09/01/20 19:21:15 tzLnCGsm
★〈新・学歴社会〉就職漂流 博士の末は
■現状は―4大学で非常勤 年収140万円
塾の講師、図書館の棚卸し、学校の警備員―。いったい、いくつの職業を経験しただろうか。10年余り、
年収100万~150万円で暮らした。大学の教員には、100回以上応募。しかし、なしのつぶてだった。
新田伸也さん(46)が東北大学で理学の博士号を取得したのは96年。それから、長いフリーター生活が続いた。
08年春、ようやく、国立の筑波技術大学(茨城県つくば市)の准教授になった。「自分よりはるかに優秀な先輩たち
が次々と脱落していくのも見てきた」と振り返る。現在の年収は約750万円。「自分は幸運だった」と実感している。
東京都の男性(41)は02年に一橋大学で法学博士号を取得した。大学教員の公募に30回以上応募したが採用
されず、四つの大学で憲法や法学などの非常勤講師をしている。昨年の年収は140万円ほどだったが、「最近では一番高い方」という。
とはいえ、昨年11月に一つの大学から、「今年度限り」という通知が送られてくるなど、不安定な立場であることは
変わりない。さらに大学院時代に借りた奨学金約300万円の返済も残っている。「両親と同居していなかったら
生活できない」。親には「研究者の道を断念したら」とも言われるが、「年齢的に企業への就職は難しいし、大学教員
に採用される可能性も少ない。今となっては退くことも進むこともできない」。
博士号は原則、大学卒業後に大学院で計5年間、勉強と研究を続けてようやく取得できる。しかし、学歴社会の
「頂点」であるはずの博士のその後は、必ずしも明るくない。就職率は約6割にすぎず、理系に多いポスドク
(ポストドクター=任期付きの博士研究員)や文系に多い専業の非常勤講師という不安定な立場にある人が、
それぞれ約1万5千人(文部科学省調べ)、約2万6千人(首都圏大学非常勤講師組合調べ)にのぼる。
さらに、それらにすら就けずにフリーター化している博士は数倍いるともいわれる。「高学歴ワーキングプア」
は、もはや珍しくない。(一部略)
URLリンク(www.asahi.com)