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【女ロッカー荒らし事件】
事件の起きた場所は、左ビア敷地内の食堂。２Ｆ建ての建物で、１Ｆは食堂を中心にして東側が厨房、西側に日京クリエイトの事務所、売店、そして強盗に遭ったＡＴＭもここにある。
２Ｆに男子ロッカーと、今回の話しの対象となる女子ロッカーがある。ちなみに２Ｆに上がる階段は建物の外、東西に２カ所あり、監視カメラが各々の階段に向けられてる。
このロッカーは全従業員が利用しているわけではなく、事務系の職場は利用していない。つまり利用者の対象は、製造関係の職場、製造関係の事務系の者である。
では、事件の内容を話そう。とある日に女子ロッカーの一角だけの、何カ所かが一斉に開けられ荒らされた。ここまでの話しなら、世間の規模の大きい会社ではよくある事件である。
この事件の特徴は、テンプレ式キーの最新式ロッカーのみが被害の対象であり、こじ開けられたのではなく、暗証番号を解読されて開けられている。
しかも荒らされたロッカーの暗証番号は容易に解読されやすい、１桁か２桁に設定されている場所に限られている。ここまでの話が一部に流れた話である。
ここで、このロッカーが最新の物であるために、詳しく説明しておこう。このロッカーのどこが最新なのかであるが、通常のロッカーの鍵の部分に、テンプレがついている。
テンプレとは、金融機関の現金自動払い出し機の暗証番号を入力するキーボタンを連想してもらえばよい。
それでなければパソコンのキーボードの右側の数字キーの集まりと言った方が連想できるだろうか。数字の０から９の１０個のキーボタンとＥＮＴキーが集まった所である。
説明はこれぐらいにして、では事件を解明していく。まずは暗証番号を解読する方法を割り出す。犯人の立場になり色々なケースを想定した中で、結論が１つに絞れた。
まず解読しやすい１桁や２桁の所に限定する。そのために各ロッカーの使用者が開ける際に、ボタンに触れる回数を見て桁数を見破る。
１桁２桁なら後ほど無人の時に、実際に０から順番に１、２、・・・、もしくは００、０１、０２・・・と入力して解読する。３桁以上の所は時間が掛かるのだろうから諦めたのだろう。
【↓へ続く】