08/06/03 08:19:17 5DnXnuYr0
「正社員になりたい。けど、やっぱり難しい」。 秋野幸一さん(30) =仮名= の希望と現実です。
大分市のキヤノン工場で登録派遣社員として働きます。 25歳の時、大手請負・派遣会社の日研総業に登録。
大分県外でしばらく働き、昨年、地元に帰ってきました。 いま大分市内の日研総業の寮で生活しています。
派遣会社は寮の合鍵を持っていて、仕事に出てこない若者の部屋を勝手に開けて、仕事に連れ出しにくること
もあるといいます。プライバシーもなく、現代の “たこ部屋” です。
手取りは月12万円程度。それでも、病弱な父親のため毎月5万円を実家に仕送りしています。
「このままの不安定な仕事では、結婚もできない」 と心配する父親。 その顔を思い浮かべると切なくなると
いいます。マイクロバスで工場を行ったり来たりの生活。「寮や工場に鉄格子があるわけじゃないけど、見え
ないオリに入れられてるよう」だとつぶやきます。
「正直、毎日の生活に追われ、自分のやりたいことが何かを考える余裕がない」とも。 趣味のドラムをたたく
余裕もありません。工場では今年、他の工程で働く労働者が「派遣」 から 「請負」 に切り替わったといいます。
細かい文字で印刷された請負派遣会社の勤務カレンダー(1年分)のカード変わったのは名前だけ。 働く人も
仕事内容も何も変わっていないと彼らは口々に訴えます。
キヤノンは、派遣労働と請負の切り替えを繰り返し、派遣労働なら一定期間たてば会社が直接雇用をしなければ
ならない責任を今も逃れ続けているのです