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■ 未来への教訓 ■
新たなコミュニケーション技術の確立は、社会を中央集権化すると思われがちだが
時の権力者には、情け容赦のない障害をもたらす。(Jacques Attali)
・ヨーロッパで活版印刷技術が登場して40年もたたない1490年頃に、
既に110のヨーロッパの都市で出版物が出回っていた。
・フィレンツェのマルシリオ・フィチーノとピコ・デラ・ミランドラは、彼らの著書の中で、
これまで教会が発禁処分としていたユダヤ‐ギリシャとアラブの文化的遺産を丹念に取り上げた。
聖書の内容とキリスト教の司祭たちが語っている事との間には隔たりがあることが、
書物を通じて世間に伝播した。
・多くの人々はもう既に使われなくなったラテン語以外の言語で読書することを望んだため、
現地の言語は、もはや教会以外の場所ではあまり使われなくなったラテン語を隅へ押しのけた。
結局、印刷技術の登場により、ヴァチカンと神聖ローマ帝国によるラテン語と教会を中心として
ヨーロッパを均等化させようとする野望は、数十年のうちに敗れ去った。