08/08/26 13:51:20
地価の下落は資産の下落を意味します。
通常、企業が銀行から金を借りるとき、土地を担保に出し、
その価格の7割前後の融資を受けるものです。その担保となる
土地の値段が政策により意図的に下げられたんです。
結果、全国の商業用地は二掛け、つまり坪100万円の土地が
20万円に下がったんです。その結果これまで70万円銀行から
借りていた人は20万円の70%、つまり14万円しか
借りられないことになり56万円は担保不足が生じました。
意味がお解りでしょうか。銀行から金を借りるための担保にしている
土地の担保不足が生じたんです。
よくいわれた不良資産、貸しシブリ、貸しはがし、etc。
全ての元凶はこの土地価格の暴落に端を発したと私は思っています。
そこに竹中平蔵という経済現場の解っていない人の、
銀行の不良資産一掃策が追い打ちをかけました。
結果、多くの銀行は預かっている担保の土地を安くても売却し、
企業は資金繰りがつかなくなり、やはり安い値段でも資産を売却して債務返済に努めました。
ゴルフ場をはじめ安い土地を買ったのはハゲタカファンドと揶揄される
外資系金融であったことは、ご存じのとおりです。しかしこの15年余り、
多くの企業は借金返済に専念し、利益は銀行返済に廻し続け、ついに担保不足による
債務超過から脱却したのが一昨年末くらいでしょうか。
利益を銀行返済に廻さなくてよくなり、 新たな設備投資に廻せるようになったんです。
誠に喜ぶべきことですが、これは各企業の努力によるもので、政策が関与した結果は、
税の繰り延べ等極めて限られております。
つまり金利が限りなくゼロに近い数字でも、企業は金を借りようとせず、
借金返済を優先せざるをえなかったのが、この15年間なんです。
こんな前提で経済学を学んだ人も本を書いた人もいません。
敗戦後初めて異常な形でのデフレ不況が起きているという前提に立って、
不況対策をやっていないんですから、対策が功を奏さなかったのは当然です。
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