性別変化(TS)作品発表スレat MITEMITE
性別変化(TS)作品発表スレ - 暇つぶし2ch250: ◆KazZxBP5Rc
09/02/05 14:23:52 BnslQHmp
;゚д゚)<次回最終回らしいよ

                    Σ(゚Д゚;エーッ!!

251: ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:50:21 nalqDV3o
べっ、別にレスが無くたって寂しくなんてないんだからっ!

あっ、そうそう、そんなことより最終話、いくわよ!

252:魔法少女? ユイ 最終話 1/5 ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:51:06 nalqDV3o

第8話『今、全てに決着を』


「海……瀬……?」
唯人がつぶやくと、男は倒れたままむりやり笑顔を作ってみせた。
まだ頭の整理ができていない。ふらふらと男の側に歩いていく。
気付いてみるとあの目は確かに雅の目だ。
唯人は雅の隣にしゃがみこんだ。
「どうして……?」
「力が、欲しかったの。私には、魔力は無いから。」
そんなことが聞きたいんじゃない。だけど目の奥が熱くなって、言葉が声にならない。
とうとう目から涙があふれ始めた。
泣きじゃくる唯人にそれでもなお優しく微笑みかける雅。こんなの、逆じゃないか。
唯人の涙が治まるのを待ち、雅は少し顔をそらし気味にして言った。
「私ね、椎名君のこと……、」
その時、二人を光が包んだ。
唯人はとっさにステッキを使ってガードを取った。
しかし強大な力には耐え切れず、ステッキは折れてしまっている。
いや、ステッキのことなどどうでもいい。
吹き飛ばされた唯人は、慌てて再び雅の元へ駆け寄る。
手首を握ってみる。脈は感じられない。
雅の顔に耳を近づけてみるが、呼吸の音も聞こえない。
「そんな……。」
そして唯人は、無意識のうちに自分の唇と雅の唇を重ね合わせていた。

強い力が自分の内側から沸き起こってくるのを感じる。その力を唇から唇へ受け渡すイメージを強く思い描く。
宇宙に二人しかいない。そんな、魔法少女の変身のときのような、しかし全く違うような感覚を受けながら……。

253:魔法少女? ユイ 最終話 2/5 ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:51:43 nalqDV3o
立ち上がった唯は、家を出る前に着ていた男物の服装になっていた。
男とキスをすると男に戻ることはできない。その掟は、本来女である雅との間でも変わることはなかった。
もう二度と変身することもない。
雅と神野を草陰まで運ぶと、唯は闇の中をにらみつけた。
「まったく、親子ともども役立たずめ!」
現れたのは小柄な老人だった。
だからといって唯にためらいの気持ちは全く無い。
唯は試しに指の先から炎を出してみせた。いける。
今まで、ステッキが無いと魔法を使えないと思っていた。
だが考えてみれば魔力の源は自分なのだ。
ステッキは確かに魔力を外に伝導しやすくしてくれたかもしれない。
でも、イメージさえしっかりとつかめれば、ステッキに頼らなくても魔力を行使できる。
それが先ほどの体験で理解できたことであった。

254:創る名無しに見る名無し
09/02/08 21:52:01 aLeTlUxX
  


255:魔法少女? ユイ 最終話 3/5 ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:52:07 nalqDV3o
「ふん!」
老人は掌から光球を作り出し、投げつけてきた。
しかしそれは唯に直撃する直前で虹色のバリアに跳ね返された。
もはや四元素に縛られる必要も無い。イメージの続く限り新たな魔法を作ることができる。
ひとつでは無駄と見たのか、老人は光球を自分の周りにいくつも生み出し飛ばしてきた。
唯は焦った。これでは近づけない。流石にバリアを張りながら動けるほどの集中力は無い。
バリアのために当たりはしないが、老人の攻撃は無尽蔵だった。魔族の力の一端を与えられているのだろう。
これではいずれ唯のほうの体力が尽きて負けてしまう。
唯がこの事態をどう打破しようか考えていたとき、倒れていた神野の口が動いた。
「じい……さん……。」
それは、うわ言だったはずなのに不思議に心強く闇に響き、唯の耳にも届いた。
唯はこの戦いの結末を全く考えていなかった。
あの老人を倒したとして、それで諦めるのだろうか。老いた身にとって若さと永遠の命がどれほどの魅力か、唯に量るすべも無い。
だからといって二度と立ち上がれないほど痛めつけたり、殺したり、同じ人間にそんなことができるほど唯は図太くない。
説得? そんなことができるほどならこんなことにはなっていないはずだ。
「でも……。」
でも、唯にはひとつだけ不確かながら希望があった。
言葉で伝わる情報には限界がある。だから人は誤解したり疑ったりする。
一方、魔法とは気持ちの力だ。気持ちに直接気持ちをぶつける。そうすれば分かってくれるかもしれない。
危険な賭けだ。でもこれ以外に全員を救える道は無い。

かなりの時間が経った。
だが無駄に時間を過ごしていたのではない。人がものを適当に並べるとき、そこに必ず癖が出る。唯は光球のパターンを見ていた。
魔力も限界に近い。唯はバリアを外すと、自分に向かってくる光球に手を突き出した。
集中。掌すれすれのところで唯は光球を自分のものにした。
それを別の光球に投げつける。互いに触れ合って爆発する光球。その間を唯は潜り抜け、老人の懐にもぐりこんだ。
「これが……俺の気持ちだ!」
全部の魔力を出し切った唯は、その場に倒れこんで……。

256: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し
09/02/08 21:52:33 AF7fV2Ia
  

257:魔法少女? ユイ 最終話 4/5 ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:52:39 nalqDV3o
唯が目を覚ますと、そこは自分の部屋のベッドだった。
昨日のことがまるで全部夢だったかのように感じられる。
「あ、起きたんだ。」
タイミングよくつかさが部屋に入ってきた。
「うん……。」
当たり前なのだが自分の声がやっぱり高い声だったのに少しショックを受ける。
もう一時的なものじゃないんだ、早く慣れなくちゃ。
「神野のジジイは改心したってさ。」
なんとなく返事する気になれない。それを聞いてほっとしたことは事実ではあるのだが。
「それにしても、やっぱり血は争えない……か。」
「何のことだよ。」
「……私もね、昔魔法少女やってたんだ。」
やけに詳しいとは思っていたので、特に驚くことも無い。
「元男でね。」
「は?」
それは寝耳に水だった。
「その時も神野は親子で向かってきてね、息子さえ倒せば止まると思ってたんだけど、ジジイのほうが問題だったとはね。」
淡々と話すつかさ。大事な部分をスルーされている気がする。
「それより姉ちゃん、男とキスって……?」
「ああ、あの子の父親いたでしょ。」
「わんっ!」
「ジャッキーがどうしたって?」
ジュニアの父親ジャッキーは、椎名家の実家で飼われていた犬だ。
「うっかり変身解くの忘れてジャッキーと遊んでたんだよね。」
呆れて声も出ない。
どうやら男というのは人間でなくても良いらしい。
「それじゃそろそろ邪魔者は退散しますか。」
「え?」
「彼が家まで運んできてくれたのよ。」

258:魔法少女? ユイ 最終話 5/5 ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:53:16 nalqDV3o
つかさと入れ違いに現れたのは、男の姿の雅だった。
唯は慌ててベッドから立ち上がる。
「海瀬……。」
「みや……ううん、マサって呼んで。」
「雅?」
「私も、元に戻れなくなっちゃって。」
女から男に変身するときも、同じような条件があるようだ。
「ごめん……。」
「気にしないで。」
いたずらそうに微笑むと、雅は唯を抱き寄せた。
唯の肩がビクッと跳ね上がる。
でも、不思議と悪い気はしない。相手が雅だからなのか、それとももう既に女としての感覚が身に付きはじめているのか。
そんなことを考えているうちに、男としてはやわらかそうな雅の唇が近づいてきて……。
唇が離れたとき、唯は「もっと」と言いそうになったが、さすがに恥ずかしすぎてやめた。
「気絶してたから覚えてないんだよね。だから、仕返し。」
楽しそうに話すこの雅の笑顔を、いつまでも守りたい。
唯はそう心に深く誓い、雅に笑い返した。

259: ◆KazZxBP5Rc
09/02/08 21:54:36 nalqDV3o
おしまい。ありがとうございました

これからどうするかは未定

260:創る名無しに見る名無し
09/02/08 21:56:04 ADRzi404
投下乙。性転換モノ連載おつかれさまです。
こういう積極的に作品を書いてくれる人、好きです

261:創る名無しに見る名無し
09/02/08 22:01:00 aLeTlUxX
お疲れ様でした
GJです

262:創る名無しに見る名無し
09/02/08 23:18:15 45WEgH6Q
お疲れさまでしたぜー

263: ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:29:59 Phn/A7z5
ユイ番外編投下するよー

264:創る名無しに見る名無し
09/02/13 23:30:31 EGm1vsE1
こいー

265:魔法少女? ユイ 番外編 1/4 ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:30:41 Phn/A7z5
それは2月に入ってまもなくのこと。
椎名姉妹は夕食を食べ終わってコタツでテレビを見ていた。
「そういえばさ、あんたバレンタインどうするの?」
姉のつかさが尋ねる。
「ん、姉ちゃん今年は何かくれるの?」
みかんを片手に妹の唯が答えた。
「あのねえ……。バレンタインよバレンタイン。何の日だか知ってる?」
「女の子が好きな男にチョコあげる日。」
正しくは「今の日本では」が付く。
「そうそう。で、あんたはどっち?」
「どっちって……あ―っ!」
まだ女の子としての自覚が足りない唯だった。

「という訳で朋、手伝って。」
女になってからの唯は一気に女友達が増えた。その中でも特に仲良くなったのが朋である。
「いいねえ、ラブラブで。」
「かっ、からかうなよ!」
顔を真っ赤にして反応する唯。それがイタズラ心をくすぐるのだということを本人は知らない。
「じゃあ、十三日に私ん家ね。」
「さんきゅ。」

266:魔法少女? ユイ 番外編 1/4 ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:31:35 Phn/A7z5
お菓子作り当日。買い物を終えた二人は朋の家に向かった。
「ただいま。」
「おじゃましまーす。」
朋に続いて唯も玄関に入ってゆく。
スカートなので足を後ろに跳ね上げて靴を脱ぐ。つかさに教わったやり方だ。
中に上がると朋の母親が出迎えてくれた。
「あら、お友達? いらっしゃい。」
「お母さん、キッチン使っていい?」
「ああ、そうね。……どうせ買い物してくるんだったら頼めばよかったわ。」
「今から行くの?」
「そうよ。すみませんね、バタバタして。」
最後の一言を唯に向けて放ち、朋の母親は出て行ってしまった。
「さてと、じゃあやろっか、愛しの雅ちゃんのために。」
不意打ちに雅の名前が出たのが気恥ずかしくて、つい朋をにらんでしまう唯。
朋はそんな初々しい唯を眺めるのが大好きなのだ。だからしょっちゅうからかってしまう。

