02/04/25 02:11
仏大統領選 第1回投票
不満を巧みに吸収 国民戦線
左翼・労働者票は分散
【パリ22日山田俊英】「二回目投票でジョスパンに入れるつもりで緑の党のマメ
ール候補に入れた。まさかルペンが二位になると思わなかったから」―二十一日、
仏大統領選挙一回目投票で社会党のジョスパン首相が三位で敗れ、保守のシラク大
統領と極右、国民戦線のルペン党首が決選投票に進むことになった翌日、左翼支持
者の一人は肩を落としました。
“決選”見越して
左翼支持者の多くが、シラク、ジョスパン両候補の決選投票になるだろうからそ
の時、社会党のジョスパン候補に入れればいいと思ったようです。マスコミも両氏
の決選を前提に報道しました。しかし十六人の候補者のうち左翼を名乗る候補は八
人。左翼支持票は分散し、ジョスパン氏の得票率を前回九五年選挙(23・3%)
から7ポイントも落とし、ルペン氏に抜かれる一因をつくりました。
そこには左翼を支持しつつも、保守の大統領と共存し、社会党が主導する政権に
満足しない人たちがいます。
国会に議席を持たない左翼の三候補は「週三十五時間労働制で失業が減ったといっ
ても、増えたのは臨時など不安定雇用だ」「国有企業の民営化はかえって進んだ」と
社会党や仏共産党を批判し、前回ラギエ候補(労働者のたたかい)の5・3%から三
人合計で10・5%へ倍増させました。三候補の「左翼政権も資本家の政府」という
主張は単純すぎますが、左翼政権が取り組みつつ解決できていない問題をある程度突
いています。その一つが雇用の問題です。