シェアード・ワールドで青春物語at MITEMITE
シェアード・ワールドで青春物語 - 暇つぶし2ch510:名無しさん@お腹いっぱい。
08/09/16 22:47:03 e1IAE1UQ
投下乙です
このスレ、作品投下率高いね。色々読めて楽しい。

511:普通の日常
08/09/17 19:47:03 HcYsiGID
投下します、伝奇ルートに入ってみました

512:普通の日常
08/09/17 19:47:55 HcYsiGID
高杜学園の午後、寄りかかるように背をもたれ、五郎は時折かたわらの資料を眺めながらあごを撫でる。
不意に目を移すと教室のドアから中ほどから顔を出し、梅子がにやついてるのが目に入り、
その場でどたりと突っ伏し、たぬき寝入りした。

「ちぃーす、ゴロー何やってんのぉ?」

「……寝てます」

「今までおきとったやろ! かなんなぁ、
まぁ、ウチが気になって思わずそないなこと言うんも分かるけどなぁ」

「何人だ、お前は」

「実はウチ関西人やってん、家にたこ焼きのプレートもあるし……」

梅子の寒いギャグを五郎がスルーすると、シャーペンの芯を数える作業を再開する、
横で梅子がスカートをなびかせてふりふりと踊りながら、ツッコミ待ち待機している為に集中することが出来ない。

「なんだアレか……出番欲しさにテコ入れでもしたのか?」

「もぅ、わかんないかなー、いつもよりスカートの丈が短いでしょ、
チラッてパンツが見えちゃうかもしれない期待感、むっつり助平のゴローには刺激が強すぎたかしらん?」

「お前のハミ毛なんぞ見て、何が楽しいの?」

「ハ、ハミ出てない! ハミ出てないよ!?」

頭にびしりと手刀が打ち込まれると、五郎はそのままわざとらしく机に卒倒し眠り始めた。
喧騒と笑いに包まれる教室内の空気を避けるように、廊下の窓際に立つ少女は二人の姿を見つめている、
芳乃は自分で作った二つのお弁当箱を手に持ったまま軽く唇を噛むと、俯きながら自分の教室へと帰っていった。

513:普通の日常
08/09/17 19:48:42 HcYsiGID
放課後、芳乃は部室へと向かう通路から窓を眺め、一つ溜め息をつくとぼんやりと思案にふける、
心に靄がかかったような焦燥感のなかで、向かう足はついぞ動かなくなっていた。
不意に顔を上げると、先ほどまで廊下で談笑していたはずの生徒や、部活に向かう者達の姿もいつの間にか消え。
澄んだ空気を通して、聞こえてくる奇妙な旋律を耳で捉えた。

「―ピアノの音色?」

一歩また一歩と音に近付いてゆくうちにその音はますます鮮明になってゆく、
階段を登りきり、今まで入ったことのない区画へと足を踏み入れる、各教室には札がかかっておらず
床には細かい埃が積もっている、その全てが空き教室なのだろう。

「こんな場所があったのね……」

なぜここからピアノの音が聞こえてくるのか不審に思いながらも、埃の上を歩くように音のする方角へと引き寄せられ、
行き止まりとなっている、一つの扉の前で芳乃は足を止めた、古くなっている他の扉とは違う、真新しい扉に手をかけ横に引くと、
外界と隔絶されていた部屋に空気が流れ込み、細かな塵が風にあおられ部屋に舞い上がる。

天窓から差し込む光に当てられ、まるで雪のように塵が揺らめく薄暗い部屋の中央には、ピアノを爪弾く一人の少女の姿があった、
背は芳乃よりも低く、制服からのぞく雪のように白いその指が止まると、吉乃の元へ顔を向けた。
同姓ですら息を呑むような流れるような黒髪、紅のかかったような唇がうっすらと開く。

