えよw

618:創る名無しに見る名無し
09/05/19 23:08:20 hOg3yCXc
子供のころ何かが人間に成りかわる系の本を読んでトラウマになったの思い出したw
こええw

619:創る名無しに見る名無し
09/05/20 00:11:00 NC6wzolj
ええええええ


お、おれも人間だったかふあんになったよ!
なったよ!

620:創る名無しに見る名無し
09/05/20 01:13:35 TuJyKrKU
アンドロイドや宇宙人が知らぬ間に人間に成りすましてました
ってあんまり目新しい感じもしないけど

621:創る名無しに見る名無し
09/05/21 00:10:58 qhCXhbFc
よくあるからこそ短さ引っ掛けに重点が移るとオモ

つかショートショートは題材の目新しさより調理具合じゃねw
博士と新発明系にも言えそうだけんど

622:創る名無しに見る名無し
09/05/21 16:56:07 fOe3aUOg
なんか過疎ってるな

623:創る名無しに見る名無し
09/05/21 17:01:05 fOe3aUOg
専ブラがバグってただけだった

624:創る名無しに見る名無し
09/05/24 17:59:57 L/aRUxJ1
謎の3日間

625:創る名無しに見る名無し
09/05/29 06:20:23 5EDEmVsN
謎の5日間

626:謎の5日間
09/05/29 12:00:14 PQsBZA4J
俺は記憶を失っていた。
といっても、5日前から昨日までの記憶だけがまったくないのだ。
6日前に交流戦でダルビッシュが完封したことまでは憶えている。
それなのに、二日前に日本代表がチリを相手に4―0で勝利したなんてぜんぜん記憶にないのだ。
もしかすると、この5日間に俺はとんでもないことをしでかしているのかもしれない……。

急に怖くなった俺は病院に駆け込んだ。
様々な検査をしたあとに問診をした医師は、険しい表情でカルテを見つめて呟いた。



「5日間の記憶は、いつか戻るでしょう」

627:創る名無しに見る名無し
09/05/29 16:55:11 jLPVuvEj
>>656
意味がわかった瞬間ずっこけた

628:創る名無しに見る名無し
09/05/29 20:47:22 bvh164gj
ちょwwwww
ダジャレー向きなのでは><

629:創る名無しに見る名無し
09/05/31 02:35:20 iXxZkaE6
ショートショートかと思って油断してるとこれだww

630:創る名無しに見る名無し
09/06/03 13:33:04 41F2WoNP
「坊っちゃま、今日から後継の国家元首として我が国を治めていただきます」

「めんどくせえな……。なんで兄貴たちじゃないんだよ」

「兄上様たちはいろいろと問題がありまして……。父上様の御指名でありますから従わなくてはなりません」

「じゃ、俺にも親父みたいに何人も影武者ができるんだな」

「もちろんでございます。お妃様も何人いらしてもかまいません」

「じゃ、このボタンもいつ押してもいいんだよな?」

「あっ! それは!!」


 ポチッ

631:創る名無しに見る名無し
09/06/03 14:13:48 dUZy4w+2
なんのボタンか気になるw

632:創る名無しに見る名無し
09/06/04 02:39:38 yxlJqFbe
国のトップしか押せなくて、なんでもないのに押されると困ることになるボタンなんて一つしかない
そして時代は世紀末へ……

633:創る名無しに見る名無し
09/06/05 15:17:57 9bhppmki
 寝付けない少年のところに、一匹の悪魔が現れた。
「誰」
「悪魔だ」
「何の用」
「お前の願いを一つだけ叶えてやる」
「じゃあ、僕を世界一かっこいい男にしてよ」
「よかろう。朝起きれば、お前は世界一の美男子になっている」
 悪魔は消え、少年も少しして眠りについた。

 少年はいつもより一時間遅く目覚めた。家に起こしてくれる人間がいなかったからだ。外に出てみるが、
人は一人もいない。もちろん新聞なんて物も届いていない。
 自分以外の人間は消滅してしまったらしい。どうせそんなことだろうと思ったよ。
 少年は道路の真ん中に、ごろんと寝転び、天に向かって大声で叫んだ。
「ああよかった。これでもう、顔のことで虐められない」

634:創る名無しに見る名無し
09/06/05 21:34:24 F6g3V1Xg
第二の人生

 ある頭のいい悪魔が、新しい薬を開発した。
「やったぞ。これで、おれの仕事の効率は二倍にはねあがった……さっそく、試してみよう」

 悪魔は人間の住むところへいき、広場を歩く一人の老人に声をかけた。
「やあ、あなた、ちょっと話したいことがあるのです。まあ、そこのベンチにでも、どうです」
「なんですか、あなたは。わたしに何の用が……」
「それは、すぐにお話します。さあ、どうぞ……」
 悪魔は、やや強引に、老人をベンチへと連れていった。そして、すぐに話を持ちかけた。
「私は人間のすがたをしていますが、じつは悪魔なのです」
「悪魔だと……」
「信じられないかもしれませんが、本当なのです。試しに何かしてみましょう」
 そう言うと、悪魔は立ち上がり、通りかかる人に拳を振り上げた。しかし、悪魔の拳はひとの体をすり抜けた。
「どうですか。私は、あなたにしか見えていませんよ」
「や、本当のようだ。信じられん。あなたが悪魔だとすると、魂とひきかえに願いをかなえてくれたりするのですか」
 悪魔はベンチにもどり、腰をかけた。
「いいえ、私の場合は少し違います」
「と、言うと」
「あなたの魂とひきかえに、あなたの記憶そのまま、第二の人生を保証します。そして、今のあなたの魂と、第二のあなたの魂をいただきます」
「それは、死んで、生き返ることができるということか」
「その通りです。いかがなさいますか」
「是非、おねがいしたい。私は、今の人生に後悔している……」
 悪魔は立ち上がった。
「では、決まりですね。あなたが死んだとき、また、お会いしましょう」
 そう言い残し、悪魔はその場で消えた。そのあと、沢山の人間と契約を結んだ。

 しばらくたち、いつかの老人が死んだ。それを知った悪魔は、すぐに老人のもとへ駆けつけた。
「どうも。私を覚えてらっしゃいますか」
「ああ、もちろん。生き返らせてくれるんだったね。いますぐにでも、たのむ。はたちぐらいが、いいかな……」
「すみません。私の場合、そういう訳にはいかないのです」
「どういうことだ。あれは、うそだったのか」
 悪魔は少しあわてた。
「いえ、少し時間がかかるのです。あなたには薬をのんでもらいます。その薬が、あなたの中に新たな魂を作るのです」
「なるほど、そういうことか。魂ができあがるには、どれくらいかかるのだ」
「一年ほどかかりますが、天国で暮らせば一年なんてあっという間。どうか、おねがいできますか」
「わかった。おねがいするとしよう」
 老人は薬をのみ、天国へ向かった。

 老人の天国での暮らしはすばらしいものだった。毎日酒をのみ、うまいものを食べ、楽しく遊んだ。
自分と同じぐらいの年の仲間もたくさんいた。それは、天国の名にふさわしいものだった。
老人は、時のたつのを忘れ、天国を思う存分楽しんだ。
 ところが、突然のこと。老人は、目の前で光がまたたいたと思うと、きがつけば悪魔の前にいた。
「あ、あなたはいつかの悪魔……」
「やあ。約束通り、あなたを生き返らせて差し上げます。確か、はたちがいいとか、言ってましたよね。では、第二の人生を楽しんでください」
 言うが早いか、老人は若いハンサムな青年になり、人間の住むところに送られた。

 悪魔は言った。
「ふう、これで一段落。やっと片づいた。しかし便利な薬だ。死んだ人間の体の中に魂をつくり、そのまま眠らせ、楽しい幻覚を見せる作用を持つなんて。
 ほら、あの老人は自殺した。幻覚で見た天国が忘れられなかったんだな。本当はあんなもの存在しないのに。一年待つだけで、もう一つ魂が手に入るとは。
 あ、また誰か死んだみたいだ。おれの客のようだな。薬を飲ませてここへもどってきたら、もう少し短い期間で魂ができるように改良しようかな……」

