10/05/09 12:42:38 SKuw5IwP
「8時だョ!全員集合」のプロデューサーの「8時だョ!全員集合伝説」は、
「全員集合」の基本構造が、実はいかりやの発想であることを導き出している。
「全員集合」の初期、1~2ヶ月は書き割りだったという。
視聴率が出ない頃だった。
放送作家の田村隆氏は、「ゲバゲバ」「みごろ!たべごろ!」「全員集合」ぼくの書いた笑テレビ(双葉社) の中で、
そのきっかけを作ったのはいかりや長介さんだった。
番組が始まって一ヶ月ほどが過ぎたころ、会議の席で、長さんが重い口を開いた。
「あのサ、カネがかかるのは承知の上で言わせてもらうけど……」
続けて長さんは、本物志向で行きたいと述べた。
つまり、セットも書き割りじゃなくて、テレビドラマで使うようなものにしたい。
書き割りの城壁が崩れても、迫力に欠ける。
時代劇のカツラも、紙で作ってある「張りボテ」じゃなくて、本物のカツラを使いたい。もちろん着物も刀も。
こんな話を長さんは、二時間近く続けた。
本物を使えば確かにカネはかかる。
でもプロデューサーの居作さんは、迷わず答えを出した。
「わかった。来週からそうしよう」
即答に近かった。長さんはどんなに力強かったことだろう。
それからというものは、長さんをはじめメンバーからも、どんどんギャグが飛び出した。勢いがついてきた。
屋台崩しを使ったコントでも、実物と見紛うばかりの家が崩れ、城が崩れた。
二階建てのアパートを舞台にしたコントでは、ステージの上に、実物そっくりの二階建てアパートを作ってしまう。
さらに民家の屋根から屋根へ、本物のパトカーがジャンプする。
(田村隆著「ゲバゲバ」「みごろ!たべごろ!」「全員集合」ぼくの書いた笑テレビ/双葉社)
こうして、「全員集合」は裏番組の「コント55号の世界は笑う」を1年9ヶ月の短命で終わらせた。
しかし、ドリフのような、コントのできるグループはその後登場していない。
時間をかけて徹底的に練りに練り上げた「笑い」を求めるテレビ局がないからである。
981:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 12:44:56 SKuw5IwP
絶え間ない騒音、騒音に伴う震動、工事現場を避けて路地に入ってくる車、オートバイ。
これらが全部、ギャグのネタとして考えられていく。
騒音では何が起こるのか。
家の中での会話が聞こえない。
聞こえないのをいいことに、親の叱言や言いつけに知らんふりする子どもたち。
騒音をいいことに、親の悪口を言う子どもたち。
悪態をついているときに、突然騒音が止まって、悪口がはっきりばれて張り倒される子供。
震動が、何を巻き起こすのか。
震動で箪笥が揺れる。
揺れた箪笥の上から、いろいろな物が頭の上に落ちてくる。
何が落ちてくれば面白いのか。
二階へ上がる階段が震動で壊れて、階段の上から転がり落ちてくる奴がいる。
トイレにしゃがんでいると、震動でトイレの扉が開いてしまう。
あわてて扉を閉めた途端、トイレそのものが壊れてしまう。
水道管が破裂して、水が噴き出してくる。
夜、寝ている枕元へ、路地からオートバイが飛び込んでくる。
びっくりしている家族を尻目に、オートバイが家の中を次から次へと通り抜けていく。
家の屋根の上に、高速道路から自動車が飛び込んでくる。
道路工事のそばの家のようなよく見かける光景、誰もが感じている迷惑をベースに、
あらゆるギャグを考え抜いてコントを作り上げていく。
家の中をオートバイが走り抜けるとすれば、オートバイのスタントに耐えうるセットでなければならない。
屋根の上に自動車が飛び乗るとすれば、家のセットは、鉄骨で組まなければならない。
鉄骨で作った家がボロ家に見えなければ、ギャグにならない。
震動で壊れる階段は、どういう仕掛けにするのか。
水道管の破裂で噴出す水を、どういう仕掛けで派手に見せるか。
振動で開いてしまうトイレの扉は、どういう作りにするのか。
扉を閉めると壊れるトイレの仕掛けをどうするのか。(居作昌果著「8時だョ!全員集合伝説」双葉社)
982:981改
10/05/09 13:02:35 SKuw5IwP
「8時だョ!全員集合」のプロデューサーの「8時だョ!全員集合伝説」は、
「全員集合」の基本構造が、実はいかりやの発想であることを導き出している。
「全員集合」の初期、1~2ヶ月は書き割りだったという。
②スタッフがいない
「全員集合」といえば、毎回登場する大掛かりなセットが有名である。
例えば、高速道路建設中の現場の近くにある、取り残された一軒家という設定になったとする。
工事現場の近くで起こりうることを、徹底的に考えていく。
絶え間ない騒音、騒音に伴う震動、工事現場を避けて路地に入ってくる車、オートバイ。
これらが全部、ギャグのネタとして考えられていく。
騒音では何が起こるのか。
家の中での会話が聞こえない。
聞こえないのをいいことに、親の叱言や言いつけに知らんふりする子どもたち。
騒音をいいことに、親の悪口を言う子どもたち。
悪態をついているときに、突然騒音が止まって、悪口がはっきりばれて張り倒される子供。
震動が、何を巻き起こすのか。
震動で箪笥が揺れる。