「555曲のソナタ」

「え?」

「曲の名前、素敵な曲名でしょう?」

少女は薬指を鍵盤の上に置くと透明な音が部屋に響き渡る、芳乃が困惑してはにかむと、優しげな微笑で彼女は答えた。

「申し訳ありません、練習のお邪魔をしたみたいで……」

「いいのよ、芳乃さん、この曲はいつでも弾けるから」

「―私の名前?」

「不思議ね……」

彼女がこちらへと近付くと、怯えるように身をすくめる芳乃のあごに手を沿え互いに見つめあう、
その瞬間、背筋に何かが這いずるような感触を感じると、光を失った彼女の瞳に魅入られたまま、動けなくなってしまった。

514:普通の日常
08/09/17 19:49:32 HcYsiGID

「あなたは今『孤独』を感じている、そしてとても恐れている……」

「……」

「あなたのお父様は、あなたの『孤独』を埋めてはくれなかった、
拒絶され、離れ離れになり、そのことでとても傷ついているのね」

「ぁ……あ」

自らの家族でしか知りえない秘密を見透かされたように暴かれ、言葉を失った芳乃は身を引こうとするが、
まるで自分の足に鉄の棒をねじ込まれたかのような圧迫感を感じ、身をよじることさえ出来ない。

「―可哀想、あなたはお父様と体で繋がって愛されたかっただけなのに、
お母様がそれを許さず、引き裂いてしまった……」

「やめて、やめ……て」

「感じるわ、とても綺麗で純粋なあなたの心に黒いしみが広がって、あなたの中を穢していくのを」

「違う! 私は……!!」

少女はにこりと微笑みながら、放心状態になった芳乃に顔を寄せた。

「このままでは同じことの繰り返し、あなたにも私の血肉を分けてあげる、さぁ、口を開けて」

「……」

「彼が欲しいんでしょう?」

戸惑いながらも芳乃が薄く口を開くと、少女は唇をぷつりと噛み切りお互いの唇を合わせた
少女が背中をさする内に抵抗を失った、芳乃の中へと舌を差し込み絡ませると、
芳乃の口の中にも血の臭いが伝わってくる。

恍惚とした表情で体を震わせながら身を任せると、唐突に視野が暗転し芳乃の意識は途切れた。



―雑音に叩き起こされるように吉乃の体がびくりとはねる、
そこには先ほどの廊下で窓を見つめたままの状態で固まっていた自分がいた。
辺りを見渡すと廊下に座り込み喋りこんでいる生徒や、駆け足で部活へ向かう生徒達であふれている。

「……夢?」

「竹井せんぱーい、部活始まってますよぉ!」

「あ、あらあら、ごめんなさい……すぐ行きますね」

ホッと胸を撫で下ろした芳乃は後輩の声に呼ばれ、茶道部の部室へと向かう途中
ふと、あのピアノの音色が聞こえたような気がした。

515:普通の日常
08/09/17 19:50:20 HcYsiGID


『学長室』


学園長の執務室、皮椅子に小柄な体をすっぽりと収め、肘をかけた学園長が椅子に座りなおすと、
サクマ式ドロップスを片手に生徒会執行部からの報告を受け取っていた。

「では、牧田……現状はどうなっとるかの?」

「はい、例の件に関しては、我々執行部も情報を集めています」

「先のことを読めぬようでは後手後手に回るだけじゃ、
該当する生徒の監視をより一層強めるようにな、ところで小金井をみかけぬようだが?」

「まだ情報収集から戻らないようで連絡が取れていません……」

学園長はふむと一息入れると、カラカラとドロップを振り、小さなてのひらにカラフルな飴をいくつか乗せると
牧田に向かって差し出す。

「大儀であった、飴ちゃんをやろう、好きなものを選ぶがよい」

「は、はぁ……じゃぁ黄色で」

「む、ぱいんか? ぱ、ぱいんはたしかに美味いしの
高級感あふれる味がするよのう!」

「あ、えと……では赤を」

「い、いちごと申すか? わしも大好きでな……いちご!
ふるーてぃで甘酸っぱい感じが何とも言えぬ!!」

「では、ハッカ味で」

「うむ、そうか」

しぶしぶとハッカ飴を受け取り、学長室を退出しようとした牧田を学園長が呼び止めると、
整然とした口調で警戒をうながした。

「ゆめゆめ油断するでないぞ、あと―」

「学園長、何か問題でも?」

「―深く座りすぎて椅子から尻が抜けなんだ、手を貸してくれ」

(大丈夫か、この学園……)