267:魔法少女? ユイ 番外編 3/4 ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:32:53 Phn/A7z5
その後、二人はキッチンに入って準備を始めた。
「料理はよくやるの?」
「うん、姉ちゃんと二人だから。でもお菓子は作ったことないな。」
「大丈夫、混ぜながら順番に入れてくだけだから。」
話している間にも準備は整った。今回二人が作ることにしたのはクッキーだ。
唯は最初のバターをボウルに入れる。
ヘラを取り出そうとした朋を唯は制止した。よく見るとバターは勝手にやわらかくなっていっている。
「魔法?」
「ボウルの中の空気を回しているんだよ。」
「……いつもこんなことやってるの?」
「だって体動かすより楽だもん。」
「……太るよ。」
「大丈夫だよ、毎朝トレーニングしてるから。」
呆れたり羨ましかったり、複雑な思いを抱く朋。
「よし、全部混ぜ終わった。」
「あとは小さくこねてオーブンで焼くだけだよ。」
「魔法で焼いちゃダメ?」
「うちを火事にする気か!」

クッキーを焼いている間、二人はジュースを飲みながら話していた。
「で、雅ちゃんとはどこまでいったの?」
危うく噴き出すところだった。
「どどどどどどどどどこまでってキスだけだよ!」
「えー、つまんない。」
「つまんないってなあ……俺、男だったんだぞ?」
「知ってるよ。」
「だから、その、まだ……。」
恥じらう唯が可愛すぎて、朋は笑ってしまった。
「ま、あんたたちなら大丈夫でしょ。ゆっくり大人の階段上っていきなさい。」
そう言って唯の肩を叩く朋。
なんだかんだ言って良い友達だな、と唯は思った。

268:魔法少女? ユイ 番外編 4/4 ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:33:51 Phn/A7z5
翌日、教室ではさまざまな思惑が渦巻いていた。
一触即発、そんな空気をよそに、登校してきたばかりの唯は雅に話しかけた。
「雅、これ……。」
「え? あ、ありがとう。」
なんだか様子がおかしい雅。
「実はね、くれるとは思ってなかったから、こっちでも用意してたの。」
換わりに赤い紙で包装された箱を受け取る。
なんだ、そういうことだったのか。唯は自然とにやける。それにつられて雅にも笑顔が浮かぶ。誰にも入れない二人の世界がつくられていた。

少し遅れて、順平が教室に入ってきた。順平と雅の席は前後同士で、唯は今度は席についた順平に話しかけた。
「よう、お前にもいろいろ世話になったから、これ。」
「なんだ?」
「バレンタインの。」
「お前なあ……彼氏の目の前で他の男に渡すなよ。」
わざと強調された「彼氏」の言葉に唯が真っ赤になるのは言うまでもなかった。

269: ◆KazZxBP5Rc
09/02/13 23:35:11 Phn/A7z5
おわり
番号間違えてごめんなしあ><

270:創る名無しに見る名無し
09/02/13 23:36:42 Phn/A7z5
>>264
てか早ええw

271:創る名無しに見る名無し
09/02/15 18:52:54 12VSvmRb
またしばらく単発ネタでがんばろう
1レス投下

272:アイス ◆KazZxBP5Rc
09/02/15 18:53:59 12VSvmRb
「真冬にわざわざコタツでアイスなんて、どうかしてるよ」

「そうか? うまいぞ」

「……まあ、どうかしてるのは分かってたけどね
 男だったボクをわざわざ女にして彼女にするくらいだから」

「嫌なのか?」

「……ズルいよ、好きになっちゃってからそんなこと聞いてくるなんて」

「まあ、なんだ、お前もアイス食えよ」

「寒くなるよ」

「寒くなったら暖めあえばいいんだよ」

「バ、バカ! 何言って……
 ……モナカ、あったかな…………」

273:創る名無しに見る名無し
09/02/15 18:56:01 16eNSr1c
真冬のアイスは至高
だがその発想はなかったwww

274:創る名無しに見る名無し
09/02/26 22:00:25 Zt+cJSmW
中身は男の子同士なのにとか考えちゃう俺はTSに向いてないんだろうな

275:創る名無しに見る名無し
09/02/27 00:34:31 p7+femeR
少しずつ中身が女の子に染まっていくのがいいんじゃないか
中身男のままで百合も素敵だけどね!

276:創る名無しに見る名無し
09/02/27 00:39:56 z5qcJAzN
TSモノの醍醐味はギャップなのだよ
可憐な女の子の中身が実はざっくばらんな男みたいなのを想像すると
もうそれだけで体全身が濡れる

277:創る名無しに見る名無し
09/02/27 16:24:40 RYTCnKdA
その情熱を創作に注ごうぜ

278:創る名無しに見る名無し
09/03/01 06:51:57 V377Verj
うむむ、TSというジャンルを誤解していたかもしれん
誰もが何かしら持ってる変身願望を満たすようなもんだと思ってたよ
すぐには無理だけど、いつか何か書いてみるよ

279:創る名無しに見る名無し
09/03/01 20:19:33 +bdR4oFh
それもある
それもあるけどもっと深かったのだよ

280:創る名無しに見る名無し
09/03/01 20:35:40 +bdR4oFh
肝心なこと言い忘れたw
wktk

281: ◆KazZxBP5Rc
09/03/02 23:22:34 CQwEPP47
単発ネタでがんばるとキッパリ言ったばっかりなのに……
スマンありゃウソだった

282:中二ファンタジーっぽいの(仮) 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/02 23:23:30 CQwEPP47
俺の名はアルナ。幼なじみの魔法使い・ネミとともに気ままに旅を続けている。
差し当たっての目的は、旅の中で立ち寄った町で頼まれた、モニュモニュの丘にある木の実を採りに行くことだ。

「ずいぶん歩いたな。」
「あそこの小川の側で休憩しよっか。」
太陽は南中。見渡す限りの草原。爽やかな風。
こう気持ちが良いと昼寝でもしたくなる。
しかし丘まではまる二日。惰眠を貪っている訳にはいかないのだ。

俺達はちょうど小川の近くに立っていた木に寄り掛かり、昼飯の仕度を始めた。
と、その時。木の上からモンスターが落ちてきた。
不思議なモンスターだ。体はゲル状の物質で構成されているようだか、形状は獣のかたちを保っている。
とにかく、飯の邪魔。こういうのはさっさと片付けるに限る。

剣を抜いてモンスターに襲い掛かる。こいつ、意外と斬れにくい。
「どんな能力持ってるか分からないから、距離を置いて戦いなさいよ!」
ネミの声が耳に届くが、あいつは分かっていない。
攻撃は最大の防御だ。相手に攻撃させる隙を与えないのが最も効率的な戦い方なんだ。
素早く、強い力で攻撃を叩き込むほど相手は怯む。
そのために俺は日々トレーニングを欠かさない。

283:中二ファンタジーっぽいの(仮) 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/02 23:24:41 CQwEPP47
なかなかしぶとい奴だ。
俺は戦いに夢中で周りの異常な事態に気付いていなかった。
ふと目を上げると俺の周囲は赤い霧で覆われている。
驚いているうちにモンスターは逃げ出してしまった。
追おうとしたが、体が動かない。
「しまった! しびれ……」
俺の意識はそこで途切れた。

目を開けて最初に思ったことは「まだ太陽は高いな」ということだった。
「ネミ……?」
自分の口から漏れる声がいやに高い。喉をやられたかな。
「体、よく見てみなよ。」
そう答える彼女の声は震えていた。

仰向けの体勢から顔を上げるとまず目に飛び込んできたのは大きな膨らみだった。
そしてそれはどうやら俺の胸に付いているらしい。
薄い装備越しに触ってみるとそれが実感できる。
もしかして下も……と思い中を覗き込むと、果たしてそこには平地が広がっていた。
顔でも洗おう。異常な事態に巻き込まれると、人は現実逃避に突然こういうなんでもないことを思いつく。
小川の水に手を伸ばそうとした時、見知らぬ女のはかなげな姿が水面に映っていた。
ネミもなかなかの容姿だが、この女は今まで見たこともないような絶世の美女だ。
「これが……俺?」

284: ◆KazZxBP5Rc
09/03/02 23:25:38 CQwEPP47
つづく

職人さん絶賛募集中です

285:創る名無しに見る名無し
09/03/02 23:26:05 k4w17wzr
GJだ

286:創る名無しに見る名無し
09/03/03 03:40:57 ZHdTHhDN
これはよい中二
続きはマダー?

287:創る名無しに見る名無し
09/03/03 04:06:15 w9vLjSMb
少しずつ毎日投下するほうがいいと知ったので

288:創る名無しに見る名無し
09/03/03 17:21:30 g+9F+Xib
いいなあ。期待期待

289: ◆KazZxBP5Rc
09/03/03 22:56:33 w9vLjSMb
ネタが少ないので1週間ちょっとで終わる…かも
今日の分投下ー

290:中二ファンタジーっぽいの(仮)2 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/03 22:58:10 w9vLjSMb
チキンにかぶりついているうちに落ち着いてきた。
「じゃあ行くか!」
「え?」
おいおい、そんなピジョンホークが豆鉄砲食らったような顔するなよ。
「どうせくだらねえ呪いだろ? 後で解呪すればいいって。」
「でも……」
「それに、この辺りには大したモンスターはいねえよ。」
「うん……」
なんか調子が狂うな。いつもはすぐ突っかかってくるのに。
俺達は荷物をまとめてまた歩き出した。
体のバランスが変わって動きにくいが一時間もすれば慣れるだろう。

「ちょっと待って。休憩。」
「また? もう三回目だよ。」
そんなこと言われても、体が追いついていかない。足が棒のようだ。
太陽はもう傾き始めている。そんなことは分かっているけど。
「十分だけ、な。」
「もう……」

腰を下ろしてしばらくすると、近くの草むらが揺れだした。
まずい、ここまで引き寄せるまで気付かなかったとは。
こんなに近いと戦闘は避けられそうにもない。
飛び出したのはラージウルフだ。
なんだ、デカいだけで弱っちいヤツじゃないか。
俺は剣を取り、反対側を見張っていたネミに戦闘の開始を告げた。

291:中二ファンタジーっぽいの(仮)2 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/03 22:59:15 w9vLjSMb
まずは挨拶にと一太刀。だったつもりが、かすり傷を負わせただけ。
ウルフは全く意に介さず突進してくる。
くそ、剣が重い。いつもの俺なら三撃以内で仕留められる敵なのに。
片手剣を両手に持って振るう。
「ガウゥゥゥゥゥ!!」
よしっ、効いた! と思ったのも束の間、ウルフは逆上してさらに攻撃の手を強めてきた。
防戦一方の俺。ちっ、ネミはまだ詠唱中か?
つば競り合いの末、とうとう剣が弾き飛ばされた。
「アルナっ!」
逃げろ。脳がそう命令してるのに体がすくんで動けない。
なんでこんなヤツに俺は恐怖を感じているんだ。
心なしか勝ち誇ったような顔のウルフ。その大きな口が俺の頭を……。