635:もう一ひねりしてみた
09/06/05 23:19:20 mZqD1+Dj
ソレを見ていた、上役の悪魔。
「なんて善良なやつなんだ」
そう言って、同じ薬を持って適当な人間のところに出現し、
その場で有無を言わさず殺した挙句、死体の胃袋の中に薬を放り込んだ。

1年後、天国の幻覚の中ですごした男は悪魔の幻覚を見てから生き返った。
「悪魔に殺されて、天国に行ったけど、悪魔の手で生き返らせられた。
 これは今すぐ死ななければ、悪魔の策略になったことになる」(建前)
『それに、天国は面白かったしなー』(本音)

「そんなこんなで、私利私欲で自殺した男の新しい魂を手に入れるまで1年。
 お前は、最初の魂を手に入れるまで6年掛かった。
 7年で2個の魂と、1年で1個の魂と、ドッチが効率がいい?」

636:創る名無しに見る名無し
09/06/06 20:45:01 RMfdpf53

 エフ氏はエヌ氏から新しい発明をしたとの連絡を受け、エヌ氏の家へ向かった。ドアを開けて、言った。
「こんにちは」
「やあ、来てくれましたか」
 エヌ氏はこころよくエフ氏を迎え入れ、つきあたりの大きな部屋へ連れて行った。
「それで、新しい発明というのはなんなのです」
「まあ、聞いて下さい。きみは、僕の潔癖性を知っているよね」
「そういえば、そうでしたね」
「僕はいつも時間さえあれば、部屋の掃除をしています。ですが最近は、それでは物足りないと感じ初めていたのです」
「どういうことですか。気になります。はやく、新しい発明というのを……」
「まあ、そう、あせらずに……これですよ」
 そう言って、エヌ氏は両手の平にちょこんと乗るぐらいの箱を取り出した。
「だから、これはなんなのです」
「この中に入っているのは虫です」
「虫ですか。きみはきれい好きのはずじゃなかったか」
「そうですよ。ただの虫じゃありません。この虫こそ、新しい発明です」
 エヌ氏は虫の説明をはじめた。
「この虫は、汚れに群がる性質があります。そして、そこについている汚れを食べ、それで生活します。
気になるほど大きくなく、この箱の中に200匹ほど住んでいます。騒音もなし。人体にも無害。特殊な電波を流せば、この箱の中に戻ってくる仕組みになっています。いやあ、全く、これを作るのには苦労した……」
「それは、すごいですね。さっそく、試してもらえますか」
「ああ、よろしいですとも。それを見ていただきたくて、あなたをよんだのです。それ……」
 エヌ氏は虫を箱の中から放出した。虫は、一斉にエフ氏に群がった。

―――――――――――――

>>634“第二の人生”をつくった者と同じ者です。
なんか、星さんらしくないですね……面白味にも欠ける気もします。

よろしければ、>>634とこちら、感想お願いします。


637:創る名無しに見る名無し
09/06/06 21:25:53 th9UczOD
>>633
いいのかよww
>>634
うーん、オチ部分が説明的過ぎるかも
>>635
なんかカオス化してないかwwよくわからんw
>>636
エフ氏テラカワイソスwwwww


638:創る名無しに見る名無し
09/06/07 12:45:44 ksx3wdlt
神と霊魂・死後の世界  カトリック教会の奇跡
スレリンク(psy板:54番)

639:えれぽん
09/06/07 22:18:25 Bn2Rp4oQ
初投降です。

「夢に限界は無い」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その彼が「あらゆる欲望を実現する機械」を開発した、と聞き、エヌ記者はインタビュ-を申し込んだ。
「それで博士、一体どんな原理によって、そんなすごい発明を成されたのですか?」
実を言えば、エヌ記者はそんな発明が実現出来る訳が無いと思っている。
「何、原理は簡単だよ。君は睡眠学習器というものを知ってるかね?」
「睡眠中の脳に音声を送り込み、記憶させるというあれですか?」
一昔前は良く耳にしたが、最近はとんと聞かない。実は大した効果は無いからだ。
「私はその改良強化型の研究をすすめ、ついに睡眠中の脳に自由に信号を送れる様に成ったのだ」
「はあ・・・」
「簡単に言えばだね。どんな夢でも思い通りに見ることができるのだよ」
「それと欲望と何の関係があるのでしょうか」
「たとえば君、映画の世界に入り、主人公と入れ替わりたいと思った事は?
TVのアイドルと付き合いたいと思ったことは?アニメや漫画の中に入りたいと思った事は?」
ようやくエヌ記者にも博士の発明のすごさが理解できた。
「そうか!夢の中なら何にだってなれる!何だってできる!どんな欲望も思いのまま・・・」
「しかも、私の機械で見る夢は、感覚も操作できる。つまり、夢の中でも五感の快楽はそのまま。
逆に痛覚などはキャンセルすれば、リアルな戦争ゴッコも可能だ」
確かに、使用法には無限の可能性がある。
「これはすごい発明ですね。博士には巨額の利益が入ることでしょう」
「何、私だけでは無い。PCだって、DVDだってソフトが無ければ役に立たないからね」
「ソフト?」
「そうだよ。人間は自分の知識や体験以上の夢を見る事は出来ない。従って、そういった情報も含めた信号を送らねばならん」
「なるほど・・・見たい夢に応じてソフトを交換する訳ですね」
これは一大産業を形成するだろう。確かに博士だけの利益では無く、経済効果は大きい。
「あれ?そうすると、今はまだこの機械は使用出来ないのですか?」
「いや。私の方で基本的なソフトを幾つか作ってみた。試用してみるかね?」
「是非!それで、あのう・・・美しい女性が登場するソフトなどは・・・」
「無論、作ってある。TVの女優を入力しただけなので、細かい好みは合わんかも知れんがな」
エヌ記者もその程度の事に不満は無い。さっそく試用に入った。

「やあ、どうだった?」
エフ博士の問いに、エヌ記者は複雑な表情で答えた。
「確かにすごい発明です。あとはソフト次第ですね」
そう、「自分の知識や体験以上の夢」は作れないのだ。
発明自体の素晴らしさを思えば、博士のソフトの女性達が、みんなモザイクがかかってる位・・・

640:創る名無しに見る名無し
09/06/08 01:33:23 CFnqD/hx
>>639
ワロタww
こういうSS好きだな。

641:創る名無しに見る名無し
09/06/08 01:34:44 Mytz9GqI
規制がある日本ならではの悩みともいえるかw
男子学生涙目w

642:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:09:49 sRbH31bm
まあ科学者が試用品で見せてくれるものなんてその程度だ・・・

643:創る名無しに見る名無し
09/06/08 13:42:51 iCwQhYnY
博士童貞かwww

644:創る名無しに見る名無し
09/06/08 19:16:12 xNUoXbIC
童貞ってことになるよなあ、これww

645:創る名無しに見る名無し
09/06/08 23:08:55 Wz1Oawan
博士ww面白いわぁ

646:えれぽん
09/06/09 00:15:02 nbZoxr9i
読んで下さってありがとうございます。

一応、博士は魔法使い(2ch的な意味で)という設定です。
元ネタ自体はとてもありふれたネタ(自分の中では「コブラ」の第一話)ですが
「こんなのが出来てもどうせ規制されるんだろうな。どこまでOKなのかな」
という疑問をネタにSSにしてみました。
また、近い内に投下させて頂きます。

647:創る名無しに見る名無し
09/06/09 00:55:21 2ZMLnveJ
うん、乙ー
面白かったよ

648:創る名無しに見る名無し
09/06/09 01:11:16 uYXEUu1J
>>646
>「コブラ」の第一話
ううむw それからヒーロー展開全廃した感じだと思うのでなんともw

649:創る名無しに見る名無し
09/06/09 12:25:43 RJaVp3xI
「王様、今日は良い報告と悪い報告があります」
「申せ。まずは良い方からだ」
「はい。我が国の軍備が、この国始まって以来最大のものになりました」
「なるほど。では、悪い方は」
「貴方の治世は今日で終わりだということです。どうかご覚悟を」

