09/10/24 06:03:31
クルーグマン「見当違いな金融メンタリティ」
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大恐慌から得られた教訓を1つ挙げると、「馬鹿な考えの破壊力を決して甘く見てはならん」というのがある。
で、大恐慌を引き起こす一助になった馬鹿な考えのなかには、なんと、しぶとく生き長らえているやつもある。
そいつらは変形しつつも今日の経済論争に影響を及ぼし続けてる。
どんな考えのことを言ってるのかって?
経済史家のピーター・テミンの議論によると、大恐慌の主要な原因となったのは彼の言う「金本位メンタリティ」だ。
彼が言わんとしてるのは、自国通貨の金平価を維持するのは神聖な任務だという信念と、
それにつきまとう色んな態度のことだ
―たとえば、デフレ局面でインフレをやたら恐れること、
経済がまさに金融緩和を渇望してるときにすら不健全だとかの理由で金融緩和に反対すること、
たとえ政府が雇用創出できるときでも「そんなのは人工的な回復にすぎない」といって
そうすべきでないと言い張ること―。
1930年代前半、大量失業がおきてるさなかに、こうしたメンタリティによって諸国の政府は
金利を引き上げ支出を切り詰めた。
金準備をまもろうとしての行為だ。
そして、諸国が金本位制から離脱したときにも、この支配的なメンタリティは
金利をさげて雇用を創出するのをためらわせることになった。
でも、それって過ぎたことでしょ。ちがう?
アメリカが金本位制にもどることはありそうにない。
でも、現代版の金本位メンタリティはなおも経済論に対する影響を増してきてる。
この意匠を新たにした馬鹿な考えは、完全な回復を遂げる機会を減らしてしまいかねない。