百合とにかく百合at MITEMITE
百合とにかく百合 - 暇つぶし2ch500:創る名無しに見る名無し
09/04/26 23:42:48 /1BXk7oD
女戦士モノというと、どうしても乳が揺れるクイーンズ何とかって言うアニメを思い出す訳で・・・w
とりあえず、友達以上の関係になる回にも期待。
GJでした。

501:創る名無しに見る名無し
09/04/27 13:59:42 r/9FyKeC
子供っぽい女剣士かわいい

502:創る名無しに見る名無し
09/04/29 09:31:10 lHrtEzz2
普通に主人公が負けちゃった場合を想像したが
ただの官能小説になることに気付いた。

503:創る名無しに見る名無し
09/05/03 08:28:42 ry0O/f3F
某漫画の夜一さんみたいに
自宅で飼ってる猫が妙齢の女の子になったりしないかね。

504:創る名無しに見る名無し
09/05/08 23:59:38 pfDlfcMF
荊の城、半身、カーミラ、マリみて

505:創る名無しに見る名無し
09/05/17 08:49:29 L+aBgAwF
百合関連のスッドレはどこも過疎だな

506: ◆91wbDksrrE
09/05/17 19:49:39 eePM9/Oy
『この世界では、剣と剣での勝負が全てを決める』
 その言葉と一緒に剣技を授けられた事を、私は―シイナ・レンバードは、
ずっと恨んでいた。
 でも、数ヶ月前のとある事件で、その恨みは感謝へと変わった。
剣と剣での勝負で、私は敵から自分の身体を護る事ができたからだ。
 敵は、双剣の使い手、ルクレシア・ヴィーブ。彼女は、何を考えたか、
勝負に負けたら私の身を自由にさせろなどという条件をつけ、突如
私に勝負を挑んできたのだ。
 剣戟を交わし、その強さを文字通りその身で味わいながら、何とか
私は彼女を退ける事に成功した。
 本来なら、その時点で私と彼女の縁は途絶えるはずだった。だが、
彼女の無邪気な言動に毒気を抜かれてしまった為か、それとも、彼女
との戦いを、彼女の本気を快いと思ってしまったからか―どちらにせよ、
私は彼女との縁を、再び結びなおす事を選択した。
 友人になろうという私の言葉に、彼女は無邪気に喜んでくれた。
 ―あ、いや、無邪気だったかどうかは、ちょっと断言しかねる、かな?
 でも、縁を結びなおした所で、彼女は旅人だ。聞けば、何か探し物を
しながら、大陸中を旅して回っているらしい。
 友人となれた事、自分と同じ年頃の話し相手を得る事ができた事は、
私も素直に嬉しかった。なまじ剣技などをたしなんでいるばかりに、
私は普通の女の子には……まあ、その……友達と呼べる人が、いない。
 普通の女の子は、幼い頃は親に護られ、歳を経てからは将来を
共にする男に護られる。それがこの世界の常であり、私はそれから
外れて育った女だ。だから、男からは一目置かれていたが、女性……
特に同世代の女の子からは、奇異な視線で見られる事も度々あった。
それが、私が剣技を授けられた事を恨んでいた主たる理由である事は、
否定しようがない。割り切れるようになったのは、つい最近の事だ。
 だからこそ、同世代の、同性の友人を得る事ができたのは、素直に
嬉しかった。できるならば、彼女がいつまでもこの街に留まっていて
くれれば、と……そう思ったのも事実だ。
 他愛の無い会話をしたり、たまに一緒に買い物に出かけたり、私が
作った料理に舌鼓を打ってくれたり、一つ一つがなんだか新鮮で、
嬉しい出来事だった。
 ……でも、彼女は旅人だ。縁を結びなおした所で、それが途切れる
日は、いつか必ずやってくる。
 できれば、そんな日なんか……ずっと、来なければいいのに。
 そう願いながらも、時は瞬く間に過ぎていった。

507: ◆91wbDksrrE
09/05/17 19:50:06 eePM9/Oy

 ―そして、数ヵ月後―

「……ルクレシアさん」
「あい? 何か用かいシーちゃん?」
「……なんで、まだこの街にいるんですか?」
 ……彼女は、まだこの街にいた。というか、私の家で無茶苦茶くつろぎ、
まるで自分の家かのように振舞っていた。両親が遺してくれた家で、
幸い部屋には空きが沢山あるし、生活費用とかは彼女自身の財布から
出ているので、別に困るようなことは何も無いのだけれど……。
 わずかに怒気をにじませた私の言葉に、彼女は笑って答えた。
「なんでって……シーちゃんがあたしにいて欲しいって言ったから」
「っ……!?」
 思わず顔が赤くなる。
「い、言ってませんよそんな事っ!」
「えー、だって、コンゴトモヨロシクーって言ってたじゃん」
「そ、それは言いましたけど……」
 確かに、今日からよろしくお願いしますとは言った。言ったけど……。
「それがどうしていて欲しいって言った事になるんです!?」
「だって、今日からよろしくって言われたら、あの日からずっと
 よろしくしなきゃ嘘じゃん? それってつまり、いて欲しいって事でしょ?」
「なんですかその飛躍は!」
「……あたしがいたら、嫌?」
 突然、彼女は瞳を伏せ、寂しげな表情を見せた。
 不意を打たれた私は、何故か高鳴る胸と、朱に染まった頬を何とか
落ち着けようと、彼女から視線をそらし、明後日の方向を見やる。
「……それは……その……嫌、では、ないですけど……」
 口から出た言葉は、そんな状況だったから、紛れも無い本心以外の
なにものでもなかった。私は、別に彼女がここにいる事を嫌だとは
思っていない。むしろ……ずっと……。
 でも、それが叶わないだろう事は覚悟していた。覚悟していたのに、
彼女がこの街に数ヶ月もの間留まっている事で、その覚悟が何だか
はぐらかされているように思えて、それで……
 ああ、そうか。今になってようやく、気づいた。私は彼女に八つ当たり
しているのか。自分で勝手に覚悟して、それが無駄にされたように
思えて、腹を立てているだけなんだ。
「……はぁ」 
 自分勝手に彼女を責めている自分に気づき、ため息が口から漏れた。
 しかも、彼女がここに留まり続ける理由は―まあ、解釈はどう
とっていいかわからないにせよ―私の言葉に応じて、なのだ。
 彼女がここに留まっている理由が彼女の言う通りのものならば、
私は旅を邪魔しているようなものだ。そう考えた瞬間、沈んだ心が、
さらにズキンと痛んだ。

508: ◆91wbDksrrE
09/05/17 19:50:25 eePM9/Oy
「でも……旅の方は、いいんですか?」
 旅立って欲しくは無い。ずっといて欲しい。
 でも、自分のせいで旅を中断して欲しくはない。
 相反する気持ちが心の中で乱れ飛び、その度にズキンズキンと
胸の一番奥が痛むような気がした。
「旅? ……ああ、そうだよねー。確かに旅は続けなきゃいけない
 わけだけど……でもまあ、骨休みも必要じゃん、旅ってさ!」
「……骨休み、ですか……」
「そーそー」
 彼女は私の心を知ってか知らずか、いつものように無邪気に笑う。
 その笑顔を見ていると、あれこれと悩んでいる自分が馬鹿らしく
なってきて、私も釣られて笑った。
「だから、シーちゃんさえ迷惑じゃなければ、もう少しここにいさせて
 もらおうかなー、って……駄目かな?」
「はいはい、わかりました。気が済むまでどうぞ」
「あ、何か怒ってる?」
「呆れてるんですよ……まったくもう」
 言葉とは裏腹に、私の顔から笑みが消える事は無い。
「うーん、呆れ顔もかわいいなぁ、シーちゃんは」
「言い忘れてましたけど……シーちゃんはやめてください! 私だって
 もうちゃんづけで呼ばれるような歳じゃないんですからね」
「へいへーい。わかりましたシイナさま!」
「……さま付けもやめてください」
 そんな風に会話を交わすだけで、沈んでいた心が弾むのを感じた。
 いつの間にか、胸の奥の痛みも消え去っている。
「……本当に、不思議な人ですね、ルクレシアさんって」
「何がー? ……ひょっとして、あたしのミステリアスな魅力に、
 シイナ姫はもうめろめろ!?」
「姫って誰ですか、もう! ……ホントに不思議な……いや、変な人ですね」
「うぉぉう、言い直されたっ!?」
「より適切な言い方にしてみました。……それじゃあ、私仕事に行ってきますね」
「あいあーい。変なお姉さんは留守番しとくよー」
 とりあえず、もうしばらくはこんな他愛の無いやり取りを楽しんで
いられそうだという事にホッとしながら、私は手を振りながら部屋を出た。
 背後の彼女が、どんな表情で自分を見つめているか、気づかぬまま。

続く

509: ◆91wbDksrrE
09/05/17 19:53:31 eePM9/Oy
ここまで投下です。

>>495-497の続きです。

まさかの続きな上にまさかの続くですが、続きがいつになるかは
さっぱり皆目検討がつかない事を前もって申し上げておきます。

>>500
ぶっちゃけ、ファーストインプレッションはアレです。

510:創る名無しに見る名無し
09/05/18 01:11:27 w7BFas3W
これは……なんという気になる引き。
ルクレシアの最後の一文に凄く不安を感じるんだけど
大丈夫……なのか?

511:創る名無しに見る名無し
09/05/31 01:14:35 dacvntzr
過疎……?

