04/06/04 23:33 5A1ZBD7t
少しだけ俺の話を聞いてくれ
ウチにはもう10年飼っていた猫がいたんだ。
ウチの前は昔大きな広場で、その猫はその広場の片隅にある車の中で寝ていた子猫だった。
俺と姉ちゃんでその猫を家の庭まで連れ帰ってきちゃって餌とかやってたんだよね。
でも父親は物凄い猫(というか動物全般)が嫌いだったから、庭で餌をやってる俺らをいつも怒鳴りつけてた。
ある日母親が家の中で飼うことを許してくれた。なんで許してくれたんだろうなんてことは喜びに酔いしれてた俺らは気にもしなかったけど、母親も動物好きだったから隠れて餌をやってた、ということを後で聞いた。
俺と姉ちゃんで猫にミルと名前をつけた。
シャム猫と何かの雑種なんだとおもう。白にうすーい灰色の柄が入っていた。
猫に名前なんて父親には関係ないことで彼はやっぱり名前なんて呼ばなかった、というか家の中に存在するのが嫌だったんだから当然だったな。
近づいてきたら追い払う動作をしたり、自分から避けてた。
ある休日の朝、父の寝室から、彼の寝起きの低い声が聞こえてきた。
「こいつ、いつのまに寝てたんだ~・・・・・」
俺と姉ちゃんは父の声を聞いて部屋にいった。すると、ミルは父のお腹の上で寝てたんだ。俺と姉ちゃんは大爆笑。
「お父さん動けないじゃん!ミルの復讐だろ(笑」
父は予想に反して追い払わずこういった
「いったいいつまでねるんか・・・あついったいね・・」
父の顔は相変わらず仏頂面で全然笑ってはいなかったけど、今にも笑みがこぼれそうなのを我慢してそうな顔だった。