516:普通の日常
08/09/17 19:55:09 HcYsiGID
投下終了です

>>394さんの学級委員の牧田をお借りしました
あと、学園長の口調をロリババァにしてみました

517:名無しさん@お腹いっぱい。
08/09/17 20:36:33 lg+fsfUL
乙。
しかし、小金井君って…

518:名無しさん@お腹いっぱい。
08/09/17 23:37:22 HZd46SmN
椅子から抜けなくなったのは、きっと体重が増えたからららrっぱいやあべし!

519:名無しさん@お腹いっぱい。
08/09/18 00:57:15 B6wu56Ce
投下します

520:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 00:58:36 B6wu56Ce
「『ルノアール展!?』」

了は目を丸くした。
未沙から了を誘うことは珍しい。いつものクールな物腰で、佐伯未沙は彼の返答を待っている。

「十年振りって。 …うーん、なんか小難しそうだしな…」

「…そ。」

あまり乗り気では無さそうな了の様子に、未沙は呆気なく踵を返す。

「あ!! 待てよ!! 柚季なら…」

「いいの。 一人で行く。」

下校路をすたすたと歩み去る未沙を見送りながら、了はため息をついて呟いた。

「…あいかわらず、かわいくねーなぁ…」


未沙はポケットの二枚のチケットを握って、てくてくと家路につく。
実際、未沙が友達を誘うのは、本当に珍しい。いつも騒がしく計画を立てるのは了と将也で、未沙はその行き当たりばったりな計画の現実的な行程を組み立てるのが常であり、未沙にはそれが性に合っていた。
柚季も含めた、デタラメ三人組のお目付役。
未沙はその役割に満足していたし、内心三人に感謝していた。

『…了と、行きたかったな…』




521:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 01:00:10 B6wu56Ce
内心の呟きを彼女はその端正な面に出すことなく、自宅に着くとすぐ、二階にある自室に入った。

少し前まで姉と共同で使っていた部屋。
年の離れた活動的な姉が、家出同然に上京してから、部屋の半分は雑然としたままだ。
なぜか、絵画に惹かれる家系だった。恐らく母方の血だろう、漫画家を目指す姉を連れ戻そうと、高杜と東京を往復する母に、未沙はしばらく会っていない。

『…柚季みたいに、『行きたい行きたい!!』って、駄々こねられたらな…』

ルノアールの絵を了と一緒に観たい。それだけの我を通せない自分が、未沙は少し悲しくなる。
自分のシニカルな言動は、拒絶を恐れる臆病さを隠す鎧。 それを未沙はよく知っていた。
そして、同じ日に産声を上げた、かけがえのない友人である戸田山了。 底抜けに明るく間の抜けた彼をサポートすることが、未沙の人生にどれだけの笑顔をもたらしてくれたか、それも未沙は、よく知っていた。

乱暴に服を脱ぎ捨てた未沙は、部屋に座り込み、ふと、姉の荷物の中に古ぼけた画材ケースを見つけた。『 HIMEKI』とレタリングしてある。

『…ああ、叔母さんの…』



522:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 01:02:28 B6wu56Ce
未沙は歩み寄り、汚れたケースを開けてみる。
油絵具の独特の匂い。先日の叔母の法事に、祖母が姉と未沙に形見として持たせてくれたものだった。
結局姉は開けずじまいで出奔してしまったが、祖母がケースを運んできたときの、母の複雑な表情が奇妙に印象に残っていた。

