09/09/20 23:17:03
飯田(I:時代劇で見るような江戸の町並みはすべて1820年代を再現したものです。
また、僕たちが江戸っぽいな、と思うもの、寿司、うなぎ、天ぷら、歌舞伎、浮世絵、こういったものも1820年代のものです。
勝間(K:もう明治の直前なんですね。
I:そうなんです。
なので時代劇で徳川吉宗や水戸黄門が1820年代の江戸の町並みを歩いているというのは
実に困った話なんですが、撮影されている太秦の町並みが1820年代ですからそうなっちゃうんですね。
K:私たちが2300年代にいるような感じですね。
I:ではなぜ1820年代がこんなに影響力を持つほど素晴らしい時代だったのかというと、
これが金融政策の話になります。
徳川家斉という浪費家の将軍がいまして、彼が老中に「どうしても贅沢がしたいんだ」と、
そんなことを言うわけです。
で、老中はお金をなんとか集めなきゃいけなくなるんですが、そこで貨幣の改鋳を行います。
一枚の貨幣に含まれる金や銀の量を減らすことで、貨幣をより多く作ったわけです。
例えるなら、一円分の銀しか入っていないのに、これは十円です、
って言い張るわけですから、九円儲かるわけです。
K:今のお金の作り方と同じですよね。
I:そうなんです。これを乱発したんです。
そうするとどうなるかというと、インフレになります。
その結果、江戸の街は好景気になりました。
そして、うなぎを食べたり、初鰹に一両なんて値がついたり、みんなで歌舞伎を見に行ったり、
お伊勢参りに行ったりするようになったんですね。
K:バブルですね。
I:そう、文政バブル絶頂期というのが、今の日本人の江戸のイメージを作り上げているんです。