「キャ――ッ!」
「ファイリア!」
きつく閉じた目をゆっくり開けると、ウルフは炎に焼かれてその場に倒れていた。
「あ……」
「ほら、しゃんとしなさい!」
「あ、ああ。」
ネミに腕を引っ張ってもらい立ち上がるが、思わず彼女に寄りかかってしまう。
そこで初めて、腰が抜けているのだということに気付かされた。
「どうする? 町に戻る?」
その言葉に俺はうなずかざるを得なかった。

292: ◆KazZxBP5Rc
09/03/03 23:00:03 w9vLjSMb
つづく

293:創る名無しに見る名無し
09/03/04 00:33:19 ozvO18gA
つづいた

294: ◆KazZxBP5Rc
09/03/05 01:13:31 hQaE7q1y
まだ4日の25時だよねっ

…投下します

295:中二以下略(仮)その3 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/05 01:14:25 hQaE7q1y
医者は俺の体に手をかざした。
やがて、手を下ろした医者は、俺に向かって告げた。
「気の流れを読みましたが正常です。完全に健康な女性の体です。」
「なんだって?」
「ですから、これは呪いの類ではないということです。物理的に体を造り変えてるとしか思えません。」
後ろからネミが口を挟む。
「元に……戻れないのですか?」
「長い間この仕事をやっていますが、こんな現象は聞いたこともありません。おそらく難しいでしょう。」

町に戻った俺達はその足でまず医者に向かった。
それがさっきのことだ。
「これから、どうする?」
ネミが恐る恐る聞いてくる。
傷つけないようにか、それとも俺が怒っていると思っているのか。
「とりあえず、今日のところはもう遅いし、宿を取ろう。」
俺はなるべく笑顔を作って返した。

296:中二以下略(仮)その3 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/05 01:15:26 hQaE7q1y
宿屋の個室でなんとなく眠れずに暇をもてあましていると、ネミが俺の部屋に入ってきた。
「アルナ、一緒に寝てもいいかな。」
「なっ……」
返事も待たずにネミはベッドに座る俺の隣に腰掛けた。
「明日は装備買い替えに行きましょ。」
「ああ、そうだな。」
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れる。
「私ね……」
ネミの真剣な横顔を間近で見つめる。
女になって目線が同じ高さになったから、頬と頬が触れそうなぐらいだ。
「ごめん、やっぱなんでもない。」
おいおい、気になるじゃんか。
「さあさあ寝よ寝よっ!」
不意を突かれて、俺はベッドの上に引っ張り倒された。

もうすぐ満月か。
窓から漏れる月の光は俺達を照らしていた。
ネミは俺の腕に絡み付いて、すやすや眠っている。
そのせいもあってか、俺は未だ全く寝付けない。
何せ彼女の胸の感触が直に伝わってきている。
今では―本人の前では言えないが―俺の方が大きいとはいえ、このやわらかさの前では自制心を保つのが大変だ。
もっとも、俺が寝付けない一番の理由はそれではない。
これからのこと。
あるのかどうかも分からない、男に戻る方法を探すのか。
それとも諦めてこのまま一生を女として過ごすのか。
「アオ――ン!」
犬の遠吠えが響いた。
まあ、時間はたっぷりある。これからじっくり考えていけばいいか。
そう結論付けて、俺は目を閉じた。

297: ◆KazZxBP5Rc
09/03/05 01:16:20 hQaE7q1y
つづけ

298:創る名無しに見る名無し
09/03/05 01:19:04 qC5gnN3g
医者は気でみるのか
ファンタジーっぽいなー

299:創る名無しに見る名無し
09/03/05 01:26:31 axU8AQrd
久しくこのスレは見て無かったが、>>295を読んで、
1から読んでみる気になった。なんだろう、この湧き上がる気持ちは

300:創る名無しに見る名無し
09/03/05 01:30:56 hQaE7q1y
昔は医術はオカルトだったらしい

>>299
さあその湧き上がる気持ちを表現するんだ

301:創る名無しに見る名無し
09/03/05 02:00:59 axU8AQrd
男から女になったってことは、精神面では公然と(?)百合ができて
百合百合していいてっことなんだな。素晴らしいぜ、性別変化!
いや、その百合の背徳感が素晴らしいってことも確かに分かるが、
男が女になっちゃったその戸惑い、何より男の夢、みたいなもんは素晴らしいな
うん、素晴らしい

これでいいんですね><

302:創る名無しに見る名無し
09/03/05 02:13:47 hQaE7q1y
それでヒロインの方が意外と男らしくて
元男である自分のアイデンティティに悩むとかいうパターンも萌える

いいんですけど作品で表現してくれるともっと嬉しいな><

303:創る名無しに見る名無し
09/03/05 02:59:24 axU8AQrd
>>302
な、なるほど。奥が深いぜTS道。確かにそれもたまらん物があるな
作品とか勘弁してくだしあ><

304:創る名無しに見る名無し
09/03/05 11:27:08 +Hp2gUY/
これか!このもやもや感が俺の書いたアレには足りなかったのか!orz

305:創る名無しに見る名無し
09/03/05 14:34:07 hQaE7q1y
生きろ、そして続きを!

最近俺以外の投下がないので
なりふりかまわず噛み付いてるけどごめんね

306:創る名無しに見る名無し
09/03/05 17:28:01 +Hp2gUY/
続きは書く!たぶん!
他所でやってる某アレやら某コレやらの後になるけど、ここ流れの遅いスレだからきっとだいじょぶ!orz

307:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:28:09 Ct9sYPdT
>>306
気長に待ってるぜ

308: ◆KazZxBP5Rc
09/03/08 03:28:58 Ct9sYPdT
三日坊主とか最低ですね!
投下します!

309:中二以下略(仮)その4 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/08 03:29:42 Ct9sYPdT
「こ、こんなの着るのか……」
俺は町の防具屋の中で立ち尽くしていた。
誰だってそう思うだろ。防具のくせになんでこんなに露出が高いんだ。
「女性の方は体力が劣るので、なるべく軽くなるように仕立てられています。」
店員によると、そういうことらしい。
しかしこれで身を守れるものか? 確かに胴は鉄板で覆われているから大丈夫そうだが。
「動きを制限される方が命に関わりますからねえ。」
なるほど、一理ある。

試着室に入ると女の店員が待ち受けていた。
「ではサイズをお測り致しますので服をお脱ぎください。」
「へ?」
そりゃそうだ。サイズが分からなくては防具は買えない。そんな当たり前のことを今さら思い出した。
店員は部屋の隅ですました顔で待っている。
きっと向こうは仕事だから何とも思わないんだろう。
……って、なんで俺は上半身裸になるくらいでこんなに恥ずかしがってるんだ。
思い直した俺は皮のシャツを思いっきりカゴに投げた。

「んっ……」
胸に当たるメジャーと店員の手の感触がくすぐったい。
このままだと変な気を起こしてしまいそうだ。
そう思った途端だった。
「終わりましたよ。」
助かったような、残念なような。

310:中二以下略(仮)その5 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/08 03:30:28 Ct9sYPdT
やっぱり騙されたんじゃないだろうか。
肩も太ももも丸出しで恥ずかしいったらない。
「カッコイイよ、アルナ。」
隣を歩くネミが笑って言う。
「からかうなよ。」
「あー、ひどい! 本気だよ。」
頬を膨らますネミ。こいつを見ていると不思議とどうでもよくなってくる。
「あとは剣だね。」
「ああ。」

夕刻、俺は新品の細身剣を持って再びラージウルフと対峙していた。
「昨日のようにはいかないぜ!」
剣を一振り、二振り。なるほど、これは今の俺には扱いやすい。
「くっ……」
なかなか致命傷を与えられず肉迫するが昨日ほどの必死さは無い。
ウルフとの距離が離れた。剣を持ち直す。
「うぉぉぉぉぉ!」
突進してくるウルフの口の中に剣を突き刺した。
そして呼吸を止めたウルフはその場に崩れ落ちた。
「よしっ。」
「やったね!」
これからの旅、何とかなりそうだ。

311:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:30:59 45a5jtrw

珍道中どうなる事やら

312: ◆KazZxBP5Rc
09/03/08 03:32:20 Ct9sYPdT
つづく

違う数字まで増やしてたw
そろそろ正式タイトル考えないと

313:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:44:17 JsIRTmbx
だよな、ファンタジー系の女戦士の防具って絶対おかしいよな

314:創る名無しに見る名無し
09/03/08 03:47:49 Ct9sYPdT
実は某ゲーム雑誌の受け売りな話題だったりw

315:創る名無しに見る名無し
09/03/08 14:21:10 SUfCPMI4
ここで空気を読まずに要望
もっと色々着せ替えさせようぜw

316:創る名無しに見る名無し
09/03/08 15:58:23 Ct9sYPdT
残念ながら現実でもファンタジーでもファッションには詳しくないので
着せ替えさせる能力がないのです

317:創る名無しに見る名無し
09/03/11 22:18:04 CMjahYxS
なんだかTSの魅力が分かってきたきがするよ!
続き投下期待

318: ◆KazZxBP5Rc
09/03/17 00:20:17 XYz3vmzG
なんだかんだで1週間引っ張っちゃったよ
投下します

319:中二以下略(仮)その5 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/17 00:22:02 XYz3vmzG
俺達は再びモニュモニュの実を採りに行くことにした。
今度は見知らぬモンスターに遭遇することもなく順調に丘までたどり着いた。
結局俺をこんな風にした張本人も見つからなかったわけだが。
モニュモニュの実は玉虫色をしていて異様な雰囲気を漂わせている。
これをすりつぶすことである種の解毒剤になるらしい。
俺達は袋いっぱいに実をつめて丘を後にした。

町へと戻る道の最初の夜。テントの外で俺は見張りをしていた。
「今夜は満月か。」
頭上には満点の星空が広がっている。
その中に輝くひときわ大きな真円の光の玉。
俺はそれにひたすら魅せられていた。

「アルナ、交代。」
ネミの声にはっと我に返った。
「おう。」
なんだか頭がぼーっとする。
ここはネミに任せて早く寝よう。

320:中二以下略(仮)その5 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/03/17 00:22:58 XYz3vmzG
…………

「ん……」
「あ、気付いた? 朝だよ。」
「ああ……」
夜中にもう一度見張りを交代しようと思っていたのに、寝過ごしてしまったらしい。
昨日は寝つきが良すぎた。
でもその割にはまだダルさが取れていない。
「どうかしたの?」
寝転んだままの俺にネミが不思議そうに話しかける。
「なんか腹の下辺りが重くってさ。」
「それって……」
「ん?」
「あのね。」
ネミの表情が真剣なものに変わる。
それを見て思わず俺は体を起こした。

