09/12/07 10:16:30 rp8s5zYd
むかし、キョロ助という猫がいた。18歳でオス。
キョロ助は生まれて間もなく近くのゴミ捨て場に「誰かもらってください」という張り紙を貼った
小さなダンボール箱に入れられて捨てられていた。
それを見た当時中学生だったうちの姉が親に内緒で引き取って人の家でこっそり飼って育てていた。
後々それが親にわかり、1ヵ月後に飼えるようになったが。
それから18年、キョロ助はある日突然姿を消した。
心配になって俺と姉で夜遅くまで探したが、見つからなかった。
翌朝、近所のおばちゃんが「キョロちゃん昨日のお昼ごろ何かくわえてヨロヨロ歩いてたよ」
いつもと様子がおかしかったので心配だったが、お客さんが来てたのであんまり見てなかったらしい。
それを聞いたうちの姉が、あっ!と声を上げえて慌てて走り出した。
行った先はキョロ助が最初に1ヶ月隠れて飼っていたその近所の人の家の物置小屋だった。
恐る恐る入っていってのぞいてみると、案の定、奥でキョロ助が死んでいた。
ふと見ると、キョロ助は見覚えのあるものを枕に穏やかな表情で寝てるようだった。
その見覚えのあるものとは、姉がキョロ助の誕生日に作ってあげた毛糸の帽子だった。
近所のおばちゃんが何かくわえてるというのがそれだった。