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■鎌田さん「自動車絶望工場」/仏で32年ぶり再版 2008年5月17日
弘前市出身の社会派ルポライター、鎌田慧さん(69)=東京都清瀬市在住=の
代表作である「自動車絶望工場」が32年ぶりにフランスで再版された。背景には、
日本式の生産管理方法を採り入れたことで生じ始めた“ひずみ”に戸惑うフランス
自動車産業の現状がありそうだ。
「自動車絶望工場」は、鎌田さんがトヨタ自動車(愛知県豊田市)の季節工とし
て働いた経験を基に1973年に出版。「機械の代わりを務める人間の苦悩が描か
れている」として大きな反響を呼び、76年に仏語、82年に英語で訳され、各国で販売された。
「記念碑的ノンフィクション」(作家の本多勝一さん)と称される作品に再び注目したのが、
鎌田さんの知人で今回仏語訳を担当したパリ・ディデロ大のポール・ジョバン准教授。トヨタの
現地工場で、従業員たちが絶版になった「自動車絶望工場」のコピーを回し読みしているのを見
たのがきっかけだった。
現地新聞などによると、日本式の生産管理方法を採り入れたフランスの自動車会社で近年、
社員の自殺などトラブルが続き、社会問題化しているという。
仏語版の題名は「TOYOTA」で刊行部数は2500。フランスでの再版について、
鎌田さんは「自動車をはじめとした日本企業の海外進出によって、その労務管理方法が
それぞれの国に影響を与えた。それが今、あらためて問題になっているということではないか」と話している。