10/02/10 21:35:40
日本の債務懸念は行き過ぎ
債務とデフレに苦しむ日本は次のギリシャなのか? 日本の金融大臣でさえ、管轄下の巨大銀行ゆうちょ銀行の
資産運用について、日本国債からの多様化を進めるべきだと示唆し、代わりに社債や―よりによって―米国債
を買えばいいとの考え方を示した。
こうした扇情的な発言と相前後して、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は膨れ上がる債務水準と低成長
を懸念し、日本の信用格付けを引き下げる可能性があると警告した。
だが、巨大な日本国債バブル―ましてやデフォルト(債務不履行)―に関する議論は、荒唐無稽だ。確かに、
日本の財政はいたって健全とは言えない。政府は経済が回り続けるよう、支出を重ねてきた。膨らむ支出は税収減と相まって、
日本の債務総額をGDP(国内総生産)比200%近くに押し上げた。
人口の高齢化が進む中、この憂慮すべき数字は今後、一段と悪化しかねない。そう考えると、現在1.3%前後で推移している
10年物日本国債の利回りは低く見える。市場は一体、自分たちが何を知っていると思っているのか?
日本が他国と違う4つのポイント
こうした異常な数字を簡単な説明であっさり片づけることには慎重になった方がいい。だが、いくつかの基準からして、
日本は他国と異なる。第1に、債務総額の水準はミスリーディングだ。国が持つ資産を差し引いた日本の債務は、GDPの100%
に満たない。
第2に、国債の元利払いのコストは低く、GDPの1.3%程度だ。これに対して、米国はGDPの1.8%、英国は2.3%、イタリアは
5.3%に上っている。第3に、日本の財政には手を尽くす余地がある。何しろ、消費税率はたったの5%だ。第4に、日本国債の95%は
国内投資家が保有しており、気紛れな外国人投資家には影響力がほとんどない。
以下略
FT 2010年2月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 社説
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