512:創る名無しに見る名無し
09/06/01 15:12:24 wxHYDvyr
もにゅもにゅ

513:創る名無しに見る名無し
09/06/03 00:41:00 r335euwN
百合小説って難しいよな
距離感とか

514:創る名無しに見る名無し
09/06/04 02:09:23 Mr0HZtyD
某RO百合小説だめかな。
専門の掲示板にも投稿しているんだけど、向こうは過疎で。

515:創る名無しに見る名無し
09/06/04 02:11:50 diwOqAT8
まあ、書くのが難しくて多少稚拙な物語になってしまっても、
持ち前の百合フィルターを通して見れば極上の百合ストーリーになってしまうのが不思議。

516:創る名無しに見る名無し
09/06/04 07:31:41 UQ7Wu8s6
妄想なら浮かぶんですけどね
作品という形にするのが自信ない

517:創る名無しに見る名無し
09/06/05 20:41:34 9IYE/QsS
俺の妄想が形になったら、全国の百合好きを唸らせられる……
そう思っていた時期が(ry

518:創る名無しに見る名無し
09/06/08 00:24:09 Cc1DJmm8
さあ早く形にするんだ

519:創る名無しに見る名無し
09/06/17 03:01:47 EWP4eTkn
百合は匂わす程度が良いかもね。
購買層の問題もあるから、踏み切れないかもしれんよ。

520:創る名無しに見る名無し
09/06/17 03:02:51 EWP4eTkn
なんという誤爆……

521:創る名無しに見る名無し
09/06/19 00:57:20 QBUqB4n8
魔女と女の子の話はあるかね?

522:創る名無しに見る名無し
09/06/19 19:38:56 O/ECiWTQ
ユー、書いちゃいなよ。

523:創る名無しに見る名無し
09/06/19 22:31:48 QBUqB4n8
昔、オリジナルストーリースレであらすじ投下したよ。
住民は主人公を男だと勘違いしたみたいだが。

524:創る名無しに見る名無し
09/06/25 23:56:14 Phs9tMIH
女の子が大好きな変態女キャラ
(ハァハァ言ってたり、女の子を見ると口説く。しかし、オチは大体バイオレンスなツッコミ)
がシリアスになる……という展開に燃える

525:創る名無しに見る名無し
09/06/27 14:22:04 Rt7Z2CTI
それなんてじゅんじゅん
大好きだ

526:創る名無しに見る名無し
09/06/27 14:41:51 mRmlWE7E
まりあほりっく思い出した

527:創る名無しに見る名無し
09/06/27 15:43:51 G8rqurRk
>まりあほりっく

ダウト

528:創る名無しに見る名無し
09/06/28 11:52:34 l20F6jvn
ああ、変態両刀使い忍者か

大好きですww

529:創る名無しに見る名無し
09/06/29 06:13:21 xl+My2HV
白井黒子とかー

530:創る名無しに見る名無し
09/07/05 17:34:31 w3GybWWf
ヒャッコでも居たな

531:miki ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:18:45 4vc12yyP
はじめまして。

今日、いわゆる臓器移植法の改正法案が国会で成立したたようですね。

ところでみなさまは、以前このスレに投下されていた、
難病に倒れた少女、咲夜の物語をご存知でしょうか。

>>115-119
「いばらの森奇譚」
>>207-212
「副委員長とあたし」
>>246-249
「初冬のひととき/終わりの始まり」

本日は改正法成立にちなんで、今から一次創作のSSを投下いたします。
咲夜と美希の出会いを、今度は美希視点から書いたものです。

あまり詳しくは書けませんが、これを公開するにあたって、
いちおう関係者からの許諾はいただいてます。

それでは10スレほどお借りいたします。
お楽しみいただければ幸いです。

532:あいいろ魔法少女(1) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:25:30 4vc12yyP
恋だとか。
魔法だとか。
もしくは正義だとか。

ばかばかしい。

そんなのはおとぎ話かただの妄想。
さもなければ精神疾患の一種。
本気でそう思っていた。

そう、あの日の放課後までは。
あの霜月の放課後までは。
本気でそう思っていた─

――――――――――――――――――

 『あいいろ魔法少女』

――――――――――――――――――

「……とか言ってるわけよ」
「何それっ、ありえねー。超ウケるンすけど」
「でしょでしょ。あ、それからさぁ……」

今日も放課後がやってきた。
義務教育という名の拷問を終えた私は、何人かの友人たちと、
うそ寒い学校の廊下を通り抜けて玄関へと向かっていた。

窓の外にはどんよりとした曇り空が広がっている。
地平近くに広がる山並みは今まさに紅葉の盛り。
季節は晩秋、いやむしろ初冬と言ったほうがいいだろうか。

霜月。
それは中学生になって初めて迎える、長く辛い冬の到来を予感させる呪文。

しかたないじゃない。少しばかり感傷的になったとしても。

疎ましい。
何もかもが疎ましい。
気の置けない友人たちのさえずりでさえ、ただひたすらに疎ましい。

「そういやさ、隣のクラスに転入生来たらしいけど、見た?」
「別に興味ないけど。ひょっとしてイケメンとか?」
「残念、女の子だよ。ただこれがめっちゃ可愛いんだって」
「……ひょっとしてあんた、そーゆー趣味あるんじゃなかろうな」
「それが彼氏持ちに対する反応かよ。これでも私は浮気はしない主義なんだぜ」
「リア充氏ね」

ひときわ高い笑い声が巻き起こる。


533:あいいろ魔法少女(2) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:30:06 4vc12yyP

何組の誰某がうちの組の何とかに気があるらしいとか。
今年の冬はどんな服がはやるらしいとか。
今日も数学の教科担任はキモいとか。

そんなどうでもいい話が右から左へと流れては消えていく。

─くだらない。

たとえば今の日本の首相が何と言う名前なのか。
たとえば九一一事件が起きたのが西暦何年なのか。
たとえば昨日一日で何人の人命が地球から失われたのか。

この子たちはおそらく、いや確実に知らないのだろうな。

このように、私と彼女たちの間には一生を費やしても決して乗り越えられない、
山のように高く険しい、そして海のように広くて深い断絶が横たわっている。

しかたないじゃない。少しばかり感傷的になったとしても。

ひょっとして、束縛から解き放たれた開放感と倦怠感にあふれているはずの
玄関の向こう側に、何か妙な空気を感じ取ってしまったのは、
そんなやるせない思いを抱えていたからだろうか。

その気配に気づいたのとほとんど同時に、
名前も知らない何人かの男子が私たちの間をすり抜けて、
口々に何かを叫びながら玄関の方に走り去っていく。
そのうちの単語の一つが何故か耳に残った。

ケンカ、ですって……?

534:あいいろ魔法少女(3) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:36:00 4vc12yyP

  ◇

開放された玄関から流れ込んでくるヒヤリとした空気に混じる甲高い声、いや、叫び声。
神経がささくれ立ち、胸が悪くなる感じを覚える。

手早く玄関で外靴に履き替え、状況を確かめるために私は外に出た。
わざわざ探し出すまでもない。出入口からそう離れていない校庭の一角から、
すでに無視するのも難しい喧騒が響いてくる。
それをぐるりと取り囲むように人だかりが出来ていた。
三十人、いや、四十人はいるかも知れない。

騒ぎの正体を確かめるべく、私はギャラリーをかき分けて前へと出る。
その中心では二人の女子が口論の真っ最中だった。
いや、その認識はあまり正しくない。
その片方だけが一方的に喚き散らしていたのだった。

一人は三年の先輩。

顔に見覚えがある。確か女バレ─女子バレー部─の元キャプテン。
身長一八〇センチを優に超える巨躯。
おそらくは骨と筋肉だけでできているであろう頑丈そうな身体から、
ごつい手足がにょきにょきと生えている。もし制服を着ていなければ、
男子だと言われても信じてしまいそうだ。
もっとも、あれはいつだったか、部長会議での短い質疑応答だけで、
頭の出来が残念賞だということはすぐにわかってしまったが。

もう一人は見知らぬ制服を着込んだ少女。

「おやおや、例の転入生だ。早くも人気者みたいだね」
誰かが私の耳元でささやくのが聞こえた。
自然、私の眼が吸い寄せられることになる。

535:あいいろ魔法少女(4) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:40:56 4vc12yyP

先輩の胸ほどしかない身長だが、精いっぱい背筋を伸ばして相手を
見上げている。それはそれはとても小さく可愛らしい顔だった。
ほんの少しだけブラウンの入った黒髪を惜しげもなくショートカットにしている。

スレンダーな身体にまとっているのは、
鮮やかなまでな藍色で染め上げられたベレー帽、
胸元に校章らしいエンブレムが縫い取られたパレオ、
膝丈くらいの長さのインバーテッドプリーツのスカート。

そこから伸びているのは黒タイツで包まれた
バレリーナのように細くて形のいいふくらはぎ。
そしてとどめはきっちり磨き上げられた黒のローファー。

それらの全てがまるで一個の芸術作品のように、
見事なまでの調和美を見せていた。

おまけに横顔はまるで人形のように端正だ。
どちらかというと柔らかな色をはなつ大きな茶色の瞳。
すっきりと通る鼻すじ。
そして和菓子細工のような繊細で薄い桜色の唇。

唯一違和感を感じたのは右手に握られた鈍い銀色を放つ杖の存在だ。
だが、普通なら雰囲気ぶち壊しになってしまう実用本位のデザインなのに、
彼女がそれを持っているというだけで、
いにしえの大魔法使いのマジックアイテムのように思えてくる。