650:創る名無しに見る名無し
09/06/09 20:56:21 hkdbcsKN
過ぎた軍備は身を滅ぼすよな

651:創る名無しに見る名無し
09/06/09 23:21:46 BGEAExVL
>>636
これは
・人体に無害なのでエフ氏の不潔なアカ、服などを食べてくれている
・エヌ氏はエフ氏を人間だとさえ思っていない
どっちだろう

652:創る名無しに見る名無し
09/06/09 23:33:52 2ZMLnveJ
両方じゃないかなw
多分エヌ氏はエフ氏が大嫌いなんだと思うよ

653:創る名無しに見る名無し
09/06/09 23:56:27 uYXEUu1J
これまで口には出していないものの、エフ氏の不潔さがすごく嫌だった―という状況で解釈した
死にはしないにしても凄く嫌だろうなあw

654:創る名無しに見る名無し
09/06/10 00:01:16 s5CyXLUc
汚れを取るためでも鼻や尻に入られたら生き地獄だぞ

655:しょうゆまめ
09/06/11 08:02:07 QFgtsZwb
ワンニャン

教授「ついにできたぞ!」
助手「やりましたね。教授!」
教「うむ。犬と猫の特徴を併せ持つ究極のペット、ワンニャンの誕生だ」
ワンニャン「ワニャーン」
助「おお、愛らしい鳴き声ですね」
教「ふふ、ワンニャンを大量供給できるようになれば、世間の犬派猫派の不毛な争いはなくなり、私の研究資金はかつてなく潤うことになるだろう」
助「楽しみですね」

一年後
教「なぜだ!ワンニャンの需要が全くといっていいほどない。せっかく大量飼育に成功したというのに!」
助「……教授。その理由が分かりました」
教「本当かね」
助「……という理由です」

教授が頭を抱える中、成長したワンニャンが、研究室の隅で、猫の目に涙を浮かべ犬歯の見える口であくびをした。あと小一時間後には、猫の胴体から突きだした犬の前足の先の鋭い猫爪で助手に飛びかかり、散歩を催促することになっているのだ。

656:創る名無しに見る名無し
09/06/11 18:04:46 XBMwhf2M
なんか鵺みたいだねえ

657:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/11 23:29:48 FRGYf6R1
うらない

朝から上司に怒られた俺は、外回りと称して競馬場に足を運んでいた。
競馬新聞の代わりに、経済情報誌を丸めてレースを観戦する。朝方、上司に投げつけるように渡されたものだ。もちろん内容なんかほとんど読んでない。
どうせ、この不況で顧客回りなんか空振るだけだ。
右手の経済情報誌の片隅。唯一、俺が目を通した星占いが俺をサボリへと後押しした。

天秤座★★★★★
今日は全てがうまくいく最高の月。いつもなら越えられない壁も、今月はなんなく越えるでしょう。

この星占いに俺は何か感じる物があったのだ。
カラフルな占いの記事は天秤座の俺の瞳に強烈な電波を投げかけた。これは自分に対する天啓だと俺は感じた。



最終レースまでは収支はプラスだったが、最後の最後で超鉄板だったトニートニーゼブラをビリケツ常連のライブラクイーンが3馬身差でぶっちぎり、俺の馬券は紙屑になり、俺の財布は覗きたくもない有り様となった。
確かライブラクイーンは生まれが10月で、天秤座にちなんだ名前がつけられたとか何かで読んだ。
星座占いは馬にはそれなりに当たったらしい。
そういえば、今日久しぶりに快勝した俺のお気に入り、バスターヤマトオウジも10月生まれだった。
…………


658:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/12 07:57:21 hENwzafh
続き消してしまいました。

(´・ω・`)また書く

659:創る名無しに見る名無し
09/06/13 20:01:49 UvDluHdP
作品リンク更新。環境によっては文字化けするかも。
いつのまにやら投稿数が100越えです。

URLリンク(u6.getuploader.com)

>>657
つづき気になるな。

660:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/15 22:47:26 3Y/7skFR
>>657からの続き
続き

俺のやる気と本気はこういう時のためにある。
早々に帰宅した俺はN市立図書館に向かい、過去2年間の経済情報誌“That's PAPER”の星座占い欄を調べ、競馬情報サイトから過去のデータを検索し、星座占いとレースの関連性を分析した。
まあ、星座占いが“当たる”なら今月は全てのレースで10月生まれの馬が連戦連勝、逆に運勢の悪い1月生まれの馬は全敗となる。そんなことは有り得ないし、有り得るなら競馬が成り立たない。
そんな矛盾に気づきつつ、俺は手を止められなかった。そして、ついに驚くべき真実にぶち当たった。

・★5の星座の馬は、他に同じ星座の馬がいない限り必ず1着になる
・★4~★1の占い(★5以下の星座)は全くレースに影響しない
・星座占いの運勢は“That's PAPER”の発売日当日のレースに限り有効

ただ、★5の星座が無い月も何回かあり、“That's PAPER”の発売日とレース日程が重ならない月もあった。100%の確信は無かった。
だが、そんな不安をものともせずに一か八かに賭けるのがギャンブラーであり、俺はどうやらギャンブラーだった。

11月の運勢
射手座★★★★★
仕事で成功をおさめて喝采を浴びそう、プライベートでも良いことが

14番人気のグリーンサジタリアスは俺に万馬券をもたらし、俺はパソコンを買い換えた。

12月の運勢
双子座★★★★★
あなたに転機が訪れます。スタートダッシュが肝心。

俺のボロ財布の中の一万円札は、レースが全て終わる頃には、アタッシュケース無しでは運べなかった。

1月の運勢
山羊座★★★★★
仕事のパートナーと息があってると実感します。運命的な出会いもあるでしょう。

俺は札を積めすぎて破れた財布を買い換えるついでに、会社によって辞職願を出してきた。


2月の運勢
牡羊座★★★★★
チャンスが訪れます。今までの努力が報われる時。

レース日程が“That's PAPER”の発売日と重ならなかった。

3月の運勢
水瓶座★★★★★
あなたにとって最高の1ヶ月。恋の予感を見逃さないで。

出走馬に水瓶座の馬がいなかった。馬券は買ったが惨敗。


4月の運勢
星5無し

3ヶ月のスパンがあっただけで、山とあったはずの金をほとんど使い果たしていた。
しかし、そんな事より破滅的な一文が4月号の“That's PAPER”に刻まれていた。

661:創る名無しに見る名無し
09/06/17 23:45:54 5UyHySGi
続きは?

662:創る名無しに見る名無し
09/06/18 14:42:20 NNe5vXR8
続きがあるとしたら、『休刊します』かな?

663:創る名無しに見る名無し
09/06/19 07:55:07 Hs6TFGBE
>>660が続くとばかり思ってて投稿できなかったんだが、いいのか??

664:創る名無しに見る名無し
09/06/19 08:56:01 nvVr5pAX
どうぞどうぞ

665:創る名無しに見る名無し
09/06/20 13:50:02 xXwaZPyV
660じゃないけど投稿させてもらいます

未来イソップ風
「タラントンの喩え、不景気編」
※タラントンとはお金の事です

ある主人が3人の部下にそれぞれ
5タラントン、2タラントン、1タラントンを与えた。
5タラントン貰った者は商売をはじめ5タラントン儲け
2タラントン貰った者も商売をはじめ2タラントン儲けた。
一方1タラントン貰った者は「失ったら大変だ」と思い地中深くに埋めてしまった。
そしてしばらくして主人が3人の部下に与えたお金の使い道を聞いた。
5タラントン、2タラントンを貰った者は稼ぎを主人返したことによりに褒められた。
しかし、1タラントンを貰った者は逆に怒られてしまった。
「そのお金を銀行に預ければ利子が付いたのに」と…
そして1タラントンを預かったものはクビになった。

時代は変わり、再び主人は同じように3人の部下にタラントンを与えた。
そして同じように5タラントン、2タラントンを貰った者は商売を始め
1タラントンを持つものは同じように深く地中に埋めた。
だが時代は不景気であり二人は5タラントン、2タラントン全て失った。
また同じようにしばらくして主人は同じようにタラントンの使い道を聞いた。
1タラントンを貰った者は当然のように怒られた。
5タラントン、2タラントン貰った2人はお金を失った事を話した。
その事を聞いた主人は烈火の如く怒りこの3人にこう言った。
「そのお金を銀行に預ければ利子が付いたのに」
「しかしご主人様。その銀行は潰れましたよ」

