08/01/21 14:53:04
日本の状況と課題
日本は現在200万人の外国籍登録者がいて、人口比は全体の1.6%に当たります。まだ他の先進諸国と
比べてそれほど高くありませんが、1990年の時点からみるとほぼ倍増しています。そのうちの約80万人
が日系ブラジル人などのニューカマーで、研修生、技能実習生などで占められています。豊田市、浜松市など
特定な都市に集住する状況が出ています。単純労働者を受け入れないという政策と実態が乖離していて、これが
今どんどん拡大しているので、どこかで政策と実際にあわせる修正が必要となってきている、その岐路に立たさ
れている状況にあります。入国後の定住支援に関する社会統合政策、言葉の支援、就労支援、社会保障などの
課題が山積しています。但し、インドシナ難民の受け入れ、中国からの帰国者たちへは例外的な定住支援が行わ
れています。それをもっと広く適応することが必要になってきています。
このような状況の中で中央政府レベルでの政策が遅れています。理由としては、省庁間の壁が高いことがあげられます。
法務省は法務省の、厚生労働省は厚生労働省のそれぞれ独自の守備範囲があって、なかなか全員で一緒に何かを
やるということができにくい構造があります。移民政策というのは少なくとも、労働、出入国管理の問題、教育、
社会保障など、非常に幅広い分野にまたがっているので、省庁横断的な対応をしなければ、効果的な対応はできない
わけですが、省庁間の壁が高いために非常に困難です。政府の方もそれがわかっていて、政治家が声を上げて、新しい
政策を打ち出してくれれば、それにあわせて官僚はいろいろとすることができると考えていますが、移民政策の見返り
が少ないので、国会で何か新しいことをやろうと考える人はほんの一握りしかいない、というにっちもさっちも行かない
状況です。官僚は省庁間に縛られ、政治家はほとんど関心がないので、今すぐに日本に移民政策が生まれる可能性は少ない
と言えます。