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2010年4月3日
ゲーム、競馬、虎ファンも…「はまる」を科学
パチンコやゲームなどにのめり込む現象を「依存学」として究明しようと、西村周三・京都大副学長(医療経済学)
らが4月下旬にも、「依存学推進協議会」を設立する。
「何かに“はまる”ことは、人間を成長させ、社会を豊かにする活力源」。
そんな視点で、適度に熱中することのプラス面を見直すとともに、熱中と、依存状態に陥ることの境界線を
科学的に解き明かし、依存症治療に役立てる狙いだ。
何かにはまることは、気分転換や脳の活性化に役立ち、芸術の創造や科学上の大発見にもつながってきた。
しかし、行き過ぎは生活に支障を及ぼすことも。
例えば、パチンコや競馬などは、最初の「暇つぶし」「ストレス解消」が、いずれは「現実逃避」まで至るとされる。
携帯電話やゲームも含め、こうした特定の行為におぼれる「プロセス依存」は、医学的に
研究されてきたアルコールやニコチンなどの「物質依存」と異なり、ほとんど研究されてこなかったという。
協議会は、脳科学、医学、心理学、経済学などさまざまな分野の専門家らで構成。
依存症に陥った人の脳の活動状態を調べるなどして、依存症の明確な診断基準を作り、治療法を考える。
また、適度な熱中が健康増進や他人とのコミュニケーションに与える効果も調査。
阪神タイガースファンの熱中度や、鉄道ファンの行き過ぎた行動も研究対象になり得るという。
理事長に就任予定の西村副学長は「依存に関する社会の要請は大きいのに、応えられていない」と協議会の意義を説明する。
ギャンブル依存からの回復支援に取り組むNPO法人「ワンデーポート」(横浜市)の中村努・施設長は
「アルコール依存とギャンブル依存とでは、背景も回復へのアプローチも違うのに、ひとくくりにする専門家が多い。
依存症ごとの違いを掘り下げてもらい、背景や問題点を解明してほしい」と期待している。
(2010年4月3日16時05分 読売新聞)
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