よく陳腐な表現で、ポスターやグラビアから抜け出してきたような、
などというのを見聞きすることがある。

だけど断言しよう。彼女の容姿を言い表すにはその程度ではとても足りない。

なぜなら、クラスメイトたちは論外として、この学校全体や
このあたり一帯はもちろん、
たとえ比較の対象がタレントやモデルやグラドルであったとしても、
これほどまでに圧倒的な存在感を放つ美少女には
お目にかかったことがないからだ。

536:あいいろ魔法少女(5) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:45:44 4vc12yyP

その事実は、田舎の中学でお前はAだの私はSだのという
醜いスクールカーストの順位争いで勝ち上がってきた、
この私の小さなプライドを粉々に吹き飛ばすのに
充分すぎる威力を発揮したのだった。

その私のなけなしのプライドのかけらが最後の抵抗を試みている。

─たかが田舎の中学に登校するのにあんな超本気モードはないだろ。
─あれじゃ上級生に目をつけてくれって言ってるようなもんじゃない。
─何が原因でこんなことになったか知らないけど少しくらい空気読めよ。

ま、その言い分にも一理あるか。
それだけ確認してから以後は一切耳を貸さないことにする。
反省会は家に帰ってからだ。

それにしてもこの見事なまでの好対照ぶりはどうだろう。
なんとなく旧約聖書のダビデとゴリアテを連想してしまう。
依然として先輩は聞くに堪えない罵詈雑言を吐き出し続けているが、
一方の少女はまったく反論するそぶりを見せようとしなかった。

ふと奇妙な違和感を覚える。

逃げるでもなく相手するでもない。
彼女はいったい何を考えているのだろう。
まさか必殺のスリングを放つタイミングを計ってる、とか?

しばらく事の成り行きを見守っていた私は、
泰然とたたずむ少女の口元にかすかに笑みが浮かんでいることに気づいた。
それに対して烈火のごとく怒り狂う先輩にはそんな余裕は微塵も感じられない。

追い詰められているのは果たしてどちらなのだろうか。

537:あいいろ魔法少女(6) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:51:02 4vc12yyP

  ◇

とうとう先輩の息が切れた。
肩を大きく上下させて呼吸を整えている。
一方の少女はと言えば、あたかも見知らぬ虫を観察する昆虫学者のように
先輩を冷ややかに見つめていた。

「な、なんとか言ったらどうなの!」
沈黙に耐えられなくなったのか、たまらず先輩が吼える。
それを聞いて、初めて少女が可愛らしい唇を動かす。
そこから、誰もが想像もしない言葉が飛び出した。

「ふーん、背だけじゃないんだ。デカイのは」

にこりと少女が笑う。見かけはあくまでも天使。だが中身は恐るべき悪魔。

─まるで呪文のように。

しばしの静寂ののち。
ギャラリーの一人が堪えきれずに吹き出し。
それをきっかけに爆笑のうねりが巻き起こった。

少女が、先輩の身体と声と態度の大きさを皮肉ったのは
火を見るよりも明らかだったから。

たったの一言で形勢は逆転した。

「な、何が可笑しいのっ!」
先輩が顔を真っ赤にして周りに向かって喚き散らすが、
その愚かな行為はただ笑いの火に油を注いだだけだった。

「こ、の、チビッ。いい気になってんじゃないよっ!」
完全にブチ切れた先輩が少女に掴みかかる。あまりの体格差。
あれじゃひとたまりもない。止めなくちゃ。ひねり潰されてしまう。
私はしかし、とっさの事態に一瞬だけ反応が遅れた。だめ、間に合わない。
そう思ったのと同時に、

周囲に異変が起こった。

538:あいいろ魔法少女(7) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 20:55:24 4vc12yyP

少女と先輩以外の世界が静止する。
全ての色が、音が、香りが完全に失われる。

灰色に染まった少女が左手を頭の高さに振り上げる。
先輩の太い腕が苦もなく弾かれる。
そのまま滑るように細腕が横へスライド。
ごつい左手の甲を包むように握る。
同時に左足が右足後方へ。
少女の身体が半分回転。
そのまま左腕を思い切り振り降ろす。

先輩の足が見えない何かに薙ぎ払われる。
身体がくるりと上下に反転。
両の足先が少女の頭よりも高く跳ね上がる。
そのまま背中から大地に叩きつけられる。

刻が動き始める。ゆっくりと。
世界が再び色彩を帯びはじめる。

おそらくは一秒にも満たない時間の間に事の全てが終了した。
付近一帯に響き渡るかのような大音響と地響きに、
ようやく現状認識が追いついてくる。
でも、この眼で見ていたはずなのに、とうてい受け入れられない光景に
驚愕の念を覚えてしまう。
これは映画でもCGでも、もちろん幻や妄想でもない。

吹けば飛ぶようなか細い少女があの先輩の巨躯を左手一本で投げた。
予想もしない事態に、かたずを飲んで見守っていたギャラリーの誰もが震撼する。

だが、まだ悪夢は続く。

追い討ちをかけるように少女が先輩の左腕を異様な形にねじり上げていく。
先輩の口からとうてい人間のものとは思えない悲鳴、いや絶叫が吐き出される。
なんとかその状況から逃れようと必死になってのた打ち回っている。

しかし少女の動作にはまったく情け容赦が感じられない。
先輩の身体が操り人形のように仰向けからうつ伏せに。
その身体をまたいで少女が仁王立つ。
倍近い体重差などまるで感じさせない。
彼女から放射されるすさまじいまでの暴虐。
思わず私は全身に鳥肌が立つのを感じていた。

539:あいいろ魔法少女(8) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 21:00:25 4vc12yyP

クスクスと笑いながら少女が口を開く。

「そんなに暴れると腕が折れちゃいますよ」
さらりと恐ろしいことを言う。

「それとも、いっそのこと折っちゃった方が世の中のため?」
その天使のような微笑とは裏腹に、彼女の眼にはあまりにも酷薄な光が宿っていた。

─この娘、マジだ。

この場にいる誰も彼女を止められない。

そう、ただひとり。この私を除いては。

そう確信した瞬間、ようやく私の口から静止の言葉が飛び出した。
「ねえ、今日のところはそのくらいにしておこう」
「どうして止めるの?」
きょとん、とした表情を少女が浮かべる。まるで小さな子どもが昆虫の手足を
バラバラに引きちぎるのを押し留められたような風情だ。
何一つ理解していないその態度に、少しばかりイラッときてしまう。

─莫迦かお前。
─あんたのためだよ、あんたの。

『誰だよアイツ』
『お前、知らないのか? あいつ、花菱だぜ』
『花菱って……あの花菱か?』
『そう、あの花菱さ』
『マジか、あれがそうなのか』
『へへへ。なんだよ、意外に……』

軽く唇を噛んで心の中でいつもの呪文を唱える。
こそこそと物陰でさえずる事しかできない愚鈍な連中の声など、
私の心には決して届くことはないのだ、と。

540:あいいろ魔法少女(9) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 21:06:30 4vc12yyP

「転校初日に、そんな莫迦のためにみすみす停学処分なんて食らう必要、
ないんじゃない?」
「そっかなー。これって立派な正当防衛だと思うんだけど」
「押さえ込むまでならね。でも無抵抗の先輩の腕を折ってしまったら、
それはもはや過剰防衛でしょう」
「でもこの人の存在って、将来の禍根そのものだよ」

聞き分けのない幼児を辛抱強く諭す母親の気持ちが少しだけ理解できた気がした。

「それがあなたの正義なの。まるでブッシュみたいな言い草ね」
「マンネルヘイム元帥にも同じことを言ってみたら?」
「確かフィン軍はナチのレニングラード侵攻要請を拒否したはずだけど」
カール・グスタフ・マンネルヘイム。
北欧の小国を超大国の侵攻から守り抜いた不屈の英雄。
残念ながら私の知識も彼女には及ばなかった。
これ以上追求されたらもう対抗できない。どうする。適当に話をそらすか。
いやだめだ。他の莫迦相手ならともかく、こいつにそんなハンパな手は通用しない。
負けを認めたも同然だ。それでは彼女を止められない。じゃあどうすれば……。

ふっ。

一瞬の逡巡ののちに少女が笑みを浮かべた。
さきほどまでとはまったく異質な、何一つ屈託の感じられない笑顔を。

─見透かされた……?

「先輩、運がいいですね。こちらの方のおかげで大怪我しないですんだみたいだから」
そういえば、私は彼女の名前すら知らない。

「花菱、花菱美希。覚えておいてくれると嬉しい」
「私は咲夜。柊咲夜。別に覚えてくれなくてもいいよ」
そう言い捨てると、彼女─柊咲夜は、
なおも低い呻き声を上げ続ける先輩の腕を地面に放り出し、
杖を頼りに校門の方に歩き出す。
私に出来たのは、その後ろ姿をただ見送ることだけだった。

雲が切れた。
すき間からほんの少しだけ藍色の空が顔をのぞかせ、
弱々しい陽の光が地上に一筋の柱を突き立てる。
唐突に、そこから彼女が空へと帰還するイメージが思い浮かんだ。

541:あいいろ魔法少女(10) ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 21:11:19 4vc12yyP

恋だとか。

「ちょ、なにあれ」
「あの態度。サイアク」

魔法だとか。

「……ねえ花菱、大丈夫?」

もしくは正義だとか。

「え……あ、うん。なんでもないよ」

そんなのはおとぎ話かただの妄想。
さもなければ精神疾患の一種。
本気でそう思っていた。

放課後までは。
ついさきほどまでは。
本気でそう思っていた。

でも今は違う。

あの少女の傍らに立ちたい。
あの少女と共に肩を並べて歩きたい。
あの少女にふさわしいと言われる人間になりたい。

─何よこれ。何なのよこれ。

恋なのか。
魔法なのか。
もしくは正義なのか。

わからない。

確実にいえることはただひとつ。
ほんのわずかでも気を緩めたら最後。
身体の奥底でうごめく正体不明の感情に。
ひとたまりもなく流されてしまうに違いなかった。

─まるで恋する乙女のように。

(Fin)



