08/12/28 14:07:14
最新経済学の常識
【一般物価水準の指標はGDPデフレーターではなく総需要デフレーター】
一般物価水準の指標として、一般に消費者物価とGDPデフレーターが引用される。
消費者物価については、上述のように、既に上昇し始めた。
しかし、GDPデフレーターはまだ下落しており、これが「デフレ」を脱却していない証拠として引用されることが多い。
しかし、GDPデフレーターは、一般物価水準の指標としては、欠陥がる。GDPというのは、「国内需要+輸出」(総需要)から輸入を差し引いた「国内需要+純輸出(輸出-輸入)」である。
国内で生産あるいは支出される付加価値の合計、つまりGDPあるいはGDEとしてはそれで正しい。
しかし、日本経済の一般物価の指標としては、GDPデフレーターではなく、「総需要デフレーター」がより適切である。
輸入デフレーターを差し引く前の総需要デフレーターこそが、日本の企業に対するトータルの需要のデフレーターであり、日本の経済主体のトータルの支出のデフレーターであるからだ。
【総需要デフレーターは05年度以降上昇している】
この区別は、資源・エネルギー価格の上昇で輸入デフレーターが大きく上昇している最近の物価動向を判断する際は、特に大切である。
何故なら、一般物価の指標である総需要デフレーターが上昇していても、輸入デフレーターを差し引いたGDPデフレーターは下落してしまうからだ。
まさにそのことが、05年度以降に起きている。