09/12/17 04:43:18 +cxW4hAD0
>>665
小説の問5は、「奇跡の一晩を大事にする」という表現をうまく言い換えることが求められています。
まず、なにが「奇跡」なのか、ですが、選択肢をみると、ここを、
「小説のような話」をもつ祐介とめぐり会えた奇跡 ととらえるか、
小説を書く力を与えられ奇跡 ととらえるか、どちらかなわけです。
ここで面倒なのは、「小説のような話」をもつ祐介とめぐり会えた(これ自体も奇跡だが、次の奇跡の原因)、その結果、
小説を書く力を与えられた(これも奇跡)という関係があり、混同しやすいんですね。
考えなきゃならないのは、この小説(問題文部分)の主題(作者が力を入れて書きたいこと)として最適なのはどっちか、ということで、
それは、祐介とめぐり会えた、ではなく、(祐介とめぐり会えた結果)小説を書く力を与えられた、の方なわけです。
ここがわからないと解けませんが、指摘されれば、なるほどとおもうのではないでしょうか。
一方、お話の余韻的に、最後のところで、電話をかけようとして結局かけない、という描写を入れるのは、
主題をさらに強く印象づけるための小説の小道具的な方法なんですね。
そうすると、その描写の中にある「奇跡の一晩」、の「奇跡」は、主題である、小説を書く力を与えられた、の方がベターだと
決定するわけです。この問題に限らず、主題との関係で心理を捉えるべき場合はセンター試験国語にほかにもあります。
それが小説読解の基本のひとつだからです。