542:miki ◆v6ZgoGYinIDM
09/07/13 21:12:16 4vc12yyP
以上です。

ありがとうございました。

543: ◆YURIxto...
09/07/21 18:24:45 pvmVjmfB
―君が望むなら、ヒーローにだって何だってなる
  だけど私が本当に与えたいのは、多分そんな力じゃなくて


「…どっちが悲しいかな」
「へ?」
ニュースを垂れ流しているテレビの前で、美幸はぽつりと呟いた。
「ふっといなくなってそのまま永久に戻らないのと、死体になって会えるのと」
私は一瞬、美幸が何を言っているのかと思ったが
それが数分前に流れていた「行方不明の報道」について語っているのだと見当がついた。
「そりゃあ…」
考える振りで、少しの沈黙を置く。答えなんて決まっていた。
「どっちも悲しいんじゃないの」
私の答えを聞いて、美幸はつまならなそうに頷く。
それは美幸の中でもわかり切ってる答えだった。
「だから聞いてるの
 どっちの方がより悲しいかって」
「またどうしたの突然…」
真面目な顔をして聞いてくる美幸に、私は困り果てた表情で応えた。
そういう難しい話は苦手だ。
自分自身の中で芽生えた疑問にすら知らぬ振りをする私に、美幸の疑問は手に余る。
そういう面倒くさがりな私と共にいて、美幸の方こそ面倒じゃないのかといつも思う。
それでもどうして私といてくれるのだろう、というのが
私の中で知らぬ振りをしている疑問の一つでもあった。

544: ◆YURIxto...
09/07/21 18:26:43 pvmVjmfB
「どうでもいい事聞いてるって思ってるでしょ」
こたつに入ったまま寝転んでいる私に顔を近付けて、美幸は問い詰めてくる。
「別にそんな事っ…」
口調が突っ返すように荒くなったのは、吐息がかかるほど顔を近付けられたせいだと思う。
家が近くて同じクラスで、いつも一緒にいるだけの彼女の顔が近くなっただけで
何故焦らなければならないのか。
美幸といると私の中で生まれる疑問に際限がない。
そんなもの、いちいち考え込むよりも知らぬ振りをする方が一番に決まっているのだ。
「ただ、考えても仕方ない事じゃないの?」
私は起き上がると、こたつ一つ分の距離に戻った彼女の瞳に向かって問いかけた。
「仕方ないかもしれないけど…でも大事なことだと思うの」
「どういうふうに大事なの?」
一旦伏せていた瞳がもう一度私を見つめ返した時
それは今まで見た事ないほど真剣で真っ直ぐなものだった。

「私は今、冬子と一緒にいられる事をすごく大事に想ってる
 誰かと一緒にいる、って事はすごく重大な事で
 その誰かがいなくなってしまう、って事も同じだけ重大な事なんじゃないかなって
 一緒にいる事と、そうでなくなる事は表裏一体のように思うから…だから
 今一緒にいるなら、いなくなる事も考えなきゃいけないんじゃないかな」
難しい事を並べていた。言葉ではなく、難しい事柄だ。
例えば今、共に暮らしている両親が死ぬ事なんて私は考えたくない。
いつか訪れるに違いない事。
でもまだ中学生の私は、それを遠い国の話のように思っていたかった。
少なくとも、今だけは。

545: ◆YURIxto...
09/07/21 18:27:55 pvmVjmfB
「表裏一体なんかじゃない」
美幸の中で浮かび上がる疑問や考えに敵う言葉なんて私に思いつくはずもない。
だけど美幸がさっき述べた言葉の中で一つだけ、私が否定しなければならない事があった。
「私は行方不明になったりしないし、死んだりなんかしない」
「無敵のヒーローみたいな事言う…」
半ば飽きれたような笑いを浮かべる美幸が勘に障った。
例え明日、自分自身が行方を彷徨う事になっても、命を落としたとしても
私は今、紛れもなく心からの言葉を並べていたのだ。
「それが無敵のヒーローなら、私は無敵のヒーローだっ」
そこまで言うと、私は先程までと同じようにコタツの中に入ったまま寝転んだ。

背中を向けた私に、美幸は肩に手を置けるほどそばまで寄ってきた。
「冬子?怒ったの?」
決まり切っている問いを尋ねてくる美幸がわざとらしくて、私は黙り込む。
「ごめんね、別にいじわるでこういう話をしたわけじゃなくて…
 私は冬子にちゃんと確認しておきたかっただけなの」
「…何」
私が半分だけ振り返ると、美幸は母親みたいな顔をして笑い掛けて来た。

546: ◆YURIxto...
09/07/21 18:29:32 pvmVjmfB
「私が…私が冬子より先にこの世からいなくなる時は
 ちゃんと冬子に、私の死に顔を看取ってほしいの」
「なに、それ」
「今すぐの話じゃないと思うけどね
 だけど一応希望は早めに伝えて置いた方がいいかなって」
笑った顔のまま美幸は淡々と口にする。
まるでそれが何も悲しい事ではないかのように。
「いやだ、私は美幸が死ぬところなんて見たくない」
考えただけで涙が溢れてきてしまいそうな話に、頷いたりなど出来やしなかった。
そんな話を、何故美幸は笑って口にする事が出来るのだろうか。
「…そう言うと思った
 じゃあ冬子は私が行方不明のまま帰って来ない方がいい?」
「なんでそう…そんなのいやに決まってるじゃん、私は…私は、どっちも絶対認めない」
美幸はまた飽きれたような笑いを見せた。見せながら、私の頭を撫でた。
「しょうがないなぁ冬子は…」
呟いた言葉は弱弱しく、どこかいじらしかった。
まるで明日にもこの指先を失ってしまうのではないかという儚さがあった。
私はたまらなくなって、起き上がりその指を強く掴んだ。
「私の事、子供だと思ってるでしょうっ!」
美幸は驚いた様子で目を丸くする。
私の中には先程から怒りが渦巻いていて、それは今まで感じた事ないような類の高ぶりだった。

547: ◆YURIxto...
09/07/21 18:30:29 pvmVjmfB
「怒るに決まってる…さっきから何、なんで私が美幸の前からいなくなる事になってんの
 いなくなるわけないじゃん!私はずっと…ずっとそばにいるのに
 美幸のそばにいられるなら、美幸が生きてそばにいてくれるなら
 無敵の…不死身のヒーローだって何だって、私はなるのに!」
子供じみた事を言ってると自分でもわかっていた。
けれど自分の気持ちを伝える為に、それ以外の言葉は思いつかなかった。
「…やだもう、泣かないで」
美幸は私が掴んでいない方の手で、私の頬に触れてきた。
「泣かしたのは美幸じゃん!」
私は突き放すように美幸の手を離し、両手で自分の頬を拭った。
止め処なく溢れてくる涙を必死に隠していると、美幸はまた私の頭を撫でた。
やっぱり子供だと思ってる、と涙の裏で思った。

「こんなふうに泣くんだってわかってても、でも私はやっぱり冬子に看取られたい」
美幸は私の頭を撫でながら続けた。
「私が生きてる時間も、死ぬその瞬間も、全部冬子のものにしたいから…」
その言葉を聞いた時、私の涙は引っ込んだ。泣いてる場合ではなかった。
「なんだそれ、美幸の時間は…全部美幸のもの、じゃないの」
涙の後だったせいか、私はもごもごと言葉を並べていた。何故だか顔が熱くて仕方なかった。
「私のものである時間を、全部冬子にあげたいと思ってる」
「そ、それって…」
まるでプロポーズじゃないか、と私は続けようとした言葉を仕舞い込んだ。
また笑われるような気がしたからだ。
けれど私が言葉を閉まったまま黙っている間、美幸はただ真剣に私を見つめていた。
思えば私が先程並べた言葉だってプロポーズと何ら変わるところがない。
私は真剣で、美幸も真剣だった。
私は私なりに返事を返さなければならなかった。

548: ◆YURIxto...
09/07/21 18:31:27 pvmVjmfB
「おばあちゃんになるまで一緒にいてくれるなら、いいよ…看取っても」
美幸はホッとしたように表情を和らげて、それから少し意地悪そうな目をして尋ねてきた。
「ほんとに一緒にいてくれる?婚姻届も何もなくても」
「なっ…」
ただでさえ熱い顔が、まるで火を噴くようだった。胸はそれ以上に熱かった。
美幸の言っている言葉がもし冗談だったとしても、私は自分自身を留める術を知らなかった。
もしも笑われたら、この胸の熱さが勝手に並べた言葉という事にしよう。
それは限りなく真実に近い言い訳だった。
「婚姻届なんて、そんなのただの紙切れじゃん
 そんなもの…そんなものよりもっとすごいの、私は持ってる」
「すごいのって?」
聞き返されて戸惑った。それは、この心だとしか言いようがなかった。
その真意をどう表したら正確に伝わるかがわからなくて、私は私の心に問いかけた。
この心は、言葉ではなく一つの現象へと私を導いた。
「…!」