その後、一時間にも及ぶ女の子授業の開講となった。
「はぁ、俺これからやっていけるんだろうか。」
「大丈夫大丈夫、私がついてるから。」
俺の頭をそっとなでるネミ。
この時の彼女はやけに頼もしく思えた。

321: ◆KazZxBP5Rc
09/03/17 00:23:51 XYz3vmzG
つづく
投下終わり

322:創る名無しに見る名無し
09/03/18 17:44:41 VwsI/nWT
ぼ、ぼくわかんないよう

323:創る名無しに見る名無し
09/03/30 04:57:37 OegPj4QC
わーい女の子になった夢見たよー
中学の体育の時間だった
お尻重かったw

324:創る名無しに見る名無し
09/04/01 03:08:06 NMLpDISF
今週のワンピースが大変なことになってた


325:創る名無しに見る名無し
09/04/02 18:43:28 nSUaoI7W
>>324
母二人娘一人のくだりに少しばかり感動してしまった

326: ◆KazZxBP5Rc
09/04/05 00:18:27 9r0e8J4r
ここまで投下止めるとは思ってなかった…
つづきいきます

327:全略その6-1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/04/05 00:19:20 9r0e8J4r
俺達は木の実を届け、町へしばらく滞在した後、次の町を目指すことにした。
出発の日、朝早くから多くの町人が見送りに集まった。
「では、お気をつけて。」
「力になれなくてすまなかったな。」
「機会がありましたらまた来てください。」
俺達はお礼を済ませると、果てしなく広がる草原へと足を踏み出した。

「この森を抜けたらすぐ次の町のようだな。」
「なんだか薄気味悪くない?」
「だいじょーぶだいじょーぶ。」
柄にもなく怖がるネミを適当にあしらう。
大体この辺りの魔物ならまだまだ余裕で倒せるだろ。

日が落ち始めて薄暗い森の中を歩いてゆく。
「きゃっ!」
「チュチュッ。」
「ほら、ネズミだろ。」
「う、うん……」
なんだか調子が狂うな。

328:全略その6-2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/04/05 00:20:06 9r0e8J4r
さらに歩いたところでネミがまた話しかけてきた。
「ねえ、やっぱりさっきから何かいない?」
「森なんだし動物や魔物くらいいるだろ。」
「そう……よね……」
近くの草むらがざわざわと揺れている。
「それか風で草が揺れてるだけじゃ……」
くそ、油断してた。草の中から山賊らしき男共が顔を現した。
三十人は下らないな。既に俺達は取り囲まれていたようだ。

「へっへっへ、お嬢ちゃんたちよ、そんなに急いでどこへ行くんだ。」
鞘に手をかけて奴らをにらみつける。
「そんな怖い顔しなさんな、綺麗な顔が台無しだぜ。」
あいにく男に綺麗と言われて喜ぶような趣味はないんでな。
「おとなしく捕まってくれそうにゃあないな……野郎共! かかれ!」

ちっ、この人数を相手にするにはネミの魔法が必要だな。
でも詠唱の間どうやって彼女を守るか。
「へへ、覚悟っ!」
あー、もうとにかくがむしゃらにやるしかないか。
とその時、ネミに三人がかりで飛びつこうとしている奴らが目に入った。
「てめえら!」
「アルナ!」
ネミが叫んだのとほぼ同時に、後頭部に強い衝撃を感じた。
そして、俺の意識はそこで途切れた。

329: ◆KazZxBP5Rc
09/04/05 00:21:48 9r0e8J4r
まだつづく

330:創る名無しに見る名無し
09/04/06 15:52:28 DOQOa7FZ
うあああああああ
これはPINK板への誘導を用意した方がいいかもわからんね

331:創る名無しに見る名無し
09/04/09 00:30:24 w9j3nD35
あらゆる意味で完全にピンチな件

332: ◆KazZxBP5Rc
09/04/12 21:57:03 9+VlwhNk
投下しまーす

333:その7 - 1/2 ◆KazZxBP5Rc
09/04/12 21:58:31 9+VlwhNk
目を覚ましたとき、俺は手足を壁につながれていた。
「よう、おはようさん。」
下衆な声が牢内に響く。
「そんなににらみなさんな。まだ何もしてねえよ。ボスに会わせるまではな。」
ちくしょう、こんな鎖さえ外れればあんな奴……。
「そうだ、賢いことを思いついたぞ。お前が『何も覚えてなければ』ボスにはバレない。」
「俺は……男だ……」
「そんな体して何言ってんだか。」
やめろ、近づくな。
「すぐに女に生まれて良かったって思えるようにしてやるよ。」
女に生まれてねえから。
くそ、その手を近づけるんじゃねえ。
自分の頬をつたうものを感じた。
こんな野郎が怖くて涙を流してるなんて、情けなくて、悔しい。

しずくが地面に落ちた。と同時に、
「サンデリア!」
野郎は強烈な電撃を浴びて崩れ落ちた。

334:その7 - 2/2 ◆KazZxBP5Rc
09/04/12 21:59:17 9+VlwhNk
「アルナっ! 大丈夫?」
「ネミ……どうして……」
言いながら、自分が泣いてるのを思い出して彼女から目をそらした。
「奴らったら、お金が無いのか頭が無いのか、魔封具付けてなかったから楽勝だったよ。」
みるみるうちに俺の手足にはまっていた枷が外されていく。
「さ、行こ。」
彼女の手には、取り返したのであろう俺の剣が握られていた。

アジトの廊下を走る俺たち。
「なあ、こんな堂々と逃げて大丈夫なのか?」
「通路が狭いからさっきみたいなことにはならないでしょ。」
それはそうかもしれない。
「ねえ、アルナ今回ちょっと弱気じゃない?」
「そ、そんなことねえよ!」

結局戦闘にはならずに済んだ。奴ら、大した連絡網だ。
外に出るとアジトは山の中腹にあったことが判明した。
町の明かりが見えている。俺達は急いで町まで逃げ込んだ。
ここまで来たら奴らもうかつに手は出せないだろう。
バーに入って一息ついたところで、決心したことをネミに話し始めた。
「俺、村に帰ろうと思う。」

335: ◆KazZxBP5Rc
09/04/12 22:00:15 9+VlwhNk
つづく

336:創る名無しに見る名無し
09/04/14 01:43:00 U0PEW2Bv
( ゚Д゚)……

( ゚Д゚)PINKに誘導しようと思ったのに……

( ゚Д゚)……

( ゚Д゚ )

337:創る名無しに見る名無し
09/04/14 09:54:49 P5pxwo7F
これでアウトとか厳しすぎです><

338:創る名無しに見る名無し
09/04/20 19:12:07 iABWM07I
これくらいおっけーさー

339:創る名無しに見る名無し
09/05/01 03:20:33 i1wqVYtn

「ハリー・ポッター」もので、二次創作です。
スネイプ教授が、原作と違い、100%先天性の女性です。

○ 設定捏造。元々は同じ世界だったが、スネ母妊娠の時点で、分離したパラレル
ワールド設定。女スネイプは、母の妹似設定。
○ 元のネタは、原作5巻の“Snape’s Worst Memory”。一種のオマージュ物。
○ 原作7巻まで、全部ネタバレあり。ネタバレが嫌な方は、読まないで下さい。
○ スネイプ教授は、原作の男設定以外、絶対受け付けない~という方は、是非スルー
推奨お願いいたします。
○ “簒奪者”(マローダー。ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・
ルーピン、ピーター・ペティグリュー)Loveなファンの方は、読まないで下さい。気分
が害される可能性大です。
○ 色物でも断然OKという、心の広い方歓迎。

女版教授は、「十二国記シリーズ」(小野不由美)の中嶋陽子が黒髪になって、髪を
下ろしているイメージで。
 NGワードは【スネイプ最悪の記憶】で、お願いします。


340:スネイプ最悪の記憶1/9
09/05/01 03:22:47 i1wqVYtn


スコットランド。ホグワーツ魔術魔法学校 -------1976年、春。

「試験終了!」
普通の成人男性の半分の背しか無い、フリットウィック教授が、試験の終了を高らかに
宣言する。
15、16歳の若き魔法使いたちや魔女たちの将来を決める、大事な試験であるOWLの
最終日。この年は、DADA(対闇の魔術防衛学=Defence Against the Dark Arts)の
筆記試験が、たまたま最後だった。
「解答用紙は、そのままにして、各自退出するように」
老教授の指示に、生徒達は一斉に羽根ペンを置き、ようやく苦行の2週間が無事に終了
した事に、とりあえず安堵する。
この試験の結果を元に、それぞれの担当教科の教授達の判断基準によって、
次の6・7年次のNEWTクラスに進級できるかどうかが決定され、それによって
生徒達の将来の進める進路も決定するのだ。
しかし、大半の生徒達は、試験の結果の事は、とりあえず結果が届いてから改めて
考える事にして、やっと地獄の2週間が終わった事に、一斉にほっとする。


私も、問題用紙をバックに入れると、それぞれバックを持って大広間を出て行く同級生
たちと一緒に出る。そして、いつものように、出口の扉の所に、バックを持って
寄りかかっている、赤毛の親友に、気軽に声をかける。
「リリー。結果どうだった?」
「うーん。まあまあじゃない。それよりも、セブの方はどうなのよ?」
「まあ。私もまあまあかな?」


彼女、リリー・エバンズは、彼女と私が住んでいるところがたまたま近所という事も
あり、お互いに8歳の頃からずっと仲良くしている、私の大事な親友だ。
一年の始めからずっと、週の半分は、リリーと二人きりで“必要の部屋”に入り浸り、
お互いに得意科目を教えあったり、宿題をこなしたりして、実に楽しく過ごしていた。
私は、変化学の方がお世辞にも余り得意では無くて、リリーは得意。彼女は、反対に
余りポーションが得意ではなくて、私は大得意だったのだ。
で、試験の時は、リリーと二人で、仲良く試験の答えあわせをするのが、いつの間
に習慣になっていた。
「あっ。いけない。私、寮に忘れ物しちゃった。セブ、先に行っていてくれない?」
「うん。いつものところだね。じゃ、先に行っているよ」
「すぐに行くから、待っていてね」
軽く私に手を振ると、リリーは、グリフィンドール寮のある、城の上部に向かう階段を
上がっていく。
彼女がいるグリフィンドール寮と、私がいるスリザリン寮は、何故か昔からライバル
関係にある寮同士であり、生徒同士のいざこざは日常茶飯事で、絶えることは無かった。
しかし、私達は、お互いの所属する寮がライバル同士という悪条件にも拘らず、ずっと
親友の間柄だ。