揺れた箪笥の上から、いろいろな物が頭の上に落ちてくる。
何が落ちてくれば面白いのか。
二階へ上がる階段が震動で壊れて、階段の上から転がり落ちてくる奴がいる。
トイレにしゃがんでいると、震動でトイレの扉が開いてしまう。
あわてて扉を閉めた途端、トイレそのものが壊れてしまう。
水道管が破裂して、水が噴き出してくる。
夜、寝ている枕元へ、路地からオートバイが飛び込んでくる。
びっくりしている家族を尻目に、オートバイが家の中を次から次へと通り抜けていく。
家の屋根の上に、高速道路から自動車が飛び込んでくる。
道路工事のそばの家のようなよく見かける光景、誰もが感じている迷惑をベースに、
あらゆるギャグを考え抜いてコントを作り上げていく。
家の中をオートバイが走り抜けるとすれば、オートバイのスタントに耐えうるセットでなければならない。
屋根の上に自動車が飛び乗るとすれば、家のセットは、鉄骨で組まなければならない。
鉄骨で作った家がボロ家に見えなければ、ギャグにならない。
震動で壊れる階段は、どういう仕掛けにするのか。
水道管の破裂で噴出す水を、どういう仕掛けで派手に見せるか。
振動で開いてしまうトイレの扉は、どういう作りにするのか。
扉を閉めると壊れるトイレの仕掛けをどうするのか。(居作昌果著「8時だョ!全員集合伝説」双葉社)
983:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:04:05 SKuw5IwP
頭の上で練り上げたギャグをどのように現実化するか。
そこに登場するセット・デザイナーの山田満郎氏は、
どんなに無理な注文も断ったことがない。
それどころか、せっかくこれだけ大掛かりなセットを作るのだから、
最後にはこの家自体が倒れてしまう仕掛けを考えてみようか、
などど言い出す男である。
この男が作った、トンネルから舞台中央に出て来る蒸気機関車などは、
客席から見ると、どうみても本物のSLに見えた。
運転席のドアを閉めると助手席のドアが開き、
そのドアを閉めると後部座席のドアが開き、
それを閉めるとトランクが開き、
トランクを閉めるとボンネットが開き、
ボンネットを閉めるとフェンダーが落ちる。
頭に来て車を蹴飛ばすと、ドアが全部壊れ落ちる。
こんな自動車は、「全員集合」では、当たり前に登場してくる。
沈んだ豪華客船から、海賊船、ジェット・コースター、そして飛行機と、
「全員集合」の面白さは、このコント・セットの見事さと、大掛かりな屋台崩しの物凄さなしでは語れない。
(居作昌果著「8時だョ!全員集合伝説」双葉社)
さて、そのセットの図解と豊富な写真を掲載した本がある。
その名も「8時だョ!全員集合の作り方」(山田満郎著/双葉社) の中で、
実は顔合わせの席で、もう一つみんなに宣言したことがあるんです。
「TBSの美術に不可能はない」って言っちゃったんですよ。
今思うと、ずいぶん大胆なことをいいましたよね。若気の至りかな。(当時26歳)
これはどういうことかと言うと、ネタ作りの場で、みんなから出てくるアイディアに対して、
ぼくが「それはできない」と一言で拒んでしまうと、その後で意見が言いにくくなってしまうし、
途方もないことも浮かばなくなるでしょう。
もちろん「不可能」なことはあるわけですよ。
でも、提案をそのまま実現できない場合でも、それに近づけるにはどうしたらいいか、考えるようにしたんです。
この方針は最後まで通したつもりです。
アイディアに対して「できません」と突っぱねたことは、一度もないはずですよ。
「全員集合」では23人のディレクターと付き合ったけど、そういわれた人はいないと思います。
(山田満郎著「8時だョ!全員集合の作り方」双葉社)
山田氏は、その本の終章でこんなことを言っている。
『全員集合』が終わってから、一番激しく変わったことと言えば、コンピュータが普及したことでしょう。
セットのデザインも、このごろはCGで作るのが当たり前になっています。
テレビゲームやパソコンをはじめ、今ではヴァーチャルなものが身近にたくさんありますけど、
『全員集合』をやっていたころには、こうなるなんて想像もつきませんでした。
思い返してみると、あの番組の作り方というのは、ヴァーチャルなもの、すべてを数字に置き換える
デジタル的な発想とはまったく逆でした。
なにしろ全部手作りだし、仕掛けもすべて人間が動かしていたから。まるでアナログ的な作り方だったし、
当時の技術では他に手がなかった部分もあるし、このことは当時のテレビ界にも言えることだけど、
ぼくたちテレビマンは、自分の頭脳と体力だけを頼りにして、番組を作っていたわけです。
(山田満郎著「8時だョ!全員集合の作り方」双葉社)
現代のバラエティーを見れば、CGでキラキラしたセットが特徴である。
「全員集合」の時代は、コンピュータに頼らず、自分の頭脳と体力だけを頼りにして、番組を作っていたが
山田氏のようにそれだけユニークな職人芸が見られたわけである。
ところが、現代では、コンピュータが共通なだけに、局によって違う番組の見分けがつきにくくなっている。
それだけスタッフの腕の見せ所がなくなってきたと思えてくる。
984:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:06:22 SKuw5IwP
③地方中継ができない
「全員集合」は全国各地に出張し、生でドリフのコントを見せることができた。
しかし、現在のテレビ局でそのような番組が激減している。
まして、巨大セットの屋台崩しがメインコントである「全員集合」にとって、セットの数は半端じゃないはずだ。
1977年に取手市でボヤ事件があった。
舞台上では、タバコ一本吸うのにも事前に地元消防署に本火使用許可願を提出して、許可をもらう必要がある。
ピストルの発射音と発射光を出すための少量の火薬も、またしかりである。
「全員集合」のような生放送では、何が起こるかわからない。
本火使用届けには神経質すぎるぐらいに気を配っていたおかげで、事は大事に至らなかった。
本火使用届なしでこの火事が起きていたら、「全員集合」は、市民会館から締め出しを食っていたに違いなかった。
(居作昌果著「8時だョ!全員集合伝説」双葉社)
当時の条例でもそれだけ厳しいのであれば、現代では、わざわざ地方に出かけずに、
スタジオコントに変えてしまう結果になるかもしれない。
しかし、地方中継は、地元の系列局に対して、番組を作るための技術を伝えるための大事な手本となるべきである。
ところが、現状では、キー局が番組を独り占めし、地方局は番組制作の技術を磨くことができない。
いくつか、「全員集合」を現代で作る難しさを説いたが、実は、そんなに難しくないのではないかと思う。
「アナログ」時代だから、アナログでしか作れなかったわけで、
「ヴァーチャル」の時代は、ヴァーチャルで作っていけばよい。
要するに新しいドリフとそれに共感するスタッフが生まれれば、新たな「全員集合」伝説が生まれるはずだからである。
985:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:20:47 SKuw5IwP
「ヴァーチャル」の時代は、ヴァーチャルで作っていけばよい。
986:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:22:31 SKuw5IwP
リーダーいかりや長介は、どちらかというと、不器用な男である。おまけに口下手でもある。
あれほど名前が売れていたのに、トークで番組を切り回していくキャスターや司会等の仕事を 一度もしていないのを見れば、
いかに不器用で、口下手なのかはわかってもらえると思う。
ハプニングに器用に反応したり、 アドリブのトークで受けまくるということの苦手な男なのである。
そのかわりに、ギャグをじっくりと考えていくのが、大好きなのである。
987:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:28:04 SKuw5IwP
騒音では何が起こるのか。
↓
家の中での会話が聞こえない。
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聞こえないのをいいことに、親の叱言や言いつけに知らんふりする子どもたち。
騒音をいいことに、親の悪口を言う子どもたち。
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悪態をついているときに、突然騒音が止まって、悪口がはっきりばれて張り倒される子供。
トイレにしゃがんでいると、震動でトイレの扉が開いてしまう。
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あわてて扉を閉めた途端、トイレそのものが壊れてしまう。
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水道管が破裂して、水が噴き出してくる。
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夜、寝ている枕元へ、路地からオートバイが飛び込んでくる。
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びっくりしている家族を尻目に、オートバイが家の中を次から次へと通り抜けていく。
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家の屋根の上に、高速道路から自動車が飛び込んでくる。
988:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:33:38 SKuw5IwP
運転席のドアを閉めると助手席のドアが開き、
↓
そのドアを閉めると後部座席のドアが開き、
↓
それを閉めるとトランクが開き、
↓
トランクを閉めるとボンネットが開き、
↓
ボンネットを閉めるとフェンダーが落ちる。
↓
頭に来て車を蹴飛ばすと、ドアが全部壊れ落ちる。
989:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:40:06 SKuw5IwP
西部警察
990:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:43:56 SKuw5IwP
黒澤明
991:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 13:48:45 SKuw5IwP
資金の潤沢なハリウッド映画ならではの「パニック映画」に果敢に挑んだ作品、それが「復活の日」である。
この映画の予算は15億円で、最終的に20億円以上がかかったという。
これは、角川春樹という角川グループの総帥に位置する人物がプロデューサーであったから可能になったといえるだろう。
当時の映画会社にこれだけの金を出すことが出来た会社はなかったことだろう。
「パニック映画」という金のかかる映画の製作は、角川春樹によって成立したのだ。
いや、ここには付け足しておかなければならない。
角川春樹によって「深作欣二による」「パニック映画」が製作されることができたのだ。
この映画での南極やマチュピチュ、デスバレーで行われたロケーションは見事である。
992:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:04:44 SKuw5IwP
「天と地と」は製作費50億円
993:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:06:36 SKuw5IwP
日本映画ビッグバジェット・ベスト10(1999年当時)
【1】クライシス2050('90) 70億円
【2】天と地と('90) 50億円
【2】落陽('92) 50億円
【4】敦煌('88) 45億円
【5】おろしや国酔夢譚('92) 25億円
【6】乱('85) 24億円
【6】復活の日('80) 24億円
【8】となりの山田くん('99) 23億円
【9】もののけ姫('97) 20億円
【9】北京原人WHO ARE YOU?('97)20億円
994:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:08:37 SKuw5IwP
さだまさし 映画『長江』の借金35億を完済していた
2010/1/8(金) 読売新聞夕刊 3面「いま風」に書いてありました。
ポール・サイモン、「たかが音楽、いつでもやめられる」、
「マサシ、音楽は常に過去に向かって進行しているものなんだ」、
JONAH、二人とも映画で借金、という流れの記事で、最後が下記。
---
「ポケットの小銭にいたるまで、体の中に持っているものは全部
ステージに置いてくる」。そんな覚悟で歌い続けるうち、利子を
含め総額35億円の借金を2年前に完済した。
995:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:17:17 SKuw5IwP
大神源太『ブレイド・オブ・ザ・サン(太陽の刀)』
制作費は5億円
996:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:20:21 SKuw5IwP
『仏陀再誕』
997:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:22:03 SKuw5IwP
『アニメ人間革命』
998:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:24:43 SKuw5IwP
『インチョン!』(Inchon!)とはアメリカ合衆国で1982年に公開された朝鮮戦争を題材にした映画である。
タイトルは国連軍の仁川上陸作戦にちなんでいる。
キャストにはローレンス・オリヴィエ、三船敏郎ら大スターが名を連ねたほか、
監督にテレンス・ヤング、音楽にジェリー・ゴールドスミスらを迎え、
制作費に約4600万ドルと5年の製作期間をかけたが、映画評論家からは酷評され、
また興行的にも不振を極め、興業収入はわずか350万ドルしか得られず、
約4410万ドル(約110億円)という、当時世界最悪の赤字を出した映画でもある。
(現在は「ファイナル・ファンタジー」にその座を譲っている。)
999:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:29:53 SKuw5IwP
伊丹十三が見た医療廃棄物の闇
1998年3月31日 総合
去年12月20日、映画監督・伊丹十三さん(64歳)が亡くなった。伊
丹さんが死の5日前まで取材し、考え続けていたテーマが「医療廃棄物」
の問題だ。テレビのドキュメンタリーという形で“医療の闇”をえぐった
この番組が伊丹さんの最後の仕事となった。医療廃棄物をめぐる構造的な
問題の核心に、伊丹さんは意欲あふれる現場リポートで迫り、廃棄物の側
から、日本の医療を捉え直していく。
1000:名無しさん@お腹いっぱい。
10/05/09 14:30:35 SKuw5IwP
千田是也
1001:1001
Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。