549: ◆YURIxto...
09/07/21 18:32:20 pvmVjmfB
その瞬間、私の思考は停止していた。
味わった事ないほどの柔らかな感触だけが、私と美幸の唇が重なっている事を証明していた。
唇を離した時、ようやく過ぎってきた思考で馳せていたのは体中が熱いという事だった。
そしてそれは、唇を通して美幸から伝わってきたもののように思えた。
人前で取り乱した事のない美幸が、私以上に顔を赤らめてそこにいたからだ。
今にも泣きそうで、でもそれを堪えているような、そんな必死な顔をしていた。
私の知らない美幸の表情をもっと知りたいと、その時私ははっきりと望んだ。
「…確かに…すごいね」
美幸はようやく唇を開くと、上擦った声で感想を述べていた。
そしてそれ以上言葉を続ける事なく、私自身も言葉を必要としなかった。
唇一つで、お互いの全てを知り得る事が出来たのだ。
何故美幸はこんな私と共にいてくれるのか
ついさっきまで謎のままだった疑問も、今なら解く事が出来る。
ずっと一緒にいたいと、お互いの願いが一つに重ねられているから
いつまでも離れずにいられるのだ。

550: ◆YURIxto...
09/07/21 18:33:25 pvmVjmfB
照れ臭そうにお互いの視線を避けてしばらく
美幸が吹っ切れたような満面の笑みを見せながら、私に向かって小指を差し出してきた。
「約束ね」
私は引き寄せられるように同じ小指を差し出し、美幸のものと絡める。
その約束は、間違いなく私の方こそ望んだものだった。
「早死にしたら、許さないからね」
指を絡ませたまま私は、半分脅すような口調で美幸に呟いた。
「うん!」
明日どうなるかも知れない事、永遠がない事、私達は知っていた。
それでも心は繋がっていく。約束は交わされていく。
永遠を信じた時間にこそ永遠は存在したと
後になって思う事が出来るのではないかとその時過ぎった。
そしてその永遠を想う時、私の心には美幸がいてほしい。


たった一人の誰かを想い続ける事は
ヒーローみたいな超人の力をも凌ぐものだと今、信じられるから。

551: ◆YURIxto...
09/07/21 18:34:27 pvmVjmfB
以上です
失礼しましたm(_ _)m

552:創る名無しに見る名無し
09/07/21 18:39:35 rS/gIVbO
ひさしぶり~!
相変わらず結構なお手前でw乙でしたww

553:創る名無しに見る名無し
09/07/24 13:11:29 Lz/faMGg
>>542

美希視点からの話は興味深いと思う
できれば二人がどうやって仲良くなっていくのかも読んでみたい

# しかし、やはり彼女は間に合わなかったのだろうか…

554:創る名無しに見る名無し
09/08/10 15:01:02 pHYxmB04
保守
なかなか暇ができなくて書けない


ここって絵でも大丈夫なんだっけ?

555:創る名無しに見る名無し
09/08/10 16:23:19 igd5JfFq
もちろんおk!

556:創る名無しに見る名無し
09/08/22 01:57:14 EAfzJfAB
見易いようにまとめでもつくってみようかと思ったけど
後に残るのがよろしくないとかで、まとめは遠慮したい・・・とかあるかな

557:創る名無しに見る名無し
09/08/27 23:09:14 C/gHGne7
俺は一つも投下してませんが
まとめが欲しいであります!

558:創る名無しに見る名無し
09/08/29 23:47:11 U1NBw+Tc
URLリンク(www1.axfc.net)

予定としてはこんな感じに
希望はあるようだけど、やっぱり作者さんら次第だからなぁ・・・
もうしばらくお待ちします

559:創る名無しに見る名無し
09/09/10 13:11:42 Ku/JF2ea
>>558
すまん。俺、2ちゃんの流儀とかよくわからんのだが、
要するに「まとめ掲載おk」とかって作者さんから返事がくるのを待ってるのか?


560:創る名無しに見る名無し
09/09/10 22:13:47 nccN+Qyb
今のところね
糧に保管してもいいものか若干気が引けるもんで・・・
それとも先に保管だけして、要請があれば即刻外すといった形のほうがいいかな?

561: ◆91wbDksrrE
09/09/10 23:01:20 t/eLaKeY
そういう形で構わないんじゃないかな。
そもそも、書いた人が俺みたいにここ見てるとは限らないし。
ちなみに、俺は保管全然構わないっすよー。

そろそろ何か考えるかな。

562: ◆91wbDksrrE
09/09/10 23:03:00 t/eLaKeY
ああ、俺みたいにここをずっとチェックしてるとは限らないから、
保管了解得ようとしても難しいんじゃないか、って事ね。
何かチェックしてないんだから勝手に保管しちゃえって
言ってるように見えちゃうかもしれないので、一応w

んで、後々チェックしてもらった時に、何か問題があるって事なら
速攻外してあげられるような態勢だけ整えておけばいいんじゃないかな。

563:創る名無しに見る名無し
09/09/11 00:46:08 qo6N6tl1
色々意見どうもです
一応形にはなりましたのでご報告
URLリンク(ameno-ji.srv7.biz)

広告の関係上、レイアウトがやや乱れてるのはご愛嬌と・・・

564:miki ◆v6ZgoGYinIDM
09/09/14 21:34:52 ulmRaSkR
すっかり反応が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。

>>563
まとめ作業ごくろうさまです!
なお、miki◆v6ZgoGYinIDMとsakuya◆GtV1IEvDgUの作品は、ぜんぶ保管OKです。
よろしくお願いいたしま~す。

>>559
わざわざご連絡いただきまして、ありがとうございました。


565:創る名無しに見る名無し
09/09/15 21:51:06 wvUd6qdn
慎重になりすぎたせいかいろいろご面倒かけてしまったようで・・・
皆様ありがとうございました
とりあえずは今の体制で進めていきたいと思います

自分もなにか仕上げなきゃなぁ・・・

566:創る名無しに見る名無し
09/09/17 01:52:46 oRGh/ZhA
ちなみに俺は書いてるけれど筆が進まなくなった。
プロットから外れたのが痛いわ……。

567:創る名無しに見る名無し
09/09/22 20:09:55 nCIEpkjD
>>523さん
どうしようもなく亀ですが…
ちなみに、どのレスですか? もし差し支えなければ、お教え願いたいです

あのスレは結構面白そうなプロット落ちてるのに、
あまりSS化されてないっていう
実に、もったいないことです

568:創る名無しに見る名無し
09/09/30 18:40:19 V3EBt3J9
女が書く百合でもおk?


569:創る名無しに見る名無し
09/09/30 23:46:00 Ag5Mlndn
むしろ大歓迎

570:創る名無しに見る名無し
09/10/03 18:51:25 QE0XwJhM
>>567
ストーリースレの>>36だよ。塀の中の女の子の話。

571:創る名無しに見る名無し
09/10/03 18:52:33 QE0XwJhM
間違えた。sage。

572:創る名無しに見る名無し
09/10/03 20:15:13 dlgoLwLy
>>570
ありがとうです! この書き込み、ageてなかったら気付かなかったわ
ナイス間違い

たしかに、プロットの時点で「少年」「男性」とは明記していないな
でも、工具持って酒も飲めてワルい連中とも付き合ってる…
となったら、女性は思い浮かばないかも


あのプロット、すごく面白そうじゃないですか?
住人もいろいろアイデア出して…

…でも、あれかな。
いや、これ以上書くのは、例のスレが適切かな



573:創る名無しに見る名無し
09/10/05 02:19:44 6eu0fanw
>>ワル~
少し柔らかめにすればいいんじゃないかな。プロットだし、変更は可能よ。
要は下町の人情溢れる生活能力のある元気娘と、おっとりおっとりお嬢系の百合だから。

他にも
「おっとりお嬢が話してくれた『魔女の昔話』に出てくる『魔女』が彼女の正体」
とか設定をくっつければ、面白くなるんじゃあないかい。

574:創る名無しに見る名無し
09/10/10 20:08:14 afqSchkN
空から女の子が降ってくるドタバタラブコメの主人公を女の子にして
居候もガンガン増えるけど女の子ばかり……

575:創る名無しに見る名無し
09/10/17 20:08:42 VnurbeFn
過疎

576:創る名無しに見る名無し
09/10/22 20:11:55 fGELFIdw
ほしゅ

577:創る名無しに見る名無し
09/10/27 15:03:44 OGtG2y2r
どうも私は口下手で困る
つまりは保守ということだ

578:創る名無しに見る名無し
09/11/03 11:47:35 23JVmEYl
「藍しゃま」
「なんだい橙?」
秋空の満月の下、縁側で二人は暖かいお茶を飲んでいた。

「愛する・・・ってなんですか?」
「・・・どうしてそんなことを聞くの?」
「先生から聞きました。愛するとは、本当は男と女がするものだと」
「・・・そうだね」
「でも、幻想郷には男の人がほとんどいません」
「・・・そうだね」
「それに、私は藍しゃまが好きです。これって変なんでしょうか・・・」
藍は何も言わず、そっと橙を抱き寄せた。
「・・・藍しゃま、暖かい・・・」

月がただ静かに、二人を照らし続けていた・・・

579:創る名無しに見る名無し
09/11/05 00:01:06 bWQePWp/
アヤシロ が 1 たい でた
アヤシロ は こうふん している

「ナミちゃん、愛する……って分かりますか?」
「あいす……?」

ナミ は こんらん している
アヤシロ は ナミ を みて 90 かいふく
アヤシロ の ATK が あがった
アヤシロ の ATK が あがった

アヤシロ は うむをいわさず おそいかかって きた !

