10/05/20 09:44:05
Sさんは平成元年から平成3年にかけて、名古屋と東京にある大手業者のマンション4戸を購入したとのことでした。
2戸はワンルームマンション、2戸は2Kのマンションです。これら4戸のマンションの購入価格は総額で1億円を超えていました。
Sさんは、やり手の保険会社の社員で、当時は1,000万円の年収を稼いでいたそうです。そして時代は平成不況に入り、保険会社も吸収合併が行われ、Sさんの身にも不況の波が襲いかかってきました。
約20年前、これらのマンションを購入した当時のSさんは35才前後でした。そのSさんも今では55才。
年収は約300万円も減ってしまい、加えて、住宅ローン支払いの年間持ち出しが300万円になる始末。
そして、大学生の息子さん達の授業料の支払いもきつくなり、カードローンで生活費を捻出することもしばしばです。
それでも、ローンは払い続けてきました。8月のボーナス返済も必死の思いで支払ったのですが、さすがにもうダメだとあきらめました。
4戸もマンションを持ちながら、自宅は借家です。Sさんは「もう、いいです。もう観念しました。なんとか売却をして残債務も少しずつ支払います」と、疲れ切った話しぶりでした。
任意売却センターを訪れたときのSさんは、売却の決心を裏付けるがごとく、4戸のマンションを購入した際の資料をすべて持参していました。
2Kのマンションはいずれも名古屋市内です。賃料は月額75,000円と82,000円。管理費は20,000円弱です。
固定資産税・都市計画税および賃貸管理会社への手数料などを差し引くと、この2戸のマンションからの実際の手取り収入は、年間で約120万円です。
しかし、年間の返済額はその2倍以上の約280万円になります。