341:スネイプ最悪の記憶2/9
09/05/01 03:25:43 i1wqVYtn
今日は、5年生が受けるOWLだけでなくて、7年生が受けるNEWTの最終日という
事もあり、いつもの静かな筈の湖の湖畔は、開放感に溢れる生徒達で、賑わっていた。
(うわあ。今日は“必要な部屋”の方が、良かったみたいだな。ま、リリーが来たら、
そちらに行けばいいか……)
いつもの定位置である、湖畔の大きな木の下の木陰に座る。そして、先ほど格闘
したばかりのDADAの問題用紙をバックから取り出し、忘れない内に、答えた回答を
思い出し、羽根ペンで書いていく。
問3の問題の所を書いている途中で、突然私の視界が上下逆さになっていた。
(えっ? 何? 何だ、これ? 何で、私は、いきなり空中に上下逆さまになって
いるの?)
事態を把握しようと必死の私に、声をかける者が居た。
「よお。スネイプ。君も僕達の要求どおりに、さっさとエバンズと別れてくれれば、
こんな事にはならなかったんだよ」
(この声は……アイツか!……ゲッ。最悪だ)
あのダサ眼鏡が、ニコニコ笑いながら、物陰からあのいつもの面々と一緒に現れた。



342:スネイプ最悪の記憶3/9
09/05/01 03:31:49 i1wqVYtn
“歩く悪夢”と、私とリリーが密かにあだ名をつけて、嫌っているのが、自称
“簒奪者”(Marauder)達だ。
グリフィンドール寮の同学年で、ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、
リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューの4人組ギャング達で、教授陣の前
では、完璧に猫被って“ちょっとやんちゃな、悪戯好きな元気な男子たち”を、
無邪気に演じていた。
一転して、教師がいない場だと、同学年か下の学年の、自分達より力が弱そうな男子
を捕まえては、良く苛めている最低の輩だ。スリザリンの男子学生とハッフルパフの
男子学生数人が、彼らの被害者になっていた。
アイツらの苛め方は、それは陰湿かつ巧妙なもので、1対1じゃなくて、必ず4対1
なのだ。正々堂々と紳士らしく一対一で相手と対峙するのではなく、必ず苛める対象が
一人でいるところを襲うのだ。つまり、自分達がどうみても、圧倒的に優位に立って
居る状態でのみ、手出しをする卑怯な奴らなのだ。


奴らのお陰で、楽しい筈の学生生活が“生き地獄”と化したであろう、苛められた
男子生徒が本当に可哀想で、私は、匿名で、マクゴナガル教授とかスラッグホーン
教授やスプラウト教授には、何度か手紙は出したけど、何も改善されなかった。
リーダー格のジェームズ・ポッターは、とにかく傲慢で自信過剰な男で、自分の寮の
クィディッチチームのチェーサーとかで、活躍しているから、私達女は全員自分に
ひれ伏して跪くと思っているらしくて、トンでもなく嫌な男だった。
あの10人並の容姿の傲慢な男のどこがよいのか、同性として良く分からないが、
グリフィンドールの女子生徒達がメインでキャーキャー騒いでいて、聞くところに
よるとアイツのファンクラブもあるという話だ。


3年の途中までは、彼らの所業は、所詮“対岸の火事”であり、リリーと二人きりで
楽しく過ごしていたのだが、突然ポッターと、そのとても不愉快な仲間達が、
ことごとく私達の前に現れて、私達の仲の邪魔をしだしたのだ。
どうやら、キャーキャーと騒ぐ他のグリフィンドール生の女子生徒の中で、一切アイツ
らにヘイコラしないリリーが、かえってあいつらの目には、新鮮に映ってしまった
らしい。ジェームズ・ポッターが、リリーにしきりにアタックを掛けてくるように
なって、心底ウンザリしたリリーが、私に愚痴をこぼすようになった。
仲良くホグズミード村の訪問をしている最中にも、何かと邪魔しかけてきたので、
私達は、他の店をさっさと回ると、男性客一切入店お断りの“マダム・エメラルダの
ティー・パーティ”という、女性専用の喫茶店でのんびりと過ごすようになった。
そうして、リリーが一切相手にしないと分かると、今度はなんと私に矛先を変えて
くるようになった。リリーととても親しい私が離れれば、リリーと仲良くなるチャンス
発生と、脳天気に考えたらしい。
事ある毎に、私の方に嫌がらせをしてくるようになり、勿論、その度にリリーには相談
し、二人して上級のクラスのDADAの本を読んだりして、自分達の身は自分達で守れる
ように、ふたりで自主的にDADAの実践練習を始めたのだ。
あいつらの相手をすると、あいつらの馬鹿が移りそうで、私は、ずっとひたすら無視
していたのだが……。




343:スネイプ最悪の記憶4/9
09/05/01 03:33:52 i1wqVYtn
空中に浮かんでいた私は、ひたすらスカートが落ちようとするのを、両手で必死に
押さえていた。
(そ、そうだ。取りあえず、杖を取らないと……)
私は、パニックになりながらも、アクシオを唱える。
途端に、ブラックの奴が「エクスペリアームズ」を唱え、私の杖を取ってしまった。
「おっと。これで、反撃は一切出来ないだろう」
私の杖を握ったブラックが、ニヤニヤして笑っていた。
「……で、もう一回言わせてもらうよ。スネイプ。君がエバンズと仲良くしているせいで、
全然エバンズが僕の方を見てくれないんだよ。
ねぇ、エバンズと別れてくれない?もし、よかったらその分に見合った“金”も、
あげてもいいんだよ。何しろ、僕の家はお金持ちだし、両親は僕に大甘だから、
いくらでも理由なんて都合つくし……」
(……この甘やかされた、クソボンボン!)
「……だれが、お前の言うとおりになるものか……」
私は、キッとポッターを睨みつける。
「……そんな強がりを言っていられるのも、今のうちだけどねぇ。スネイプ」
ダサメガネは、私を見て、ニタニタとした下卑た笑いを浮かべる。
「……じゃ、こうはどう? 君がエバンズと別れなければ、今、君のパンティ
取っちゃうよ。……いいのかな? 結婚前の可愛い女の子が、みんなの前で、
アソコを晒しちゃうなんて、お嫁にいけなくなっちゃうよねぇ……」
(……このカス!クズ男!……こいつらの一体どこが、“勇気の寮の寮生”なんだ?)
「誰か助け……」
 私は、心の中で悪態をつきながら、余りの事態に助けを呼ぼうと、大声で叫びかける。
いち早く気がついたブラックが、私の喉に消音魔法を施し、私は完全に無防備の状態に
置かれてしまった。
「パッドフット。サンキュ」
「たいした事ねぇよ。このくらい。プロングス」
ダサ眼鏡とブラックが、ニヤニヤと笑いながら、最早完全に“凶暴な狼の群れの中に
投げ込まれた、一匹の哀れな子羊”状態の私のほうを見る。


344:スネイプ最悪の記憶5/9
09/05/01 03:35:31 i1wqVYtn
「……ねぇ。もう一回聞くよ。スネイプ。エバンズと別れてくれることにOKなら、
そのまま頭を前後に振ってくれ。そうすれば、直ぐに開放してあげるから……」
「……ねえ。ジェームズ。あのさ……このまま、エバンズの件が片付いたら、あっさり
とスネイプを開放しちゃうの……?」
それまで、リーダー格二人の傍で、私とのやり取りを黙ってみていた“腰巾着”が、
会話に突然割り込んで来た。
「……もちろん、そのつもりだよ。ピーター」
「ええっ?!勿体無いよ。これだけ綺麗な顔しているんだし。 ……折角だから、
楽しまない?……」
(ゲッ!言うに事欠いて、なんてこと言うんだ。この馬鹿男!)
「…! ……そうだな……。今までエバンズの事しか考えていなかったから、
気がつかなかったけど、この女も確かに上玉だったな。……胸も結構あるから、
身体の方も楽しめそうだしな……」
そういうと、ダサメガネは好色な眼で、私の全身を眺めた。


「で、誰が、一番初めにする?」
「俺は、昨日女とヤッたばかりだから、後でもいいぞ。プロングス」
「じゃ、ねぇねぇ。僕に最初は、駄目~?」
「駄目だよ。ウォームテール。お前はね、俺達の最後だよ」
「ええっ~~!」
「……だったら、僕が最初でいい?」
その後、奴らは“誰が、一番初めにヤルか?”と、三人でひそひそと談義を始めた。
(冗談じゃない! 何で、いまだ男とファーストキスすらしていない私が、よりによって、
あいつらが初めての男達になるなんて……。いつの日か、本当にこころの底から好きに
なった男性と、思っていたのに。…もう、嫌だ……。いっその事、あいつらに汚される
前に、このまま綺麗な身体のままで死んでしまいたいよ)
私は、私の最初の相手が、あんな奴らかと思うと、ひたすらおぞましくてただ泣く事
しか出来なかった。
「……じゃ、僕がやはり最初だね。次は、パッドフット。次はウォームテールだね」
私にとっては、なんともおぞましい相談が終わると、意気揚々と私に近づくダサ眼鏡。
(何で、私が……あんな奴らに汚されなければいけないんだ? 嫌だ。
……本当に最悪だよ)


345:スネイプ最悪の記憶6/9
09/05/01 03:38:02 i1wqVYtn

「……誰が、最初だって……?」

「……そりゃ、勿論僕………って、エバンズ?」
よく知っている親友の声が聞こえた次の瞬間、私は空中から地上に戻され、芝生の上にへたりと座っていた。ずっと頭を下にしていたせいか、軽い眩暈がした。
私の目の前には、杖を構えたままで、心配そうに私を見下ろすリリーがいた。
彼女は、私の喉の消音魔法を解除し、私の荷物を呼び寄せると、そのまま冷たい怒り
に満ちた目で、ポッター達を睨みつける。
「リリー……」
(リリー。ああ、良かった。私助かったんだ。……ううっ。有難う、リリー。この恩は
一生忘れないよ)
私は、感極まって泣きながら、感謝の篭った目で、“救いの女神”と化した大の親友
を見上げる。
「………エバンズ。お前、いつから居たんだよ」
ブラックが、少し狼狽しながら、リリーに問う。
「“君がエバンズと別れなければ、今、君のパ……”の辺りから……よ。ブラック」
その途端、メガネは、たちまち顔が真っ青になる。
「……よくも、私の大事な親友を、此処まで酷い目に合わせてくれたわねぇ?このお礼
は、あとでキッチリさせて貰うわよ。……このクズ男ども!………セブ。大丈夫
だった?……立てる?」
まだショックで泣きじゃくっていたが、黙ったまま頷く私にハンカチを差し出すと、
手を握り、座り込んだままの私を起こす。
そして、リリーは、私の手を握ったまま、ホグワーツ城に向かってさっさと歩き出した。
ジェームズ・ポッターは、単独で、私達の後を必死で追いかける。
「……待ってくれ!……エバンズ。 ……アレは、単なる“冗談”だったのさ。
……なっ、そうだろう?スネイプ」
「……」
(あれのどこが、“冗談”だ。リリーが現れなかったら、100%確実に、私を集団レイプ
していたくせに!)
私は、泣きながらも、ありったけの憎悪の篭った目で、この期に及んでも言い訳をして
どうにか誤魔化そうとする、ダサメガネを睨む。
「……へえぇぇぇ~~。セブのショックの状態からみると、到底そうは思えないけどねぇ。
……下手な嘘つくの、もういい加減にして。……アンタの顔を見ていると、ホント吐き気
がするのよねぇ……」
リリーがいかにも馬鹿にしたように、きっぱりと断言する。
「……そ、そんな。……ねぇ、だって、君が僕と付き合ってくれないから、どうしても
仕方なく……」
なおも言い訳タラタラのポッターの態度に、これまで2年半の間、ずっと我慢して
いたリリーの中で、とうとう怒りの臨界点に達したらしい。
彼女は、鬼のような冷たい表情で、くるりと振り返ると、ダサ眼鏡に向かって、
辺り一面に聞こえるような、大声で叫んだ。

