10/01/24 03:16:18
>>155
インフレ目標を設定すると、インフレ期待が生じ、名目金利が上がる。
そのため、金融機関や日銀のバランスシートを毀損させるので好ましくない。
これが「金利上昇論」である。
経済学者アービン・フィッシャーが考案した方程式では「名目金利=実質金利+予想インフレ率」となっている。
したがって、予想インフレ率が上昇して名目金利も上昇するというわけだが、
この方程式が成立するためには完全雇用でなければならず、
現在のデフレ状況下では、フィッシャー効果はただちには実現しない。
つまり、デフレ下では現金需要が極めて旺盛な「流動性の罠」の状態なら、
現金がじゃぶじゃぶある状態であり、インフレ期待が生じても、
それらの一部が債券購入資金にまわり、債券価格の下支えとなって、
金利はなかなか上昇しないのだ。
一九三〇年代の大恐慌においても、アメリカや日本では、
名目金利の上昇は見られなかった。
「恐慌は日本の大チャンス 官僚が隠す75兆円を国民の手に 高橋洋一著」より