09/05/06 22:23:21
しかしこの文章は簡潔にして精確で、やっぱり本職はすごいなと思う。読んだ時に
それまで腹の中のうまく表現できないモヤモヤをすごいクリアにしてくれたエントリ。
こういう文章を見ると頭がいいっていいな~、って思う。
以下抜粋
(拙訳)効率的市場仮説は、時間の果てに友好的な競売人がいることを仮定している。
その神のような存在が、長期的な価格予想や(完全市場モデルにおける)最終的な
株式資産もしくは金融資産の割引現在価値に困ったことが起きないことを保証して
くれるわけだ。
ということは、これまでも言われてきたことだが、EMHを取り込んだ経済のモデルは
―新しい古典派やニューケインジアンのマクロ経済学の核心たる完全市場モデルも
それに含まれるわけだが―非集権的な市場経済モデルなどではなく、中央計画経済の
モデルだ、ということになる。
時間の果てにいる友好的な競売人は、然るべき末端の境界条件を課すことによって、
たとえば合理的な投機バブルの発生を不可能にすることを保証してくれるわけだが、
それは全知全能の慈悲深い中央の計画者にほかならない。現在マクロ経済学が機能して
いないのも無理はない。EMHは、間違いなく金融危機による実証の最も有名な犠牲者だ。
それは同時に、ルーカスやウッドフォードやその他が構築した完全市場マクロ経済学が、
理論の最も有名な犠牲者であることを意味している。