「誰がアンタみたいな、所詮集団苛めだけがお得意の、ウルトラお馬鹿と付き合うか!
地球上で、もしアンタしか男がいなくなったとしても、まだセブルスとレズった方が
千倍マシよ。もう二度と私達に関わるな。バーカ!」


346:スネイプ最悪の記憶7/9
09/05/01 03:39:49 i1wqVYtn

ミネルバ・マクゴナガル教授のオフィス------同日の夜。

「……貴方方は、どうして此処へ呼ばれたか、分かっていますか?」
このホグワーツ魔術魔法学校の副校長&グリフィンドール寮の寮監である、ミネルバ・
マクゴナガル教授が、自分のオフィスの椅子に座り、冷ややかなキツイ目で、
机を挟んで立つ四人の男子生徒に詰問した。
「俺達は、何も、特に呼ばれるような事はしていません」
白々しく嘘を言うシリウス・ブラックの態度に、寮監は、ますます冷ややかに、自分の
チャージである生徒達を見据える。
「……貴方がたは、アレだけの事をしでかしておきながら、いまだに反省のかけらもない
のですね。つくづく呆れました。……貴方がたが、今日湖の畔で、ミス・スネイプに
対してしでかした事は、泣きじゃくる彼女を連れてやって来た、ミス・エバンズから
全部聞きましたよ。
それから、今に至るまでの2年半もの間、貴方がたが行った、二人に対する執拗な
“ストーカー行為”についてもね。……本当に、貴方方は、一体何を考えているのですか?」
「あっ。アレは、ほんのジョークですよ。それに、“ストーカー”なんて、大げさな……。
マクゴナガル教授。それはですね、単にスネイプが、過剰に反応しているだけですよ。
……ホントに、あの女は大げさなんだから」
「そうです。あの女は、元から俺達のことを嫌っていたし、俺達を陥れようとして……」
マクゴナガルは、慌てて都合のいい言い訳を言い始める、二人の男子生徒を冷たい瞳で
見つめる。
「……お黙りなさい!ミスター・ポッターに、ミスター・ブラック。……貴方がたには、
本当に失望しました。貴方がたのような、破廉恥な生徒が、ウチの寮生であることは、
ウチの寮の恥です。
貴方がたの、今日の恥知らずな下劣な行動に対して、それぞれ60点ずつ減点します。
合計240点の減点ですね。それに、四人とも、卒業するその日まで続くディテンションを
受けて貰います」
「60点も!そんな!」
「教授。少なくともリーマスは、全く関与していないから、彼から引く必要はないのでは?」
「彼の場合は、監督生でありながら、貴方がたを一切止めもしなかった行為に対して、
ですよ。……そうですね。ミスター・ルーピンは、これまで見てきましたが、とても
監督生としての職務を果たしているとは、到底思えません。ですから、ミスター・
ルーピンの監督生職は、本日もって解任します」
リーマス・ルーピンは、途端に真っ青になる。


347:スネイプ最悪の記憶8/9
09/05/01 03:41:55 i1wqVYtn
「ええっ!そんな。あんまりですよ。リーマスが可哀想過ぎます」
「そうです。そこまでする必要はないかと……」
「……貴方がたに、公衆の面前で逆さ釣りにされ、下着をみんなに見られて、挙句の
果てに、貴方がたに危うく輪姦されそうになった、ミス・スネイプの方が、遥かに
気の毒で可哀想でしょうが! 監督生として、当然そこまで行く前の段階で、静止すべき
でしょう? ミスター・ルーピン。……私の言っていることは、間違っていますか?」
正論そのもののマクゴナガルの言葉に、黙ったまま、うなだれるルーピン。
「ミスター・ルーピンに変わって、ランディ・スタンを監督生にします。彼は、貴方がた
を罰するのに、何の義理も制約もありませんから、キチンとその職務を存分に果たして
くれる事でしょう。
……そして、ミスター・ポッター。貴方が、この件の首謀者のようですから、貴方には、
卒業するまで、一切のクィディッチ試合に参加する事を禁止します」
「ええっ!そんな。僕が居ないと、グリフィンドールは勝てませんよ。 ……そんな事を
して、本当にいいのですか? マクゴナガル教授」
ジェームズ・ポッターは、反感の篭った挑戦的な目で、自分の寮監を見る。
「なら、チームメイトに、その禁止になった“理由”を説明するといいですね。
そうすれば、貴方がしでかした事の重大性が、身にしみて、よく分かるでしょうし。
これだけは言っておきますよ。もし、またミス・スネイプに一回でも手を出すような事
があったら、私の副校長である権限&寮監としての権限をフルに遣って、校長が
どんなに反対しようが、貴方方全員を即刻退学にしますよ」
「ええっ!そんな横暴な……」
「俺達は、そこまで悪くはないですよ。俺達が、あれだけ警告したのに、俺達のいう事
を一切聞かずに、相変わらずエバンズと仲良くしている、スネイプが悪いんだ。……全て
は、あのスリザリン女のせいだ」
「……ミス・スネイプが、誰と友達になろうが、全て彼女の自由意志でしょう。貴方
がたには、彼女の行動を、あれこれ言う権利も資格も、全く無い筈ですが。
……どうやら、世の中の全ては、貴方がたを中心にして、動いていると思い込んでいる
ようですね。
ここまで、貴方がたが、傲慢で愚かだとは気がつきませんでした。……このまま帰しても、
貴方方は、未だに性懲りも無く、今後も執拗に、ミス・エバンズやミス・スネイプに、
纏わり着く事は明らかですね。
……あなた方全員に、今後一切、リリー・エバンズ並びにセブルス・スネイプの、
20メートル以内には近づかない事を、“Oathの誓い”で、誓って貰います」


348:スネイプ最悪の記憶9/9
09/05/01 03:43:53 i1wqVYtn
四人は、強制的に“Oathの誓い”を誓わされた後、自分の寮監が課した処分の重さにも
拘らず、未だ反省もせずに、ふて腐れてぶつくさと文句を呟く。
彼らが、オフィスのドアから退出しかけた時、マクゴナガルは、更に冷たい声をかける。
「……貴方がたは、これで全部無事に済んだと思うのでしょうが、それは残念ながら、
違うのですよ。
通常だったら、この手の話は寮監である、私一人の胸の中に秘されるのです。
が、貴方方はこの期に及んでも、一向に反省すらしていないようですし、事の重大性から、
他のホグワーツの全教授達に、本日貴方がたのしでかした事を一切全て話します。
貴方がたは、此処を卒業するまで、“あの時、あっさりと退学になっておけば、よかった”
と、きっと心のそこから、後悔することになるでしょうねぇ。
特に、女性教授方が、猥褻行為&集団レイプ未遂事件を起こした、言わば“女性の敵”
である貴方がたをどう扱うか。もう、貴方方には、これまでの当たり前のようにあった、
教師達による甘いお目こぼしや、特別待遇は、この先一切ないでしょうねぇ………」
ニヤリと冷たく笑うミネルバ・マクゴナガルの言葉に、四人組は、ここに至って、
初めて事の重大性を自覚し、揃って血の気が失せる。
ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックは、一転して、憎しみの篭った目で、
自分の寮の寮監を睨みつける。リーマス・ルーピンは、監督生を解任されたショック
で、ずっとうつむいたままだ。ピーター・ペティグリューは、ただひたすら
自分達のリーダーの動向を観察していた。
「……あら、今頃やっと“後悔”ですか? 私を逆恨みするのは、残念ながらお門違い
ですよ。ミスター・ポッターに、ミスター・ブラック。……恨むなら、そもそも最初
に馬鹿なことをしでかした、自分達自身を恨むのですね……」
「…………」


------その後

お馬鹿4人組は、マクゴナガル教授の予告どおり、その日の翌日からホグワーツを
卒業するその日まで、教授達から……特に女性教授達から、徹底的に冷たい待遇を
受けたのは、言うまでもない。

THE END


349:339
09/05/01 07:14:39 +ubXtYnM

以上です。
拙いSS、失礼しました。

パンチラは、OKだったのでしょうか?
ラブラブものでなくて、すみません。


350:創る名無しに見る名無し
09/05/02 04:32:18 Z4mCJorR


351:創る名無しに見る名無し
09/05/31 02:39:46 iXxZkaE6
おおっと、投下乙
ハリポタわかんないのが残念だ

352:創る名無しに見る名無し
09/07/17 10:50:24 90mV3vq6
予想通りレズ厨の巣か。ここの住民の質を考えれば仕方の無いことかもしれないが

353:創る名無しに見る名無し
09/08/27 18:30:13 EvT+BGcM
一周年だからここもageてしまおう

354:創る名無しに見る名無し
09/09/04 09:52:00 UZ/w6ZTa
誰かいないのかー

物書き修行と妄想昇華のために何か書こうと思うんだが…

355:創る名無しに見る名無し
09/09/04 21:39:25 2nhD7AuO
気にせず投下していいんじゃね?

いや、むしろ投下するんだ、さあ早く!

356:創る名無しに見る名無し
09/09/05 16:11:15 cOS6uTGp
誰かお題を…

357:しょうがねえな。俺の取って置きのネタをやるよ
09/09/05 17:29:09 1PQHadSo
っ『TST爆弾』

358:創る名無しに見る名無し
09/09/21 16:57:08 BMOFWEnF
駄目だー

妄想を色々と膨らませて何か書こうと思ったのに全く筋書きが浮かばない…
シチュエーションはそれなりにあるんだが

359:創る名無しに見る名無し
09/10/02 17:53:40 4pohx/qD
上げるぜ

只今妄想中…妄想を作品に仕上げるのがこれほど難しいものだとは

360:創る名無しに見る名無し
09/10/04 01:10:12 Xpe3LfDA
ならばその妄想をひそかに応援させて頂こう
TS!TS!

