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高速バス廃止相次ぐ 「上限千円」が影響
2010年01月16日
高速道路の「上限千円」のあおりで、県内と本州を結ぶ高速バスの路線がなくなる影響が出ている。本四海峡バス（神戸市）は
鳴門市と大阪・神戸を結ぶ路線を２１日までで廃止することを決め、徳島バスも関西方面への複数路線の廃止に向け本格的な
協議に入った。各社とも「高速道路の値下げが続けば、さらなる路線の削減を考えなければ」と危機感を募らせている。
（柳沢敦子、大隈悠）
本四海峡バスが西日本ＪＲバス（大阪市）と共同運行する「鳴門・淡路エクスプレス号」は現在、鳴門市内や淡路島から大阪・神戸までを
１日１０往復している。１便平均の乗客は１７人足らずで、淡路島からの短距離の利用者が多い赤字路線だ。
両社は昨年１２月、この路線を今月２１日までで廃止すると決め、国に届けた。本四海峡バスによると、「上限千円」が始まって以降、
黒字だった徳島市と大阪・神戸を結ぶ路線の売り上げが２割減に。同社だけで年間６６００万円（０８年度）の鳴門発着便の赤字を
埋められなくなった。担当者は「このままでは徳島市からの便も赤字になりかねない」と不安を隠さない。
徳島バスは昨年１２月から、関西方面への路線の廃止や減便について、共同運行している会社と協議に入った。
平野正治営業部長は「元々利用客が少ない路線に『上限千円』が追い打ちをかけた。鳩山政権は高速道路の値引きを続ける
方針なので、不採算路線をいつまでも抱えていられない」。早ければ３月中に結論を出したい考えだ。
影響は、関西便だけにとどまらない。中国ＪＲバス（広島市）は昨年１１月、１日１往復していた徳島と岡山を結ぶ路線の廃止に踏み切った。
廃止直前の乗客は１台あたり１０人ほどで、前年より２人減っていた。担当者は「停留所を増やし、ＰＲにも努めたが、回復は見込めないと
判断した」と話す。
高速道路の値引きを巡っては、前原誠司・国土交通相が６月からの実施内容を「１月中にも決める」と表明している。
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