580:創る名無しに見る名無し
09/11/07 17:24:35 St86hmQh
仕事が終わったら本気(ry

581:創る名無しに見る名無し
09/11/10 23:19:27 3gbDGC+0
 ギルドに配属になったA。「手先の器用な貴女なら、難なくこなせるだろう」と親友B
から紹介された。Aは針や糸、糊を使った小物の工作が得意で、いつかは自分の店を持つ
ことが夢だった。機織りの母一人の下で育ち、早く楽をさせたいと始めた工作だったけれ
ど、それがこうじて技術を身につけ、大人も真っ青の一品を作ることが出来る。
 毎日を精一杯に過ごすA。ギルドにも、やっと慣れて、持ち前の器用さを利用して、上
手く立ち回っていた。

 ある日、街に「魔女」の噂が立ちはじめる。魔女は人物の影を奪い、奪われた人は影を
追う様に「館」を目指してフラフラ、糸の切れた人形のように歩きだすのだという。魔女
が影を奪う理由も、目的も分からない。そもそも犯人が女なのかも分からない。それでも
「魔女」の存在はまことしやかに囁かれ、ギルドの噂好きも好奇から聞き耳を立てていた。
 親友Bの影が盗まれたのは、そんな時だった。

582:創る名無しに見る名無し
09/11/12 12:55:45 12Uik0aZ
保守age

583:創る名無しに見る名無し
09/11/14 12:58:11 x2quh10t
窓を叩く雨の音は段々と強くなっている。
ぽつん、ぽつんとしたまばらなリズムが少しずつ速く、強く、不規則に、ざざざざざざざと大きな音を立て始めるのにそう時間は必要無かった。
風が通るからと少しだけ開けていた窓の隙間も、今はもうぴたりと閉じられている。
雨のせいか湿り気を帯びた空気が肌に纏わりついてくるのが少しだけ不快だ。
狭い部屋の中に、二人分の体温。外は少し肌寒いくらいだったが、閉め切った室内では互いの肌の温もりだけで、十分すぎるほどに心地よい。

「……雨、だねぇ」
「だなぁ」
「んー、雨の日ってさ、濡れるから外に出たくないなーっていう気持ちと、外に出て濡れたいなーって気持ちと、そういうのがせめぎ合う感じだよね」
「かもな」
「……なんでそんなうわの空なの」
「あー、あー、そんなムスっとした顔をするな」
「だって……なんだか最近、いつもそんな表情(かお)してる。何か、あった?」

心配げにこちらを覗いてくる瞳は、透明度100。
綺麗なものだけを見て育ったら、こんな瞳になれるのだろうかと、ふと思う。
同じ女性の目から見ても彼女はとても可愛らしい。
お世辞にも恵まれたボディラインというヤツとはかけ離れた体型をしているものの、幼さを残した体躯は思わず抱きしめたくなるほどに庇護欲をそそられる。
軽く毛先がカールした栗毛はふわりと軽やかで、いつまで撫でていても飽きない。

「何でもないよ」

そうやって、誤魔化しの言葉を投げる。彼女ならすぐに嘘だと気付いてしまうと分かっていても、それでも私は嘘を吐いた。
嘘だ、と彼女は抗議の声を上げた。半ば非難を交えた視線が私を射抜く。
そんなにまじまじと見られたら照れてしまう、などと歯の浮くような台詞で、彼女の関心を遠ざけようとするポーズ。
そのポーズも、嘘なのだ。本当は彼女に全て打ち明けたい。
胸の内を吐露してしまって、楽になりたい。
けれど―それでは結局楽になんてなれないと分かっているから、私は彼女と向き合うことが出来ない。
この言葉だけは、私の中だけで留めておかなければいけないのだ。
素晴らしく甘美で誘惑的で、何物にも代え難い至上の時間を守るために、私は自分の心にも嘘を付く。

私は彼女のことを、愛して―いない。

女の子同士なのだから。中学来の親友なのだから。
理論武装を固めて、自分の心の周りにどんどん装甲板を重ねていく。
胸の内が外に零れていかないように、感情が勘違いを起こさないように、私は心を厚い厚い壁で覆った。
しわくちゃになったベッドスーツの皺を伸ばしながら、真っ直ぐ彼女の瞳を見つめる。
無垢なその瞳に向かって、私はもう一度、何でもないよと笑った。

「何でもなく―ない」

でも彼女は優しくて、そんな私の決意を揺さぶる一言を簡単に口に出してしまう。
そして私は彼女に腕を取られ、大して膨らみもない彼女の胸に、顔をうずめることになる。

584:創る名無しに見る名無し
09/11/14 12:59:58 x2quh10t
「何か悩み事があるんだったら、話してほしい。話して楽になることだったらいくらでも私を使ってくれていいし、話して辛くなるようなことだったら、何をしてほしいか言ってほしい。
 そうやって、自分の悩みは自分だけのものだなんて態度……取らないでほしい」

やっぱり彼女は優しいなぁと、顔を見られていないことをいいことに、声も出さずに私は笑った。
優しくて、残酷だ。
私の背中に回る彼女の腕には、彼女からの愛情が込められている。
もし私が本当の想いを吐き出してしまえば、彼女はそれに応えてくれると思う。
少なからず―私が彼女を想っているほどではないにせよ―彼女も、私に対して愛情を持っていてくれている、と感じる。
相思相愛とは言わずとも、告白をきっかけに互いの愛を深め、恋人のような関係になることも、不可能ではないだろう。
そうすれば私と彼女の距離はきっと近くなる。互いの姿がもっと見えてくる。
その先にあるものを、私は怖がっている。
彼女を見れば見るほど、私は自分がいかに足りない存在か知ることになる。
今はそれに憧れて、そして好きになって。でもきっと、今以上にはっきりと彼女を見てしまえば、憧れるだけじゃ済まなくなる。
嫉妬、羨望といった汚い感情が心の奥の澱んだ場所から湧き上がってくるんだ。
男の子と女の子だったら生まれないであろうその気持ちを、彼女に向けたくなかった。
そんな自分勝手な理由で私は彼女に自分の気持ちを伝えられない。
そんな自分もまた、嫌いだった。

しばらく二人とも黙ったままだった。
雨の音だけが部屋に響く。
私はふと、思い立って彼女にお願いをした。
彼女はきょとんとした顔を浮かべたけれど、すぐに笑って、了解してくれた。

ドアを開けると横風に煽られた雨粒が顔に零れ落ちてきた。
きゃっきゃと騒ぎながら、二人で傘も差さずに外へ飛び出していく。

「あーもー、どんなことでするって言ったけど、まさかこんなお願いされると思ってなかった!」


―二人で雨に濡れよう。

私がしたお願いは、それ。
服はびしょぬれ、髪もぐしゃぐしゃだ。
でもそれがいい。こんなに楽しそうな彼女が見れて―私が流す涙も、彼女に気付かれないだなんて、なんていいことなんだろう。
雨よ降れ、もっと降れ。私の心も洗い流しておくれ。

――
思いつくまま書き散らしてみたら訳の分からない話になったけれど、どうせなので投下。
お目汚し失礼しました。

585:創る名無しに見る名無し
09/11/14 15:35:48 2FrjRd/6
相手はノンケかもしれない……この攻防は燃える。
GJ!

586:創る名無しに見る名無し
09/11/15 20:04:54 4gm40nMW
季節はずれだけど

小さな振動と轟音を伴いながら早くもならない遅くもならない、変わらぬ速度で
走り続ける電車の中でぼんやりと窓の向こう側を見ていた。線路沿いに並ぶ家々
でろくに街並みも見えないつまらない景色を眺めながら随分と陽が延びたな、と
いまさらに感じる。やわらかい橙色が辺りを包む時間が長くなった。

電車に乗ったときから空の明るさはほとんど変わっていない。陽はまだ沈んで
いないのだろうか。もう夜と呼べる時刻だというのに窓の外はいまだに明るい。
それでも周りの人々の表情はきちんと一日を終えたそれで、わたしも綾乃も多分そう
いった顔をしているのだろうと思う。さきほどから窓へと向けていた顔の位置を少し
下げて足元から伸びる自分の影を見やる。そして自分の左肩について考える。
乗り込んでから十分ほどでどうやら寝てしまったらしい綾乃が寄りかかってきたの
が出発した駅から五駅ほど過ぎた辺りで、それからはもうずっとわたしに寄りか
かったままである。熟睡しているのか、首は座っておらずくたりとわたしの左肩
にその頭が乗っかっている。人間の身体の部位で一番重いのは頭だと言われている
がそれは本当なのだと思った。なかば押し付けるようにして乗っているその頭は確
かな重みがある。こんなにも重いものだったのかと驚くほどには重い。
最初は違和感に何度も斜め左の頭を見やったけれどこの数十分ほどでそれにも慣れ
てしまった。身じろぐことも出来ないのが少し気詰まりだったけれどそれもどうで
もよくなってきた。偶に電車が揺れると思い出したように重みと熱が肩口に伝わって
くる。その重みと熱について考える。電車の中に人はいるのに、ここは二人掛けの
座席なんかではないのに、こうしているとどうしてかわたしたち二人だけがこの空
間で浮き立っているように思える。他のものなどはすべて背景で熱を持っているの
はわたしたちだけのように思ってしまう。
目を瞑ると喧騒すら消えてただ肩口の重みと熱だけが現実のもののように感じる。