361:創る名無しに見る名無し
09/10/04 22:19:47 RkYU0jFK
これだけ人がいないならいける!


ぬるぽ

362:創る名無しに見る名無し
09/10/05 01:08:27 eCZVeSYM
>>361
ガッ

363:創る名無しに見る名無し
09/10/16 22:05:38 hLo6WBGW
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

364:創る名無しに見る名無し
09/10/16 22:17:54 +o89vurY
>>361
スレ違いのうえに3時間でやられてるぞww

365:創る名無しに見る名無し
09/11/12 00:12:37 taEDnDUw
過疎なので外部作品の紹介をば

俺がお前でお前が俺で - くりっく劇場
URLリンク(geki.excite.co.jp)

366:創る名無しに見る名無し
09/11/14 20:57:29 jTpZ5rxn
>>365
VIPに立ってたスレが原作の奴だな
同名の小説が元ネタだが、うまく台詞系に合うようにしてあるからさらさら読める

367:創る名無しに見る名無し
09/12/24 00:29:57 j9m3eIkk
某少年漫画の先天性TSをクリスマスに絡めたのを書いてるけど、今日明日中に書き終わるかな……

368: ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:47:09 LunE83HP
ダイの大冒険の二次創作で、ダイとレオナが反転。先天性です。
一応、クリスマスネタ、のはず。

NGワードにはトリップ(◆kmbxgHC1NY)を指定してください。

369:With you important1 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:50:31 LunE83HP
コンコン、部屋のドアがノックされた。
……こんな時間に誰だろう。
今は夜の10時。もう大分遅い時間だ。
あたしも、そろそろ寝ようと思っていたのだけど……。
とりあえず、ドアを叩いた人物に「どうぞ」と声をかける。
それから殆ど間を置かずに、ドアが開かれた。

「ダイ君、よかったら一緒にケーキ、食べない?」

そう言いながら部屋に入ってきたのは、レオナだった。
片手には、ケーキが入っているのだろうか。箱を持って。
もう片手にはワインとジュース、それぞれ一瓶ずつが入った籠をぶら下げて。
あたしは、甘いモノが大好きなので二つ返事で「食べる!」と返した。
眠気はもうどこかへ行ってしまう。
それよりも今は、ケーキ!

「そう言ってくれるって思ってたよ」

レオナは、そう笑いながら持っていた箱と籠をテーブルへと降ろす。
あたしはとりあえずグラスを2つ用意して、席へと着いた。
レオナが、そのグラスにジュースとワインを注ぐ。
もちろん、あたしはジュース。レオナがワインだ。

「……ねぇ、レオナ」
「ん、なに?」

二枚のお皿にケーキを取り分けながら、レオナが先を促す。
あたしは、グラスに注がれた赤いワインを見つめながら問いかけた。

「……お酒、美味しいの?」

その問いかけにレオナは、

「うん、美味しいよ」

って即答した。
飲んでみる?って言われたけど、あたしは首を横に振る。
一度だけ、一口ほど飲まされたことはあるが、あたしは美味しいとは到底思えなかったのだ。
だって、何だか苦いし、頭はクラクラするし……。
そう言ったら、彼は笑った。


370:With you important2 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:51:34 LunE83HP
「お酒弱いんだね」

って。
そんな彼の一言に、あたしは頬を膨らませる、が、目の前に置かれたソレに思わず頬を綻ばせた。
真っ白なお皿に乗っかった、真っ白なクリームと真っ赤なイチゴがとっても美味しそうなケーキ!

「さて、食べようか」
「うん、いただきます!」

言って、あたしはフォークでケーキを一口、口の中に放り込む。
スポンジのふわふわ柔らかな感触、生クリームの甘み、スポンジの間に挟まれたイチゴの甘酸っぱさが、口の中に広がる。
んーっ、幸せ!!

「……ダイ君、美味しい?」

レオナが笑みながら、あたしに尋ねる。
それに頷いて、あたしも笑う。

「うん、とっても!!レオナ、ありがとう」

言って、ケーキをもう一口。
再び広がる甘みに、幸せすぎて涙が出そうになる。
いや、本当に泣いたりはしないけど。
そんなあたしを、レオナがじぃっと見つめてくる。
……なんだろう。あたしは首を傾ける。

「ねぇ、ダイ君」

しばらくして、レオナが口を開く。
その顔は笑んでいるけど、口調は何だか真剣で。

「今日が何の日か、知ってる?」

問われて、あたしは傾げている首を、更に傾ける。
何か特別な意味合いのある日なのだろうか……
さっぱり見当がつかない。
そんなあたしの様子に、「やっぱり」なんて笑いながら、レオナが教えてくれる。

「今日はクリスマスだよ」

って。
……くりすます。初めて聞く言葉。
一体どういう日何だろう。

371:With you important3 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:54:40 LunE83HP
「んーと、簡単に言うと神様の誕生日なんだ。で、それをお祝いする日なんだよ。もっとも」

そこまで言って、グラスを傾けワインを一口。
一旦、言葉を区切った。

「ほとんどの人は関係なく、ただおめでたい日って感じで騒いでるんだけどね」

軽く笑いながら、もう一口、二口。レオナがグラスを傾ける。
あたしもそれにつられるように、グラスを傾ける。
オレンジの香りが鼻先をくすぐって、口の中にケーキの甘さとは違った甘酸っぱい味が広がる。
そうやってお互いにグラスの中の液体を、喉に流し込み、暫くして。
レオナが、何だか多少気恥ずかしそうにしながら口を開いた。

「で、えっと。……クリスマスには、プレゼントを贈る習慣もあって」

言いながら、懐を探って……
コトン、とあたしの目の前に、小さな箱が置かれた。
可愛らしい包装紙に包まれて、綺麗なリボンがかけられた、それが、あたしの、前に。
え……と……?

「受け取ってほしいな」

少しだけ頬を赤らめて、レオナが言う。
……多分、あたしの頬も赤くなっているに違いない。
促されるままに、リボンを解いて包装紙から中の箱を取り出す。
……そして、小さく息を飲んで、箱を開けた。

「……わぁ」

中に入っていたのは、指輪だった。
青い石がきらきらしてて、とっても綺麗。
でも、本当にもらってしまって良いのだろうか。
だって、あたしは……

「レオナ、あたしは何もあげられる物がないよ……」

申し訳なくなって、小声になる。
それでも、レオナはあたしに笑ってくれる。

「僕があげたいだけだから、気にしないで」

言って、またワインを一口。
もう、彼のグラスには一滴の雫も残っていない。

372:With you important4 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:55:30 LunE83HP
「それに」

がたん、と音をたててレオナが立ち上がって、そのままイスを引いてあたしの隣へ。

「別にモノでなくったって、構わないんだよ?」

あたしの髪を一房、摘まんで、彼が口付ける。
その仕草に、いつもより少し低くて、でも甘い声音に。
あたしは、

「ね、ダイ君。僕のこと嫌い?」

ドキドキ、心臓が飛び出しそう。
レオナが、あたしの髪を束ねたリボンをスルリ、とほどく。
あたしの腰まで伸ばした黒髪がふわりと広がった。
彼はそんなあたしの髪を撫でながら「嫌い?」ってもう一度問いかけてくる。

「き、嫌いじゃ……ない」

何とかそれだけを答えて、あたしはレオナから視線をそらす。
けれど、彼はそうはさせない、とでも言うようにあたしの肩を掴んで……と、いうよりは抱いて、顔を覗きこんでくる。
少しだけ笑んだその顔は、でもとても真剣で。

「僕のこと、好き?」

口を開けたら、何だか訳のわからないことを言ってしまいそうで、あたしはただ小さく頷く。

「じゃあ」

耳元に、彼の唇が、寄せられた。
そして囁かれる言葉に、あたしは

「その‘好き’は、他の皆への‘好き’と同じ?それとも、」

『僕だけの特別?』

あたしは、何も言えない。
……わからない。ううん、違う。必死でわからないふりをしてるだけだ。
だって、彼以外にはこんなに胸が苦しくならない。こんなに頬が熱くなんてならない。

「ダイ君……」

彼があたしの名前を呼んで、耳元から唇を離す。
それでも、彼とあたしの顔の距離はとても近いのだけど。
頬を優しく撫でられる。彼の琥珀色の瞳に、あたしが映っている。
さらり、金色の髪が、頬に触れた。

373:With you important5 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:56:24 LunE83HP
「れお、な……」

どうしたらいいかわからなくて、助けを求めるように彼の名を呼んだ。
彼がくすり、と笑って「目、閉じて」って優しく呟く。
言われるままに、あたしは瞳を閉じて

「ん……」

柔らかくてあたたかいものが、あたしの唇を塞いだ。
……微かに香る甘い香りは、彼が先程まで飲んでいたワインのモノだろうか。
何だか、お酒を飲んだときみたい。頭がくらくらする……。
唇は重ねたまま、レオナが、あたしをぎゅって抱きしめる。
あたしも彼を抱き返して、唇を一度離して。もう一度、重ね合う。
さっきの触れ合うだけのキスとは違って、今度は彼の舌があたしの口内を這い回る。
あたしの舌に絡めて、軽く甘噛みされて……

「ん、ふ……ぁ」

最初はよくわからなくて、ただひたすら受け身でいたのだけど、なんだかとても気持ちが良くって……
気がついたら、自分から舌を絡めていた。
……唇を重ねる、というよりは、むさぼりあう、と言った方が適切だろうか。
口の端から、どちらのモノかもわからない唾液が零れても構わない。
あたし達は、ただひたすらに互いの唇をむさぼりあう。

「ふぁ、は……ぁ」

どれくらいの間、それに没頭していただろうか。
ようやくあたし達の唇は離れた。
お互いに荒くなった息を整えて、しばらくの間、無言になる。
先に口を開いたのは、レオナで……

「ごめん、我慢できそうにない」

言いながら、彼はあたしを抱き上げた。

「え、ちょ……レオナ!?」

意外にも、レオナはあたしを軽々と抱き上げている。
……あたしが守ってあげなくちゃ、なんて思っていたけどでもやっぱり、彼は男なんだなぁ…………なんて暢気な事を言ってる場合じゃない!
だって、レオナがあたしを降ろした場所は、ベッドなんだから……!

