10/01/15 22:37:05
ファーストベストの答え、つまり私自身の古い日本の罠のもののような経済モデルが最適だと述べる答えは、
実質利子率を下げるためにより高いインフレへ信頼されるように確実にコミットすることだ。
しかしこの答えについて分かっておくべき大切な点は、期待が全てだ、という点だ。
中央銀行は、流動性の罠を抜け出した後のインフレを実現するという事を人々に納得させることができてようやく
期待利子率に影響を及ぼせるようになる。よってこの政策が効果を発揮するようになるには、
(i)政策決定者にそれが正しい答えだという事を納得させ、
(ii)十分に説得力を持たせて将来の政策決定者もそれに従うようにし、
(iii)投資家、消費者、そして企業に(i)と(ii)が本当に実現したことを納得させなければならない。
現実には、我々は(i)の近くにすら来ていない。支配的な考え方はいまだに、
2パーセントを超えた期待利子率のどんな上昇も悪いものだというものだ。本当は良い事である時にもだ。
この為、10年前に私が日本に対して行っていたのと同じ主張をなぜアメリカに対して今、行っていないのかと問う読者がいる。
その答えは、それではなにも実現できないと私は考えるからだ。少なくとも停滞が長期に渡って続くまでは。
さてではどうすればいいのか?セカンド・ベストの答えは、本当に大規模な財政積極策だ。
算出ギャップのほとんどを埋めるのに十分なだけの。これを行うべきという経済学的根拠は非常にはっきりしている。
しかし、ワシントンは財政赤字恐怖症に囚われてしまっていて、十分に大きい財政出動を得る見込みはないようだ。
それ故にこの時点で、私自身はっきりとサード・ベストである事を理解しているものに目を向けているわけだ
:雇用への助成とワーク・シェアの促進。
制約付き最適化と呼んでくれ。そしてその制約は、間違った考えの力からやってくるのだ。