08/10/05 22:06:33
日 弁 連 の 見 解
最後に司法書士と行政書士についてでありますが、これらは紛争解決分野について、
いずれも専門分野を持ちません。しかしながら、両者には明確な違いがございます。
すなわち、司法書士は既に現行制度上、簡易裁判所の事物管轄の範囲内で訴訟等の代理権が認められ、
司法制度の一翼を担っているということであります。
これに対し、行政書士には官公書への提出書類等々を代理人として作成すること、
書類作成について相談に応じること等が認められているにすぎません。
代理人として、紛争解決に関与するには、
全 く の そ の 基 盤 を 欠 い て い る
と言わざるを得ません。
その資格試験、職務の実体、その他既に指摘しました
倫 理 性 の 確 保 、
職務の固有の性格等々、幾つかの問題点に照らすならば、行政書士に代理業務を認めることは、
たとえ限定された機関、限定された分野、限定された価額でありましても、強く反対せざるを得ません。これらは、
能 力 担 保 措 置 に よ っ て 代 替 し 得 る も の で は な い
と考えております。
以上のように、司法書士と弁理士につきましては、現行法制度の範疇で代理人としてADRの発展に一定の
貢献を期待することができると考えております。
しかし、その他の士業について、代理業務を認めることは適切でなく、とりわけ行政書士に関しては、
既に述べましたとおり専門性もなく、
法 律 生 活 の 公 正 ・ 円 滑 な 営 み を 阻 害 し か ね な い
おそれがありますので、国民の権利擁護の観点から、これに代理業務を認めることは到底許容されるべきではないと考えます。
以上でございます。