666:創る名無しに見る名無し
09/06/20 13:51:00 xXwaZPyV
タラントンの喩え 私と息子

私がタラントンの喩えを息子に話した。
話を聞き終わったあと、息子は納得した顔でこういった
「そっか、だから犯罪が消えないんだね」

667:創る名無しに見る名無し
09/06/21 11:44:33 naz3EA2f
正直ちょっと分かりにくかった

668:創る名無しに見る名無し
09/06/22 13:00:30 r7q7YTKM
 山の中で二人の男が帰れなくなっていた。車はあるが、二人とも免許を持っておらず、運転できないのだ。
「なあ」
「ん」
「俺達、ここまでどうやって来たんだっけ」
 この謎を解く頭脳があれば、帰る方法なんてとっくの昔に思いついているはずだ。

669:えれぽん
09/06/22 15:27:09 xmWLjYis
「良薬は口に苦し」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その彼が「食料問題を解決する薬」を開発した、と聞き、エヌ記者はインタビュ-を申し込んだ。
「それで博士、一体どんな原理によって、そんなすごい薬を開発されたのですか?」
「なあに、基本は栄養剤の強化型だ」
「栄養剤・・・ビタミン剤とか、ああいった感じの・・・」
エヌ記者は少し失望した。
「ただの栄養剤では無い」
エフ博士はパチンコ玉位の褐色の丸薬を指し示した。
「この中には、成人男性が一日に必要な、全ての栄養素が含まれておる。
しかも、これ一粒で丸一日満腹感が持続する」
「なるほど・・・」
エヌ記者は納得した。本当にそんな効果があるなら、確かに食料問題の解決に大きな希望となる。
「これは、栄養の調節なども・・・」
「無論、可能だ。ゆえに病院食や、ダイエット食にも応用できる」
「味の方は・・・」
「それも調整できる。これは、私の好みで甘くしてあるがね」
ということは、エフ博士自身が自分で試用済みと言う事なのだろう。
「私が試用しても問題ありませんか?」
「うむ。記者としては当然の要求だろうな」
エヌ記者は丸薬をつまみ、口に放り込み、舐めまわしてみた。確かに甘い。
それから一気に飲み込んだ。しばらくして、穏やかな満腹感が、全身を包む。
エヌ記者は興奮してきた。これは人類の歴史を塗り替える発明かもしれない。
人類は、古代から「食料」の為にこそ、最も多く戦争や争いを繰り返して来たのだ。
「これはすごい・・・ただ、二つ気になる点が・・・」
「なんだね?」
「コストと原料です」
エフ博士は「なんだ、そんなことか」と微笑んだ。
「コストの方は量産体制が整えば、一粒50円位だ。原料は天然素材のみ」
「と言うと、野菜や果物から栄養素を抽出したり・・・」
「そんな事したら本末転倒じゃないか。これは食料の不足を補う為の物だよ」
エフ博士は笑った。エヌ記者は改めて博士の偉大さを認識した。天才の思考は常人の及ぶ所では無いのだ。
「もうしわけありません。凡人の浅知恵で・・・すると、この原料は?」
「私の排泄物だ」

670:創る名無しに見る名無し
09/06/22 17:51:53 kB1wdZjl
おもしろかった

実際、
砂漠の真ん中で穴掘って池作ってカメ飼ってうんこし続けて
発生する藻とかを食料にしてしばらく生活した博士がいたらしいな

671:創る名無しに見る名無し
09/06/22 22:23:32 TuKtkqET
この切り方こそ星って感じだなぁw

672:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/22 23:12:59 g7MvCoXe
>>660の続き

『“That's PAPER”は来月号をもって休刊となります。ご愛読ありがとうございました。』

顔面がひきつり、耳がピクピク動いた。心臓は止まっていたかもしれない。

俺は慌てて携帯電話を引っ付かんで、編集部に電話をかけた。

俺は出てきた男に、どれだけ“That's PAPER”を熱望し、心酔しているかを語り、なんとか休刊を撤回できないかと懇願した。
「“That's PAPER”を愛して頂いたようで、ありがとうございます。ただ、うちの会社自体が倒産となり、もはや当誌だけではどうにもなりません。」
淡々とした解答に俺は頭を抱えた。
3ヶ月前なら兎も角、今や倒産を救うだけの資産は無い。
俺は頭を無理に回転させて、星座占いの占い師を教えてくれないか、と相手に問い質した。
相手の解答を聞いて、俺の顔面と耳は再びピクピクと痙攣した。
「あの占いは社員が持ち回りで書いてまして、特定の誰かが占っているわけでは無いのです。占いというよりそれらしい文を連ねただけですが、予算の都合も…」


それから1ヶ月、最後の占いに向けて、金を最大限かき集める為に働いた。
バイトを掛け持ちし、昼夜問わず寝る間を惜しんで働いた。賭事に溺れ職を捨てた俺に金を貸してくれる者はおらず、自分で稼ぐしかなかった。

“That's PAPER”最終号

天秤座★★★★★
運命が大きく好転する月。過去の枷から解き放たれて天馬のように羽ばたけます。


発売日はA記念の当日。天秤座の馬は全レースにただ一頭、最終レースの16番人気ハッピールーイン。
充分だ、複勝で当てれば金は一気に膨れ上がる。
かき集めた150万を小さなトランクに入れ、馬券売り場に並ぶ。
だが俺はハッピールーインの名を告げることなく、口から汚物を吐いて窓口で昏倒した。

……

目を覚ますと、職員が俺を介抱してくれていた。
張りの大窓と高級そうなソファーから見るにVIP席にでも収容されたのだろうか。
過労を重ねた体を縫い止めていた気持ちが、馬券を前にして切れたらしい。
「金は!?」
状況判断などしている場合ではない、俺は跳ね起きた。
職員の一人がトランクを差し出す。
金は…有る!
「レースは!!?」
職員が窓の外を指差した。
振り向いた俺が目にしたのは、最終レースが始まる瞬間だった。
天馬のように後続を引き離すハッピールーイン、俺はむせび泣いた。

673:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/22 23:44:50 g7MvCoXe
何かに取り憑かれたようにハッピールーインは黒い矢となり、後続を引き離した。

朝方、“That's PAPER”の占いを見た時に天秤座の自分にも転機が訪れる気がしていた。
俺が馬鹿だった。元より馬以外には当たりもかすりもしない占いだったのだ。
倒れるほどに心身を削り、競馬と占いに全てを賭けた結果がこの有り様だ。
絶望と後悔に満ちた涙を流す俺が虚ろな視線を投げかけるその前で、
ハッピールーインは誰もが予測のできない速度で最終コーナーを駆け抜けて、
“騎手を振り落としたことを気にも止めず”、後続に四馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。



・星座占いの星5は出走馬にのみ、その効果をしめす



この法則は間違いだ。
最終最後の占いは、どうやら俺にも効果があったらしい。

674:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/22 23:48:55 g7MvCoXe
>>657
>>660
>>672
>>673

以上で終わりです。
スレに大変御迷惑をかけました。

本当に申し訳ありません。

675:創る名無しに見る名無し
09/06/23 11:03:18 AzQAbvhL
>>674
そもそもこれってショートショートっていえるのか??
このスレ的には1レスか2レスで完結してもらわないと・・・

676:創る名無しに見る名無し
09/06/23 14:46:02 k9cSukKH
>>675
わかちこ

677:創る名無しに見る名無し
09/06/23 21:31:54 O5cdv0FR
>>674
星っぽいかという観点では少し毛色違うかと思うけど、ショートショートとして純粋に面白かった
ちょっと希望のあるオチは個人的に好みだ