374:With you important6 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:58:01 LunE83HP
「れ、レオナ!」

確かにあたしは鈍いけど、でもこれがどういう事かは……何となくだけどわかる。
流石に抗議の声をあげる、けど。

「……嫌?」

とても真剣な顔で、声で。
そんな事を言われてしまったら、あたしは何も言えなくなってしまう。
だって、嫌では……ないから。否定も肯定も、あたしはしない。
そんなあたしに彼は笑って、髪を撫でた。
そして三度目のキスを……

「ダイー、まだ起きってか?起きてんならちょっと一杯つきあ……え……よ?」

する直前。
ガチャリ、と勢い良くドアを開けられた。
ドアを開けたのは、あたしの兄弟子で親友でもある魔法使い‐ポップ。
ポップはドアを開けたままの格好で固まっていた。
……というか、今、この場にいる全員が固まった、と言った方が正しいか。
とっても気まずい雰囲気のなか、一番最初に口を開いたのはポップ。

「あー、えーと。お取り込み中?」

そんな風に問いかけられたって、うんともなんとも言えない。
言えるわけがない。

「……鍵、かけ忘れた」

小さく呟いて、レオナはあたしの肩のすぐ横に顔を埋める。

「れ、レオナ!とりあえずどいて!」

あたしは、何とか彼の体の下から脱け出そうとするが、焦っているからなのか全然うまくいかない。
そんなあたし達から僅かに目をそらし、頬を掻きながらポップは言う。

「その……邪魔して悪かった。おれは退散するから、気にせず続けてくれ」

ビミョーな笑みを浮かべて、ポップは部屋の扉をパタンと閉めた。
……部屋は一気に静かになって……

「え、えっと……続き、する?」

レオナが取り繕うように笑いながら、あたしに問う。
それに対する答えは、もう決まっていた。
絶対に……

375:With you important7 ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 22:58:52 LunE83HP

「嫌!」

思いっきり拒絶して、あたしはそのまま布団にもぐりこむ。
もうこうなったら不貞寝しかない。寝て忘れてやる。
そんな感じで半ばやけくそにあたしは目を閉じた。レオナの顔は振り返ってやらない。
はぁ、とため息をつくのが聞えたけどしるものか。
……とりあえず明日の朝までは口を聞いてやらないんだから。
そんな風に思っていたんだけど

「……ダイ君、おやすみ」

直ぐ耳元で、その声は聞えた。
そして頬に柔らかい感触。……またキスされちゃった。
……恥ずかしいやら腹立たしいやらで、レオナの顔なんて見てあげない!なんて思ってたのに、少しだけその気持ちが揺らぐ。
何だか癪にさわるので、あたしは頭までズッポリと布団を被った。
……でも、一言くらいなら……

「……指輪、ありがとう」

あたしは、小さく呟く。
それがレオナに聞こえたのかどうなのかはわからない。
でも、「また明日」って、彼が今日最後にくれた言葉は、何だかとても嬉しそうに聞こえた。

376: ◆kmbxgHC1NY
09/12/24 23:04:35 LunE83HP
以上です。
またこの二人で話しを書きにくるかも知れないです。そのときはまたよろしくお願いします。

先天性じゃないのも書きたい。

377:創る名無しに見る名無し
09/12/24 23:34:46 KzCPIy/3
久々の投下乙
これから性別変化するのか?

378:創る名無しに見る名無し
09/12/26 01:17:42 MwMMmy7S
>>377
先天性なので最初から変化してるよ。

379:創る名無しに見る名無し
10/01/01 01:01:46 TKT71PtG
某年元日、俺は加賀美神社に初詣に来ていた。
思えばいつもと同じような一年で、時の流れの速さを実感する。
今年こそ何かを変えたい。そう、例えば「彼女をつくる」だとか。
そう思って、ほんのすこ―しだけ奮発した五百円玉を賽銭箱に投げ、この神社名物の大きな鏡に向かって手を合わせた。
(絶世の美少女を俺の前に……)
願いはすぐに叶った。
目を開けたとき、俺の目に飛び込んできたのは鏡に映った可憐な少女の姿。
その姿に見惚れていた俺が事態を正確に把握したのは10分ほど経ってからだった。

おわり。あけおめ

380:創る名無しに見る名無し
10/01/13 23:16:03 N3uwpFtU
大友の姫(ryみたいに
貴族とか女王とかに転生して
戦に内政に大忙しみたいな
SSないかなぁ

381:創る名無しに見る名無し
10/01/15 15:22:09 u5hK/FLx
age

382:ルーズ その8 ◆KazZxBP5Rc
10/01/29 00:17:47 CfWjR7xS
かなり長い間空いたけど>>282-334のつづきです
タイトルつきました


「ただいま、父さん、母さん。」
ふたつ並んだ石の前で俺は祈りを捧げた。

この村は俺が小さい頃魔物の襲撃を受けた。
生き残った村人たちは次々に別の町に越してゆき、もう残っているのは俺の剣の師匠とネミの両親だけだ。
「アルナ、お墓参りはもういいの?」
「ああ……」
今はこれからのことで頭がいっぱいだった。

「そうか……」
話を聞き終えたおじさん―ネミの父親―は一言だけつぶやいた。
「辛いでしょうけど、今はゆっくりしていきなさい。」
おばさんもどことなく歯切れが悪い。
なんだか居心地の悪さを感じる。
「俺、ちょっと師匠のところに行ってきます。」
逃げ出すように早足で家の外に向かう。
「アルナっ!」
「ネミ。あなたにはお話があるからここにいてちょうだい。」
後ろから母娘の声が聞こえた。

もうボロボロになった道場で、師匠は座禅を組んでいた。
「アルナ、か。」
「お分かりですか。」
「気の流れでな。どうしてそのような姿になったのかは知らぬが。」
俺はあの魔物に襲われてからの一部始終を話して聞かせた。
「なるほどな……」
ネミが道場に飛び込んできたのは、ちょうどそのときだった。
「どうしよう! 私の婚約の話が進められてて、婚約者がこっちに来るって……」

つづく

383:創る名無しに見る名無し
10/02/03 18:53:13 ESUj6JQe
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

384:創る名無しに見る名無し
10/02/03 19:04:03 72tEJAvj
久しぶりに続き来てた!おっつです!
ageブラザーズもいい仕事!

385: ◆KazZxBP5Rc
10/02/14 07:11:04 eQ5dCMsZ
今回は続きじゃないです
投下

386: ◆KazZxBP5Rc
10/02/14 07:12:21 eQ5dCMsZ
2月12日金曜日、放課後。
休日前だし早く帰ろうと教科書やノートを鞄に詰めているところにアイツが話しかけてきた。
「よう、明後日は何の日か知ってるか?」
「お前の誕生日か?」
「違う! バレンタインデーだよバレンタインデー」
「俺たちには関係無いだろ」
「去年まではな。だが今年は違う」
「何だよ、その妙な自信は」
「くれ」
「は?」
これには手を止めざるを得なかった。
「おいおい、聞いてなかったのか? バレンタインだよ
 女の子が男にチョコくれる日。で、俺は男。今のお前は?」
「う……」
そう、2か月前、俺は100万人に1人といわれる性転換症にかかり、今では一応女子高生生活を送っている。
「って、別にお前にやる義理なんてねえだろ。俺だって姉ちゃん以外から貰ったことないのに」

387: ◆KazZxBP5Rc
10/02/14 07:13:01 eQ5dCMsZ
土曜日、昼食を終えて自分の部屋に戻ろうとすると、仁王立ちの姉ちゃんが立ちふさがった。
「あんたももう女の子なんだから、手伝いなさい」
まったく、せっかくの休みが……。

「はぁ、疲れた……」
できあがったカップケーキを前に俺はうなだれた。
「だらしないわね」
混ぜる作業はほとんど押し付けたくせによく言うよ。
「じゃあ、はい、ふたつあげる」
「ふたつ?」
「あんたの分と……誰かにあげるんでしょ」
「ねえよ!」
そんな「分かってる」って顔されても勘違いだからなっ!

388: ◆KazZxBP5Rc
10/02/14 07:13:41 eQ5dCMsZ
そして日曜日。
昼になってちょうど姉ちゃんが出掛けていった直後に電話が鳴った。
「おっす。今から駅前に来てくれよ」
「別にいいけど、俺が何か持ってくるとか期待すんなよ」
「ああ、分かってる」
アイツ、何考えてるんだよ。
……しょうがないな。

1日ぶりに会ったアイツは今まで見たこともない洒落た格好をしていた。
「ほれ。姉ちゃんに手伝わされて余ったからやるよ」
「信じてたぜ」
もう。姉ちゃんといいコイツといい、深読みのしすぎだ。
「俺からもプレゼント」
換わりに渡された小さな紙袋。
「な、なんだよ」
「貰ったことないって言ってたから」
「男から貰っても嬉しくねえよ」
嬉しくない。うん、そのはず。なのに。
あれ? なんだか……。
「おっ、おい! 待てよ!」
俺はアイツに背を向けて逃げ出すしかなかった。
だって、涙を流しているところなんて見られたくなかったから。


おわり

389:創る名無しに見る名無し
10/02/14 08:06:28 SdNOgOrM
これはいいTS

390:創る名無しに見る名無し
10/02/14 11:41:20 XIzgiKkw
>>388
乙です! Trans Sexualものって読んだこと無かったけど、
雰囲気よさげですね。ちょっと読んでみようかな

391:創る名無しに見る名無し
10/02/14 15:54:34 eQ5dCMsZ
>>390
さあハマれ
そして思いのたけを投下するんだ!

392:創る名無しに見る名無し
10/02/14 23:35:48 zqBqGDo6
>>388
言葉ではうまく言えないけどときめいた。
GJ!

393:創る名無しに見る名無し
10/03/07 11:43:53 sHIdoTww
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J

394:創る名無しに見る名無し
10/04/04 08:08:49 k+YGO+Ib
こんな世界を希望。
-------------------------------------
性別を完全に変える医学が確立された世界。誰でも一生に一度は性別を選べる法律が制定される。

第二次成長期前の9歳から10歳《小学3年の終わり》に、性別を決めることが出来る。

そんな世界が当たり前になり100年が過ぎた世界。

------------------------------------
家が隣近所の男の子同士が幼稚園で

《ボク大きくなったらタケシくんのお嫁さんになるよ。》

が、当然のことに。

幼稚園からの馴染みの親友を片方を性別変えてカップルにするパターンが続出。

世の中はカップルだらけになる。


395:創る名無しに見る名無し
10/04/08 17:10:46 QbAw9zdy
>>394
実際になるんならもちろん嬉しいけど
フィクションとして読むのは個人的に微妙
最初から自分で選べるのはすぐ馴染んじゃいそうだから

396:創る名無しに見る名無し
10/04/26 21:57:45 J62sEVi+
チェンジH yellow発売でみなぎってきた

397:創る名無しに見る名無し
10/05/09 22:25:52 jKlcbDbe
今書いてるんだが中々難しいな・・・

俺の妄想を具現化させるのって苦労するZE

398:創る名無しに見る名無し
10/05/09 22:43:25 2dodClze
wktk

399:きり番ゲッター
10/07/03 21:17:13 uQvMkL3T
創作も大変ですね。

400:きり番ゲッター
10/07/03 21:19:31 uQvMkL3T
400ゲット!

では頑張ってください。
期待しています。


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