10/04/16 15:13:25 pJ/+ZLIM0
政権交代で、消えゆくＥＴＣ
編集委員 安部順一
「せっかくＥＴＣ（ノンストップ自動料金収受システム）を付けたのに」
テレビのワイドショーで、インタビューされたドライバーが嘆いていました。
嘆きのタネは、国土交通省が発表した高速道路の新たな料金上限制度です。２００９年３月に導入されたばかりの「土日・祝日上限１０００円」など
現行の割引制度が廃止され、２０１０年６月から首都高速や阪神高速などを除いて普通車は２０００円、軽自動車は１０００円、
トラックなど中・大型車は５０００円を上限とする制度に変わります。大ざっぱに言うと、普通車は「休日は値上げ・平日は値下げ」となるわけで、
休日ドライバーにはショックな話です。もう一つ、それを追い打ちするのが、安くはない金額で付けたＥＴＣの価値が大幅に減殺されてしまうことです。
前原国交相の「複雑な割引を簡素化し、時間帯・曜日の区別をなしにする。原則として現金とＥＴＣの区別もなくす」という趣旨は、理解できなくも
ありません。ＥＴＣも新制度で完全に価値がなくなるわけではなく、料金を入り口で支払う首都高速と阪神高速では、ＥＴＣのない車は入り口で
普通車９００円（現行一律７００円、東京線、阪神東線）を払うのに対し、ＥＴＣ搭載車は普通車５００～９００円の距離別料金制度に移行するため、
メリットは一部で残ります。
そもそも民主党は昨夏の衆院選マニフェストで「高速道路無料化」を掲げていたわけで、「無料化されれば、ＥＴＣの価値がなくなるのは当たり前」
という見方もあるでしょう。
新制度は現行より実質的に値上げとなるのでマニフェストに逆行するとの批判はあっても、ＥＴＣがさほど優遇されなくなることに対する批判が
少ないのには、そうした背景があります。