678:創る名無しに見る名無し
09/06/25 16:42:30 FLVN/MwI
『あそこまで』

エヌ氏が夜道を歩いていると、近くの駐車場を指差しながら男が話し掛けてきた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
エヌ氏は男を気味悪く思いながらもだいたいの距離を答えた。
「40mってところですかね?正確にはわかりませんが。あの駐車場に何かあるのですか?」
「いえ、ただ何となく気になりまして。ありがとうございました」
話が終わると男はそそくさと立ち去っていった。
また、しばらく歩くと今度は若い女性が近くの公園を指差しながらエヌ氏に尋ねてきた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
「えーと…、30mあるかないかってところじゃないですか?あの公園がどうかしました?」
「いえ、特に意味は無いのですが。ありがとうございました」
話が終わるなり若い女性はそそくさと立ち去っていった。
奇妙に思いながらもエヌ氏は夜道を歩き続ける。
すると今度は身なりの良い紳士から声を掛けられた。その指は近くの電柱を指差している。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
「……20mくらいではないでしょうか?一応お聞きしますがあの電柱に何か?」
「いえ、お気になさらないで下さい。ありがとうございました」
前の二人と同じように紳士は足早に立ち去る。
いよいよ寒気がしてきたエヌ氏は夜道を半ば走るようにして進む。
そして、何ものかに袖を引かれて飛び上がる。見るとそれは小さな子供だった。子供の指先はエヌ氏の自宅を指差していた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
エヌ氏は叫び声をあげると子供の手を振りはらい、自宅とは別の方向に走りだした。
大きな黒の固まりが、根のようなものを家全体に這わせているのが見えたからだ。

679:人生
09/06/25 21:47:27 NZx8tH88
 少年は野球が大好きだった。
子供の頃から朝も夜も白球を投げ込み、高校時代は甲子園の決勝でノーヒットノーランを達成することができた。
 流れるようにプロ入りを果たし、数多くの賞を取った。
しかし彼はまだ壮年であるにもかかわらず現役引退を表明し、監督になることを表明した。
初めは話題集めの客寄せのために、古巣の球団が監督として彼を迎えてくれたが、
プレーする才能はあっても指導に関しては素人。選手には嫌われ、チームは低迷。
結局球団のオーナーは彼を解雇し、彼は球団を追い出された。
選手としての実績から天狗になっていた彼は
自らの行いを見直し近場の少年野球チームの監督となり1から選手の育成について肌で学んだ。
多くの年月を費やしてしまったが、その結果彼はもう一度古巣の監督を任されるチャンスを得て、見事にチームを優勝へと導いた。
 彼はベンチの中で、選手達がマウンド上で胴上げをしている姿を見ながら、安らかな笑顔で息を引き取った。



ベッドと小さな機械だけが置かれた1畳半ほどの部屋で、ある青年が目を覚ました。
彼は横に置いてある小さな機械から
<野球監督編>というラベルの貼られた小さなチップを取り出して
同じようなチップが入ったカゴにしまいそこから新しいチップを探し始めた。
やがてその中から適当なチップを見つけ、機械に取り付けてベッドに横たわった。
青年は誰に言うでもなくつぶやいた。

「便利なものができたものだ。1年で1つの”人生”を体験できるのだから、死ぬまでにあと60回は”人生”を体験できるぞ。」


680:創る名無しに見る名無し
09/06/25 22:44:50 0FSVR4JW
>>678
どういう意味?

681:創る名無しに見る名無し
09/06/25 23:18:47 OFSR0Hn1
>>679
なんか皮肉な空しさが漂ってくるのがいいね

682:創る名無しに見る名無し
09/06/26 11:45:21 lXJtnMyd
>>678
もっと凄いオチを期待してしまった俺の負けか?

>>679
これは逆に途中でオチが読めてしまったんだが、同じネタで宇宙旅行ものを考えていたので先を越されちまった感が強い。

683:創る名無しに見る名無し
09/06/26 13:09:49 jSvJ6a4K
>>678
途中までは引き込まれたけどオチがよくわからない。
普通に黒い生き物がうねうねしてたってことなのかな。

684:創る名無しに見る名無し
09/06/26 22:10:47 v/xJN0ye
『演奏ロボット』

「遂に完璧な演奏をするロボットを発明しました。」
エス博士は胸を張ってそう告げ、記者たちの質問を待った。
しばらくすると記者の一人がうさん臭げな目を博士に向け、口を開いた。
「完璧な演奏とおっしゃいますが、その完璧とは譜面通りに演奏が出来るということですか?それならば以前にも似たような発明は幾つかあったはずですが。」
エス博士は笑顔でそれに答える。
「いえ。そのような単純なものではございません。客席に座った人間達の脳波を調べ、一番ベターな音を選択していく機能があるのです。」
それを受け、別の記者達が声をあげる。
「それはプライバシーの侵害にあたりませんか!?勝手に人の脳波を調べるなんて!」
「クラシックのような眠くなる音楽を聴いている会場では子守歌でも演り続けるつもりですか!?騒がしいロック音楽の会場では延々騒音を!?」
博士は呆れ顔でそれぞれの記者に答えた。
「お客さんにはそれを承知で来てもらえばいいでしょう?」
「別にお客さんの感情に延々流されるわけではありません、演目は予め決めておきますし、その曲その曲の最低限の基準は設けていく予定です。もちろんそれを外す事も可能ですが、まぁそれだとあなたの前では子守歌と騒音にしかならないでしょうが。」
会見から数ヵ月後、多少の不安を残しながらも演奏ロボットによるクラシックコンサートが開かれた。
それは中々に好評で一先ずは成功かと思われた。しかし強く反発する人々もいた、音楽評論家である。
音楽評論家達は様々な雑誌や新聞、テレビ放送で演奏ロボットに対する批判を続けた。
「複数の人間を基準にしているせいで極めて中途半端な演奏になっている。これのどこが完璧な演奏なのか。」
「音楽は人間が生んだ人間の為の文化である。このような人真似ロボットを使っていてはこの素晴らしい文化は廃れてしまう。」
「演奏ロボットの演奏には感動がまったく存在しない。出来て当然という先入観が強すぎるせいである。このような死んだ音楽に金を浪費する人の気が知れない。」
エス博士は批判を受ける度に反論をしたが、結局音楽評論家達から好意的な反応がかえってくることはなかった。
これに気を悪くしたエス博士は新しいロボットを発明し、それを世間に発表した。
「この評論ロボットは様々な分野をほぼ完璧に評論することが可能です。様々な人種、年齢、立場の人間の思考をサンプリングしており、さらにはその時々の流行を多種多様な媒体から割り出し、評論に役立てます。」
これを世間の人々は面白がり、自分がどの程度平均的な人物なのかをはかる基準にし、企業は商品開発に役立てようとした。
そしてさらに数を増し怒り狂った音楽評論家及び各分野の評論家達はエス博士を一斉に非難した、しかしそれも長くは続かなかった。
世間が演奏ロボットや評論ロボットに飽きはじめた為である。
結局のところ全ては一時的なブームに過ぎず、平均的な演奏や評論が評価されていたわけでは無かったのだ。
次第に演奏ロボットを採用する会場は減り、雑誌の紙面にエス博士やロボットの文字を見つける事は困難になった。
エス博士は研究所で一人、鈍い作動音をあげ続ける、とても大きな機械を前に呟いた。
「一番重要なのは聞き手、受け手、つまりは世間の方だったのだ。完璧な感情を持つ人間ロボットを制作し……」

