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小学校からの英語教育の賛否両論 2006/10/09
文部科学省の伊吹大臣が、小学校からの英語教育に関して異議を申し立てていることが波紋を広げているようだ。
筆者は、翻訳という仕事をしている。当然のごとく、英語は堪能である。習い始めたのは、小学校4年生ぐらいから、日
本人の家庭教師からだ。その後も、ネイティブの英会話教室などで学び、学校で習う受験英語だけでなく会話力も身
につけた。高校卒業後、渡米、米国で大学留学のため5年以上過ごし、生の英語と英語教育による学士号を取得した。
その体験から言うと、私は伊吹大臣の意見には賛成でもあり反対でもある。
まず、なぜ賛成かというと、言語を話すということは、ただ情報を伝達することを意味するのではないからだ。人は話
しながら、ものを考えているのであり、話す能力を磨くと言うことは、考える能力を磨くことでもある。英語と日本語は文
の構造がかなり異なっている。特に結論を最初に話す英語に思考が慣れてしまうと、日本語は実に話しづらい言語に
なってしまう。言葉を組み立てる上では、かならず何を言うべきかなどをまとめる思考能力が必要になる。
翻訳の仕事では、それが必ず障壁となる。文全体の流れを汲まない限り、きちんとした訳文はあり得ないのだ。どっ
ちつかずのままであると、思考能力が育たず、コミュニケーションで肝心となる要点を理解することが難しくなるのだ。
ちなみに筆者自身の例で言うと、英語と同様に中学生の時から得意だった科目は国語である。国語の読解力を身に
つけたからこそ、英語力上達の助けにもなったと思っている。