09/12/20 15:00:17 jhws9IJG0
>>848
2003年小説
問3
これは、「けちなペテン」という、表現をうまく言い換えているか、がポイントの問題。
こういうちょっとかわった表現は、出題ポイントです。
「ペテン」だから、だます、あざむく、という言い換えが考えられるが、「けちな」の
ニュアンスもなければならない。これには、肢5の「見えすいた手段でだます」がピッタリしているのに対し、
ほかの肢にそのニュアンスがないことを確認してください。
あとは検算ですが、肢の「以前はこんなことをする人ではなかった」という部分は、本文の、社長「ともあろう方が・・・なさるとは」の
解釈として整合し、「自分を低く見ているのか」という部分は、本文の、わしは・・・そこいらのちんぴらとは違う、という部分の
解釈として整合します。ですから、肢5が正解です。
この問に限らず、「ことばを解釈する」という基本を忘れて心情解釈の泥沼にはまると、とたんに難問になります。
問4
これは、傍線と同じ「」内にある、「がっかりした」「皆ぼくたちを見てた(、何だな、桃を食べなかった)」という要素を、
うまく解釈にとりこんで言い換えているかどうかがポイントの問題。
「がっかりした」のは、外見的には2行前に「弱弱しい」とあるので、それとあいまって、「うちひしがれ」という言い換えがぴったりします。
「屈辱感に」というのが微妙かな、とおもうのですが、しばらくあとの本文に、「店での屈辱」とあるので、OKとわかります。
「皆ぼくたちを見てた(、何だな、桃を食べなかった)」の方は、そのままを言い換えている肢がないのでちょっと難しいのですが、
つまり、桃を食べなかったことと、それを皆に見られていることとが、兄の心情のなかで関連しているわけです。そこをとりこんで解釈しているのは
どの肢かということです。そう考えると、肢3の「(皆の見ているところで)毅然とした態度をとれた」しかないんですね。
これはちょっと難しい問題だったとおもいますが、まあ、こんなふうに解くんですよ。