685:創る名無しに見る名無し
09/06/27 01:40:43 2poxepRM
『カジュアル・ペット』

一匹の犬が初老の男に連れられ川原を歩いていると、近くで遊んでいた子供達が寄ってきて、犬の毛並みをその手で確かめる。
子供達は初老の男に礼を言い、名残惜しそうな目で犬を一瞥すると自分達の遊びに戻っていく。
子供達が大人になった頃、ある犬が世間を賑わせていた。
テレビの中ではマイクを手に持った女が、興奮したような声音でその犬の説明をしている。
「これが今話題のカジュアル・ペット!人の言葉を理解し簡単なお使いを頼む事も可能です!見てください、素晴らしい毛並みです!なによりもエサをあまり必要とせず排泄物が少ないのが魅力ですね!」
テレビ画面を見ていたエフ氏は隣に座っているワイフに話し掛ける。
「凄い時代になったものだな。犬に似せたロボットのブームが終わったかと思えば、次は犬がロボットになっちまった。」
ワイフは半眼でエフ氏を見ながら言った。
「違うわよ。ロボットじゃなくて犬よ、生きた動物よ。そりゃ所々イジっているんでしょうけど。品種改良みたいなものでしょ?」
エフ氏はその言葉に軽い違和感を覚えたが、ワイフとやりあっても仕方が無いので渋々同意する。
「……まぁ、そうなのかも知れないな。」
その後も猫や猿、フェレットやウサギのカジュアル・ペットが次々と登場しカジュアル・ペット市場は拡大し続けた。
時が経ち、今度は多くの飼い主達の希望に応えて始まったカジュアル・ペットの死後、その毛皮を使い、喋るアクセサリーを作るサービスが話題になった。
その喋るアクセサリーには生前のカジュアル・ペットの思考データが登録されており、カジュアル・ペットはついに飼い主が死ぬ瞬間までのパートナーに上り詰めたのである。
そしていつしかカジュアル・ペットは動物では無くそのアクセサリーを指す言葉へと変わっていた。
簡単なお使い等はロボットに任せておけばいいのである。
カジュアル・ペットはその素晴らしい毛並み、心地の良い鳴き声やテンポの良い会話で飼い主を喜ばせてくれればそれでいい。
川原で最後に遊んだ日を思い出せない程に歳を重ねたエフ氏が久しぶりに川原を散歩していると、一匹の野良犬がエフ氏の足元に寄ってきた。
野良犬の気配が近付き警戒をしたのか、エフ氏の胸のポケットから犬の唸り声が聞こえてくる。
さらに野良犬がエフ氏に近付くとその唸り声は怯え声へと変わる。
エフ氏は顔をしかめ、野良犬を足で追い払う。
そして胸のポケットからカジュアル・ペットを取出し「もう大丈夫だからね」と柔らかな毛を優しく撫でた。
それを遠目に眺めていた子供達がエフ氏の周りに集まり、カジュアル・ペットに手を伸ばしながらそれぞれに口を開く。
「この子ワンちゃん?」「大型だよね?」「どこで買ったの?」「うわー毛並みいいねー。」「あっ撫でられて喜んでる。」
エフ氏は子供達に可愛がられている自分のカジュアル・ペットを見て目を細める。
尻尾を垂らした野良犬は次は自分のところに子供達がやってくるのではと期待したが、結局、生涯人間に撫でられる事は無かった。

686:創る名無しに見る名無し
09/06/27 02:49:04 2poxepRM
『時代』

アール氏が朝、目覚めると、ベッドの横に悪魔が立っていた。
悪魔がカーテンを開きながら声を掛けてくる。
「おはようございます。おぉっ!実に気持ちの良い朝ですね。あーっと…。急で申し訳ないのですが何か願い事はありますか?」
アール氏は欠伸をしながら答えた。
「急に願いと言われてもね…。これといって欲しいものも無いな…。魂を支払ってまで欲しいものなら尚更だ。」
悪魔はカタログをアール氏に手渡し、笑顔で言う。
「今の時代に魂なんて、そんなもの必要ありませんよ。」
そしてカタログを指差しながら話始める。
「こちらとこちらがセットになっており、金銭だと八段階に設定されております、ですが最上だとそれなりに苦労もしていただくことになっておりますので。あと…」
アール氏は悪魔のセールストークを慌てて遮る。
「そんな一遍に言われてもわからないよ。もう少し簡単に説明してくれるかな。」
悪魔は出来る限り簡潔に説明をした。
それを受けてアール氏は目蓋をきつく閉じ、頭を悩ませる。
「うーん…。どれも魅力的なようで生活の邪魔になる気もするな…、今の暮らしに満足している分、余計にそう思える…。」
アール氏の返答を待っていた悪魔は自分の腕時計に目をやると声をあげた。
「あ!大変だ!人間の魂を裁く時間だ!」
申し訳なさそうな顔で悪魔はアール氏に告げる。
「すいません、ちょっと時間が来てしまったもので。今回の事は一先ず忘れてください、もし機会があればまたその時にでも。」
アール氏は目を開き、呆れ声で悪魔に問い掛けた。
「人間の魂を裁くって、それは神様の仕事じゃないの?」
悪魔は情けない笑い顔でアール氏に答える。
「今の時代の人間は神様や天使に祈らず想像もしないので、みんな居なくなってしまったんですよ、まぁ…悪魔もほとんど消えてしまったんですけどね。だから私が一人三役ですよ。」
「大変だね」とアール氏が慰めると「ええ、まったくですよ。ひどい時代です。」と悪魔は相づちを打ち、窓から飛び立っていった。

687:創る名無しに見る名無し
09/06/27 13:43:19 mRmlWE7E
上手いなぁ。オチがもうひと捻り欲しいかな?あっさりしてるのも好きだけど

688:XXX ◆TqnDIIRxZU
09/06/27 18:56:55 acxgV2dN
約束


『世界的に人口爆発が深刻な社会問題となっています。今日は専門家のN氏に来ていただきました。』
『人口爆発は社会問題というより、格差社会、食糧不足、資源戦争などの社会問題の根元的問題にあるわけです。』
『そうですね、今日はその辺りのプロセスについてじっくり聞かせて頂きます。』


ドキュメント番組を前にして、ひとりの男が頭を抱えている。
「なんということだ…。あんな約束しなければ……。せめて国は我が国と決めておくべきだった………。」
清潔な白を基調とした服装。
引き締まった顔立ちに、凛とした眼差し。艶やかな黒髪に重厚な黒髭。
誰もが見るだけで高い地位と風格を感じるであろう顔立ちが、今は苦悩でひどく歪んでいた。


『このようにM国では、人口爆発に対応するはずの食糧供給の為に、砂漠化が起こりました。』
『嘆かわしいことです。この為に隣国の難民キャンプの数は倍増しました。』
『一方、少子化が社会問題となっている我が国の最新の調査では、昨年に比べて更に人口減少率が加速したという結果が……』


同じ番組を前に、一人の女が笑っていた。
「あははははは!良い様だわ。後先考えずに無責任な約束をしたツケが廻ってきたのよ!」


夜に溶けそうな漆黒のドレス。
つぶらな瞳に、花の蕾のような唇。透き通るような白い肌に鈴の音のような声。
だが、その美貌とは裏腹に、彼女が笑う度に蛆がバラバラと口からこぼれ、言葉を発するごとに腐汁がゴボゴボと音をたて周囲に飛び散った。


《お前の國の人間を1日1000人殺してやろう》
《ならば、私は1日1500戸の産屋を建てよう》
神代の昔に交わされた二人の約束は、今も守られ続けている。

689:創る名無しに見る名無し
09/06/27 20:36:42 mRmlWE7E
イザナギとイザナミかーw

690:創る名無しに見る名無し
09/06/27 20:50:30 2poxepRM
『異星』

星に降り立つとその星の住人達がざわざわとし始め、少し間をおき一人の住人が歩みでてきた。
その住人に案内され、小型の施設の中に入ると、住人は飲み物らしきものを差し出してきた。
それはまったく飲めたもので無くすぐに吐き出してしまう。住人は首をかしげたのち、別の飲み物らしきものを持ってきたが私は受け取り事を拒否する。
その後、何かの儀式のようにテーブルにガラクタを並べ、私に勧めてくるが気味が悪くまた拒否する。
しばらくすると先程とは別の住人が突然やってきてデータ交換を望んできた。私はあまりのマナーの無さに呆れたが、ここは異星なのだと自分に言い聞かせ丁重に断る。
それから数日が経ち、ある問題が起きた。住人の一人が病気になったというのだ。住人達に頼まれ私は治療を行なう事にした。
しかし何故ここの住人ときたらこのように交換の面倒な部品を使っているのだろうか。オイルの代用品だと思われる赤い液体も一ヶ所にまとめていればいいものを。
私はため息をつきながらエンジンらしき部品を住人の身体から切り離した。