身体に直接伝わる振動と共に電車が橋へとさしかかった。家々に塞がれていた
景色がひらけて車内が明るくなる。顔を上げると空に浮かぶ入道雲が夕陽に照ら
されてその色に染まって光っている。綺麗だと思った。つい綾乃を起こしたく
なったけれど何と声をかければいいのか分からない。持ち上げかけた手を膝の上
に戻す。そうして迷っているうちに電車は橋を渡り終え、再び街の中に入ろうと
していた。迷わずに起こしてしまえばよかった。もしかしたら起きないかもしれ
ない。でも起きるかもしれない。寝惚けた彼女の頭を軽く叩いて目の前を指差して
やりたかった。一緒にあの瞬間を味わえたかもしれないのに。これじゃあ何だか
わたしが一人ぼっちのようじゃないか。ふいに湧き上がった気持ちの座標をしっかり
と認識してしまうと途端にどうしようもなくなる。さっきとは別の理由で綾乃を
起こしたくなる。と言うよりも起きて欲しい。起きたら、わたしと目を合わせた後、
何も言わずにまた寄りかかってきて欲しい。
その熱でわたしも微睡むから。

「…少し寝ようかな」

口の中でそう呟いて、隣の旋毛に頬を寄せる。

587:創る名無しに見る名無し
09/11/16 00:13:13 BwVRGqZQ
投下GJ!
想像したら凄く和む絵面だ……
いじらしいなぁ、うん

588:創る名無しに見る名無し
09/11/23 14:25:57 b6ATsB+s
GJ!
いいなぁいいなぁ。

589:創る名無しに見る名無し
09/12/06 13:36:31 vgjixF/r
定期

590:創る名無しに見る名無し
09/12/11 23:04:29 UBSrzb2H
定期

591:創る名無しに見る名無し
09/12/17 18:12:33 W8TQX/9O
幼い頃に両親を亡くし祖母に女手一つで育てられた
デブでブスだけど心の美しいヒロインと、ヒロインを
心から愛おしく思う祖母との近親相姦レズってのはどうよ? 

592:創る名無しに見る名無し
09/12/18 21:09:44 RsaBllgp
>>586
今北産業
続きは?

593:586
09/12/19 02:54:26 kOvySegA
>>592
これはこれで一つの話なので続きはないんだ。
日常の一瞬みたいのを書くのが好きだからそのノリで投下した。
また別に何か書きにきたい。

594:創る名無しに見る名無し
10/01/22 19:21:05 PGDMXjyb
>>591
老けXデブ近親相姦レズ・・・(^_^;)

595:創る名無しに見る名無し
10/01/27 23:18:39 8CYLPfoe
「うそ……。」
机の奥から出てきたのは日記だった。
間違いなく、私の手で書かれた日記。
その中には私とあの子が恋人として過ごす日々が綴られていた。
あの子は記憶を失った私を真っ先に助けてくれた友達。
そう。ただの友達だったはずなのに。

このことを問い詰めたら、彼女は寂しそうに笑って言った。
「証拠は全部捨てたはずだったんだけどね。」
それは日記の内容を肯定する返事。
「記憶の無いあんたに、女同士の恋人がいるなんて知ってほしくなかったんだ。」
そんなわけないよ。彼女の気持ちはこの日記を見ていたら分かる。
彼女はきっともう一度……。
だけど、私はどうしたらいいのかな。
今の私にとっても、彼女は特別な存在。
でもそれは恋人とかそういうのとは違うと思う。
なんだか、頭の中にいろんな思いがめぐって、怖くなって、私は彼女の前から逃げ出した。

ずいぶん走ったと思う。
気がつくと知らない風景に囲まれていた。
どこをどう曲がってきたのかさっぱり覚えていない。
建物が、車が、悪意を持った視線で私をにらみつけてくる。
途方にくれていると、どこからか、私のお気に入りの曲が聞こえてきた。
記憶喪失になってから初めて覚えた曲だ。
それは私の体から流れているようで……あった、携帯電話だ。
「大丈夫?」
彼女からだった。優しい声が耳に響く。
「大丈夫じゃないです……。」

すぐに駆けつけてくれた彼女に私は抱きついた。
そして、思いっきり泣いた。
今、はっきりと気づいたことがある。
それは、私たちの関係が“友達”であろうと“恋人”であろうと、私が一番安心できる場所は彼女の傍だということだ。
「まったく、危なっかしいんだから。」
彼女はそっと私の頭に手を置いた。

おわり

596:創る名無しに見る名無し
10/01/27 23:28:04 /kx8x2o9
身体が勝手に……!!
ageてしまう…ッ!

597:創る名無しに見る名無し
10/01/27 23:28:05 84fV29YB
なんだこれは・・・
いいよいいよ

598:創る名無しに見る名無し
10/01/27 23:32:00 Dvck1aNx
百合はいいなぁ……
規制解除記念age

599:創る名無しに見る名無し
10/01/28 09:07:14 RJ7XjRh8
GJと言わざるを得ない

600:創る名無しに見る名無し
10/01/28 18:54:14 ULe8WIdb
背徳と優しさとが同居して、何とも言えない気分になるね。

601:創る名無しに見る名無し
10/01/29 02:07:42 UkBYrINw
投下乙
何か書きたいんだがネタが浮かばない……こういうシチュエーションが読みたいとか、希望ある?

602:創る名無しに見る名無し
10/01/29 10:53:05 CfWjR7xS
>>601
「お姉ちゃん、だめだよ…私たち姉妹なんだよ?」みたいな

603:創る名無しに見る名無し
10/01/29 13:00:31 FOETwm9c
「妹ちゃん、だめよ、私たち姉妹なんだから…」もいいと思うの

604:創る名無しに見る名無し
10/01/29 16:41:49 aEmf8Ggn
二つを混ぜて
「私たち、姉妹なのにこんなこと……」でも

605:創る名無しに見る名無し
10/01/31 11:45:12 qBeWgowy
pinkでや……いや、もっとやれ

606:創る名無しに見る名無し
10/02/02 23:51:44 TkSwrXHI
そうだそうだ

607:創る名無しに見る名無し
10/02/02 23:54:38 HZQdbdpX
バレンタインに期待

608: ◆KazZxBP5Rc
10/02/14 07:08:28 eQ5dCMsZ
店内には私たちのほかに客はいなかった。
まあ、こんな真昼間に飲みにくる人は少ないだろう。
彼女はよくこんな時間に開いているバーを見つけたものだ。

「明日は寂しい女同士で飲みに行こうよ」
と、メールが入ったのは昨日のこと。
確かに私もこんな日なのに予定もないし、
お酒も好きだし(あんまり飲めないけど)ということで了承した。

いつもはおしゃべりな彼女が今日は口数が少ない。
何もしてないと寂しいのを思い出してしまうので、
話をしないとなると酒が進むのは必然だ。

三杯目のカクテルが空になった。
そのとき、彼女が白い箱を差し出してきた。
「ハッピーバレンタイン」
「これは?」
中に入っていたのはカップケーキ。
「妹にも手伝わせたんだけどね」
「ごめん、私何も……」
「いいっていいって」
彼女は笑った。でもその顔は少し緊張している様子だ。

しばらくの沈黙の後、彼女は意を決したように言った。
「あのさ、それ、友チョコじゃないんだ」
「どういうこと?」
「……本命だよ」
思わず見つめあう形になる。
彼女の、嘘でも冗談でもないまっすぐな瞳。
胸がドキドキするのはお酒のせい?
それとも―

609:創る名無しに見る名無し
10/02/14 07:09:34 eQ5dCMsZ
これだけです

610:創る名無しに見る名無し
10/02/14 11:39:39 gHRhil42
いいよいいよ
GJ

611:創る名無しに見る名無し
10/02/14 11:44:51 XIzgiKkw
>>608
あっと、これはあっちの続きなのかぁ 乙でした!

612:創る名無しに見る名無し
10/02/16 22:43:31 lPmgLNNT
>>608
GJGJ

R.O.Dのねねねと読子SS二次総合に投下したんだが…
今思えば若干百合気味?なのでこっちにすればよかったかな
判定求む


613:創る名無しに見る名無し
10/02/16 23:41:22 3w3wgA9x
>>612
見てきた
こっちでもよかったと思う

というかR.O.Dを選んだところに惚れた

614:創る名無しに見る名無し
10/02/16 23:54:37 lPmgLNNT
>>613
感謝
次回また二人を書くときはこっちに投下しよう…

マジそれは嬉しい。R.O.Dは世界観やら音楽やら全てに
おいて萌えてしまうそれであのキャラだから自分にとってはタマラン。



615:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:01:22 622dz9ht
妹「はい、チョコレート。どうせあんたなんか一個ももらえなかったんでしょ?」

姉「え?」

妹「別に本命なんかじゃないんだからね! 余ったからお姉ちゃんにあげるだけなんだから!!」

姉「え、っと……」

妹「なによ、なんか文句あんの!?」

姉「……今日、18日だよ? バレンタインもう終わっちゃってるけど」

妹「うっ、うるせえぇぇぇぇいらないなら返せえぇぇぇぇっ!!」

姉「あ、いるいる。いただきます」

妹「最初からそう言っとけばいいのよ……」

姉「ありがとう、これ美味しいね。どこで買ったの?」

妹「……ふんっ、鈍感なお姉ちゃんには教えてあげない!」

姉「えー、何それ。私のどこが鈍感なのよー」



バレンタイン中規制だったので今日投下


616:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:04:12 EjxPFAHb
規制解除おめ
姉妹いちゃいちゃがもっと見たい

617:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:06:13 622dz9ht
早すぎるレスにちょっとビビった

姉妹百合は俺も好きだがネタが……
まぁ思いついたらぼちぼち投下してく


618:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:38:11 622dz9ht
>>615の続き