『…叔母さん、生きてたら、まだ二十代だっけ…』

未沙の母の妹である叔母は、未沙が幼児の頃に亡くなった。 まだ高校生だった。
未沙達には事故とも、自殺ともあいまいに教えられていたが、写真でみる叔母は未沙には似ておらず、これまで肉親らしい想いを抱いたことはない。

未沙はガサガサとケースを探る。 まだ彼女は油彩画を書いたことがなかった。
ふと彼女は、了をモデルにカンバスに向かう自分を想像した。そして、慌ててそれを打ち消す。

…きっと、了はそんな退屈なことは嫌いだ…

一番底から、デッサン帳が出てきた。 アグリッパ像、二ケ像… 精緻なスケッチに未沙の瞳が少し明るくなったとき、ページの間から、ハラリと二枚の紙片が落ちた。




523:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 01:04:07 B6wu56Ce
拾いあげた未沙の表情が驚きに凍る。

二枚の黄変し、印刷の少し滲んだ紙片は、脱ぎ捨てたホットパンツのポケットに入っているのとデザインまでそのままの、高杜市立美術館で開催される、ルノアール展のチケットだった。

『そんな…』

最終日は叔母の命日の一日後。 自殺なら不自然だと、少しだけ未沙は考える。

…一体誰と行く筈だったのか、そして何故、行けなくなったのか、恐らく母に尋ねても解らないだろう。

『…未沙は少し、あの子に似たところがあるねぇ…』

祖母の言葉を、むきになって否定していた母。
時々、涙ぐみながら、未沙をぎゅっと抱きしめる母。

古ぼけた二枚のチケットを見つめ、未沙の瞳が潤んでゆく。
今ではもう、何も解らない。
でも、叔母と、もう一人の誰かは、決して二人で絵を眺めることはないのだ。

幸薄かった叔母が、まるでそこにいるような悲しみのなかで、弔辞を読むように、泣き声で未沙は呟いた。

「…叔母さん、私、とても臆病だよ… でも…」



524:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 01:05:29 B6wu56Ce
ピンポーン。

突然のチャイムの音に、あわてて涙を拭いながら、未沙は服を着て走り出る。

伏し目がちにドアを開けると、そこには、了がそわそわと所在無げに立っていた。

「あ!! お前、何泣いてんだ!?」

「…ううん… 何も。」

「馬鹿。何にもないのに泣かねぇだろ!!」

肩にかかる了の力強い手。未沙は唇を噛んで堪えていた嗚咽の声と共に、了の胸に飛び込んだ。

「…一緒に、ルノアール展、行きたい…」



次の休日、未沙と、無意味に緊張し、呼吸すら遠慮がちな了は、最近改築工事を行い、立て続けに大作を招致している高杜市立美術館で、『イレーヌ・カーン・ダンヴェールの肖像』の前に立っていた。

「…かわいい…」

了の感想に、クスリと笑った未沙のポケットには、叔母のチケットが入っていた。
十年振りに、この絵に会いにきたのだ。


END


『セクシャルコンプレックス』
『なんとか通り探検隊

にリンクさせて頂きました。

設定
高杜市立美術館
最近改築工事を行い、積極的に大作を招致している。




525:名無しさん@お腹いっぱい。
08/09/18 01:07:09 B6wu56Ce
投下終了

526:『杜を駆けて』 ◆k2D6xwjBKg
08/09/18 01:10:24 B6wu56Ce
すいません『杜を駆けて』8です。

527: ◆ghfcFjWOoc
08/09/18 02:32:24 N6g5mznJ
ちょっと思いついたネタを投下してみます

528:居酒屋『遊楽亭』 ◆ghfcFjWOoc
08/09/18 02:34:26 N6g5mznJ
 この界隈に店を開いて随分経つが毎日色々な客が訪れる。
 そんな客との会話がこの仕事の醍醐味の一つだ。
 それがただの愚痴だったとしても。

