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【コラム】デフレではないと言い、お札を刷らない日銀(産経 田村秀男) [09/10/11]
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≪カネの価値アップ 国民はダウン≫
おカネの価値には2つの尺度がある。まずは物価、もうひとつは他国のカネとの交換レートである。
物価が下がり続け、円高も進む日本のおカネはどちらの面からみても強い。これがデフレである。
一見すると結構だが、これで私たち日本人の暮らしはよくなるだろうか。答えは以下の通り。
おカネ持ちはますます豊かになり、持たざる者は一層困窮する。
カネの価値が上がると国民の大多数が不幸になり、社会は閉塞(へいそく)する。
あなたの地元もそうだろう。商店街で空き店舗が目立ち、ゴーストタウンになる寸前だ。
理由は、消費が減っているからである。
値打ちの上がるカネは使わないほうがよい。だから多くのかみさんが1円でも安いモノを買うために
遠くまで出かける。おかげでお小遣いも減らされた。居酒屋さんに運ぶ足がすっかり重くなった。
対照的に、知り合いの初老カップルは所有ビルの賃貸収入のおかげで、連日のように都内のすし屋や
高級レストランめぐり。2人とも輸入ブランドものをさりげなく身に着け、月に1度は海外ツアーに参加する。
そこまで行かなくても、金融資産を多少なりとも持っている退職者の多くは、デフレに不平を言わない。
こうして有権者の多数が現状を容認するのだから、政治家は自公政権時代から一貫してデフレに鈍感であり続けた。
ところが、あらゆる消費者の行動が合成される一国の経済全体で切り直すと、デフレは災厄をもたらす。