姉「モグモグ…そういえば、妹の本命って誰なの?」

妹「そんな相手いないし。今年は義理すらあげてないし」

姉「え? このチョコ余り物じゃなかったの?」

妹「うっ……あ、ほら、あれよ。バイト先で廃棄品になるのがあったから、それをもらってきたのよ」

姉「なぁんだ、じゃあコンビニ行けばどこでも買えるチョコなのか」

妹「うぅ……(なんか悔しい……)」

姉「でも、コンビニ製品にしては包装が手作りっぽいていうか、なんかちゃちぃよね」

妹「ぐっ……わ、悪かったわね。私が包装失敗したから廃棄品になったのよ!!(嘘だけど)」

姉「あ……ごめん、もしかして気にしてた?」

妹「うるせえぇぇぇぇ黙って食ええぇぇぇぇっ!!」

姉「あ、はい」


619:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:42:52 EjxPFAHb
妹ツンデレすなあ

620:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:46:44 i6X729+D
姉は気づいてないのかわざとなのか……

621:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:50:38 622dz9ht
>>618

姉「ごちそうさま、美味しかったよ」

妹「こんな量販品で満足するなんて貧しい舌だね」

姉「あはは、お姉ちゃんあんまりいいもの食べてないからなぁ」

妹「甘いものばっか食べてたら喉渇くでしょ。紅茶淹れてきてあげるから飲めばいいじゃない」

姉「なんか、今日の妹優しいね。私は嬉しいよ」

妹「そっ、そんな笑顔で私がたぶらかされると思ったら大間違いなんだから!!」

姉「うん、分かった。分かったから紅茶早く淹れてよ地団駄踏んでないで」

妹「催促しないで、厚かましいんだから!」

姉「ごめんって」


622:創る名無しに見る名無し
10/02/18 20:57:38 622dz9ht
>>621

妹「はい、紅茶。砂糖は自分で入れてよね!」

姉「はいはい、ありがとありがと……ん、これも美味し。さすがは妹だね」

妹「誉めても何も出ないからね」

姉「見返りなんかなくていいよ。ほら、いい子いい子」

なでなで

妹「ふぁっ……や、止めろ馬鹿!! 子供扱いすんな!!」

姉「お風呂でシャンプーハットしてるうちはまだまだ子供よ」

妹「ちょっ、何でそれ知ってんの!?」

姉「お母さんから聞きました。中学生にもなって恥ずかしいんだ~」

妹「う、ううぅ~~……(お母さんの馬鹿ぁ…)」

姉「ふふ…」


623:創る名無しに見る名無し
10/02/18 21:01:27 EjxPFAHb
子供扱いされて涙目な妹可愛い

624:創る名無しに見る名無し
10/02/18 21:10:29 622dz9ht
>>622

姉「可愛いなぁ、妹は。本当に可愛い」

妹「そんなこと言われても、馬鹿にされてるようにしか思えない」

姉「だって、どんなに大人ぶってても、中身は私に甘えてばっかりだった小さい頃そのまんまみたいなんだもん」

妹「私、ちゃんとしてるもん。勉強だってクラスで一番だし、料理だって得意だもん」

姉「うん、すごいよね。けど、あんまり一人で何でも出来るようになって、

  お姉ちゃんの手の届かないようなところには行っちゃわないでね」

妹「なんで? 別に私がどうなろうがお姉ちゃんには関係ないじゃん」

姉「関係なくはないよ。だって私にとって妹は、いつまでも大切なただ一人の妹なんだから」

妹「何それ、キモいし」

姉「うん、我ながらそう思う」


625:創る名無しに見る名無し
10/02/18 21:25:52 622dz9ht
>>624

妹「あぁ、キモいキモい。こんなキモい人とは一緒にいたくない」

姉「ひどっ。それちょっと酷くない、妹?」

妹「あぁもううるさい! うるさい姉にはこうしてやる!!」

ムギュッ

姉「ふぇ?」

妹「……大好き」ボソッ

姉「え……ちょ、え? 今なんて?」

妹「うっさい、一回で聞き取れバーカ!!」

姉「あ……行っちゃった」



中途半端になっちゃうけどこれでおしまい。締め方難しいね


626:創る名無しに見る名無し
10/02/18 21:51:06 EjxPFAHb

萌えた

627:創る名無しに見る名無し
10/02/18 22:12:43 UJ5IraIu
イイヨイイヨー
GJ

628:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 21:41:22 cQ+Ych2t
妹「お姉ちゃん」

姉「…何?」

妹「外、雨降ってきたで」

姉「…そうかぁ」

妹「買い物どうする? なんか買いにいかんと、食べるもんないよ?」

姉「…妹、行ってきて」

妹「えー、いやや。なんでうちだけ寒い思いして外出ないとあかんの?」

姉「…私があんた以上に寒がりなの、知ってるやろ?」

妹「そんなん横暴や。それならうちもコタツから出たくないもん」

姉「…ほな、二人で春まで冬眠しよか」

妹「お姉ちゃん、もう世間は三月やで? 春の頭やないの」

姉「…お姉ちゃんの中ではまだ真冬や」

妹「知らんがな」


629:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 21:53:09 cQ+Ych2t
姉「…人間かて動物なんやから、冬眠してもなんら問題はないはずや。せやから、おやすみ」

妹「何なんその屁理屈。いいから早くコタツから出て仕度して」

ズルズル

姉「…う~、さぶぃ……」

妹「我慢しなさい。長女やろ」

姉「…長女関係ないがな」

妹「お姉ちゃんはいちいち小言が多すぎる。どっちにしろ買い物には出ないと

  いかんのやからさっさと済ましてしまった方がええやん」

姉「…あかん、やっぱり私は寒いの駄目や。悪いけどコタツに帰らせてもらうわ」

妹「ちょっと、お姉ちゃん!」

姉「…そや、いいこと考えた」

ぐいっ

妹「きゃっ……」

姉「妹、あんたカイロになって私を温めなさい」

妹「何すんの、お姉ちゃん。離して!」

姉「……はぁ、ぬくい」


630:創る名無しに見る名無し
10/03/07 21:53:13 hnS0Lu1j
百合とかけまして~
それと解きます~その心は~
どちらも一斗(it)に変えられるでしょう~

631:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 22:05:01 cQ+Ych2t
妹「お姉ちゃん、恥ずかしいから止めて」

姉「…誰も見てないから、安心しぃ」

妹「こんなん、誰も見てなくても拷問や……」

姉「…なんや、妹は私の膝の上が不満か?」

妹「お姉ちゃんとべたべたして、不満がない方がおかしいわ」

姉「…いいやないの、たまには姉妹仲良くしたら」

妹「せやかてこんなん、恥ずかし過ぎて死んでしまいそうや」

姉「…逃げようとしても駄目や。あんたには、私を温める使命があるんやからな」

妹「もうっ、しゃーないなぁ。温まったら買い物行くから、それまでの約束やで?」

姉「…あいよ」


632:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 22:16:04 cQ+Ych2t
姉「……」

なでなで

妹「お姉ちゃん。無意識かしらんけど、私の頭なでるの止めてよ」

姉「…あぁ、ほんまや。なんややらかいもんがあるなぁと思ってたら、あんたの髪やったか」

妹「ざーとらしいなぁ。絶対分かってなでてたやろ?」

姉「…あんたの髪、触り心地いいからなぁ」

妹「誉めても何も出ないで」

姉「…何も出えへんなら、怒られもせえへんっちゅうこっちゃな」

なでなで

妹「勝手な解釈やな……別にいいけど」


633:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 22:28:41 cQ+Ych2t
姉「……」

なでなで、ぴた

妹「?……お姉ちゃん?」

姉「……くぅ」

妹「寝てるし……ビックリや」

妹「おーい、お姉ちゃん。起きて買い物いくでー?」

姉「……」スヤスヤ

妹「起きへんし。どないしよ…」

妹「……ふぁ。なんかうちも眠くなってきたわ」

妹「……スゥ」


634:創る名無しに見る名無し
10/03/07 22:30:13 57AoxMgL
添い寝!添い寝!

635:関西弁百合姉妹だとさ
10/03/07 22:31:21 cQ+Ych2t
結局その日は買い物に行きそびれて、夕飯はコンビニ弁当でした。
ただ、起きた時のお姉ちゃんがやたらと元気で、これからもカイロ役を
頼むと言ってきたのには、正直閉口でした

妹の手記より


636:創る名無しに見る名無し
10/03/07 22:33:04 cQ+Ych2t
>>634
ごめん、レス見てなかったから希望きいてあげれなかった……本当にごめん

元ネタはとある漫画の関西弁姉妹です。よければ探してみて下さい

気が向いたらまた投下します



637:創る名無しに見る名無し
10/03/07 22:36:50 57AoxMgL
>>636
ちょっと待てw
添い寝キターって意味で書き込んだんだけど違うの?
まあとにかくGJ

638:創る名無しに見る名無し
10/03/07 22:42:28 cQ+Ych2t
>>637
膝枕は添い寝なのか…?まぁ一応添い寝で間を補完してみる



妹「お姉ちゃん、コタツで寝たら風邪ひくで? 私ももう買い物諦めたから、ちゃんと布団で寝よ?」

姉「……うぅ、ん」

妹「……あかん、これは本気寝や。テコでも起きへんわ」

妹「なんやもうどうでもええわ。私も寝よ」

妹「……」

妹「そや。お姉ちゃんにばっかり温い目に合わすの癪やし……」

ぎゅっ

妹「お姉ちゃんを湯タンポ代わりに使ったろ」

妹「これでおあいこや。ざまぁみろ、うしし…」



こんな感じで


639:創る名無しに見る名無し
10/03/07 22:51:22 57AoxMgL
自分がよく読んでないと気づいた瞬間であった。ごめんよ
そしてありがとう

640:創る名無しに見る名無し
10/03/25 18:54:20 kI7YIKv1
ho


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