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自民党が圧勝した05年総選挙からちようど3年の11日、同党総裁選の侯補者5人が東京・渋谷駅前で政策
を訴えた。小泉元首相に期待して同党を支持した人たちは今、いったい何を思うのか。最後列から群衆を
ながめ、東京都新宿区に住む板前の出谷勝樹さん(61)は「何となくいるだけだな」とみた。3年前、新
宿で見た小泉首相は、拍手と歓声の中に立っていた。「押し上げるようなムード」を感じた。
今回の5人とは比べものにならないほど、輝いでいた
それから3年、思ったように景気は良くならなかった。新宿で営んできたすし屋はバブルがはじけてから、
客足が落ちた。開業から21年の約7カ月前、とうとう店をたたんだ。今は大手の店ですしを握っている。
同僚の板前5人も同じ境遇だ。閉塞感からか、自殺者は多い。凶悪事件も頻発しているように感じる。「
小泉さんで少しは変わったのかもしれない
でも、期待したはどじやなかった。もう誰がなっても一緒じゃないか」。欠かさず行った選挙だが、次は
行くか迷っている。仕事帰りに会場を通りかかった横浜市青葉区の会社員男性(59)は3年前に思いをは
せた。「郵政民営化も支持したけど、何より
小泉改革の流れを止めないでほしかった
新しい自民党に生まれ変わることも期待したしね」60歳に近づくにつれて給料は減り、年収はピークのこ
ろの3分の1になった。ガゾリンなどの物価高が生活を直撃する。「お金ぱかりかかるから」と自家用車
も手放した。この3年間、特に
安倍、福田政権では年金への不信が強まる一方だった。
資産もさほどなく、定年後の頼りは年金だけだ。まじめに働き、保険料も納めてきた。ちゃんと報われる
と信じていたい。
「小泉改革の大きな流れの方向は間違っていない」
今でも信じている。だが、将来への不安は増す一方だ。5人の演説を間き、ため息が漏れた。結婚式場で
働く東京都練馬区の谷沢真里子さん(58)は3年前、何か変わる気がして自民に入れたら、首相だけが代
わり続けた。東京都目黒区の主婦望月さおりさん(34)は
「小泉改革の害がよく分からなかった」
という。東京都練馬区の医療機器販売会社社長田島幸悦さん(60)は3年前、「言葉が分かりやすく、何
をやりたいのかがはっきりしていたから」と、
小泉元首相のリーダーシップと改革に期待した
しかし、「改革」で診療報酬が引き下げられた結果、取引先の売り上げが落ち、収入は3年前より2割ほ
ど減った。次は自民党を支持しない。「一度民主に政権を任せてみたい。そうすれぱ自民も変わる」。演
説の途中で、田島さんは会湯を立ち去った。
(2008年9月12日 朝日新聞)
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