10/01/30 12:10:43
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昨日、都内某所で、勉強会があり出席した。講師は、白川氏
(日本銀行総裁)。彼の話を直接聞くめったにない貴重な機会
に恵まれた。
はたしてこれから日本はどうなるのか。リーマンショック後の
日本の今後の展望についていろいろ示唆に富む話を伺えてよかった。
白川氏は、決して「魔法の杖」がある訳ではないと言いながらも、
デフレから脱却し持続的成長を実現する上で重要と考えられる2
つの基本的な方向性があるとおっしゃっておられた。1つは、高い成
長が見込める新興国・途上国の需要を積極的に取り込んでいくことの
重要性、もう1つは、供給体制を作り上げ、生産性の上昇を図っていくことである。
そして、いま我が国を覆っている「気分としての悲観主義」とも言うべき傾向がみられることに懸念をしめされた。
思うに、今年の後半から一時的には持ち直したかに見える輸出の失速
等懸念材料も多く、マイナス成長に落ち込む二番底の公算が大きい
。確かに、景気の失速の懸念に加え、設備投資、雇用、デフレ圧力の
3つの調整圧力にさらされており、成長市場であるアジア需要をどう
とりくむか、国内でも、環境等の未来志向的な投資や地方活性化によ
る内需拡大を民主党政権がどのようにかじ取りできるか。日本は、こ
れから、大事な正念場を迎える。
会食形式の勉強会であったので、たまたま同じテーブルに着席された
白川さんからいろいろ貴重なお話も伺えた。定例記者会見等を除けば、
こうした講演はありそうでそう数は多くないらしい。ましては至近距
離で会食しながらお話を伺え貴重な経験となった。彼は、今度、6月に
カナダでG20があり、極寒の会場なので先日防寒用具一式を買ったが
結構高くついたとおっしゃっておられた。知性に加え体力も求められる激務である。
債務が急拡大して最終的にインフレを引き起こす事態を回避するため、政府による
大規模な刺激策の出口戦略に取り組むことも議論されてゆく中で、
今後世界が、そして日本の経済がどうなってゆくのか、重いかじ取り
が続く