691:創る名無しに見る名無し
09/06/28 09:11:05 qiYaVEnA
怖…

692:創る名無しに見る名無し
09/06/29 00:13:48 saTaUITf
『夢』

真夜中にケイ氏は叫び声をあげながら目を覚ました。身体は汗でじっとりとしている。
ケイ氏は「とても気分の悪い夢を見た気がする…。」と呟き、不安に駆られ部屋の明かりを付けた。
その後、朝方になって眠気に襲われ、次に目が開いた時にはすでに夕方になっていた。ケイ氏は会社に詫びの電話を入れると軽い食事をとる為に冷蔵庫を開く。
その夜、ケイ氏は趣味の釣りを同僚と楽しんでいる夢を見た。
朝になり会社に行くと昨日の無断欠勤の件で上司に叱られ、つい反論をしてしまい口喧嘩になってしまう。
その日の夜、喧嘩をした上司と焼肉を食べる夢を見た。
朝になって会社に行ったが、昨日喧嘩をしてしまった上司とは中々口をきけない。仕事が終わり帰ろうかという時に喧嘩をした上司から焼肉に誘われ、同僚と共にご馳走になった。
その夜の夢でケイ氏は、また上司と言い争いをしていた。
夢は確か体験をした出来事の整理をする為のものだったな、と少し遅い時間に起きだしたケイ氏は独りごち、同僚と釣りに行く為の準備を始めた。
釣りから帰ってすぐにベッドへと倒れ込み眠りについたケイ氏は、夢の中で悪夢にうなされ、夢の中で目を覚まし、朝の早い時間に再び眠ってしまい会社に詫びの電話を入れていた。
朝が来てケイ氏は会社へ向かう。
その日、ケイ氏が夢を見ることはなかった。

693:創る名無しに見る名無し
09/06/29 22:50:51 U05YSCyy
『顔』

 ある日、町中で俺そっくりの男が車を運転しているのを見た。ドッペルゲンガーという言葉を思い出し、俺は不安になった。
 翌日、また俺そっくりの奴を見つけた。喫茶店でコーヒーを飲んでいる。
 俺は慌てて、喫茶店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ」 頭を下げた店員が顔を上げると、俺が笑っていた。
 俺は腰を抜かして派手な音を立てて転んだ。喫茶店にいた奴らが一斉に俺を見る。皆俺の顔だった。
 つまらなそうに、あるいはクスクス笑いながら、それぞれ自分のテーブルに戻っていった。
 喫茶店を飛び出した俺は気付いた。
 道路を歩いても俺ばかり。電車に乗っても俺ばかり……。
 家に帰ると、「お帰りなさい、あなた」と俺が出迎えてくれた。
 世界中の人間が、俺の顔になってしまったようだった。
 (俺は一体どうしてしまったんだ。どうしてこんな事になってしまったんだ?)
 俺は困って病院へ駆け込んだ。

「俺の顔、整形してください!」

694:創る名無しに見る名無し
09/06/30 00:29:57 mVD2JOl5
『この鳥』

「気分はどうかな?」
小さくて散らかった研究所の中で、エム博士は綺麗な羽を持つ鳥に話し掛けた。
「うん。まぁ悪くはないね、決して良くもないけど。この狭い籠から出してもらえれば気分も上向きになるのだけどなぁ。」
そう答えると鳥は手羽で鳥籠の扉をさし、エム博士に開けるよう促した。
「それは無理だよ。君は僕にとっての金の卵なんだ。すでに羽化しているけど。」
と、エム博士は笑いながら言った。
「今のは冗談のつもり?ま、笑えないのはこの際置いといてあげるよ。あなたが私で金を稼ぎたいってのはわかったしね。」
鳥は嘆息するとエム博士の顔を凝視した。
「な、なにかね?僕が君に知性と言葉を与えたんだよ?それで僕が儲けようとして何が悪いんだ?」
エム博士はおろおろと視線をさまよわせる。
「何も悪くはないね。知性をありがとう、感謝するよ。せいぜい協力させてもらうさ。」
数日後、エム博士はこの鳥を発表する為にパーティーを開いてもらった。
金持ち。マスコミ。研究者。様々な人々が注目する壇上にエム博士は立つ。
「えー…。この鳥こそが僕の研究の成果であり、まずは、えー…。とりあえず実際に見てもらいましょうか。」
エム博士が鳥籠の扉を開くと、鳥がエム博士の肩に飛び乗る。
「こんばんわ。たくさんの人が君を見ているよ、今の気分はどうだい?」
エム博士は鳥に語りかけた。
「………。」
しかし鳥は何の反応も示さない。
「あ、あれ?緊張しているのかな?ほら喋って喋って。いつもの練習のように気楽に話していいんだよ。」
エム博士が何度も何度も話し掛けるも鳥は話しだす気配すらない。
しまいに鳥はエム博士の肩から離れ、会場の天井の方に飛んでいってしまう。
会場中からあがる笑い声と罵声に耐え切れず、エム博士は壇上から逃げ出した。
会場の窓から外へ逃れた鳥は気分良く歌うように言葉を発する。
「あはは。まったくエム博士ときたら。知恵比べで鳥に負けるとはね。」

695:創る名無しに見る名無し
09/07/02 13:50:53 t8Js9ah9
てs

696:創る名無しに見る名無し
09/07/02 14:30:44 t8Js9ah9
 「二度寝」


N氏は数百年ぶりに目覚めた。
サナギのような機械から身を脱して立ち上がり、研究所を見渡す。誰もいない。
N氏はすぐさま行動に出た。まずは研究所を出て街へ向かうのだ。
数百年前、マッドサイエンティストの間で或る計画が持ち上がった。一人がタイムマシンのある時代に行って、そこから手紙をよこすというものだ。
その派遣員がN氏である。
その中で眠っていれば永久に生存できるという「サナギ」の中で数百年を過ごした。自分の体はまったく衰えを見せていない。
過去の世界にいる研究仲間は今か今かと自分からの手紙を待ち構えているだろう。なるべく急ぎたい。N氏は薄ら笑いを浮かべて街へ向かう。
思ったとおり、街は大きな変貌を遂げていた。文明は発達し、車にタイヤが無かったり、子供が空を飛んでいたり、ロボットが歩いていたりする。
N氏は通りすがりのロボットに話しかけた。
「やあ、この時代にタイムマシンはあるかい?」
 田舎者でも見るようにN氏を眺め、ロボットは答える。
「SFじゃあるまいし、そんなものあるわけないだろう。俺がロボットだからってからかうなよ」
 言い終わると、ロボットはそそくさと去ってしまった。
タイムマシンはまだ開発されていないらしい。
N氏は不機嫌になりながらも再び研究所に戻った。
「タイムマシンがない時代に起きたんじゃ話にならない」
 N氏はサナギの中へ身を投げて、また眠りについた。……

さらに数百年が経って、サナギからN氏が這い出てきた。
前と同じようにすぐさま研究所から出た―が、なにやら外の様子がおかしい。
街へ向かうと、活き活きしていたはずのビル郡は腐敗しきっており、まるで荒城を見ているようである。
 焦ってうろうろとしている内に、N氏の目の前に、人間の頭ほどの大きさのボールが転がってきた。
ボールは時々震えて、その度に少しずつヒビが入っていく。
やがて、見たこともない生物が産声をあげた。

697:創る名無しに見る名無し
09/07/02 18:35:08 VHvTKb95
>>692
む、解釈及ばず。。スマソ

>>694
解決になってないww

>>694
想定できただろうに……博士いい人過ぎたんだろうなw

>>696
そのオチは予想外だったw

安定して投下されてますなぁ
作家の皆さん、ばんばんage投下しちゃってええと思うですよ

698:創る名無しに見る名無し
09/07/02 18:52:30 wvZkrwRL
全人類の敵

 俺は今、とても強い敵とたたかっている。それは全人類の敵で、どうしようもない強さを持っている。
 ―ハンドルをきる。左に曲がる。
 敵を倒すからには根本からねじ伏せてしまわねばならない。お腹を突けば少しの間暴走は止まる。対処法のない間はそれで時間を稼ぐ。
 ―もう一度ハンドルをきった。
 もちろん、敵を倒せたからといって永遠に復活しないわけではない。しばらく経てば復活する。
 ―ここでエンジンが切れたりするとおしまいだ。
 復活しても、ちゃんとした対処が出来る環境があればどうにでもなる。今はたまたま運が悪いだけである。
 ―頼む、もう少しもってくれ。
 敵を対処するには、ちゃんとした環境が必要である。
 ―あ、あそこでいいだろう。
 その辺で敵を倒したりすると、みなに迷惑がかかる。出来ればそういうことはしたくない。
 ―よし。やっとたどり着いた……ここが適当だな。
 やっと敵を倒す環境が整った。この広場なら大丈夫だろう。“アレ”がある……。
 