 カウンターに顎を乗せて、一人の男がくだを巻いている。

「娘がさ、男を家に連れて来たんだよ。その男がどうにもいけすかない奴でさ」

 そこまで言って猪口に注がれた酒を一気飲みする。
 その横には空になった徳利が四つ。

「旦那、ちょっと飲み過ぎだよ」
「減らしたかったらもっと強いの用意しろ!」

 やれやれと嘆息しながら徳利を取り出す。
 今相手をしている客は常連という程ではないが、ちょくちょく顔を見せる男だ。
 店に来る時は大抵の場合、今回のようにぐでんぐでんに酔っ払って愚痴を漏らす。
 愚痴の内容は大体が家庭の話で占められている。
 何でも、婿養子なので家の中では立場が弱いらしい。

「娘は娘で「なんだ、いたの?」って目で見てくるし。確かに仕事で家を留守にする事は多いけどさ」

 猪口に注ぐ事が面倒になったのか、徳利に直接口を付けて飲み始める。
 仕事の詳しい内容は聞いた事がないが海外への出張が多いらしい。

「その仕事も幸先が悪いんだよ。用事があるから会いに行った奴は留守だし。これもそれも、あのクソガキのせいだ」

 何処の誰かは知らないが、不幸な青年がいるものだ。
 もし店に来る事があれば奢ってやるのもやぶさかではない。


529:居酒屋『遊楽亭』 ◆ghfcFjWOoc
08/09/18 02:35:38 N6g5mznJ
「嫁は日和った事を言うし。何が「若いっていいわね」だ」
「でも、あれだろ? 娘さんも高校生なんだから父親を煩わしく思い始める頃なんだよ。下着を一緒に洗濯するなって言ったり」
「昔は一緒に風呂に入ってたんだけどな……。俺風呂嫌いなのに頑張ったんだよ」
「諦めるしかないんじゃないかね。娘を持つ父親の共通の悩みだな」

 実は客の中にはこの手の愚痴は少なくない。
 娘が援助交際をしているらしいだの、フリーターと結婚すると言い出しただの。
 本当に深刻な場合だと、声もなく泣き出すので愚痴として吐き出せる内はまだ気軽に付き合える。

 まあ、酒を飲むだけで料理を一切注文しないのは、料理人の端くれである自分にとって、もどかしいものがあるが。

 ふと、男が横を向き、視線が一ヶ所で止まっている事に気付く。
 その視線を追ってみると壁に張られた一枚のポスターに向いている。

「紫阿童子祭事」

 まだまだ先の話だが、地域住民にとっては一大イベントなので今から宣伝が行われている。

「五年前のに娘が出てたな」
「へえ。娘さんの晴れ舞台だし、写真とか撮ったのかい?」
「知り合いも動員してあらゆる角度から撮影して高画質、高音質で保存してある」

 男は得意げに立てた親指を突き出す。
 親バカだ。
 むしろバカ親だ。

「今年の祭は見るのかい?」
「どうしよっかな。それまでには仕事が片付くだろうから高杜にはいられないかも。
 それに、どうせ娘はあのクソ野郎と見に行くとか言うんだろうなぁ」

 残念ながら、父親と一緒に祭に行く女子高生というのは少ないのではないだろうか。
 他の客との会話等を鑑みるに友人、あるいは恋人と一緒に出歩くのが一般的な気がする。

 鬱になったのか、男はカウンターに顔を伏せる。

「旦那、今晩は付き合ってやるよ」

 その日は閉店時間を過ぎても店の明かりが消える事はなかった。


530:居酒屋『遊楽亭』 ◆ghfcFjWOoc
08/09/18 02:36:52 N6g5mznJ
以上です

居酒屋『遊楽亭』
高杜モールの本通りから外れた裏通りに居を構える居酒屋。
面倒見のいい店主がおり仕事帰りのサラリーマンに人気である。
おでん、焼き鳥、刺身、唐揚げ、漬物などの定番メニューは大体取り揃えられている。



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