08/12/08 22:10:12 6VLsBxCG
『理想郷』
宇宙船が逆噴射をしながら、大地に降り立った。
銀色の宇宙船からタラップが伸び、男が二人出てきた。
「この星は我々の居住に適しているのだろうか」
「どれ、調べてみようじゃないか」
男たちは幾つかの計器を宇宙船から持ち出し、何やら計測をし始めた。
「どれどれ、酸素濃度、二酸化酸素濃度ともに完ぺきだ。有害な物質もなさそうだ。そっちは如何だい」
「放射能の影響もなさそうだ。気圧も良好。マスクを外しても大丈夫だぞ。」
「ぷはぁー、なんとも爽やかな空気じゃないか。まるで理想郷だ。」
「おっ、向こうに遺跡のようなものがあるぞ!行ってみよう。」
「こりゃたまげた!高度な文明がこの星にはあったのだ!」
「もしかしてまだこの星には知的生命体がいるんじゃないのか?この環境の素晴らしさだぞ。」
「おーい、でてこーい」
チル星人の呼び声は、人間が最早住めなくなった地球の荒野に響き渡った。