 俺は急いで車を降り、トイレへ駆け込んだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――
どうでしょうか。
途中で読めてしまいましたか?
評価お願いします。

699:創る名無しに見る名無し
09/07/02 20:16:38 t8Js9ah9
いやオチは全然予想できませんでしたよ。
ちょっとケチをつけるしたら、「勝負」のところでもうちょっと踏み込んだ表現が欲しかったと思います。
オチがわかってからもう一度読み直しても「ああ、なるほどなwww」みたいに思えません。

700:創る名無しに見る名無し
09/07/02 20:56:40 VHvTKb95
うーん、ごめん読めたw
でもこのノリならアレだ、オチが読める読めないはいらないかもしんないw
本人の苦しみ具合とかに描写費やすと、もっと切羽詰まった作品になると思うですよー

701:創る名無しに見る名無し
09/07/04 00:41:41 Qm3aIC+x
 「濡れ衣」


N氏の、長い歳月をかけた研究がついに実を結んだ。
これまで人類の夢であり続けたタイムマシンの誕生の瞬間である。
「やった。やったぞ。僕はついにやった!」
 N氏は一人歓喜し、己が努力の結晶であるタイムマシンを前に涙を流す。
「そうだ、こんなことをしている場合じゃないや」
 科学省にこれを伝えようと、N氏は電話に手を伸ばし、興奮気味にコールをかける。
コール音を聞いていると、N氏の思考はだんだんと冷静になっていった。その時、
「待てよ」
 N氏は電話を切った。
「まだ試用を行ってなかった。科学省への報告はその後だ」
 N氏はタイムマシンを腕にはめ、スイッチを入れた。
周囲の景色が眩い光に溶け込み、光がおさまると、幾何学的な模様がN氏の周囲に展開される。その背景に透けるようにして、何時とも知れぬ年代の何処とも知れぬ風景が猛烈な速さで差し替わりながら映っている。
 N氏は黙々と飛翔先の条件を加えていく。
条件に当てはまるように、少しずつ、目の前に映し出される風景の年代と場所が限定されていく。
やがて、N氏の望む景色がそこに現れた。
N氏は悪童のような笑みを浮かべて、ボタンを押す。
一瞬の闇が明けると、N氏はそこに立っていた。」
十年前の、いつも誰もいない小さな公園だった。
"タイムマシンの試用"というのは、これから自らが行おうとしているイタズラに対して見てみぬフリをするための免罪符だ。このタイムマシンが多くの人間に知られる前に、ちょっとだけ悪さをしてみようというN氏のささやかな出来心だった。
N氏は公園の脇の方まで歩き、そこの土に一握り分のビー玉をを埋めて、時代を元に戻す。
 再び土を掘ると、
「あれ?」
 何もなかった。この十年の間に誰かが掘り起こしたのだろうか。
N氏はまた元の時代へ遡る。だがそこにもビー玉はなかった。
かれこれ、何日間も同じようなことを何度も行ったが、過去の改変は叶わなかった。
そんなことを続けているうち、N氏はある事実に気付いた。
それは、自分が開発したものがタイムマシンではないということだ。
時間を遡行できる装置をタイムマシンとするなら、N氏が開発したものは平行世界へ飛翔できる装置である。数億数兆もの「場合」によって枝分かれした世界を自由に行き来できるということだ。
あの時の自分は、無数の過去の内の一つと、無数の未来の内の一つを渡っていたため、ビー玉のある過去、または未来へ飛ぶことができなかったのである。それを実現するには一生をかけたとしても難しいことだろう。
 自分がタイムマシンだと思っていたものは、実はそうではなかった。だが、N氏はさほど落胆しなかった。
むしろ、その目はぎらついていたのだ。
それに比べれば、イタズラをする前の悪童の目などかわいいものだ。
「僕はとんでもないものを発明したぞ」
その事実が判明した日から、N氏は無差別に過去と未来へ飛んで銀行強盗を働き始めた。
その世界で犯人を捜しても、その犯人はすでに別の世界へ飛んでしまっているのだから絶対に捕まりっこない。やりたい放題できる。
ほんの数週間で、N氏は街一番の大金持ちとなり、ついに高級住宅地で邸宅を建てるに至った。
しかし、そんな優雅な生活は突如として終わりを告げることとなる。ある日、警察がやってきたのだ。
「銀行強盗を働いたNだな。逮捕する」
 N氏は、警察の言った罪状に狼狽しながらも厳しく声を荒らげた。
「何を言っているんだ。僕は強盗なんてやっちゃいないぞ。証拠はあるのか」
「防犯カメラにお前の姿がはっきりと映っている。さあ来い」
 手錠をかけられ、N氏は連行される。
なぜだ。自分が捕まるはずはない。ましてや防犯カメラに映っているなどありえない。
この世界では、自分は何の悪さもしていないはずではないか。
そう考えたとき、N氏は一つの可能性に思い至って、ついに観念した。
「なるほど、どこか遠くの世界にいる僕が、この世界にやって来たわけか」

702:創る名無しに見る名無し
09/07/04 07:10:10 wYtWq+Yg
>>701
良いね

703:創る名無しに見る名無し
09/07/04 14:39:47 Qm3aIC+x
>>702
ありがとうございます!
性懲りもなくまた作ってきました。



「怪奇現象」

街から離れた山のふもとに、その男の家はあった。
男はそこで絵描きをやっていて、時々訪れる客のために絵を描くのだった。
男は数年前まで外科医だったのだが、ある事情によりその職を辞した。
どうしたものかと途方に暮れていたある日、男は、それまでに得た人体の構造についての知識を、何かに活かせないだろうかと考え始めた。
骨格や筋肉について熟知しているから、少しの練習でそれなりのものが描けるようになった。
といっても、風景画などはからっきしだめなのだが。

男は、ノックの音で目を覚ました。
「小鳥のさえずりすら聞こえない時間に誰だろう。まさか客かな」
ドアを開けると、うさぎの毛のように白い肌をした女が立っていた。
女はその扇情的な目を男に向けて、
「こんな時間に申し訳ありません。描いて欲しいものがありますの」
「なんでしょう。あなたのお顔でしょうか。それとも知人のでしょうか」
正直を言えば、男は女の顔を描きたかった。
今までに出会った誰よりも美しく、時間を共に過ごしたかったからだ。
女が、写真などの資料を見せようとする素振りはなかった。願いが届いたのかと男が思ったとき、
「誰のでもないお顔を描いていただきたいの」
と女は言った。
「はて、どういうことですかな」
「つまり、この世界のどこを探してもその顔の持ち主はいない……そういう肖像画をお願いしたいの」
「なるほど」
「でも、無茶苦茶な絵は反則ですのよ。単純化されていたり、目や鼻の場所がおかしかったりするのはだめ。
まるで、実際にその人の顔を模写したかのようなものを、お願いできますか」
男はしばし黙考氏、答えた。
「わかりました。お安い御用です。あなた様はお美しいので、お代は半分で結構です」
「あら嬉しいわ。ではお願いね」
「明日にまたいらっしゃってください。その時にはもう、完成しているでしょうから」
「楽しみですわ」

その日になった。女は昨日と同じ時間にやって来て、肖像画を受け取り、
「ありがとう。よく描いてくれましたわ」
と言って、嬉しそうに帰っていった。

それからしばらく経った日、男が新聞を広げると、大きなニュースが目に入った。
数日前に起きた殺人の犯人が捕まったという内容だった。。
その犯人は、数年前に行われた外科手術で死亡したはずの人間だという。


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